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1968-10-09 第59回国会 参議院 建設委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十月九日(水曜日)    午前十時十二分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         岡  三郎君     理 事                 内田 芳郎君                 山内 一郎君                 米田 正文君                 沢田 政治君     委 員                 上田  稔君                 奥村 悦造君                 高橋文五郎君                 中津井 真君                 林田悠紀夫君                 村上 春藏君                 田中  一君                 松永 忠二君                 藤原 房雄君                 高山 恒雄君                 春日 正一君                 塚田十一郎君    国務大臣        建 設 大 臣  保利  茂君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        農林省農地局建        設部長      梶木 又三君        建設政務次官   仮谷 忠男君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省都市局下        水道課長     久保  赳君        建設省河川局長  坂野 重信君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君        自治省財政局地        方債課長     山本 成美君    参考人        電源開発株式会        社理事      桑原  進君        日本道路公団理        事        片平 信貴君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (台風七号及び十号による災害に関する件)  (海岸の保全事業に関する件)  (下水道問題に関する件)  (東名高速道並びに中央自動車道建設に関す  る件)     —————————————
  2. 岡三郎

    委員長岡三郎君) それでは、ただいまから建設委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  建設事業並びに建設計画に関する調査のため、本日の委員会参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 建設事業並びに建設計画に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 速記を起こして。
  6. 松永忠二

    松永忠二君 少し質問を重ねた上で大臣にお聞きしたほうがいいと思っていたのですが、そういうわけにいきませんので、ただちょっと先に質問いたしておきます。  秋葉ダム佐久間ダムの間の河状調査は、どこが一体やっているのか、建設省河床の、河状調査に、変化についてどういうことを承知しているのか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
  7. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 秋葉ダムそれから佐久間ダムの間の河状調査の問題でございますが、秋葉ダム湛水区域内につきましては、電発の直接管理責任でございますので、電発のほうで河状調査はやっております。それからなお、その間の湛水区域外につきましては、建設省の直轄の管理の区間でございますから、これは昭和四十一年七月以降建設省の所管ということになっておりますので、この間においては建設省責任において河床状態を見ておるというわけでございます。
  8. 松永忠二

    松永忠二君 そういうふうに私聞いているのは、河状調査が、河床変化がどうなっているのかということを承知しているか、ということを聞いているわけです。
  9. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 特に問題になりますのは、秋葉ダム湛水区域内だろうと思いますが、その湛水区域内におきましては、電発自体調査になっておられます。また別途に、先生御承知だと思いますが、河状調査委員会というものができております。そういう場合におきましても、私のほうは電発からいろいろ資料をいただいております。この資料によりますと、河床の変動というものは、かなり部分的にはあるように承知いたしております。
  10. 松永忠二

    松永忠二君 かなりあるじゃなくて、現実にどのくらいあるかということを承知しているのかどうか、ということを聞いているのです。
  11. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 坂野局長端的に言ってください。
  12. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 秋葉ダム範囲内におきまして、特に問題の橋梁付近におきましては、建設当時に比較いたしますと、たしか三メートルぐらい平均河床が上がっているのじゃないか、というふうに私ども承知いたしております。
  13. 松永忠二

    松永忠二君 御答弁がありましたように、実は秋葉から佐久間の間は十四カ所河床調査をしているわけです。河床調査電源と静岡県が実施をして、そうして建設省は直接にやっておらないで、その結果を報告をしているという状態ですね。これは必ずしも、秋葉佐久間だけではありません。ダムダムの間はこれは電発が直接に第一次的な責任者となって、最終的な責任者建設省がやっておるわけでございますが、実際に実施しておるのは、県や電源がやっているわけです。  そこで、新聞にも出ているように、たとえば貯水池堆積土砂がどのくらいあるか、というような問題が問題になってくるわけですね。そうしてダム防災の上でも、この貯水池の中の堆積土砂状況によっては、非常に防災について考えていただくべきものがあるのじゃないかというようなことも調べたり、あるいはダムダムの間の堆積土砂が非常に多いために河床が上がる。いま大臣お話を聞かれたように、十四カ所やって三メートル五十ですよ、平均。ここに私ありますが、そのくらい河床が上がっているわけです。そのために電発は、河床が上がることによって、保証水位というものを高めて保証をあらためてやるということもやったわけです。そういうことをやってもなおかつ、河床が非常に上がってきておる、三メートル五十。とにかくダムをつくった昭和三十一年と昭和四十二年の間にそれだけ河床が上がっているわけです。したがって、ここでこの前少し話に出ました大輪橋流失大輪橋流れてしまった。それから県道が約七百メートルくらい冠水して、そうしてこれも非常な被害を受けた。その周囲には十六戸の家があって、これがまた冠水だけでなく非常な危険な状況になった。これは私が前にも申し上げたわけなんですが、大輪橋という橋は——時間が短いので、私のほうで詳しいことは申しませんが、耐風線というつり橋ですが、つっている耐風線保証水位よりも下にあるような橋なんというものはこれはほとんどないといわれているのです。そこで昭和三十一年に、これができたときに、このダムによって河床変化があるから、この大輪橋はつけかえてもらいたいということを当時、電発地元要請をしたわけですが、うやむやのうちにそのままになってしまった。そこで三十六年災、四十年災、ことしの四十三年八月には知事が来られたので、知事に対してもこれはつけかえてもらいたいということを要請した直後に大輪橋流れてしまった。で、これは地元の町長なり助役、それぞれの関係者が直接私に話をしたので、これは間違いはありません。そうなってくると、これは明らかに大輪橋のいわゆる流失県道のいわゆる被害というものは、直接河床の上がったことによってこういう災害を受けたということはもう明らかです。したがって私たちは、建設省電源開発も当然これは責任を持って分担していくべき性質のものだと、特に電源開発についてはこの責任を負っていくべきだというふうに私たちは考えているわけなんです。同時に、この十六戸の被害を受けた人たちに対して補償といいますか、これをやはり電発実施をしていくべきだということを考えているわけです。これについては、県あたりもそういう線に基づいて電発とも話し、建設省とも相談をしているというふうに聞いておるわけであります。まあ、こまかい具体的な話ができないのでまことに大臣にこのことをはっきり言っていただくということも困難な状態でありますけれども、しかし河川局長答弁になったように三メートル五十とにかく河床ダム建設当時から上がっているわけです。自然そういうことが結局橋の流失関係がある。地元では、今度はもうやってくれるだろうと思っている。まあ、やってくれないわけはありませんけれども、当然電発責任を持ってやっていくべき筋合いだと、こういうふうに言っているわけです。この点についてまず電発のほうからどういうふうな考え方を持って折衝し、今後どうしていこうとするのかというお話を聞くと一緒に、建設省側責任者として大臣にひとつ答弁を聞かしていただきたいと思います。
  14. 桑原進

    参考人桑原進君) お答えいたします。  ただいま先生の御質問になりました大輪橋のことでございますが、私どものほうでは、今回の出水によります大輪橋流失、その原因は堆砂による影響があると思っておりますが、しかし直接的には非常に流木が多かったということ、それによって流れたんだというふうに考えております。しかし、この原因というものは、なかなか明確には解明されないと思います。解明までには相当時間がかかると思うわけでありますが、しかし堆砂がありますということは、これは事実でありまして、私のほうはそれに対して責任を免れるものではないというふうに考えております。まあ解明を待っておったのではおくれますので、早期復旧ということを優先にいたしまして、現在建設省のほうとも打ち合わせをさしていただいております。  それから大輪橋の近所の部落につきましては、堆砂の影響もあると思われますので、その被災者の方々には誠意ある措置を考えたいと思っております。それから住家かさ上げとか移転とかという問題も起きるかと思いますが、これなども県のほうと打ち合わせをいたしまして、住民の皆さんの御要望になるべく沿うように努力をしたい、というふうに考えております。
  15. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 非常に具体的な大事なお話でございますが、河川局長からあったように、河川局でも慎重に検討を重ねて対処策を講じておるようでございます。大輪橋流失について、本来いえば出水後すぐ災害復旧というふうなことに扱っていかれるわけでございましょうけれども災害復旧事業としては県のほうからも申請はしない、採択もしないという、それで大体御趣意の線に沿うて対処していくように検討をいたしておるわけでございますから、私はどうも責任を持って具体的にこういたします、というお答えをする用意が実はいまございませんので、河川局長からなおお聞き取りをいただきたいと思います。
  16. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 大臣もいまお答えになりましたように、確かに大輪橋災害につきましては、私どもいまいろいろ原因をさらに具体的に調査いたしておるわけでございますが、先生も御指摘のように、非常に堆砂が多かったという事実もございますし、直接的には流木等が非常に予想外に、特に大千瀬川が非常な災害でございましたので、大千瀬川沿線流木が非常に多かったというような原因と、非常に複雑な原因が錯綜しておりますけれども、その中に堆砂の影響というものは、明らかに私どもとしては影響が大きいということが考えられますので、先ほどちょっと大臣がおっしゃいましたように、災害復旧として私どもは採択するということには、ちょっと問題があるというぐあいに考えておりますので、まあ電発のほうなり県のほうなりで、私どもも中に入りまして十分対策検討いたしまして、災害復旧国庫負担法対象にはいたさないという考え方で善処するようにしてまいりたいというぐあいに考えます。
  17. 松永忠二

    松永忠二君 災害復旧対象にしないということは、結局電発の協力というか、電発によって復旧をしていくということであり、国のほうで補助を出すという対象とははずしてそういう解決のしかたをしていくということですか。
  18. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 大体そういう考えでございます。
  19. 松永忠二

