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吉田(賢)
委員 いまの段階、もしくは近い将来を見通しまして、たとえば神戸製鋼、川鉄、その製品なり材料を
国鉄が輸送なさるということには私は直結いたしません。もっとも、高砂線なら高砂線というのは、実はこんなに細くて旧体依然のままであるのですけれ
ども、そのために、たとえばあそこの三菱重工はやむを得ずトラックで貨物を輸送しているのです。これはまあ別問題ですが……。
そこで、こういうものは下請がありますよ。あらゆる関連産業がありますよ。また、あなたは御承知かどうか知りませんけれ
ども、兵庫県におきましても、たとえば、あそこの中国縦貫道路が再来年の四十五年までに宝塚まで開通しますが、これをぶち抜いて下関まで行くでしょう。これがこの
中心を行っておるのですよ。ここを中核といたしまして円形をかいておりますが、この中に十二の工場センターができるのです。工場地ができるのです。この北に西脇地域があるのです。西脇地域を
中心に加西市、西脇市、小野市、あの辺全体は千四百の繊維工場がありますが、西脇地域だけで百二十億円の投資をするのですよ。そういたしまして、
構造改善事業は五年計画で去年からどんどん進行しています。つまり、繊維工業の
構造改善事業は、アメリカ輸出の、明治以前からの先染めの工場地帯です。それからまた、三木にしましても金物でしょう。この間アメリカにおいて、ニューヨークだとかワシントンその他におきまして大げさな見本市をやってきたのですよ。これは海外進出をあらためて企画しておるのです。あるいけ小野も同様なんです。加西市にしましても、御承知と思いますけれ
ども、二大メーカーである三洋電機の大きな工場があります。あれを
中心といたしまして下請工場が相当多量の煙をどんどん吐いてまいります。また糀屋ダムというのがあります。これは加古川水系の多目的ダムで、工業用水、農業用水に提供します。これの工事が始まります。また平荘ダムが完成しました。言うなれば、いま言った臨海工業地帯の背後地帯は内陸地帯といっていますが、ここは私は五へんも十ぺんも歩いて、この問題が起こりましてから三べん歩いた。あなたは
陳情者にお聞きになっただけだと思いますが、現地では首くくるようにしましてこの
構造改善事業に取り組んでいる中小
業者もあるのですよ。こういうことです。ですから、この背後関係における大げさな国策の線に沿うた地域、並びに広域の産業開発や大きな動きについて、これは協力しなければいけません。
いま過密地帯の関係、過疎地帯の関係が深刻になりつつあります。この地域は過密にあらず、過疎にあらずなんです。したがいまして、この中間地帯にありまして盛んに将来の夢を見まして進めようとするときに、引き合わぬから、輸送量が少ないからぷつんと切ってしまうというような、そんな
国鉄ならやめなさい。極論ですよ。そんなことなら民間に渡しなさいという議論が出ますよ。
ですから私は、根本の姿勢として、諮問
委員会の御意見も大事なことでしょうけれ
ども、もっと大所高所から、日本の産業開発なり、ないしは地域開発なり、ないしは過密地帯、過疎地帯の重要な山積する諸問題解決へ乗り出しつつあるところのこの真剣な姿に対応する
国鉄の姿がなければいかぬと思います。単に経済性、合理性を単純に一面から見るだけではいけませんよ。何も貨物に渡したらいいじゃないか、とんでもないことですよ。貨物ともっと協定しなさい。私も貨物の重要な幹部の人に何人か会って聞きました。私鉄の人にも会って聞きました。だから、そういう面におきましても、たとえばコンテナ輸送にしてもそうでしょう。海にしても空にしても、あるいは陸にしても、それぞれの多角的な総合輸送ということは、
運輸省の最も大きな方針でしょう、原田さん。でありますので、新任の大臣で、まことにすばらしい意気込みで御就任になったと聞いておりますし、あなたは大阪の方だからこの辺のことはとくと御承知だと思いますが、私がいま申しましたような具体的な背景ないしは国策を推進しつつあるところの地方の力ある情熱をそがぬようにしてもらいたいと思うのです。
私は、
自分の選挙区の問題でこんなに熱情をもってぶち当たるというのは初めてですよ。
国鉄はとんちんかんの認識をしておるのです。ですから、
構造改善事業でも地域開発でも、どれだけわれわれが人知れぬ苦労をしているかわからぬのですよ、いろいろな利害を調整しながら。ですから、ここは大臣、大所高所から見まして十分に
国鉄を御
指導になりまして、私がいま言ったような線を傷つけない線にするように、ひとつ方針づけるようにしてほしいと思いますが、どうでありますか。