○伊藤(惣)
委員 いまいろいろ問題の
発言があったわけでありますが、確かに近代科学の進歩によりまして原子力の推進による船舶はできつつあります。わが国でも建造しております。これは決してわれわれは反対なんということは言っておりません。ただ、原子力軍艦、またその中にはポラリスもあるということから、
国民が心配するわけです。特にその潜水艦には攻撃用の核搭載可能のサブロックなんかも積んでいるわけです。その併用だから、核はないと言っておりますけれ
ども、しかし、これはもう軍事専門家によれば、いまのサブロックは核専用しかないというようなこともいわれているわけです。われわれはそういうようなことについて踏み込んで
調査もできないし、また何らそれをこうじゃないかという決め手がないから言われないだけであって、原子力推進による軍艦、しかも核搭載可能の潜水艦であるからこそ心配をして、先ほどから申し上げているわけです。そしてまた、安保体制によってきめられたのだから、
アメリカの一方的な都合だけじゃなくて、
日本もそのことを望んでいるというような
発言もございましたけれ
ども、このことについても、法的にそうであっても、実際に
国民がそのことに危険を感じ、また生命の危険を特に強く感ずる。そういう
国民を無視して
外交を展開する、これは非常に危険なことではないかと思うわけです。やはり一番
外交の基本姿勢で大事なことは、
国民の
世論またはコンセンサスというものを常に
背景にした
外交、これが大事なのじゃないかと思うのです。
ここで
外務大臣に初めてなられたので
一言申し上げておきたいわけでありますけれ
ども、わが国の
外交はどうも秘密
外交のようであります。いままでの平和条約、また安保条約、さらに新安保条約、確かに、
考えてみますと、
外交上秘密の面は多々あることはわかっております。しかし、そのことを全面的にすべてを隠蔽してといいますか、秘密にして、でき上がったことだけを区切りをつけていく、こういう行き方については、私は非常に問題である、こういう秘密
外交の行き方はよくない、こう思うわけです。私は、この点特に新しい
外務大臣に期待するわけでありますけれ
ども、そういう
外交を続ける限り、常に国論の二分といいますか、不毛の体制といいますか、そういったことが続くのではないか、こうも心配するわけであります。いずれにしても、時間がありませんので、次の問題に移りますけれ
ども、少なくともこの
原子力潜水艦寄港については、佐世保市民こぞって全員が反対しておる。安保条約は認めるけれ
ども、しかし、今回の寄港については反対だと、少なくとも時間的な要素を彼らは期待しているわけであります。そういうことからも、私は、この際、
政府がそういった
国民の声を
背景にして、もう少し待ってくれ、また寄港は取りやめてほしいと、そのように米国に申し入れることを要望して、この問題については質問を終わります。
次に、
基地問題について伺っておきたいと思うわけでありますが、御存じのように、わが党は
基地の総点検を行なっております。その総点検といいましても、三段階に分けて行なっております。実態
調査、意識
調査、そして総合分析。現在は二段階の意識
調査が行なわれております。これは前回の実態
調査を上回る五百ページぐらいのものをいま予想してつくっておりますけれ
ども、特に実態
調査の中から質問したいことはたくさんありますが、
大臣もごらんになったと思いますが、非常にその実態はずさんである。われわれ反対の
立場から見ますと、そのように思えるわけです。もちろん、
政府・自民党の
立場からいえば、安保条約の規定によって施設区域を提供したのだから、向こうが何に使おうとやむを得ないと言うかもしれませんが、少なくともいま国内にある百四十五カ所の
基地を取り上げてみますと、大体九十
基地が
返還希望があるわけです。全体の六二%になります。また百四十五カ所のうち、五十一
基地、三五・二%の中においては、二十二種類の
基地公害があります。さらに三十六
基地、これも全体の二四・八%の
基地がその地方の都市計画に支障を来たしておる、または目的外使用されている。それから使用状況が不適当なもの、または一部あるいは全面
返還可能なところは全
基地面積の六三・九%にのぼっております。こういったことは実態報告に出ているわけでありますが、特にきのう、
政府が、この二十三日に安保協議会を開いて
日本国内の
基地返還問題を具体化する、こういうことが記者会見であったようであります。そしてこの
基地のことについては、
一つは無
条件に
返還されるもの、それから
返還はするが、
返還後は米軍と自衛隊で共同使用するもの、また三番目には代がえさえあればいつでも
返還されるもの、このように三つに分けて、施設庁長官が記者会見で言われたようであります。これは安保条約の取りきめにある
地位協定によってであろうと思いますが、この際、
基地の
返還の態様というのはいろいろありますが、第何条に基づいてこのようなことをおっしゃったのかということについて、簡単に伺っておきたいと思います。