    松永忠二君 これはもうまことに不満ですね。大臣がはっきりした答弁ができないというのは、事情がわからないから答弁ができないのでありまして、その時間がないということは、大体何のために私質問しているかわからぬということになる。だから、こんな時間がないようなやり方で一つ一つの問題を片づけるようだって片づけきれない。ただ問題は、そういう解決方法も具体的に出ているということですが、これは三メーター五十ですね。十四カ所を調べていて、十三カ所が三メーター五十上がっていて堆積影響が直接の被害原因であるということぐらいははっきりしているわけですからね。  それから続けてもう一つ質問いたしますが、今度の天竜の特に下流のところで一番災害の多かったのは浦川の地区でありまして、これは床上浸水が三百四十戸、床下の浸水が二十四戸流失二戸、あるいはそうでない非住家浸水四十一、流失十一、公共建物床上浸水八という非常なものなんですね。しかも浦川人たちは何というんですか、不穏な状態があるわけなんですよね。私も実はその後浦川に参ったわけでありますが、浦川人たち決眉を上げて秋葉ダムを取りはずせ、それから今度新たにできる新豊根ダムというダム建設をやめよということを言っているわけです。町は横断幕が張りめぐらされているし、数日前には何か二百人くらいの人が名古屋の電発のほうに要請に行っているようなことで、とにかく何とかしてもらわなければ、この人たち秋葉ダムがあるから結局川の流れが十分に流れない。したがってそれに注ぐ大千瀬の川が十分土砂を排斥しない、そういうような考え方ですから、どうしてもこの秋葉ダムは取り除いて昔のような形にしてもらわなければ、結局同じような災害が何度もくるというような考え方を持っているわけなんですよね。そこでまあ私はさかのぼって考えれば、佐久間ダム秋葉ダムをつくったときに、一体それをつくったらばどういうふうに天竜川河床変化をするのか、天竜の川に合流をする川が一体どういうようなふうに変化していくのかという調査をされてやっておられると思うのです。その調査の結果もお聞きをしたいわけです。いま言ったような予想を持ってやっておられるのか、あるいはこういうふうなところまでは影響がないだろうと思ってやられたものなのか、こういう点についてなお時間があればいろいろ聞いてみたいところでありますがね。で、実は大千瀬という川の天竜への合流点河床調査もしているわけです。しかし、一番被害を受けた愛川と大千瀬の合流点、そういうところでは河床調査はやっていないわけです。ここの合流点が約一メートル五十ぐらい河床が上がっているわけですよね。大臣ちょっと聞いていただきたいのですがね、この前の四十年災害のときにこの合流点がやっぱりはんらんがあったので、そこで一メートル護岸かさ上げをやったわけですよ。ところがまた今度そこがはんらんをして、しかも今度は飯田橋という飯田線の鉄橋流失をして、滝口橋という橋が流失をしたわけですね。この鉄橋流失をしてしまうというようなことは、やはり当初つくるときには、鉄橋流失をするなんということはないような程度の高さにつくったものというふうに私たちは思うのですが、それが今度はとれてしまった。だからやはり地元人たちが言うし、現に私たちが見てもこの愛川、大千瀬の合流点河床が上がっているということは事実であり、これが一体どこから河床が上がってくるのかというところに問題があるわけなんです。これを秋葉ダム佐久間ダム建設をしたこととは関係がないと断定をするのか、それともそれと関係があると断定をするのかということによって、この地元人たちの気持ちがあるわけです。地元人たちは、実は大千瀬川という川はかつてダムがなかった当時には河床が掘れたために、河床にコンクリートやいろいろな工事をして河床を掘られない工事をやったけれどもダムができてからそういう河床を掘り下げるということを防ぐ工事をやる必要がなくなってきている、そういう事実から見ても、ダム影響があるということを地元の人は言うわけです。私個人はこういう考え方を持っておるわけなんですがね。佐久間ダム秋葉ダムの間は滞水して、いま言ったように河床が三メートル五十も上がっておるわけですから、十分天竜の川が勢いよく下流流れていくということはできないわけなんです。したがって、大千瀬という川がいわゆる上流から持ってきた土砂というのは、大千瀬という川がこの天竜川に注いで十分に下流流れることができないから、自然そのためにやはり土砂堆積をするのじゃないか。それからまた一番土砂堆積をするときというのは、これは佐久問ダムが六千トンとかいろんなたくさんの水を放水をしたときに大千瀬の川がその勢いで十分流れることができないわけです。佐久間ダムが六千トンも放水をする、そこの下流のところで放水をしておるのですから、そこで大千瀬の川は流れがとまるわけなんです。そのときに上流から流れてきた土砂が要するに周囲堆積をするというふうに、私はその二つ原因があるのじゃないかと思うのですよ。だから、どう考えてみても、佐久間ダム秋葉ダム建設したこととは何ら関係がないということは、私は証明ができぬ。もしそうでないとおっしゃるならば、なぜ一体この愛川や大千瀬のところに合流するそういうところの河床が上がるのか、その理由を私は聞きたいわけなんです。たまさか話によると、今度は非常に豪雨だというわけですが、私はあなたのほうから出してもらった資料あるいはそういうような資料によると、降雨量を測候したものがちゃんと資料にあります。これと直接関係のある神山の観測所降雨量というものは、必ずしもそんなに大きなものじゃないわけです。そこで、この問題についてやはりはっきり説明ができるようにすべきだと私は思うのです。それと同時に、原因はいずれとしても、現実に何回かにわたってこういうような冠水被害を受けているわけですから、これを現実的にどういうふうに解決をしていくべきかという具体策を立てるべきだと思うのです。地元ではいろんな話が出ています。住民は、こんな決議文が出ていますが、こういう決議文をもってダムをとれということです。幾ら護岸をしたって同じことだと、だんだん上がってくるのだから、そのたびに水は出てくるのだから、護岸なんて上げたってだめだと、こういうことを言うわけですね。しかし、秋葉ダム、新豊根ダム建設を阻止し、撤去するということは、いま可能な問題だと私たちも考えておるわけじゃないのですけれども、可能じゃないとすれば、これにかわるべき措置は一体何なのかということを説明をしなければ、解決をしなければ、ただ、あなたたちの言っておることはおかしいとかできないということは言えないと思う。で、こういうようなものに対して、具体的な解決のしかたというものを求めておるわけですがね。その一つ方法として放水路を、浦川という川を二つに分けて放水してもらいたい、あるいは河床を掘り下げてほしいという要望もあり、県側もこれと相談をしておるようです。建設省とも相談をしておるようですけれども二つ私はお聞きをするわけなんですよ、大臣に。  一つは、これが佐久間ダム浦川ダムと全然関係がないと言えるのかどうかという問題。今後この問題について明確にその原因を突きとめるということをやるというお約束がしていただきたいと思うのです。これはできるのかどうか。  それから具体的な解決方法をはっきり見出すという問題について、必ず責任を持って措置するということを御答弁いただけるのかどうなのか。
  20. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 河川局長からどうぞひとつお願いいたします。
  21. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 御指摘河床の問題でございますが、佐久問ダムの地点の下流一帯は総体的には河床が低下する状態にございます。それで河床調査委員会というのができましたそもそもの原因も、佐久間ダムができたためにその下流河床が上がるより下がってくるのではないか、むしろ下がるのじゃないかということを心配して調査委員会ができておりますし、また佐久間ダムのそういった設置する場合の許可する場合に条件をつけておりまして、毎年少なくとも一回は五百メートルおきに河床調査するようにという指示を、許可命令書条件として電発に対してつけております。それに沿ってずっと調査をやっているわけでございますが、問題の大千瀬の合流点のところでございますが、これは部分的にちょっと河床が上がっておりますのは、一つは床とめの工事を、電発のほうであとで御説明があると思いますが、おやりになっておりまして、あるいはその影響で部分的に河床がそこで上昇しているというのが、床どめの影響があらわれているということも考えられますし、もう一つ考え方は、今度の出水が非常に大千瀬川が極端に異常の出水状態を呈しまして、上流の山地が相当崩壊しているようなことで、相当多量の土石流が一時にどっと出てきた。それが本流の合流点にきて、そこで沈でんをしたという原因が私は考えられると思います。そこで佐久間ダム影響は、したがいまして私の報告を受けた範囲内では直接的には影響がないというぐあいに、大千瀬の合流点における水位河床上昇には影響がないというぐあいに考えております。  それからいろいろな今後の治水問題につきましては、治山治水、砂防、河川改修等もあわせて、できるだけ私どものほうはひとつ前向きの姿勢であの付近治水対策というものを、ひとつできるだけ推進してまいりたいというぐあいに考えております。  それから秋葉ダム上流の堆砂問題は、先ほど申し上げましたように平均河床で三メートルないし三メートル以上上昇しておりますけれども、これはどこのダムでもダムを設置した上流側河床というものが上昇する傾向がございますので、それに対してダムをつくる場合にはもちろん堆砂線というものを想定して、そしてそれに対する浸水影響がないように買収したり、補償したりやっておるわけでございます。しかしそれにしてもできるだけその河床上昇影響を少なくするというようなことで、建設省としても電発に対してかねて口頭あるいは文書等をもって堆砂の問題等指摘しておりまして、それに沿って電発としてもある程度掘さくあるいはしゅんせつというものを実施いたしております。しかしながら今回不幸にして災害を受けまして、まあ橋梁流失を見、また橋梁付近で相当な浸水を見たわけでございます。その点まことに不幸でございますけれども秋葉ダムそのものの確かに堆砂の影響ございますけれども下流のほうに対しては秋葉ダムがあるために上昇を来たしたというようなことは毛頭ございませんし、むしろ佐久間についてはもちろんでございますが、秋葉につきましてもある程度の洪水の調節というものも計算的には出ております。したがって、もちろん洪水の場合にはゲートを全開しておりますし、秋葉下流に対して洪水の疎通に悪影響を及ぼしておるというふうには私どもは考えておりません。しかし、今後の発電所新設等の問題がございますし、全般的に私どもとしてはいろいろな現象あるいは河川管理あり方等も総合的にひとつ反省いたしまして、改善すべきものがあれば改善するようにいたしたいというぐあいにいたしまして、今後とも調査を続行してまいりたいというぐあいに考えております。
  22. 松永忠二

