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説明員(
武藤崎一郎君) 生活環境
審議会の
審議の過程におきましても、いわゆる産業についての学識経験のある方の中から、いろいろ先生のいまおっしゃいましたような点につきましては議論があったわけでございますし、それからその後、新聞等を拝見いたしましても、産業側からいろいろこれについてきびし過ぎるというような御
意見があるように承っております。ただ私
どもといたしましては、このSO2の環境
基準につきましては、特に環境
基準というものがいわゆる排出規制とか、あるいは最大許容限度とか、あるいは是認限度とか、そういうふうなものではございませんで、いわば大気汚染の状況につきまして健康を保護する観点から維持されることが望ましい一つの
行政上の目標を政府として設定する。その目標を設定して、それにつきましていろいろな方法を講じまして、その地域、地域の特性に応じて対策を立てていくというようなことを
考えておりますので、そういう点につきましては産業界のいろいろの御
意見につきましては、たとえば達成目標の限度をその地域地域において変えていくとか、あるいは
方法等もいろいろ
考えていくとか、そういうふうなことで、いろいろ御心配の点につきましては十分対処できる、かように
考えております。ただ、やはり人の健康を保護するという観点からこの環境
基準というものをきめるべきであって、それ以外の要素につきましては、それを達成するためのいろいろの手段によってカバーしていくということが当然であろうかと思います。特に外国では環境
基準が日本よりも非常に甘いのだというようなことがいろいろいわれておりますが、外国のいわゆる環境
基準といわれておりますものの中には、いわゆる最大許容限度、そこを越しますと直ちに補償義務が生ずるとか、あるいは排出規制に近いような
考え方とか、あるいは自動車をストップさせるとか、そういうような強い
意味の環境
基準的なものがきめられておる国が多々あるわけでございまして、わが国のような、維持されることが望ましい一つの目標としての環境
基準というものは外国にはないわけでございます。聞きますところによりますと、やはり日本の環境
基準のような
考え方に漸次移行すべきであるということは、最近のいろいろな国際
機関の会議では唱えられておるようでございまして、そういう点につきましても、私
どもの
考え方がやはり正当に評価されるものと、かように
考えております。