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岡本(隆)
委員 いまの
都市計画法を実施していくのに、その
調整区域への
建築はやらせない、それからまた、
市街化区域においても秩序のある町づくりをやっていく、こういうことのためには、いままで確認
制度であった
建築を、許可
制度にする必要があるのではないか。許可を受けなければその
建築にかかれない、また、その
建築にかかる場合には、必ずこれは許可を受けておるということが明確になるような標識を現場につくる必要があるのではないか、そしてその標識なしに無許可で業者が
建築をやったり何かしたら、それはもう登録の取り消しをするぐらいの強い処分をしなければ、いまのようなルーズな
基準法というものはきちっとしたものにならない。だから、とにかくそういうふうな違反
建築というものは全然やれないというような
制度を確立しなければだめじゃないかということが、
基準法
改正についての大きな意見だったわけですね。ところが、いままで御
説明を聞いております範囲では、どうもそこまでのものにはならずに、結局そういうふうなわれわれの
考え方がずっとしりすぼみになってしまって、中途はんぱなものになって、
改正とは名のみに終わるのではないか、やはり依然としてざる法的な性格をそのまま残すのではないかということをわれわれは心配しておるわけなんです。だから、そういう意味では、そういうことのないようなものとして提案していただかぬと困ると私は思うのですね。
それからまた、前から申しておりましたが、せっかく
基準法どおりの家は建てました。ところが、いつの間にやらそれを改造して妙なものになってしまっている。だから火災に対しても、初めは安全なものとしてアパートがつくられておったが、いつの間にやらその形が変わっていって、非常に危険なものに変わっているというようなこともあり得るわけでございますから、やはり絶えずパトロールをやらなければだめなんだ。しかし、そんな能力は、いま自治体の中でもそれぞれセクションに分かれておりますから、その
建築の確認をやったり許可をやったりするのは、そういうような技術者の集団でありますから、そしてまた数も限られ、その技術者には限界がありますから、勢いパトロールまで手が回らぬということで、ほっぽらかしというのが、いまのパトロールができないで違反
建築が乱立していく原因なんですね。だから、そういうパトロールは消防にまかせなさい。消防は防火とか防火の
指導とかなんとかでぐるぐる回っておるのですから、回っているときそんなものがめっかったら、
建築側と連絡をとって、通報があればすぐそこの現場を見に行く、こういうふうな連係をとればうまくいくのではないかということは、
委員会で多くの人から意見も出て、とにかく横の連係というものをもっと密にして、良好な町づくり、同時にまた、良好な
建築の秩序の保持ということをやるべきじゃないかということが言われておるのにかかわらず、相も変わらず新
法案の中にはそういうふうな配慮が欠けそうなことを私はおそれておるわけであります。だから、そういう点、せっかくいまいろいろ案を練っていただいておるのでありますから、従来
委員会においてしばしば取り上げられた重要な
問題点については、十分それを盛り込むようにして今度
法律案として出していただかないと、やはり
大臣も御承知のように、前
国会で出そうとして出せなかった、処理すべきであってできなかった大
法案がメジロ押しに並んでおるというふうな状態の中で、
基準法のようなあまり思想的な対立も何もないというふうな、ただ十分な配慮さえしていただけるなればスムーズに通る
法律案が、きわめて案が不備であるがために難航するというようなことでは、ロスが非常に大きいと思うのです。私
どもはことさら事をかまえて
政府の
方針にたてつこうというのではない。どうしたらいい住環境が生まれるのか、どうしたらもっとたくさん
住宅が建つのか、これはもう
政府も私
ども野党も同じ気持ちでおるのですね。だから、その同じ気持ちでおるものが、不要な議論で時間を浪費する必要がないようなふうに、
政府もひとつ
努力をしておいていただきたい。その点、特に
大臣にわれわれのそういう気持ちを十分配慮して
法律案をつくっていただくように私はお願いをしておきたいと思うのです。
もう一つお願いは、
都市再
開発法でございます。これで質問は終わりますが、この
都市再
開発法につきましては、これはこの前の
国会で廃案になりましたね。廃案になったのは、
都市再開発の三法として、いわゆる市街地改造法と、それから防災街区造成法と、
住宅地区改良法と、従来三法あったものを、これを一つにまとめるべきであるのが、それが
住宅地区改良法の思想だけはオミットされて、それで市街地改造法と防災街区造成法だけが一つのものになって
都市再
開発法として出てまいったために、そういうものじゃだめだ、こういうことになったわけですね。だから、先
国会に出されました市街地改造法の思想に従えば、これはもう民間の開発組合だけでどんどん
作業が進められて、公的な再開発は進められない。したがって、業務用のスペースの再開発ばかりが進んで、
住宅用の面開発は進まない。だから、いまの
都市の
人口のドーナツ化ですね。
都市には夜間
人口がなくなって昼間
人口ばかりになって、そうして夜間
人口はずっとドーナツ現象を起こして郊外に移動しておる。このドーナツ化をより
促進するより役立たない。だから、むしろわれわれがねらいとしておるのは、そのドーナツ化しておるところの市街地から、中心地から離れて郊外に出ていった
人口を市街地に呼び戻すことですね。そうして、
職住近接をやらせる。
職住近接をやり、そのことによって
道路とか交通機関の新たな渋滞が避けられるわけですね。みんな職場へ歩いて通えるような
都市にしなければだめだ、こういうことをわれわれは
考えておるわけですね。ところが、それに逆行するような再
開発法になっておる。都心の居住者をいわゆる業務用の面開発によってどんどん外へ追い出すような再
開発法ではだめだ、こういうことで、そういうことに対するわれわれの
反対が、結局先
国会におけるところの再
開発法の廃案の原因であったわけですね。だから今度はそうでないようにしてもらいたい。これは前の
建設大臣の保利さんにもお願いしておって、いや、それは十分配慮してやります、こういうことでございましたが、一体、現段階で
建設省としてはどういうふうなおつもりでおられるのか、われわれが先
国会以来主張しておりますことを十分取り入れたものとして出していただけるのか、あるいはそうはまいりませんということなのか、その辺ひとつ
大臣のお
考えを承りたいと思います。