    松永忠二君 私が聞いたのは、秋葉ダムの下の河床が下がっておるなんていうことは、どこだって河床土砂をとればそれは河床は下がりますよ。そういう問題もダム防災関係に出ていることははっきりしているわけです。しかし現実的には、ここはいま話に出た佐久間秋葉の間は河床が上がっているわけです、現実に。いまあなたが愛川と大千瀬の合流点河床が上がっているか上がっていないか、わずか上がっているかもしれないがというお話でしたけれども、そんなところは調査してないでしょう。合流点のところは何も調査してないのであって、大千瀬と天竜川のところを三カ所調べているだけなんですよ。愛川と大千瀬の合流点なんか調査していないのですよ、河床を。どこがやっておるのですか、一体。どこがやっていてそういうこと言うのですか。
  23. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 大千瀬につきましては、電発のほうで調査をおやりになっておりますので、この報告が私どものところにきているわけでございます。
  24. 松永忠二

    松永忠二君 それは七、八、九という場所で別に合流点のところをやっているわけじゃないでしょう。上流でしょう。合流点ですか。
  25. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 合流点付近が三カ所とそれから上流のほう、電発のほうでこれはやっておるわけです。詳細につきましてはむしろ電発さんが直接おやりになっておるので、電発さんのほうでお答え願いたいと思います。
  26. 岡三郎

    委員長岡三郎君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止
  27. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 速記をつけて。
  28. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 松永委員のこれは現場に即してごらんになって、それで一々これはどうだ、これはどうだとこうやられて、それに対してまともにお答えしているものですから、委員長の御発言のような趣意にとっていなかったのじゃないかと思っております。仰せのとおり災害が発生いたしましたときには、災害原因を追及して、そしてその対策を講ずるということは、もう当然のことでございますし、本件につきましてもなおさような角度から当局において十分検討を進めることにいたしたいと思います。
  29. 松永忠二

    松永忠二君 最後に……。委員長からお話がありましたが、私が申し上げておるのは、大臣、時間がないからですがね、おっしゃる河川局長は一体——電発が聞いたってわかるでしょう。これはいまやっておる河状調査の場所なんですから、これは天竜と大千瀬の合流点から下流三カ所をやっておることは事実なんですよ。しかし私が言っているのは、大千瀬と愛川合流点のところに被害が起きてここの河床が上がっておるわけなんです。ここの調査はしていないということなんですよ。しかも地元人たちがこういう決議にあげているのは、秋葉ダムができてから以後こういうふうに河床が上がってきていると、こう言っておるわけなんです。これはもちろん上流から集中的な豪雨があって再々土砂を運んでくるための土砂堆積もあるでしょう。だから原因秋葉ダムができたから直ちにそれが土砂堆積に結びつく、とただ端的にいって言るわけじゃないわけなんです。いろいろな原因があると思うのです。もちろん集中豪雨とかあるいは上流からの土砂の排出というものもある。しかし同時に秋葉佐久間の間は水が流れないわけですから、だから大千瀬の川が流れても、昔のように水勢を強くして大千瀬が土砂を下へ運び出すことができないから、土砂堆積が出てくると考えているわけなんです。地元人たちも考えているから、秋葉ダム即時撤去という決議が出てくるわけなんです。それからまた佐久間ダムが大洪水のときには六千トンとか何千トンというのを放流するわけですよ。そうすると大千瀬の合流点で放流するのだから大千瀬の川が十分流れないから結局そのときに水がとまる。とまったときに持ってきた土砂をそこに落とすというふうに私も考えているわけなんですよ。だから全然秋葉ダム佐久間ダムができないときとあったときとの差というものは、とにかくどの程度か知らぬがあらわれているというふうに考える。地元では原因はそれだけだと考えているわけなんです。そこで私の言っていることは、委員長も言ったけれども、一体そういうふうになって何回も同じような被害を受ける原因は、この秋葉佐久間やそういうものとダム関係はないのかどうなのか、なければない、こういうわけでたまるのだという理由をちゃんと説明をしなければ、地元は納得しませんよ。だからそれをはっきり今後さしてほしいということを言っているわけです。それと同時に原因はいずれにあるとしても、現実的に相当な被害が出てきて、この人たちはもうこんなことを何回もやられちゃかなわぬというわけですよ。だからこの際、ひとつきちっとして問題の解決をしてもらいたいということを言っているわけですよ、対策をしてほしいと、これまた原因のいかんにかかわらず現実的に問題の解決をしなきゃできんので、この点について建設省としても明確にひとつ解決をするということを、災害の対策を、対応する措置をする、そのことについて検討協議をして地元の不安をなくせよと、この二つの問題について大臣の見解を聞いているわけなんです。
  30. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 先ほど河川局長からお答えをいたしたように思いますが、まだ御了解をいただかないようでございますから、さらに調査を進めまして、検討いたしまして御納得のいくようなところまで突き詰めたいと思っております。
  31. 松永忠二

    松永忠二君 あとはどうなんですか、あとのほうは、災害の対策については。
  32. 保利茂

    国務大臣保利茂君) これはもう善処してまいります。
  33. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 ちょっと大臣のほうにお聞きしたいんですが、飛騨川のバスの犠牲者の問題ですが、これは言うまでもございませんが、岐阜県の県警で数百名の方の意見を徴しながら、刑法上の誤りはなかったと、こういう結論を出したことは御承知だと思うんですよ。そこで官房長官のこれは発表として、自賠法を適用する、自賠法で救済法を考える、こういう新聞発表がなされておるわけですね。犠牲者の方が出てからすでに五十日をこえています。二カ月になんなんとしておりますが、こういう事態の、不幸な事態にあった家族の補償が刑法上の問題としては補償する道が十分でない、こういうことになってきますと、官房長官が発表されたそのことの結論がいまだに出ないという状態では非常に不安だと私は思うんですよ。したがって、私はこの点について決算委員会が三十日から開かれましたので、質問をしたのですけれども責任ある方が出席ができなかったので、大臣にお聞きしたいんですが、私はこの問題は、まあ官房長官なりあるいはこの各省あたり、いろいろ検討をしていただいておりますけれども建設省として、私は積極的にやっぱり取り上げる必要があると思うんです。たとえばモーテル飛騨から飛泉橋という距離が約九・四キロあるんですね、この間は危険だということは日ごろから立て札も立っているわけです。大雨じゃなくても、梅雨期でも落石がある、地すべりがあるという危険性を持っているわけですね。そういう地域なるがゆえに、しかもまた今度の災害の大きな原因が、前方も後方も土砂くずれのため約二百メートルの間に三十台ぐらいの自動車が立ち往生せざるを得ない。しかもその立ち往生しておった中間が、いまの被害を受けた大きな沢になっておるわけです。こういう面からいきますと、私は刑事上の責任がないという結論が出たことを疑うわけじゃございませんけれども、前方も後方も身動きができないほど停車しなくちゃならない、土砂くずれが至るところに出たというこの事実は、これはやっぱり私は大きな、国として道路問題に対する責任がないとは言えないと思うのですね。じゃ、もし前方か後方か土砂くずれがなければその沢の地点をのがれることができたかもしれません。そういう面からいっても、私は建設省としてはやっぱり責任が大ではないかというような気がしているわけです。それがいまだにその結論が出ないで、自賠法も適用されない、民法上からも適用されない、さらにまた国賠法からも補償されない、新しい法律をつくらなければ結論が出ないのだというような考え方でいるということは、非常に犠牲になった遺家族に対して、これは国として、政治上まずいことだけでは済まないのじゃないか、責任あるひとつ対策を速急に立てる必要があると思うのです。これに対して大臣どうお考えになるか、考え方をひとつ発表してもらいたい。
  34. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 仰せのとおり、この飛騨川の事故が起きましてから日がたっております。政府それぞれの当局でも、国会でも申し上げておりましたように、もう少し時間的には早く処理ができるものというように御期待をかけられるような答弁をそれぞれしてきております。ただまあ、何さま大きな事故であるし、岐阜県警においてかなり大がかりな調査をされたようでございます。その報告は、まあ普通からいいますと余すところなく捜査と申しますか、調査を進められたと思うわけでございます。  さて、それじゃその調査の上に立って自賠法とどうにらみ合わしていくかで運輸当局も非常に慎重に、法制局や法務当局に照会されまして、それぞれの見解を求められた。その結果法務当局の見解では、どうも肝心の事実関係のところで解釈の決定をちゅうちょする、もう少しここのところを突きとめられぬかという点は考えますけれども、そういうふうなことで先般の閣議でも運輸大臣から報告がありまして、まあ私は、これはとにかく事態に対しては放置を許される問題ではない、私の政治判断としましては、まあとにかく運行上の、運行の過程において、とまっておる、走っておったは別としまして、とにかく一度バスが運行される過程において起きておる事故でありますから、やはり大所高所から自賠法の適用をはかるということが、判断としては常識じゃないかと、私どもはそれを強く求めるということを、私は個人的に建設大臣として要請をいたしておるわけで、で、新たな特別の立法措置を講ずるとか講じないとか、そんなまどろこしいことでこの事態に対処すべきことではないじゃないか、全然理屈がないというならそれは別で、とにかくたまたまとまっておったけれども、しかし全体からいえば運行の過程におけるひとつの事態なんだから、そういうことに取り扱ってもらえないか、そういう方向でひとつ関係当局に対処をしていただきたいと、私は強く要請をいたしておりますから、したがいましてそういう方向で解決できるものじゃないかと私はもう期待をいたしておるいまの段階であることを、御了承いただきたいと思います。
  35. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 これはまだ大臣お聞きになってないと思うのですよ。私は先ほど申しました区間の約二里、九キロ半ですか、この区間はやっぱり日ごろから雨が降れば落石がある、土砂くずれがあるという注意の札が立っているんですね。そういう危険な場所なんですよ。したがって、そこに豪雨がきたんですから、二百メートルまではモルタルの吹きつけで砂防してありますわね。それ以上のところが六十年間も災害がなかったということが、建設省に言わすと、二百メートル以上の地域は個人所有であって、できるだけ拡大しないような方法で砂防工事をやろうと、こういう見解を持っておられるわけだね。けれども六十年ということは、災害は忘れたころにくるというのは、六十年もたてば災害にあった人はもう死んでしまっているんですよ。したがって、あまり心配をしないようでありますけれども、やっぱり日ごろから落石が多いという、実質的に見ても危険な場所であるという限りにおいては、私は大きなこれは行政上のやっぱりミスがないとは言えないと思うんですね。したがって、建設省が私はこの点については、その災害の補償は官房のほうでやればいいとか、あるいは自賠法でやればいいとか、そういう問題ではなくて、まあ三つのいずれでもいいですが、とにかく家族に安心させる方法を早く政治面からとるべきだ、というのが私の主張です。これは大臣の御意見で大体考え方わかりました。  それで私は一つだけ、これも決算委員会で注意をしたんですが、大臣出席できなかったから、私は大臣の意見を聞きたいんですが、そういう危険な四十百万の国道なんですねこれは。そういう危険な場所なんです。したがって、金山から入るここに一般県道があるわけです。で、この七宗村から金山に抜ける道が同じような距離の道路があるわけです。で、普通雨が降ったりあるいは梅雨期等においては、危険だと思う場合、それをよく知っておる人はこの道路をかなり利用しておるわけですね。雨がたくさん降ったりあるいはまた雨期に入っては危険だから、落石なんかにあってはかなわぬから、大体七宗村の本郷から入って万場というところに出まして、金山に抜ける道があるわけですね。距離はほとんだ一緒なんです。変わらないですね。この道を、再度繰り返すことのないように、これは県とも十分相談していかにゃいかぬでしょうけれども、県自体も財政力の弱い立場から考えますと、こういう危険な場所の飛騨川沿いのこの四十一号線というのが雨期において危険だということが明らかになったものですから、私はこの一般道路ですか、これをやっぱり県道なら県道に全部昇格しちゃって、そうして政府がやっぱり責任を持ってこの道路を急ぐべきじゃないかという意見を私は持っているわけです。ひとつこの問題については、決算委員会でも詳しく私の意見も発表してございますので、建設大臣として早急にやるべき必要がある、再度繰り返すようなことがないように、そうした雨期あるいはまた豪雨のあるような危険な日は、必ずこちらを通るというような形の施策を立てたほうが賢明ではないかという考えを持つわけです。これは非常におそまつな道です、県道ですけれども。これを急ぐべきだというのが私の意見ですが、建設大臣の意見をひとつお聞かせ願いたい。それで終わります。
  36. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 四十一号線上においてああいう事故が起きましたので、私も先般富山から四十一号線を通ってみたのです。そうして私はしろうと目ですからよくわかりませんけれども、実にみごとな道路ができつつある。道路技術の進歩というものをいまさら感じたわけです。ただ、確かに仰せのとおり気をつけて見てまいりましたけれども、あの事故を起こしましたあの所がかなり狭隘になって、しかも非常に峻険な地帯である。しかし、いまお話しのように長年事故もございませんで、災害のないように土質もしっかりしておるということで十分気を使って築造されておるようですけれども、それにああいう思いがけない事故が起きたというのは、何たる皮肉なことだろうかと感じて、ただいまのバイパスの問題、現場におきましてもしさいに話を伺いまして、これは余力があればどうしても早くやらなければならぬじゃないかという感じを持ち、事務当局にも十分検討させております。
  37. 岡三郎

