○杉原
一雄君 私はこの前と同様に一問一答を避けて、
質問したいことを申します。だから大臣として誠意をもって答えたいという御判断に立ったら大臣の立場で答弁をいただき、その他は所管の
関係局長でけっこうだと思います。
八月八日にここの農水で
足鹿委員と私、
質問の中で、
政府答弁を要約して考えた場合に、第一点は、食管
制度の根幹は断じて変わらないということ、第二点は、事、総合農政に関してはまだ十分柱が立っていない、そうして最後に私の立場から富山県の実情等を申し上げ、時期別
格差の問題を申し上げたら、いまの答弁にあったとおり、
暫定加算で進むという
一つの
決定があったわけでありますが、その後
生産者米価が
決定いたしました。そうした国会内外の情勢を踏まえて私富山に帰りました。そして農協の責任者あるいは農民の一人一人と可能な限りあちらで話をしこちらで対話を展開する中から見たさまざまな農民の受けとめ方を若干申し上げて、そのことが同時に私の
質問であります第一点の今後の食管
制度、なかんずく米審についての
考え方、同時に総合農政についてもいまこの
時点で何もプランがないなどとは私はおかしいと思いますので、あえてこの点についても若干提起をしたい、こう思うわけであります。特に農民と最も関連の深い農協
関係、単協ないし地方農協等についてそれぞれ
米価闘争等についての総括について
意見のとりまとめをお願いし、対話を繰り返す中で、やはりどうしても食管
制度を守っていただきたいという結論に到達したようでございます。同時にまた、今次の
生産者米価決定にあたって、かなりショックを受け、ある意味ではがっかりしているというのが
実態ではないかと思います。とりわけ先ほど議論がありました、自民党の
委員の方からも議論があったわけでありますが、おそ出しの五十四円の問題でありますが、農民のほうはそれについてもみずから俵を保管する能力等については全く今日の
事情ではないのじゃないか。しかも五十四円とは何事だ、こういう話が農協の責任者なり農民のなまの声として非常に強く打ち出されておったということをお伝えしておきたいと思います。
そしてまた時期別
格差の問題等については、これはこの前にも申し上げたように、農民が生産計画を立て、生産に努力をしてきた、しかも終末
段階、もうもはや米を手にしようとする
段階で
政府が
決定されたことに対して非常な不信と怒りを持っております。だから単なる食糧政策の問題のみならず、やはり政治の道義の立場から、
政府のおとりなさった
措置は、私は農民にとってはきわめて不評であり、不満であることをお伝えをしておきたいと思います。地方農協からは正式な回答を私手にとっておりませんでしたけれ
ども、富山県農業会議会長の名において、私の
手元ないし農林大臣にもまいっておりましょうが、八月三十日付公文書による食管
制度の堅持に関する要請、こういう形で公文書によって私の
手元へも実はまいっております。こうしたことを、農業の問題を最も真剣に考える組織、団体等の中で、食管
制度に関する強い今後の要望があること、これをも十分御理解いただきたいと思います。ただ、農民は、私
どものほうは早場米でありますが、もうすでに刈り取りを終わってしまった
農家も
相当ありますが、刈り取りを終わったあとで、すぐそのあとすきで耕して、大根を植え、麦を植えて、常に農民は自分たちの生産計画に当たっております。同時にまた、真剣に大臣に考えていただきたいのは、農民はもうすでに刈り取りを終わる
時点において、あるいはすでに稲にかまを入れる
時点において、種もみの注文を早くとります。種もみは農協からまいります。また、自分のところで種もみをとるということになれば、自分の生産計画がすでに頭にあって、種もみをどれをとるか、どれを保存するかということを、彼らは考えているわけでございますので、農民は、こうした論議をこの
委員会でわれわれがしておる以前に、来年の作付なり生産計画を農民自身の手で一生懸命やっているという事実を正しく見抜いていただきたいと思います。
そうした実情報告をしながらも、あえて私はここで、第一点の食管
制度の問題、私は四月二十二、二十三、二十四日のあの米審の場合も、
全国からはせつけた農民代表とともに農林大臣にも会い、またあの抗議の集会にも参加してまいりました。そしてまた
