○辻
政府委員 最初の「当分の間」という点につきまして二十年来何を検討しておったかというお尋ねでございますが、この問題は御案内のとおり、わが
法務省におきましては、法務
行政を扱う者は昔から判検事が本省に参りまして法務
行政をやっておったわけでございます。戦前におきましても、いわゆる高等試験の
行政科を合格した者が
法務省の本省につとめるという
意味で、すぐに
行政科合格者を
行政科合格者として本省に採用するということはされていなかったわけでございまして、判事、検事が
法務省に参っておったという伝統がございます。これが終戦後の
制度改革によりまして、判事、検事をそのままの身分で本省のほうに持ってきます場合には、判検事の俸給と一般職の
行政官との俸給の格差が相当ございます
関係もありまして、判検事の資格のままで
法務省の
行政事務を扱わすという必要から、いわゆる充て検
制度ができたわけでございます。その後今日まで約二十年を経過したわけでございます。
ところで、新しい
制度のもとにおきます一般の
行政職の上級職試験、これを受かりました者、これが本来ならばだんだんと育ってまいりまして、
法務省の本省その他の地位についてくるわけでございます。また私どものほうも現にそういう人がだんだんと育ってまいっております。そういう人につきましては、現在まだ本省の
課長までには至っておりませんけれども、やや下のランクまでは適当な地位についてきておるわけでございます。かように、適当な地位につきましては、
行政職の方がだんだんとこの地位につくわけでございますので、漸次そういう面ではいわゆる充て検
制度は縮小されていくという大きな方向ではございます。しかしながら、なお検察に関する事項であるとか、民事、刑事の基本法に関する事項であるとか、司法
制度に関する事項であるとか、
国家賠償の
関係の事項であるとか、こういうわがほうの本省の所掌事務に関しましては、どういたしましても判事、検事の経験を得た者がこの地位に当たらないと、法務
行政がうまくいかないという本質的な宿命がございます。かようなわけでございますので、そういう特殊な
行政の面におきましては、判検事をやはり充てなければならないという必要性が残っておるわけでございます。
そういたしますと、これを解消しろということになりますと、どうしても判検事法と一般職の職員の給与の
関係が問題になるわけでございまして、かような点に非常に難点がございます
関係から、依然としてこの
制度を続けさしていただいておるということでございます。減すべき部分については将来漸次減ってくるものと
考えております。
それから第二点の捜査の問題でございますが、私、お答えするのが必ずしも適当でない地位におりますが、所管
局長がおりませんので、かわって一般論として申し上げるわけでございますが、御
承知のとおり刑事訴訟法におきまして捜査に関するいろいろな規定がございます。取り調べは丁重にするとか、
関係者の名誉を守るとかいうような訓示規定はもちろんございますし、そのほか捜査というものは任意捜査を原則として、身柄を拘束するいわゆる強制捜査は例外の場合に行なうとか、いろいろな規定が刑事訴訟法にあるわけでございまして、
犯罪捜査に関します限り、検察官はもとより警察官もこの規定に従いまして、厳格に捜査を実行いたしておると確信いたしておるわけでございまして、具体的な事案につきましては、私、
答弁することがふさわしくないと思いますので、
答弁を控えさしていただきたいと思います。