    委員長岡三郎君) ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止
  38. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 速記をつけて。藤原君。
  39. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 いまお話がございましたが、私も災害の問題につきましてお話をお聞きしたいと思うのであります。特に私はいま河川のお話がございましたが、海岸施設、これらのことを通しまして現況、それから政府の見解をお聞きしたいのでございますが、時間がないということで、具体的な問題について取り上げることができませんで、まことに残念でございますが、大臣にお聞きしたいことは、たとえば具体的な例としては、静岡県の富士市とか吉原市、富士海岸、ここの所でございますが、一つの海岸の防波堤を築く、堤防を築くにも、県と農林省、また建設省、運輸省というように各省でばらばらに工事しておる。こういうことがございまして、しかも、その工事によりまして堤防の型、それから堤防の高さとか奥行きとか、こういうことが非常にまちまちである、こういうことで地元民から非常に不安の声が寄せられておるわけでございます。具体的に一つ一つのことを申し上げるとよろしいのでございますが、時間もないようでございます。さらにまた工期についても、各省でまた違うようでございます。こういうことで、地元住民の不安というものは非常に大であるように聞いておるのでございますけれども災害が起きてからこういう問題がいつも論議され、または人命の尊重ということから、いろいろ私どもはこの問題については検討するわけでございますけれども、海岸保全事業に対しては、抜本的な対策を立てなければいけない、このように私ども強く感じているわけでございます。  ここで大臣にお聞きしたいことは、各省ばらばらな現在の現況の中にございまして、三省連絡会議というものがあるということを聞いておりますが、これはどういう役割りを果たすか、ちょっとお聞かせ願いたい。
  40. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 富士−吉原間の海岸堤防のいまの状態では、工事にかかっている現在の状態はずいぶんへんちくりんじゃないか、ばらばらの何か所管でこういうことをしているのじゃないかというような御批判を受けておるようでございます。それはそれぞれの役所といいますか、技術関係、それぞれの連絡は十分とって、それでいま当面御指摘の地域については、でき上がりますと、ああなるほどこういうことなのかということになる。ことに四十四年の災害前には、来年の台風時期までにはほぼ完成いたすわけであります。でき上がりますれば、現在、お持ちになっていらっしゃるようなものではないような結果が出てくる。  三省連絡協議会は、仰せのとおり港湾部分については運輸省、あるいは土地改良等の関係については農林省、その他の部分について、一般部分について建設省というように所管がなっておるわけで、御指摘のようなことがあっちゃいかんのでありますから、そこで現在三省連絡協議会を持って保全施設の築造の基準でありますとか、あるいは日本の全国の海岸事業の長期計画等についてただいま連絡協議会で検討をいたして、そういう御批判を受けないようにやっていかなければならぬということでやっております。
  41. 岡三郎

    委員長岡三郎君) それでは申しわけないけれども、ちょっと速記とめて。   〔速記中止
  42. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 速記をつけて。
  43. 松永忠二

    松永忠二君 関連。お話のあるのは、実は田子浦港を中心にした富士——吉原の海岸の問題を新聞が中央紙で取り上げたり、地方でもだいぶ取り上げ、あるいは一般からもあまり各省ともばらばらじゃないかというようなことで批判もあって、私も現地に実は行って富士の市長に話を聞いたり、あるいは沼津の工事事務所長が出てきたり、あるいは災害復旧のほうは、静岡県のほうの関係者が出てきて話を聞きました。結論的には大臣がいまおっしゃったように、施行の時期は少しずれているけれども、それが完成をすれば決して施行にズレがあるとか、片方は非常に金をかけるが、片方は金をかけないというような筋合いのものではないように私たちも承知したわけです。それからなお、いま運輸省のやっているところについては、住民が土地を提供するということで、そこに公園を施設しようということで非常に幅の広いところができておる。その横に建設省護岸があるので、その幅が非常に違うということでいろいろ問題になったりしているわけです。ただ、そこで私はこれだけ地方の新聞が取り上げ、中央の新聞が取り上げ、それからまた地方の相当な言論機関でもこれを取り上げたわけです。それでそのもとというのは住民がそういうことを直接に見てそういうことを感じて言っているわけなんですけれども、こういうことがあれば、積極的にむしろ建設省なり各省が住民説明をするとかあるいはまた関係の市町村に説明をして、実はこうなっているのだ、決して御心配になることはないんじゃないか、ということを積極的にやはり解明をしていくべき筋合いのものだと思うのです。またそういうことが積極的に説明をされれば地元住民なりあるいは関係者が納得することだと私たちは思うのですよ。ところがそれが十分になされないので、おれたちのやっていることは間違いないのだからぐずぐず言うな、別に問題はないのだという考え方でいるから、そこで住民から常にそういう批判が出てくるのじゃないかという感じがするわけなんです。こういう問題があるところは、積極的にやはり各省なり、直接一番関係するのは建設省なんですから、建設省の出先から明確なひとつ解明をして、納得を得られる措置というものを積極的にすべきだと思うのだけれども、こういう点について十分そういうことがなされていたのですか。またそういう必要があるというふうにお考えになっていませんか。
  44. 坂野重信

    説明員坂野重信君) 全く先生の御指摘のとおりでございまして、私ども今後ひとつこういった問題につきましては、地元の誤解なり御心配がないように、ひとつ積極的にPRにつとめていきたい。特に先ほど大臣がおっしゃいましたように、中央に連絡協議会がございまして、それの今度下部組織の県単位にこういった連絡協議会を持っておりますので、そういう面を通じまして、ひとつ今後ともそういった現地に対する、現地の住民に対する不安のないようにPRを積極的にやってまいりたい。全く先生の御指摘のとおりでございます。そういうように努力いたしたいと思います。
  45. 松永忠二

    松永忠二君 もう一つは、実は今度は問題にならないのですが、富士川の河口に農林省の海岸がある。これはその背後がかつて開拓地だというところから農林省がそれを管理をしておるわけです。しかし、現実にはその場所はもう住宅ができ、ほとんど住居地と変わりのないような様相になったので、これはやはりむしろ建設省の所管に移すなりしなきゃならないものだろうし、それから農林省自身はこの富士川河口までの護岸について、そういうふうな建設省と同じようないわゆる設計計画を持っているのかどうか。一貫性のある問題なんですが、この点はどうなっているのですか、わかっておれば。
  46. 梶木又三

