○
横川正市君 この
大臣の
答弁ではですね、まあ私
ども非常にむずかしいことだということの訴えは、それで
了承できるわけなんですよ。しかし、たとえば
学者とか
学識経験者と言われる人の
意見というものはどうかということで、それが
国会が
現実に生きて動いている
政治の場から見た場合に、
学識経験者の
意見とは、まあいわば
現実にマッチしない
意見ですというような言い方を相互間でやるならば、私はあるいは
大臣の言っているような答えで納得がいく問題だと思うのです。しかし、
国民大ぜいがそうは私はなっておらぬと思うのですよ。たとえばですね、どこかのお
坊さんが今度まあだいぶ
買収供応をやったというので、
新聞はこれはもう公器ですね、おそらくあれだけのスペースをとって報道するからには、これはやはり社会的に見ても、
選挙のあり方についてはこれは相当大きなウエートを持った記事だというふうに私
どもは受け取るわけですよ。しかし、
検察当局はいろいろやっている間に、これは不
起訴処分になりましたというのが次に出るわけですね。そういうのを見ている
国民の一人一人の中に、
坊さんが酒を飲んで
無罪になるんなら、おれ
たちが酒を飲むのになぜ
無罪にならぬのか。なぜ
無罪になったのかといったら、坊主というのはいつでもかつでも
法事だと言って酒を飲んでいるので、それが
選挙の酒なのか
法事の酒なのかわからないのだ。しかし、一般の庶民の生活からいけば、寄り集まって、さあひとつ慰労のために一ぱい飲もうかというようなことは、
日常茶飯事のことになっているわけでしょう。しかし、それを
選挙法というかっこうのものにとらえられると、うまく逃げたほうが
無罪であり、ほんのささいなことで、ま
あと言って
コップ酒を飲んだ者が有罪ですよ。しかも、
公民権何年停止ということになっておるわけですね。だから取り締まられる
立場から、たとえば
選挙法に対する関心というものは非常に強いということがひとつ言えると思う。これはわかると思うのですね、
大臣も。それから最近の
投票率の全体的な
推移というものをずっと見ておりますと、これまた私は
一つ問題が出てくるのじゃないかと思うのです。それからもう
一つは、これは端的な例ですが、これは
選管のほうで聞けばわかるのですが、
全国一の
投票率が高かったところは私は
群馬県じゃないかと思う、今度の場合。どうして
群馬県だけが飛び離れて
選挙投票率というのが高かったか。これは言って見れば、
選管の
立場からすれば、
投票率が高ければほめられるべき問題であって、
批判さるべき問題ではない。しかし、
投票率が高かったという裏に何があったか。いま前橋の市議会は
リコール運動を起こして
市政そのものが
停滞状態、桐生の
保守系あるいは
市会議員の問題も、これも相当大きな問題だというふうに、非常に大きな問題を惹起させておるわけです。いわゆる
投票率が高かったという裏のまあできごとなわけです。そういうふうに見ると、取り締まられている
立場の者が立ってみても、一体、
現行法律については、これほどのことをしなきゃいけないのかと思っているのが、これは私は
学者の
意見であり、
経験者の
意見であった場合に、
政治というのは一体これはどういうふうにこのむつかしい問題をこじつけているのかということになろうと思う。それから、全体的に
投票率が悪くなってきているのに、私は本来ならば
青年層や何かが多くなるべきなのに、そこが低下している原因は何かというと、もういままでの既成の
政治概念に対しては、言ってみますと、投票しなかったらせいせいしたという
気持ち。これは何人かのジャーナリストや、それから
学識経験者や
文化人の
座談会の中で、投票しなかったことでせいせいしておる。これは私は
民主政治に対して
政治を行なっておる
立場のものにすれば、たいへんなことだと思うのです。しかも、それが活字になり、あるいはニュースになり、テレビの写真になってどんどん出ていっている事実を、私
どもはもっと厳粛にとらえなければいかぬと思うのです。それと同時に、
投票率が高まった。ああよかったじゃないと思うのです。
投票率が高かったその裏には、もうたいへんな
事件というものが隠されているわけなんで、そういう点から考えますと、私は非常に、
大臣の
立場で、いまいわゆるそういうようなこの構成をされている
国会の中で、あるいは
一つの党の中で論議をするということについては、これはもう非常にむつかしいとか、いろいろな
意見が出るんだとか、なかなか取りまとめができないのだというようなことで
推移ができない
状態が今日の
状態なんじゃないか。だから、その点ではやはり
担当の
大臣や
事務当局というのは、これはもうほんとうに真剣にこれに取り組んでもらわないと、だれかからとやかく言われたら、それはもうそんな
意見があるんならやってもしょうがないというようなかっこうのものではないんじゃないかと私は思うんですよ。これは、たとえば
自民党さんが安保を通すのに、
国会の中がどんなに混乱しようが、警察官がどんなに来ようが、通すくらいの勢いで最も
政治的な案を通す
気持ちになれば通せるわけですからね、実際には。そして、それがもし
野党が反対をしたら、これは
野党が壊滅的な打撃を受けるということになるわけでしょう。だから、いまのところ
政治の
場所では
批判をもらいながら、実際の
政治権力というものは
一つも動かない。固定化されているというのは、
赤澤さん、これは何だと思いますか。正常な一票の
行使で私はないと思うのですよ。実際にはまあ
自民党の
総裁選挙があるようですが、しかし、そういうような正常でない
選挙を行なって、
総理、
総裁ができて、どれだけ
責任政治がとれ、どれだけ
国民から信頼を受けるか、そういう点を考えたらどうですか。私はきわめてこれは憂慮すべき問題だと思うのですね。
野党の私が悲憤慷慨するだけのものではないと思うのですよ。
政治をやっているものは皆同じじゃないかと思うのですね。だから、いま私は
衆議院の一月
選挙の
経験からも、いろいろな
問題提起をして、それからその問題もめぐって
国会の中でも何回か本
会議の質問が行なわれ、そして
法制化の
段階を終え、
国会の
審議の
段階を終える。どうも私の腹では、率直に言いますけれ
どもね、
政治資金規正法がかりにあなたのほうの案で通っても、
選挙法だけはこれはまじめな形で通したかったと、こう思ってあの当時考えておりましたが、そういう
経過をしながら、いまなお何らかの具体的な
方針、確固たるものが持てない、こういうことでは私
どもはこれはどこに問題をぶっつけていいかわからぬという
状態になってしまうと思うのですよ。これは
総裁選挙の
あとに
総理大臣が任命されて、閣僚が新しくなって、新しく
発足するので、まあ
赤澤さんはそのまま
自治大臣でおるかどうか、これはわかりませんけれ
ども、しかし、それだからと言って私は過ごされる問題ではないから、
事務当局と一致して、いま改正しなければならぬ
契緊の問題としては、
自治省としては早期に
国会に問題を提出させる、そういう準備があっていいんじゃないか。六次
審議会なんていったら、
審議会の
答申を待っておったら相当おくれますから、そのことはそのことで、すでに
答申のできたことについては、今度はやるぞと、これはひとつはっきりした態度を示してもらいたいのですが。