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説明員(
乙竹虔三君)
先生御
指摘のとおり
中小企業の体質を強化いたしますためには、
技術の
対策が特に大事であるということで、
中小企業政策審議会の
企画小委員会の
篠原委員会報告においても非常に強く特に強調されたものでございます。
考え方は、従来の
中小企業は安い労働力、豊富な労働力と過当
競争から出る死にもの狂いの
競争で生きてきたのであるけれども、これからは大
企業並みの労賃を当然支払っていかなければならず、かつ世界の先進国と
競争をしていかなければならない。そうなると、問題は豊富な労働力、安い労働力に依存をして
競争力を生み出しておったのではいけないのであって、他の面、すなわち一番大事なのは
技術の
競争力、ここで
競争をしていかなければならないという点を
指摘しておるわけであります。従来
中小企業庁といたしましても、
技術対策につきましては種々の施策を講じたわけでございまするけれども、何せ四百十万という非常に多数の
中小企業相手の向上
対策でございまするので、施策のやり方についてはなかなかむずかしい点があるわけであります。まず一番大事なのは、
府県を使いましてというか、
府県が
中小企業者の
技術を向上するこの区県の
技術対策に対しまして、
政府が補助をいたしますといいますか、後援をするという立場の
技術の助成
対策があるわけであります。その中の小さな一部門といいますか、その小分けといたしましては、まず公設試験研究
機関、これは産地に置かれております
府県立の試験研究
機関及び各
府県庁の所在地等に置かれております総合的な試験研究
機関でありまするが、この試験研究
機関に対します助成措置でございます。
全国百六十六余もございますので、これは相当末端まで、特に産地の
技術対策としては有効な
対策でございます。それからなおこの試験研究
機関を
中小企業界に開放をしまして、開放試験室と申しておりまするけれども、こういうことによります
対策も講じております。
次に、
政府が直接試験研究に対しまして助成措置を講じておりますやり方といたしましては、公設の試験研究
機関の研究テーマの中で特に国として助成をすべきものであるという項目をテーマ別に取り上げております。さらにまた国立の試験研究
機関におきましても、必要なテーマにおいてこれを特に進めるというテーマ別な
技術の促進の
対策をとっております。これは公設ないしは国立の試験研究
機関みずからが行ないます研究開発に対します助成措置でございます。
第三の方策といたしまして、
民間の
中小企業者が行なっております
技術開発試験研究に対します助成措置でございまして、その
一つといたしましては補助金
制度がございます。これは業界の希望、要請がございました場合に、それを審査いたしまして、助成すべきものにつきましては必要な補助金を交付するというかっこうの助成の方法をとっております。これは個別の業者に対します助成措置でございますが、集団的に業界がまとまりまして共同の試験研究をするということは非常に能率的でございますので、本年度から特に強くこの方策を取り上げることといたしまして、本年度印刷と玩具は業界側が所要経費の二分の一、
政府が二分の一ということで共同しての研究施設をつくる。こういう
制度が発足いたしましたが、さらに来年度はこの方策を進めてまいりたいというふうに
考えているわけでございます。
なお、以上申し上げましたところまでは
中小企業庁がじかにやっております措置でございまするが、さらに重要な研究、あるいは重要な研究がすでに実用化になった場合に、実用化に対して必要な
融資等の措置、これは工業
技術院並びに開銀等で種々の
制度がございまするが、これにおきましても
中小企業の
技術開発を進めますよう重点的に
制度を
活用している次第であります。
以上のような諸施策がございまするが、
小柳先生からも御
指摘がございましたが、幾ら
政府がいいことを
考えましても、この施策の
周知徹底方が大事でございまして、この点ははなはだまだ十分ではないのでありますけれども、
府県を通じまして、あるいは試験研究
機関を通じて、あるいは
技術の巡回
指導員という
制度を通じまして
中小企業者の現場まで施策の浸透方をはかりますとともに、さらに
技術情報あるいは
技術シリーズ、こういうふうな活字媒体によります普及まで
考えているわけであります。
最後に、
技術者の研修
制度でございまするが、これは都道
府県ないしは政令によります指定都市、あるいはこれらの指定する法人の行ないます
技術者の研修
制度に対しまして
中小企業庁として所要の助成措置を講じている次第であります。
以上、簡単でございますが概略御紹介いたしました。