    説明員(梶木又三君) お答えします。  まだ、ただいまのところ若干宅地に転用になっておりますが、大部分土地改良財産に残っておりますので、農林省所管の海岸ということで実施をいたしております。
  47. 松永忠二

    松永忠二君 ちょっといまの答弁は、問題になっているそれと同じような高さですね、つまりその高さで続けてやるようになっているとおっしゃるのですか。
  48. 梶木又三

    説明員(梶木又三君) 隣の建設省でやっておられる海岸と同じように十七メーターの高さでやっております。
  49. 松永忠二

    松永忠二君 わかりました。それも実は一般ではそれを指摘をしていないわけですけれども、行ってよく調べてみたら、その隣につまり農林省のがあって、農林省はどうなっているのですかと、こう言って聞いたらば、関係者は知らないわけですよ、どういうふうになっているのか。しかし、同じ海岸堤防はそこまでやらなければ効果がないわけですから、おそらく農林省もその計画を持ってやられておるのだろうと私も思ったのですが、お話しのように、その横は建設省が金を出して県が災害復旧を兼ねてやっている工事、それと関連した同じ高さのようにやるというお話を聞いたのでそれでいいと思うのです。あの海岸なんかは、もうすでに建設省に所管がえをすべき場所だとぼくは思うのですが、やはり農林省としてはああいうところをいつまでも所管しておられる必要があるのですか。特に私がいまそう言うのは、実は今度の災害があったので、あすこに運輸省があり農林省のがあり、それからまた建設省のがあり、非常にばらばらになるので、特定海岸として統一のあるやり方をやってほしいということで今度特定海岸になったわけです。特定海岸になっておれば建設省が所管をしてやると私たち思っておったところが、そうではなくて、特定海岸になって国がやるけれども、各所管別にやるのだというお話で、ただ設計協議がなされるのだというお話なので、そういう話を聞いて、われわれの理解しておるのとは違っているという感じを受けたのです。もうすでにあの背後は農業用地じゃないのだ。開拓地でもないわけです。ああいう護岸はもうあの機会にやはり建設省側に渡して、建設省のほうでいわゆる統一ある海岸として工事をしていくほうが適当だと私は思うのですが、この点は、なおあすこを農林省が持っていなきゃできない理由というのは、積極的におありなんでしょうか。
  50. 梶木又三

    説明員(梶木又三君) ただいまのところ、まだ土地改良財産そのままでございますので、やはり背後地の特質等を考えまして、いまのところは農林省所管の海岸ということで実施いたしておるようなわけでございます。
  51. 松永忠二

    松永忠二君 私はやはりこの点はもう少し積極的にですね、御協議をいただくほうがいいんじゃないか。また御答弁は聞きませんけれども建設省側のほうでもやはり現状はもう農地は何もないわけですね。もう住居地になっているわけなんで、もうああいうところこそ統一あるひとつ所管にして工事をやってもらうほうが適当だと私は思う。これはやはりそういう点で建設省側ともひとつ協議をしてもらいたい。できるだけ所管によってこまかく背後地をやるということになると、いま話しましたように漁港は水産庁がやってくる、それから港は運輸省がやっている、それから建設省がやる。もうばらばらになっているわけです。特にあそこの背後地についてはそういう状況なので、ひとつ検討してほしいということを両側の省に要望をして、いまたまたま私の県の直接の御質問がありましたのでお尋ねをすると一緒に、要望を申し上げたわけであります。
  52. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 でき上がった形を見ていただきたいという大臣お話でありましたが、災害はいつおとずれるかわかりませんし、工期からすべての点で違うようなことが多いわけであります。いまいろいろ質問ありましたけれども、こういう点、大事な問題もございますので、各省の受け持ち分担のみを守るというのでなくして、一元的な計画というものができないかどうか。こういう点をひとつお聞きしたいと思います。
  53. 仮谷忠男

    説明員(仮谷忠男君) いまの件は、先ほど大臣からもお答えを申し上げたとおり、確かに私どもも地方におりましてね、同じ海岸をそれぞれの省が別々に仕事をしているというのは、地方民から考えると変なかっこうになるのです、確かに。しかし現行制度においては、そういうことでなければならないからしかたがないからやっておりますが、でき上がったら先ほど大臣がおっしゃったように、一応皆さん方も納得されると思うのですが、しかしまあ工期等が同じ年度内にしてもいろいろズレがあるし、そこにいろいろ不安を持たしめるということも確かにあります。それはでき上がったものにもいろいろ各省のやったものを見ると、いろいろ違いができておる。こういうような批判を受けることもしばしばあるわけです。こういった問題は、やはり統一してやるのがほんとうだと思うけれども、現行制度においてはそういうことできませんから、やはり各省の連絡協議会というものを緊密にやって、そうして関係者に不安を与えないように、そして災害を未然に防止するということを考えていかなければならぬ。そういう面においては確かにPRの少なかったことも、私ども率直に認めます。先ほど河川局長答弁をいたしましたように、そういう面を十分に地元にPRをしながら理解を求めて、万全を期していきたいと思っております。
  54. 藤原房雄

    ○藤原房雄君 PR云々ではなくして、さらにもう一歩積極的に一元化された工期で進めることは最も理想的であります。その方向に持っていくように海岸の保全、施設の整備、これは長期計画のもとに進めるような考えがおありかどうか。この点をお聞きします。
  55. 仮谷忠男

    説明員(仮谷忠男君) 化されたといいましても、一本で事業をやるというわけにはいかないのでありまするけれども、そういうことを御趣旨に沿って各省の連絡は十分にとりながら、できるだけ工期もそろえて、竣工もそろってできるという形で努力をしていくことは当然なことでありまして、御趣旨を体して努力してまいります。
  56. 岡三郎

    委員長岡三郎君) それでは次に下水道問題について春日委員。
  57. 春日正一

    ○春日正一君 現在、市特に建設省において進めておられる流域下水道整備事業計画これについて具体的にお聞きしたいのですが、で、荒川左岸流域の下水道計画について、その規模、それから目標、事業内容、それから工事期間、事業費の分担というようなものについて大筋を説明してほしい。
  58. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 埼玉県の南部は御承知のように人口が増加しておりまして、工場が進出して急速に発展いたしておりまして、下水道の整備がはなはだしくおくれておるわけです。そのために河川がよごされて不潔になる、雨が降れば家屋に浸水するというような弊害が生じておりますので、県南地区の各都市が一体になって、行政区域にとらわれない広域的な下水道をつくるということで、荒川左岸の流域下水道の計画が行なわれておるわけであります。現在のところは実は荒川左岸の下水道計画は、東京に接します鳩ケ谷、川口、こういうところから荒川左岸に沿いまして熊谷までを全体計画として考えておりまして、全体といたしましては、関係都市が十一市三町ということになるわけでございますが、ただいま事業として取り上げておりますのは、そのうち川口から上尾のところまでの計画を第一次計画として取り上げておりまして、関係市は八市でございます。  やっております事業の内容は、鴨川幹線というものと芝川幹線というものと南部幹線という三本の幹線と、それから戸田市に設けられます終末処理場、中継ポンプ場の三カ所というものを事業内容といたしておりまして、鴨川幹線はいわゆる大宮バイパスの舗道部分に幹線を設ける。それから南部幹線は埼玉の外郭環状線の下に埋める。芝川幹線は在来道路の下に埋めるということでやっておりまして、この第一次計画の全体の事業費は二百四十八億円でございますが、ポンプ場や終末処理場は一時に全部完成する必要がございませんので、それにつきましては暫定的な完成ということを考えますと、とりあえずやります事業目標といたしましては九十六億、その完成年度はおおむね四十八年度ということを考えておるわけでございます。負担割合といたしましては、昭和四十二年度におきましては、これは実は四十一年度から着手しておるのでございますが、四十一年度までは国が三分の一、残りを地方公共団体の負担ということでございまして、実際上、埼玉県の荒川左岸につきましては全体事業の一七%を県が出す、つまり国と県で半分、関係市が半分ということで、四十一年度はやってまいりました。四十二年度からは国の補助率が上がりまして国が四〇、したがいまして県が一〇、関係市が五〇ということでやってまいったわけでございますが、関係市町の負担が非常に大きいということもございまして、四十二年度からは事業主体を、従来は関係市町の一部事務組合というものが建設主体でございましたけれども、それを県にやらせるということにいたしまして、四十三年度以降は、国の補助率が上がりまして、流域下水道につきましては、補助率が五〇%になりました。国が五〇%、県市が半々ということで県が二五%、関係市が二五%ということになっております。  この県市の負担分につきましての起債の充当率でございますが、四十二年度までは起債の充当率は流域下水道について半分ということになっておりましたが、四十三年度からは六割というふうに起債の充当率を上げております。したがいまして、四十一年度、四十二年度に比べますと、地方公共団体、特に市のいわゆる起債以外の財源につきましては、従来は二五%が純市負担ということでございましたのが、四十三年度は一〇%になった。約六割がた改善がされたということになろうかと思います。こまかい数字はまた御質問お答えいたします。
  59. 春日正一

    ○春日正一君 そこで、そういう計画で四十八年までに完成するということになっているわけですけれども、この計画自体としては、これだけやったらあとは熊谷まで延ばすというようなことで、一応この地域の下水道の幹線としてはこれでいいというような考えでやっておられるのか、それともこれはとりあえず、それからあと当然必要なものは補充するというような考え方があってやっておられるのか。
  60. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) ただいま第一次計画でやっておりますところにつきましては、先ほど申し上げましたように、そこに人口が埋まってくるということによって弾力的にふやせる、処理場あるいはポンプ場の施設は別といたしまして、幹線につきましてはこれで最終的な形になる。ただし、これ以外に各市の今度流域下水道につなげる準幹線、補助幹線、管線というようなものは、これは別途に公共下水道としてやらなければならないというふうに考えております。
  61. 春日正一

