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渡部委員 京阪神土地会社事件に関してさだめて深い御反省の色があるかと存じましたら、どれの事件かわからないというのには、私は失望をいたしました。私ははっきり申しまして、今回の京阪神土地事件に関しましては、まず大きな
国民の反感というものがあることを申し上げなければならぬと思います。それは、私
たちの同僚議員である正示代議士がこのたび警察当局の調べるところとなり、そしてあっせん収賄の問題について数々の取り調べを受けられたようでございますが、このたび不起訴ということになりまして、そうして事件は一たん落着をしたかの段階に見えるのであります。私
たちがまずこれを
考えますとき、非常におかしいことがあるのではないか。あっせん収賄、この罪名というのは最近も新たでありまして、私
たちの記憶によれば、社会党の大倉議員もまたこれによって起訴をせられた事実がございます。ところが、このあっせん収賄罪という問題につきましては、非常に起訴が困難であるということで、今回の正示代議士の場合には不起訴ということになりましたけれども、社会党の大倉議員の場合には、たった一名の、それこそ福島社長の証言によって、大倉議員につきましてはこれは起訴をせられたわけであります。私は大倉さんをかばって申すわけでもありませんけれども、大倉議員が起訴をせられる、ところが正示代議士は不起訴になる。こちらは野党であり、あちらは与党である。野党なら起訴をせられ、与党なら不起訴で済むのかというようなうわさが、
意見が、この世の中には蔓延しております。こういうようなことは、私は決して賢明な政治のあり方ではなかったと存ずるのであります。
また私は、この問題を通しまして、今回不起訴、起訴の問題については、
国民がひどく注目しているまっただ中において、七カ月にわたるところの検察当局の十分なる時間をかけての努力にもかかわらず、これが不起訴になってしまった、そしてその理由というものは一向に判然としないという段階になっております。私はこれはどう
考えても納得ができかねるのであります。したがいまして、先ほど具体的にと
総理はおっしゃってくださいましたので、やむを得ず具体的に私のほうの捜査資料を掲げまして、私が
一つずつお伺いするしかない、こう思うのであります。私がこの
調査をするにあたりまして、私はいやなことでありますけれども、事件の中心者である山田とも会ってみました。また、いろんな方面の方の
意見も聞いてみました。また、いろんな担当者から資料の提示も求めました。そして、私はほぼかたいと思われることのみに限ってお伺いをしたい、こう思うのであります。その立場から、私は、警察庁の内海刑事
局長にこの問題について
一つずつお伺いをしてまいりたいと思うのであります。
それは、たくさんの疑惑があるのでありますが、その第一に、まず、四十二年の十月十二日午前九時三十分ごろ、以下敬称を略して申し上げますが、山田は、山田事務所において、沢本貫という人と三野信男、これもまた鈴木学術財団の人でありますが、これに
状況を打ち明けた。非常に金融がまずくなってきたということを打ち明けた。そして政界筋に対して運動するのに適当な人はだれかということを相談したら、沢本から正示啓次郎代議士が最適だと聞いて、沢本に正示啓次郎の紹介方を依頼し、銀行局の役人の買収費を約百万円ときめたとあります。
また二番目に、四十二年十月二十一日、三野信男が連絡に来て、十月二十一日午前十時三十分、第二議員会館において正示代議士と面接をされたいと連絡に来た。十月の二十一日、三野信男、末藤敏明——これは三井銀行の兵庫支店長でありますが、これがともに上京、これと山田正光とが上京してきた。そして羽田空港から沢本の案内で第二議員会館に行き、沢本の紹介により正示と名刺交換をし、導入預金のことを銀行局が知り、取引銀行に融資引き締めを指示したことについて事情を説明した。そうしたら、その話を聞いて、正示代議士がこれを引き受けた。そして三井銀行湊川支店の小切手額面百五十万円を資金として渡した。正示代議士は、その際、これは顧問料という名目にしてもらいたい。——顧問料ではないのですが、名目にしてもらいたい。年間百万円のうち、その半分ということにしてもらいたい。また正示代議士は、銀行局の後藤達太管理課長や谷川検査部長はよく知っており、こんな問題は簡単に片づけられると言った。これには秘書の津村という人が同席しておった。山田と正示代議士との間の
交渉を示す最初の記録であります。これにつきましては、私はそこにいた山田にも確かめましたし、ある部分については別の方面からも確かめました。私が申し上げるりでありますが、まず、これについて内海刑事
局長から御返事を賜りたいと思います。