消費者米価決定の
段階にあたって、去る三日、四日の場合も、これは主婦を
中心とした
消費者の側から激しい抗議と怒りの集会があったこと、大臣自身も身をもって御
承知だと思います。こうした、いわゆるマスコミにいう米騒動、この
米価の
決定の過程をなまで、はだでお感じになっている大臣として、いま、ことし進められた
米価審議会、われわれの側からいえば中立米審反対、こういう主張をわれわれが持っておったわけですけれ
ども、このような構成並びに
運営、こうした人々の任命等々については、今後ともその形で進めていこうとしておられるのかどうか、そのことを明らかにしていただきたいと思います。そのことが同時にいま、先ほどいろいろ関連しておりますから省略いたしますが、
消費者米価、食管
制度の根本の問題にも触れるのではないかと考えます。
そこで第二の問題として、総合農政の問題でありますが、すでに農林広報の中で、私は不勉強で
承知しておらなかったのでありますけれ
ども、大臣は七月十三日十一時三十分、霞ケ関云々というところで、省議の席上において総合農政の展開について指示をなさっております。各項目にわたった指示があるわけでありますが、この中でも、もうそれからすでに二カ月をけみしておるわけでありますから、生産
農家が、
政府の政策いかんにかかわらず、みずから来年の生産計画を立てているという
現実等も踏まえながら、来年はこうするのだ、農民の皆さん、このような形でやるからひとつ協力をしてほしいという形で、荒筋でもいいから農民にお示しいただくのが大切ではないだろうか。しかも、それはきわめて早い機会になされるのが私、行政当局の当然の任務だろう、このように思っております。そういう点について、この作業をテンポを早めるなり、あるいはまた中間でもいいから、農民が今後の生産に取り組むことについての示唆を農林当局が指導的立場からお示しいただけないものだろうか。このことをまずお聞きしたいと思っております。
そうした中で私非常に心に引っかかってくるのは、大臣の
手元にも参っておると思いますが、八月二十六日付の
米穀管理制度の改善に関する
意見、関西経済連合会から出ておるわけであります。私らもそれをいただきました。この中にやはり重大な問題提起があります。このことについて
農林省当局といろいろ御議論なさったと思いますから、それについて一々の御答弁をほんとうは要求したいのでありますが、一番大事なことは、いわゆる直接統制から間接統制に移行してもらいたいという要求、これが第一の柱であります。その次は単協の整備ということで、流通機構の整備という項目を起こしながら、この中で提起されておることは、取引市場の再開の問題が出てまいっております。そこらには日本の財界あるいはそうした方面における
考え方があるということがはっきりぼくは出てきたような気がいたします。そうしてなおかつ、転職円滑化
措置というような美名のもとに余剰労働力、いわゆる高度成長の経済産業、工業のほうに吸い取っていくというようなことを大前提とした離農者の職業訓練などという若干の温情めいた提案もしておるようでありますが、ここらあたりに、いま世に渦巻いておる米騒動をめぐり、あとに最後に残ったものは何か、何だったのだ、奥底にあったものはこれなんじゃないかということを私なりに判断せざるを得ないのであります。そうしたこと等について大臣もすでにお見通しのことだと思いますから、明確な見解があるならお示しをいただきたいと、このように思うのであります。
時間がございませんので、はしょって申し上げましたが、最後に、先般の
質問のときに経済企画庁が出した白書の問題で佐賀の問題を提起いたしましたが、十分答弁をいただけなかったし、
質問の趣旨も不徹底であったのでありますが、私幸いにしていまここに新佐賀
段階米づくり運動推進要綱というのを入手いたしましていろいろ
検討中でございますが、この中でやはり農村のあり方、農業構造の問題が大きく提起されておるわけです。こうしたことについて農林当局が指導助言ないし遠隔操作で無関心の態度を示しておいでになるのかどうか知りませんが、そうしたことがすでに進んでおる佐賀の新しい米づくり運動等についてのいわゆる評価をお聞きすることができればお聞きしたい、このように思うのであります。
以上であります。