    ○春日正一君 そこの問題ですが、いまの幹線ができたからといって、これで地域の住民の汚水がすぐ処理されるということにはならないと思うのです。たとえば戸田市の例を見ますと、私がこれを見せなくてもあなたよく知っていると思うのですけれども、ほんの一部分に南部幹線が入ってくる。それから鴨川幹線が入ってきて、そこへ終末処理場ができるということで、市の住民の住んでいる東南のほうですか、ここはほとんどそれに該当しない。だから当然この市部の汚水を排水してことへ持っていこうとすれば、戸田市として相当大きな準幹線みたいなものをつくらなければならないということになるわけですね。ところが、その費用を聞いてみますと、大体一メートル二十万円として六キロ、十二億円くらいはかかるというようなことでばく大な費用がかかるのですね。しかもこれを一般補助事業とすれば、市としては八億四千万くらい出さなければならない計算になる、これは市役所のほうで聞いたのです。それから流域下水道事業としてやれば市の負担は三億くらいで済む、負担がうんと違うのですね。戸田市の財政状態を言いますと、予算額が十八億円、下水道に投下できる財源は一億円程度、その中からいま言った流域下水道の負担金を二千八百万負担しているということになりますと、これをこのままの状態、将来財政は若干はふえるにしても整備していこうとすれば、非常に長い年数がかかってしまう。せっかく幹線が八年間でできたとしても、これを関係市が利用するまでには二十年も三十年もかかる。しかもその間に人口がどんどんふえていくということになると、この効用というものは何というか非常に減殺されて、せっかくつくったけれども十分生きないということになってしまうのですね。大宮の場合でも同じようなことが言われているわけなんですが、たとえば鴨川幹線に共用が始まって、そこへ入れるとしても、これを利用するためには切敷川に現在放流している、国鉄の線路の西側ですね、こっちのほうの排水を集約して鴨川幹線に結んでいく準幹線のようなものをつくらなければ、これでほんとうに生きてこない。そうすると、この計算も大宮市で聞いたところによると二十七億五千万円くらいかかる。そうして、これを流域下水道ということでやってもらえれば、市の負担は六億九千万円くらいで済むということで、これはかなり進捗できると思うのですけれども、それを公共下水道でやれ、市の負担が高いものでやれということになれば、これも非常に時間がかかって、おくれてしまう。そうすると、せっかくこの幹線をつくっても、それにつながれて生きていくということになるためには、いまのような事情でいけば、これは非常に長い時間かかってしまって、せっかくつくったものが半ば死んでしまうような、そういう状況になるわけですよ。だから、そういう点から言えば、やはりこういう主要なもの、特に戸田市の場合の市の水を集めて今度できる幹線につないでいくものとか、大宮の場合のような準幹線になるようなものとか、これはやはり流域下水道計画というものの中に入れて国庫補助、起債その他の条件をよくして促進するということがどうしても必要になってくるというふうに思うのですが、その点建設省考え方はどうなんですか。
  62. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 下水道は、もともと現在の下水道法で規定されておりますように、市町村が自分が事業主体になりまして建設をしていくということがたてまえだったわけでございます。ただ、こういうような非常に水質汚濁に関係のあるような河川の浄化に関係のあるような、しかも流域単位で各市が別々に処理場をつくって、そうして川に流し、またそのよごれた川の水を下流で水源に使うというようなことは、水質汚濁対策あるいは水のサイクルという面から非常にぐあいが悪いことであるということで、流域単位に考えまして処理場は数市町村の分を一カ所にしかも下流のほうにつくる。そうして、それを結びます幹線だけは流域下水道のほうで取り上げていきたいということで、四十三年度からやっと県が流域下水道の事業主体になってやるという原則が確立されたわけでございます。したがいまして、現在の段階におきましては、市町村のみに関係のある下水道のパイプというものは、市町村が事業主体でやっていただくというたてまえにいたしておりまして、これにつきましては国の負担もございますけれども、先ほど申し上げましたように、県が相当負担を流域下水道にいたしておりますので、県と市の財源負担という問題もございますので、私どもとしては、いまのような考え方で現在事業を進めております。おっしゃいますように、確かに公共団体自体、市自体がやります公共下水道のほうがややもすればおくれております。これをやりますためには、やはりわれわれといたしましては下水道の整備量というものを大いにふやしていく、そのためには国の負担もふやす、あるいは市も独自の財源を出していただく、あるいは県も出していただくというようなことで、あらゆる財源を投入して下水道の整備を急速にはかっていかなければならぬと思います。ただ先ほど申し上げておりますようなことがございますので、流域下水道は先生おっしゃいますように、確かに一面におきましては、やや先行的な整備になっておる。そのためにわれわれといたしましても、通常の下水道以上に起債充当率を上げるなり事業率を高めるようにいたしております。その点につきましては、御指摘の点もございますので、私どもといたしましても、長い今後の問題といたしまして、さらにこれを充実させるというような方向で検討はしていきたいと思っておりますけれども、現在のところの考え方は、先ほど申し上げたとおりでございます。
  63. 春日正一

    ○春日正一君 日本の下水道が国際的に比べても非常におくれているということは、建設白書にも書いてあるし、今年度の予算、いままでの計画を見ましても、この五カ年計画が発足して四十二年度で千二百五十八億ですか総事業費、それで一年間に充足したものがパーセントにして一・五%ふえた、四十三年度も千三百七十四億ですから、ほぼその程度しかふえないということになると、あと三年間で最初の計画の一九・九%を三二・五%……。これでも国際的に見ればおくれているのですが、それに充当するまで追いつくということになれば、相当もっとたくさん金をつぎ込んでやらなきゃならない、急がなければならない、そういう問題だと思うのです。ところが実際問題見ますと、先ほども言いましたように、市町村としては流域下水道の分拠金もある、準幹線もつくらなければならぬ。それから一般補助事業や単独事業でもつくらなければならぬということで、非常に負担が大きいわけですね。ここができなければ、実際言えば下水道というのは生きてこないわけですから、そこが非常におくれている。戸田の例で見ますとこういう矛盾が起こっておるのですね。全市の千三百ヘクタールの地域に下水道を設置するということで、少なくとも八十億円はかかるという計算で、戸田市としては第一次七カ年計画として市の東の端から中心部を含む全市の三分の一の地域四百二十七ヘクタールに下水道を完備しようということで、三十五億円でそれをやる計画を立てた。ところが建設省のほうでは戸田市の財政規模からして、七年で十億円程度の計画しかできないだろう。それに縮めろという指示をして、実際縮めさせておるのですね。市が水道事業に積極的におくれているからやろうという意欲的な計画を、建設省のほうとして半分に縮めさせなければならぬというような矛盾が出ているわけです。現在それに基づいて十五億五千万で計画を進めているようですけれども、そうすると市役所なんか中心にした市の半分の地域というようなものは七カ年以後になってしまうというような、非常にぐあいの悪いことになってしまうのですね。しかも、このテンポでいけば、戸田市の下水道が完備するまでには三十年かかるということですね。こういうことになると大きな矛盾があると思うのです。あなた方のほうでは下水道整備を促進しなければならぬからといって、新しく法律も変えて補助率もふやして三二・五%まで上げるのだということで、取り組んでおられるその建設省が、それは大き過ぎるから縮めろ、この矛盾をどうするか、それについてどういうふうに考えておりますか。
  64. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 先生のおっしゃるように、非常に下水道事業おくれておりまして、建設省が、戸田市の例私つまびらかにいたしませんけれども、そういうこともあるのじゃないか。私どもといたしましては、全国の財源を、国、地方の財源をにらみながら、その種の計画に協力していきたいということで、五カ年でこれくらいが限度じゃなかろうかということを言っているわけですから、おっしゃいますように、これはやはり基本的には国の財源対策、あるいは地方の財源対策というものが伴っていないということからきておることでございます。従来の実績を申し上げますと、大体四十二年度までは国費の伸び率、あるいは事業量、補助事業の伸び率というものは大体三割程度の伸びで、従来きておりまして、かなり大幅の伸びで、精一ぱい下水道の費用を伸ばしているという形が出ているわけでございます。残念なことには、昭和四十三年度はいろいろ財政事情もございまして、一二%くらいの伸びしかなっておりません。下水道五カ年計画を達成するためには、今後やはり三割程度の伸びというものが必要でございます。これからの予算折衝にあたりまして、私どももまず国費を伸ばす、あるいは起債の充当率をふやすということで努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
  65. 春日正一

    ○春日正一君 こういう矛盾を解決するには、やはり下水道事業のおくれというもの、これは私時間がないから言いませんけれども、歴史的に見れば、国の施策が下水道というものを一番あと回しにしてきたということですね。だから当然国として、もっともっと補助金を大幅にふやして、これを促進させるという処置をとらなきゃならないのじゃないか。その点は私大臣に聞きたかったのですけれども、次官のほうからでも建設省の省としての考え方をお聞きしたい。
  66. 仮谷忠男

    説明員(仮谷忠男君) 下水道の問題は、いま局長からお話をなさっており、また春日委員から御指摘のとおり、非常におくれております。公共事業全体のそれぞれの立場からいうと、必ずしも進んでおるとは考えられませんけれども、特におくれておるということ、われわれも十分認識をいたしております。したがって五カ年計画を立てて、せめて五カ年計画だけは完全に実施しようということで、努力を実はいたしておるわけでありますが、四十三年度は、御承知のとおりのわずかに一二%程度しか伸びがなかった。しかも五カ年計画をあくまでも達成しようとすれば、残る三年間に三〇%程度の伸びを期さなきゃ、その計画すらも完成できないという状態でありますから、明年度は特に重点を入れて、三〇%はあくまでも確保するということで、全力をあげて努力してまいりたい。そうしてまず第一次の五カ年計画だけは達成していきたい、こういう考え方で進めております。
  67. 春日正一

