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岡田(利)
委員 いま大臣が言われましたけれ
ども、そういう期待をしなければ
政策は出せぬわけですから、そういう期待をしたいという気持ちについては、十分
理解はできるわけです。しかし期待と事実、どうなっていくかという点については、また別でありまして、私
どもは私
どもなりで分析して、では
炭鉱というものはどうなっていくのか、この
政策のもとではどうなっていくのかということを分析しますと、残念ながらこの
政策では一、二年しかもたないだろう、大体
昭和四十四年、四十五年、この時点で
政策はくずれるであろう、こう見ているわけです。しかも、その理由は、結局第三次
答申と同じように、もう私
企業のみに拘泥していて、ダイナミックな展望がない。この展望がせめてあれば、まだ話は違うと思うのですけれ
ども、そういう展望がないわけです。そういうダイナミックな、伸びていくような、ずっと展開されていくような素地というものは、この
文章を読んでみてもどこにも感じられないわけです。ここに致命的な欠陥があるわけです。少なくとも大臣が言われるように、できるだけ出炭を
確保する、しかし、たとえば四千万トン
確保するといっても、この
政策のもとでは、とてもじゃないけれ
ども、
確保できるものではないし、四十八年三千五百万トンというけれ
ども、四十八年三千五百万トンの
体制すらもこれでは維持できないであろう、こう実は見ているわけです。それは、もうそれぞれ理由があるわけです。たとえば
原料炭の山だからこれは
確保したい、こう思っても、
企業には
炭鉱ごとにずいぶんアンバランスがあるわけです。それを
企業サイドだけで
考えると、あるAという山はどうしても救われない。
企業としては本能的に
閉山をするかあるいは
分離しておいて
閉山の
方向にいくか、こういう緊急
措置を、自衛的
措置をとらざるを得ないように追い込まれていく。これはわが国の最大の
原料炭のそれぞれの
企業の
単位炭鉱を分析すれば当然そういう点が出てくるわけです。あるいはまた、ある
一つの
鉱区の展望があるからこれを切り離すといっても、切り離しただけでは成り立たないわけです。これにはある一定の条件に達するまでの積極的な
助成がなければならぬ。そういう
原料炭なら
原料炭であるからといって
助成がなければ、そこまでの
政策を
ほんとうにぴちっとしなければ、これも絵にかいたぼたもちで、やってみたけれ
どもすぐ消えてしまうという結果になることも明らかなわけです。あるいはまた、国民の
立場からいえば、ある
企業というものは九州の一番南端に
炭鉱がある、
北海道の空知炭田のまん中に
炭鉱がある、そうして東京に本社があって、福岡に事務所があって、札幌に事務所があって、端と端の
炭鉱を管理している、そういう大きな
企業もあるわけです。こういうものをできるだけ簡素化してメリットを出さないで、ただ
助成は国費は限度だから、そういう
前提を変えなければ、同じ四千億なら四千億投資をする効果というものは半減するわけです。メリットのあるものは出せる、このくらいの気持ちがなきゃいかぬのじゃないか。また、
国民経済の
立場からいえば、単に
企業に振り回されるのではなくして、やはりかくあるべきだというものを出して、こういう
方向で協力するものについてはこれこれこれこれの
政策の恩恵が与えられる、協力しないでかってにやっていくというものに対しては何も政府がめんどうを見る必要はないわけですよ。しかも、四十八年以降といえ
ども、野放しでは
石炭企業は自立はできないことは明らかなわけですから、ここの点が、もう少しネジの締め、そのポイントに欠けるところに、非常に評判の悪い小
委員会の案になっているのだと思うのですね。
そこで、大臣にお聞きしたいのですけれ
ども、二十三日に総合部会でも相当
議論が出て、私
どもの聞いておるところでは、
経営者みずから、これだけではやっていけません、さらにひとつ頼まなきゃならぬという
発言もされていますし、
中小炭鉱では、先ほど若干事務的な
質問をしたような根拠に基づいて、これについては反対だ、のめない、こう
中小炭鉱の
経営者自身が言っているわけです。また、公益
委員の代表等も、きわめてきびしい
意見を出されている。本来であれば炭労くらいがやかましいことを言うけれ
ども、あとは大体納得するだろうと思ったけれ
ども、なかなかそういかなかった。こういう
審議の経過を見てもすでに明らかですし、新聞論調を見ても私は明らかだと思うのです。しかし、今日小
委員会の中枢メンバーが一応
取りまとめた案を、二十三日の総合部会を開いて、いずれ総会を開いて大臣のところに
答申をするのだと思うのです。しかし、日程的に
考えますと、今年の最終閣議が二十七日とすれば、あと来年の閣議がおそらく六日に開かれるのだと思うのです。
答申を得てそのままストレートで閣議決定する
考え方があるのか。大臣としては相当な時間をおいて、正式
答申を受けてそれぞれの
意見も聞き、そういう上に立って大臣として決断されて閣議決定をする方針なのか。いずれにしても、いま私が申し上げましたようにいろいろな
意見があるわけです。ただ、残念ながら、正式な
答申が出ていないものですから、どうもまだ最終
答申ではないというところで
議論が詰められない
状況にわれわれが立たされているものですから……。この点大臣としては、いままでの
審議経過を見てどう
考えられていますか。