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山本伊三郎君 公社化、いわゆる公団化といいますか、社会保険のそういう方法というもの、学者には一説にはそういうものを主張する人もあります。しかし、これは諸外国の例を見てもきわめて危険です。私は時間ないから、それと、社会保険ではいろいろ私も経験上知っておりますから言いたいのですが、公社はどういう公社でも、いろいろの公社は性格がありますから、どういうものを
考えておるかわかりませんけれども、御存じのように
一つの社会保障の一環としての社会保険ですからね。公社に
委任するというところに、その団体の性格によっては運営上いろいろ問題が出てくる。これは原則からいえば、社会保険というのは、これはフランスでもイギリスでもそうでありますけれども、
政府が
一つの省をこしらえて管掌するというのがたてまえでしょう。しかし、それはかりに、そういう
政府がやっておりますけれども、実際それはまた地域に
事務委任をして基金というものをつくってやっておりますね。したがって、公社説については、これは私は非常に危険があると思うんですよ。善幸さんと会っておりませんからどういう
考えかわかりませんけれども、おそらくこの点については私は思いつきじゃなかろうかと思うんですよ。というのは、公社でやると、
政府の
責任があるところで中断されますからね。したがって、赤字が出た場合に、ことしも二百五十億ほど補助をするんじゃないですか。そういうものが一応断ち切れるという
考え方が基本であれば、きわめて危険だと思うんですね。いま問題のこれは健康保険だけとっております。ほかのやつも同じことでありますけれども、
政府管掌が非常に困っておるというのは、基本的にどこにあるか。これは私あなたに説教するわけじゃないけれども、聞いておいてもらいたいんです。
組合管掌は比較的うまく運営されておる。これはある一説によると、組合管掌は大企業の被保険者が多いから、標準報酬が高いから経済が豊かだ、こういうことを言います。それだけじゃないんですよ。というのは、健康保険は、御存じのように
一つの労働対策として生まれたのでしょう、大正十一年に。あの当時のわが国の労働問題を何とか
考えなくちゃならぬということでできたのでしょう。社会保険、社会保障よりも労働対策という、あの
法律の
精神が相当入っておりますね。したがって事業主は、社会保険や健康保険を通じて労働者の福祉だという
考え方で運営しておりますから、したがって組合管掌の
理事長は大体企業の重役か何かが当たるんですね。被保険者も出して、そこで運営しているから、事業主が非常に関心を持っておるんですね、その運営について。ところが
政府管掌はそういっておらないんですよ。
政府管掌は、御存じのように、小さい事業主が集まって、保険出張所の所長が一応掌握しておるんです。事業主が保険料を出し、被保険者が保険料を出せば、それで
政府がやってくれるんだ、こういう
考え方しか
政府管掌の場合の事業主は認識がないんですね。したがって、
自分の雇っておる労働者の健康を守るということが、
自分の企業にどれだけの利益があるんだという認識が非常に少ない。それが運営上非常に問題が出て、赤字も出てきましょうし、赤字が出ても、事業主は保険料を払っているんだから、これは
政府がやってくれ、こういうことになって、運営上非常に非民主的なものがあらわれてくる。しかも
政府は、私調べたところでは、港区の社会保険出張所の管内で六万人幾つの事業主があるらしいんですね。これは五人以上だから、中小企業だから、六万以上だと聞いている。この数字は確かではありません。その事業主を
一つの出張所が扱っているんです。それはできませんよ。私は、むしろやるならば地域組合主義でやって、公社というよりも、やるなら監督は
政府なり地方庁がやって、そして全部地域の組合
組織にして、要するに組合管掌、一方は産業別企業別組合管掌であるから、一方は地域別組合管掌ということもあり得るんじゃないかというのが私の説です。
これが正しいかどうかわかりません。こういう点をぼくはもっと深く
考えて、公社にするというねらいは、私は悪く言うと、労働省なり厚生省は関係しておるかどうかわかりませんけれども、それじゃ公社の中にひとつほうり込んで、
自分の
官庁の下請企業のような形で運営しようという
考え方があるなら、これは実に重大な問題ですからね。日本の公社というものについては、これだけじゃない。これは問題があると思うんですね。公社
組織については、これは道路公団でも私はいろいろ問題があると思うんですよ。これをまあ問題出てこないけれども、いろいろ問題があると思うんですよ。したがって、公社に逃避するというととは逃げることでしょう。
政府として私はひきょうだと思うんですね。その点について、公社というものについてはどういうことか。ちょっと
新聞にちらっと、あれは読売でしたか、けさちょっと出ていましたね。私はぴんときましたね。一体公社というのはどういう運営をするのかということがありますので、これはもう簡単にあなたが決断されたら、もう一生あなたが汚名を着ることになりますから、十分心して裁断を下してもらいたい。そういう点をつけ加えておきます。
それで、私は自治省と同じ
意見でありますが、自治省は私が教えておるのですが、初めあんなことを言っていなかった。だんだん私の説についてきておるのですが、ただ問題があるのです。
経営権と人事権の問題でいろいろ問題はあるのですが、しかし、これはなかなか問題があるので、私はここで言うとまたこれもばれますから言いませんれども、それはいろいろ問題あります。あるが、私は身分は一応地方庁に移せ、その上でまた
一つ問題が発展してくるのだから、
地方自治法附則八条を
昭和二十二年でつくったまま今日まで置いておくことはよくないのだから、一応身分を移して、その上でいろいろ問題があるから、
解決の方法を見出したほうがいいのだというのが私の説でありますから、最終の終点を、私はそこだと言っておりませんので、この点を私は十分
考えていただきたいと思います。したがって、いまここで言うとあなたがぐあいが悪いと言われますけれども、ここで言うとぐあいが悪いということは、私の説にあなたの腹が大体固まってきたという理解をしていいかどうか、この点のちょっと御
答弁を願いたい。