    ○春日正一君 そこで補助率の問題、この前五カ年計画の発足のときから十分の四ということになったのですが、これ実際割り当てる場合に、補助の対象になる事業範囲を、一方的に建設省のほうから、一般都市が七五%まで、あるいは大都市が四〇%までというふうにきめて、その十分の四に押えておるというふうに聞いているのですが、この点どうですか。
  68. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) おおむねそういう数字だろうと思います。平均いたしますと、四八%が国庫補助の対象になる、五二%が単独事業になる。内容的に申し上げますと、幹線と、幹線の管渠と、それからポンプ場、終末処理場というものは国庫補助事業で取り上げております。枝線というものは単独事業で取り上げておるというような形で、現在事業を遂行いたしております。
  69. 春日正一

    ○春日正一君 そうすると、補助は十分の四というふうに、法律ですか、あれは国会で審議したときにはそうなっておるのに、七五%とか四五%とかいうようにそれを制限してかかる法的な根拠というのはどこにあるのですか。
  70. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) これは、法律的には下水道の国庫補助対象事業はどういうものを取り上げるということは書いてございませんが、財政的に申し上げますと、道路の例を引くのは適当かどうかわかりませんが、道路の場合におきましても、幅員何メートル以上の道路につきまして国庫補助の対象とする、それ以外のものにつきましては、地方単独なりあるいは私道で整備するというようなことになっておりますので、公共事業の場合、通常採択基準というのがございまして、そういう考え方から補助対象事業というものの採択基準をきめて、そうして補助金の交付をやっているわけでございます。その結果が先ほど申し上げましたような数字になっているわけです。
  71. 春日正一

    ○春日正一君 ところで、それが採択基準には主要管渠からやるということになっておって、大きいところから採択して、七五%あるいは四〇%というようにやっておられると思うのですけれども、その結果市町村によって補助対象事業に採択される管の太さが違ってくる。これは国の政治としてはおかしな話だと思うのですよ。たとえば大宮市では三百五十ミリ以上、ところが川口市では四百ミリ、浦和市では八百ミリ、というとこんなでかい管でしょう。それ以上でなければ補助対象にしない。大宮市は三百五十ミリにして、浦和市は八百ミリというのは一体どういうわけなんですか。これは国の政治の公平性から言ってもおかしな——だからこの数字だけ見れば任意的にここはこのくらいから、このくらいという各都市について任意にやっておるみたいな結果になっているのです、大きいほうからとって七五%というふうにしてきた結果として。そうするとこういう不公平が出てきてしまう。三百五十ミリといっても相当太いものだし、これは下水管としては幹線的な性格を持つものですから、たとえば四百ミリ、七百ミリ、八百ミリというように町によってこれが違っていくということになると、やはり金を握っておって、どこにどうつけるかというようなことで、それで随意にやられて、何らそこに基準になるものがない基準、そういうことになるのじゃないですか。この矛盾どう考えるか、どう処置しますか。
  72. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 下水道の管の太さは、まあ下水道は御承知のように雨水と汚水と流すわけでございます。そのやり方につきましても、合流式と申しまして雨水と汚水と一緒に流すやり方と、それから雨水は別に処理いたしまして、汚水だけ処理いたすやり方、いろいろございますが、雨水自体にいたしましてもその場所によって違うわけです。したがいまして、私どもは採択基準の考え方としては、その管の受け持つ区域の範囲と申しますか、人口と申しますか、そういうものを基準にいたしまして補助か単独かということをきめております。補助採択の基準にいたしておりますので、その市町村によりましては、管が太いものが単独事業になるというふうな結果になってくる場合も出てくると思います。受け持ち面積でやっておりまして、大体〇・三ヘクタールの面積を受け持つような管を単独事業、こういうような基準で一般都市についてはやっております。
  73. 春日正一

    ○春日正一君 私は〇・三ヘクタールと言われるとそれを受け持つのにどれくらいの管が要るかちょっと見当つかないのですが、三百五十ミリというと約三百世帯、千人以上を集約するとそういう地域ですね。当然これはまあ都市の下水管とすれば幹線的な意味を持つと思うのですよ。こういうものを地方自治体の単独事業でやれということはどうかと思うのですが、これはどういうわけなんですか。
  74. 久保赳

    説明員(久保赳君) 受け持つ面積の問題でございますが、ただいま局長から御説明をいたしましたように、下水道の施設は雨水並びに汚水両方を受け持つわけでございまして、同じ〇・三ヘクタールのところでも、汚水だけ、雨水を除きまして汚水だけを受ける場合の、その場合のパイプの太さと、それから雨水を一緒に受けるパイプの太さが当然違ってくるわけでございます。それから、もう一つは、これは若干技術的なことになりますけれども、パイプの太さがかりに同じでありましても、パイプの勾配、傾斜でございますね、パイプが地形によって勾配が非常に違いますので、勾配が急な場合にはかなりたくさん面積を受け持つことができますから、それでパイプの勾配がゆるい場合には面積としましては変動があるというふうに、地理的な、地形的な要因がかなりございますので、一概にパイプの太さだけでもってということは、非常に困難なことだと思っております。
  75. 春日正一

    ○春日正一君 そこで、さっき言ったように、パイプの太さだけでは、いまの勾配がどうとかこうとか言うけれども、七五%、四〇%ということは、それと関係がないわけでしょう。そういう理屈があって、ここは勾配がこうだから、この間は単独でやれ、ここはパイプは小さいけれども、こういう状況だから国が補助するというならば、また全体として筋が通るのだけれども、七五%、四〇%という一律のワクをきめてやるということは、その理屈とは別な問題ですね。そこで自治省のほうの意見も聞きたいのですけれども、国でもって十分の四は補助すると、はっきり国会でも認めさして、きめておきながら、七五%に切ってしまう、あるいはこの四〇%に切ってしまう。そのために一般都市では、事実上十分の三しか補助されていない。大都市では十七分の一ぐらいしか補助されていないということになれば、これは国が国会できめられたものをやっていくことを途中でごまかした、悪いことばで言えば、そういうことになるわけでしょう。一種の超過負担のこれは変形だと思うのですよ。超過負担というものも、住宅の場合なんか単価を非常に安く見て、そのために実際上補助すべきものが補助されないという形で超過負担が出てくる。こういう形の下水道に対する補助のやり方というものも、超過負担の変形だと思うのですよ。こういうことは、これは地方自治体の下水道事業の負担を、規定されている以上に重くして、これをおくらせるという結果になるのだけれども、そういうことを建設省として好ましいとしてやっておいでになるのか。自治省として、そういうやり方について、こういうことを超過負担と認めて解消するということが望ましい、あるいはそれのために努力するというような考えがあるのか、そこらを伺いたいと思います。
  76. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 補助対象事業と単独事業、つまり幹線と枝線というのは、私どもとしましては、事業の補助金の交付にあたりまして、必ず単独事業を並行してやってもらいたいということで、補助事業と単独事業が並行して行なわれるように補助金の面でも指導しておりますし、また、自治省が起債を指導されます場合にも、補助事業と単独事業、両方をにらんで、全体の事業の進むようにという形で、下水道の起債の指導は特別なやり方でやっているわけでございます。したがいまして、大体平均いたしますと、七五とかあるいは四十幾つという数字になるということでございまして、実際に個々の市についての補助金の割り当てにあたりましては、多少その数字は動いておるわけでございます。したがいまして、補助事業と単独事業が別々の形じゃなくて、並行して行なわれるというような考え方で私どもはやっているわけでございます。したがって、おおむねそういうような数字に近い形で補助金の配賦がされているということになるわけでございます。ただ、私ども先生のおっしゃいますような点も理解できるわけでございまして、私どもといたしましても、下水道の整備がやはり相当市町村財源の圧迫になっているということは、われわれも認識いたしておりますので、できる限りやはり補助対象事業を上げていきたい。国庫補助金をふやしまして補助対象事業の比率を上げていきたいということで、実は四十四年度の要求におきましても、国庫補助対象事業をふやすということを一番大きな重点に掲げているわけでございます。そういたしまして、採択基準を漸次緩和してまいりたいと、このように考えているわけでございます。
  77. 山本成美

    説明員(山本成美君) いまお尋ねになりました超過負担の問題でございますが、予算査定に入りますと、超過負担の問題がよく出てまいります。いまお尋ねの超過負担と単独事業というものの比率の問題と全く同じ問題であるかどうかということにつきましては、若干議論がございましょうと思いますけれども、私のほうとしては、いずれにいたしましても単独事業比率が高過ぎるということで、建設省へも補助金の対象になる事業をふやしてもらいたいということで、常に折衝いたしております。ただ残りました単独事業につきましては、これは、いずれにしても、現状では単独事業の比率が高い現状でございますので、事業をとにかく間に合わして早くやりたいという地方団体の要望に対しまして、起債のほうでできるだけ手当てをしていくという態度で進んでいるのが現状でございます。
  78. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 春日さん、まとめてください。時間ですから。
  79. 春日正一

