○藤原道子君 だから、県のほうへどういう形で残されるのか。県で、いまやっている婦人少年室の
仕事をやれるとは私は断じて考えられない。いまでも、
調査に行くと、脅迫を受けたりなんかしているんですよ。こういう事実は
局長も知っていると思う。やりにくいんですよ。それをあえてやらなきゃならない今日の
状態なんです。それが県知事なんかの支配下に置かれて、豊かでもない県がそういうことをやらせるなんて思うのは甘っちょろいですわ。やりっこない。それを大臣も百も
承知の上で言っていることだろうと私は理解いたします。
私にもう約束の時間がまいりましたので、残念でございますけれ
ども、申し上げたいのは、各方面からこの改革案に対してはこんなにたくさんの建議書、要望者が来ているはずなんです、
労働省へ。それから県の
基準局からも要望書が出ておりますね。みんな、
日本の産業を憂え、
労働者の福祉を憂えて言われることだと私は理解いたします。ことに、婦人少年室の廃止は、ことごとくおこっている。いままで何回あなた方はいじめつぶそうとしているか、わかりません。そのつど世論に押されて、まあまあ残したんです。ところが、今度、地方婦人少年室を廃止すれば、重ねて申し上げますが、手足をもがれたカニのような
存在になって、婦人少年局だけが残っても十分な
仕事ができないことは明らかです。そうなったら、婦人少年局は無能である、必要がないと、ばっさりやろうとする下心があるんだろうと思う。省内でも婦人少年局は実につらい
存在で来ているのです、わずかな予算で。今度婦人少年室を廃止したって、人員は幾人ですか、百九十九人ぐらいでしょう。二百人に足らないのです。予算は幾らですか。スズメの涙にも当たらない。しかも、この予算と人員に倍した
仕事をしているのは、婦人の使命感からやっている。年少
労働者を守ろうとする母心、婦人の母体を保護しよう——いま、何だかんだと言われますけれ
ども、世界で有力国家群といわれる中では、妊産婦の死亡は第一位なんですよ。乳幼児死亡だってそうです。いま問題になっております心身障害児だって、妊娠中に三〇%の原因がある。周産期に六〇%、生後起こる故障はたった一〇%だということは統計で明らかになっている。こういうことでまあ、何だかんだとおっしゃるけれ
ども、婦人
労働の吸収はほんとうにたいへんなんです。きょう重ねてお伺いしようと思ったパートタイマーでも、そういうところからきているんですよ。酷使されておるでしょう、パートという名において。そういう
事業所に行ってみると、パートばっかりでやらしているのです。これは、
労働者の保護
規定を守らなくてもいい、必要ならばいつでも首が切れる。こういう企業側の、非常に
労働力はほしいけれ
ども、人間をただ
労働力としてしか見ていない今日の産業人に対して、その働く人を守る、特に年少婦人
労働者を守るのは、あなた方しかないんですよ。
〔
理事大橋和孝君退席、
理事鹿島俊雄君着席〕
これをお考えになって、先ほど来繰り返し御
答弁のございました、まだ煮詰まっていない、首にかけても変えないということはうそだとおっしゃいましたね、あなた。首にかけても基本線は変えないのだということを言ったということは、その人の個人の考えで言ったものであって、われわれは知らない、十分に検討した上で変えることもあり得ると、こういうふうに私は伺っている。
しかし、大臣、きょうはたいへんお忙しいときに時間をとりましたけれ
ども、
日本の産業の発展は、健康な
労働力を得てこそはじめてできる。中小企業の罹病率が高いことは御案内のとおり。それを夜業の時間延長を認めろとかなんとかいうような声が産業界からあがっているということもお考えを願いたい。そうして、もしこれが地方に委譲された場合に不便はないというけれ
ども、圧力がある。加えて、
一つ一つの届けがブロックまで行かなければならない。九州なら九州に一カ所しかないとすれば、福岡でしょうね。そうすると、端の端からここまで来なきゃできない。そういうことに対してどのようにお考えになるか。きょうは時間がございません。私も、きょうは徹底的に伺うつもりで、いろいろ
資料もつくり、ゆうべ二時ごろまでかかって原稿も書いたのです。ところが、原稿抜きにして
要点だけをお伺いいたしましたが、私はあなた方の御
答弁をかたく御信頼いたしまして、強行するものじゃない、民主的に各方面の意見を聞くのだ、そうしていまの案はまだ煮詰まっていないのだから変えることもあり得る、産業人に押されて変えるのじゃない、
労働者の福祉のためにやるのだ、これをしかと私は承っておきます。きょうは、大臣、十五分というのが時間が若干延びましたので、残念ながら。パートタイマーに対しましては次回に譲りまして、この程度で
質問は終わりたいと思いますが、その覚悟を最後に……。