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説明員(
高島節男君) 私から概略申し上げまして、行き届きませんところは次長から補足をしていただくようにいたしたいと思います。
クリスマス用電球業界の最近の
状況といたしましては、午前中にお話がございましたような事件というものが、はたして表象的に結びつくかという点は、私は若干疑問があるかと思います。それは
情勢が悪くなりましたのは四十二年の夏ごろから、確かにこれは売れ行きも、輸出の数量も減って、それから値段も下がりまして苦境に落ち込んでおります。御指摘のような事情が起こりましたのが四十二年の五月ごろといいますので、これはクリスマス電球だからということで、まあ一般的ないろいろ借財その他での不振問題というのか、そこいらはなかなかわからないところはあるかと思いますけれども、一般的な考えといたしまして受けております印象は、非常に苦境にこれは立ってきている
状態ではないかと思います。
実は昨年の秋でございましたか、
クリスマス用電球業界は、かなり一時値段が上がりましたので、それに幾ぶんつられた
傾向もこれはございまして、
生産調整を従来とっております。それから、輸出入取引法での輸出の規制もやっておりますから、その両方をやめたいという強い御要望がございました。私どものほうは、係官を数次にわたって派して、これは一時的な現象でやめるということは、悔いを将来に残すぞということで、一生懸命これはなだめるようにいたしたわけでございますが、しかし、
生産者の筋も、また輸出業者の筋も、それぞれたくさんおられますし、利害
関係はいろいろ複雑でございます。そのために、なかなかそこがおさまり切れない。それで少し形勢がよくなりますと、そういった規制のワク内に入ることはなかなかむずかしい。また、過去におきましても、これは前任者等からいろいろ聞いてみますと、これくらい苦労をする
業界はないといいますか、
業界も苦しいだろうけれども、役所もこれくらい話をまとめるのに骨の折れるところはないという印象をつくづく漏らしておりまして、先行きの
情勢は悪いにかかわらず、やはりそういった統制なり何なりがうまくいかない。やっておっても歩どまりが非常に悪いというような
情勢で今日に至っておるわけでございます。したがって、海外の相場次第という
動きが見られまして、非常にその点は心配であると私は思っております。それが最近の
情勢でございます。確かに買いたたきというような問題も
国内的に見るとある。と同時に、なぜ買いたたかれねばならないかというところのもとは、やはりアメリカにおける価格の下落、値段の下がり方というものを、よく原因分析をしてみないといけないと思います。その点は、先ほど
大臣がおっしゃいましたが、安値輸出をして向こうの
市場を撹乱しているのか、あるいは先方の需給が、何かの形で先方のメーカーが
発展をしまして、適当なものがつくれて、代用品的に伸びているのか、あるいは台湾とか、そのほかの後進国が低賃金にものをいわせて押し出してきているのか、いずれも
可能性があるように思います。したがって、値段が下がったそこの原因を、まず正確に突きとめねばならぬと思います。御
承知のような
中小企業業界でございますから、みずからの手でなかなかこれが
状況把握ができない。それが、たまにおいでになりまして、いや、
日本のわれわれはだいじょうぶだというような印象を受けられる方が非常に多いようでございますが実態はなかなかそうはいかない。その苦境、
影響を非常に大きく受けるというような形でございまして、どうも現在聞くところによりますと、アメリカにかなり在庫がたまっているのではなかろうかというような
感じがいたすわけでございます。
それで、四十一年のときにブームがありまして、その
影響を受けて、わりあいいい
判断をしたといいますか、先行きを楽観したのが、どうも残念ながら、
一つの悪い材料になっているのではないかという点に、われわれも
業界も反省をしなければいかぬと思います。したがって、今後、
大臣が先ほども申しましたように、いよいよ特恵問題等も本格化してまいります。後進国からの追い上げも激しいも一のがあろうと思います。そういうことに備えてまいりますためには、まず
業界が、一々、これは
立場立場よって御
意見があるだろうと思いますが、大同団結していただいて、一本の思想にまとまっていただくということが、まずいろいろな施策を講じていくときの先決問題じゃなかろうか。この点は、先ほども
大臣もつくづくその点を言い残してまいりましたが、非常にむずかしい問題であると思いますけれども、われわれのほうも、いろいろのトラブルを極力なくしまして、その点もまとまりをつけていくということをしませんと、いかように体制を整えてみましても、また団体法の規制等を復活をいたしてみましても、基礎がくずれてくる、こういうような心配をいたしておりますので、いま根本的に、四十一年のブームにさそわれた体制の解散というものを再編成していくべき時期ではなかろうかという点を痛感いたしておる次第でございます。