    ○春日正一君 はい。では、この問題ではやはり個々の家庭の中に引き込む庭先のパイプというようなものはこれは別としても、やはり、道路から入れていくというようなものは、これは当然地方自治体なり国で処理すべきものなんだし、それをやるためには、もっともっと国庫補助というものをふやさなければ、いまの地方自治体の状態では、特に起債でまかなうといっても、起債の幅を非常に広げたということはいいことのようですけれども、この前の審議のときに、私、指摘したように、元利の払いが今度非常に多くなって、それが水道料金の上にうんとかかってくる。そこで、二つだけ、これはまとめてくれというから、水道料金の問題と、この受益者負担について聞きたいのですけれども、この受益者負担金が、特に最近になって非常に受益者負担という制度を省令できめる都市がふえているのですね。特に、最近になってふえている。だから、四十二年、四十三年にどのくらいふえているのか、それが一つ。まとめて聞きますよ、それが一つ。  それから、都市計画法のほうが来年施行されればどういうことになるのか。で、都市計画法によれば、これは条例でもって負担はきめるということになっている。その都市計画法を、そういう条文を盛り込んだ都市計画法を国会に提出して、この間の五十八国会で通過させて、来年からこれが実施されるという時期に、省令で、しかも、これは規則で一方的にやれるわけですね、議会にはからずに。そういう省令でもって、この受益者負担というものを急速にふやしていくということは、一体、どういうことなのか。それでは新しい都市計画法にそういうものを持ってきた趣旨と矛盾するのではないか、そういう矛盾することを建設省が積極的に指導してこれをやらせるということは、まあ一般の見方では、だから新都市計画法が施行されると、そうなって議会の審議がうるさいから、そうならぬうちにとにかく既成事実をつくってしまえという、まあ一つの脱法行為ですね。そういうふうに受け取られている。少なくとも下では受けとられている。なんで、来年施行されるというのに、いまこの時になって、急にこれをやれということで押し込んでくるのかということで、これは問題になっているわけですわ。だから、それは一体どういう考え方なのか。なぜ、そんなふうに急いでやらせるのかということですね。この点をひとつはっきりさせておいていただきたい。  それからもう一つ、この下水道の料金の問題ですが、これは非常に高いところがあるのですね。たとえば北多摩郡の久留米町では、下水道の料金が水道料金より高い。十月一日から出ておる、まだもめておるようですけれども、十トン三百七十円というのですね。ところが、水道の飲み水のほうは十トン二百三十円、こういうふうなことになっているのですわ。そうして、この点では、まあ建設省のほうでもよく知っておられると思うのですけれども、ここでの料金の割り出し計算を見ると、まあ処理場の運転費三億四千二百万、それから処理機械の償却費九千五百万、これに起債利子一億六百万円、その他を入れて六億二千一百万円というものを今後十一年間の使用料で割ったもの、つまり十一年間でこれを全部払ってしまおうという計算で、こういう高い下水道料金をきめているのですね。ところが水道料の維持管理費とか、あるいは建設資金というようなものは、減価償却費に要する経費はすべて下水道料金でまかなうと、建てた費用から維持管理から全部下水道料金でまかなえというたてまえを自治省ではとっておられるのかどうか、この点ですね。そういうことになれば非常に高いものになるし、今後建設事業というものが進めば進むほど高いものになってくる。それが一つ。  それからもう一つは、地方税のこの算定基準となる基準財政需要額の中には、維持管理費とか、減価償却費、地方交付税というようなものの一部が含まれているというように私は思うのですよ、含まれている。ところが、そういうものまでひっくるめて下水道料金にかけるということになれば、これはますます不当なことになっていく。こういうようなことがこれはもう実際許されていいのかどうか。適正な下水道料金というものはどういうものか、そこらをはっきり聞かしておいてほしいのですよ。私はもっと詳しく聞くつもりでおったのですけれども、時間がないですから、まとめて聞いたのですけれども、この点非常に大事なことですから、ひとつ親切に聞いた点のポイントについてお答えください。
  80. 竹内藤男

    説明員(竹内藤男君) 数字でございますが、四十二年度十七都市で受益者負担金を取るようにいたしております。四十二年度の末におきまして七十一都市が受益者負担金を取ることにしております。四十三年度は現在二十都市が受益者負担金を取ることになっております。現在のところ九十一都市が受益者負担金を取るということになっております。都市計画法で受益者負担金の根拠は省令から条例になったわけでございますが、現在都市計画法がまだ施行されておりませんので、省令でやっているわけでございまして、私どもといたしまして、別に条例になるとうるさいから、早く省令のうちにやってしまえというような指導はいたしておりません。ただ、下水道が先ほど先生申されましたように、市町村の一般財源というものの相当苦しい状況もございますし、また片や、公共施設を整備する場合に、ある程度受益者負担金を取っていくべきじゃないかということもだんだん浸透してまいりまして、受益者負担金という形で下水道が整備されることになって、土地の利用価値が上がるというものの一部を負担してもらうという考え方で、いま受益者負担金を取ろうという都市が最近になってふえてきたというふうに考えているわけでございます。取っておりますのは、大体事業費の三分の一から五分の一でございまして、坪当たりにいたしますと三百円から五百円というところが通常の姿でございます。  それから料金の問題でございますが、料金は下水道法におきましても、別に国の認可とかなんとかということにはなっておりませんので、地方公共団体がきめるということで、通常条例できめているわけでございます。料金につきましては、私ども直接に料金の算定方式はこうだということを出してはおりませんけれども、実は先生も御承知と思いますが、下水道と財政という問題につきまして、都市センターが中心になりました下水道財政研究会というものの結論が出ておりまして、それによりますと、下水道は雨水と汚水というものを両方を処理するわけでございますが、料金の算定にあたりましては、建設費から国庫負担金や受益者負担金のようなものを差し引いたいわゆる地方が持つべき費用、まあ償却分と申しますか、そういうものの三割、三割といいますのは大体汚水分というものでございますが、そういうものの三割と、それから地方債の利子というものの三割、それから維持管理費の七割、維持管理費の場合には汚水処理が中心になりますので、汚水分が七割という考え方で下水道の使用料をきめることが適当ではないか、というような考え方が打ち出されております。久留米町の場合にはこれは分流式でございまして、したがいまして、ほとんど汚水を流すということで維持管理費を見ておりますほか、終末処理場の機械につきましてのみ減価償却いたしておるのでありまして、ちょっと先ほど申し上げました研究会の場合の算定方式の立て方と違いますけれども、機械についてのみまあ償却費を見ているわけでございますので、まあ全体的に申しますと大体こういうような考え方で、おおむねこういう考え方になるのではないかというふうに考えております。十一年というのも、機械の償却費を見た関係で十一年になっているというふうに聞いております。私どもといたしましては利用の実態、使用の実態、それから地方の財政問題、あるいは住民感情というようなものもございますので、できれば使用料につきまして、何らかの明確な基準を建設省としても出したいと思っておりますが、実際こういうような考え方、実際に取られるほうの立場というものもございますので、いまのところまだ統一的な算定方式というものを打ち出さない、打ち出しておらないとこういう段階でございます。
  81. 山本成美

    説明員(山本成美君) 受益者負担の使用料につきましての自治省の考え方についての御質問でございますが、受益者負担については、いま建設省からお述べになったとおりでございます。使用料につきましては勢い地方交付税の中でどういうふうに市町村に対する財源措置をしているかということでお答えになろうかと思います。ここですなわち逆の数字が使用料にかぶさっていくというふうにお考えいただければよろしいかと思います。地方交付税でどういうふうに見ているか簡単に申し上げます。交付税の中で維持管理費といたしまして、これは既設の施設についての見方でございますが、維持管理費といたしまして、維持管理費全体の中から雨水分として考えられます三割を一般会計から下水道の特別会計へ繰り出すという前提に立ちまして、その三割分をこれは国が地方交付税の中に市町村財源対策として見ておるのであります。それから減価償却費でございますが、これは終末処理場を五十年間で減価償却をするという、むろん管渠もそうでございますが、そういう前提に立ちまして、七割を下水道特別会計へ一般会計から出す、そういう前提に立った数字を交付税で見ておるわけでございます。
  82. 春日正一

    ○春日正一君 一言だけ。私これだけの説明では納得できないし、問題たくさんあるわけでございますけれども、きょうは時間が制限されておるという関係もありますから、この次の機会にこの問題もっと私のほうも調べて、もっと詳しくお聞きするつもりですから、きょうはこれで。
  83. 田中一

    ○田中一君 最初に伺いたいのは、道路公団が事業決定を受けて、そうして仕事を開始する、開始から完成するまでの間にこまかいいろいろな問題が派生的に起きる、また設計変更もある。それらの点は一々道路公団の何部担当になるのかな、そういうものから一々申請をして許可を受けなければ仕事ができないということになっておるのか。それから総額の金額というもの、工事費というもの、これに対する弾力性というものは独自の見解で持たされておるのか、あるいは一々建設大臣の許可を受けなければできない問題なのか、その点の手続上の問題を伺っておきます。
  84. 片平信貴

    参考人(片平信貴君) きょう総裁が参る予定でございますが、他出いたしておりますので片平がかわって参りました。施工命令受けまして完成までの間にどういう手続があるか、建設省その他に申請をしなくちゃならないかと、こういう御質問でございますが、まず施工命令受けまして、われわれといたしましては実施計画というものを作成いたします。この実施計画は、施工命令の命令された内容に基づきまして金額等につきましても、大体その範囲内ということで実施計画を作成して建設省に提出いたします。これは建設省に御認可をいただくということになります。それで、実施計画の認可をいただきますと、それから仕事が始まるわけでございますが、用地買収、あるいはその前に設計協議、それから施工と進んでまいります。その間で、もし実施計画、あるいは整備計画の中できめられたことで変更を要するようなもの、たとえばインターチェンジを増してくれというような地元要望があったという場合には、これは建設省に申し上げておきまして、これは建設省だけじゃなくて、例の審議会等で最後に決定をしていただかなければいけない。それから工事費あるいは用地費が相当ふくらんでくる、実施計画で御認可をいただいたやつが、どうしてもその範囲内で納まらなくなったという場合には、当然建設省並びに大蔵省にも御説明いたしまして、それが是であるか非であるかきめていただく。それ以外には、大体実施計画範囲内で仕事を進めていく上には、形式的にいわゆる申請とか、そういう書類として提出することはございません。ただ竣工の前に竣工の中間検査を経て、最後に竣工の検査を受ける、こういうことになっております。しかし、もちろん実施計画の中で、金は同じであるけれども、たとえば高架の延長が相当程度に変わるとか、あるいはインターチェンジの形式が相当変わるとか、それから技術的な問題が起こってまいりますと、これは事務的にそのつど建設省の担当のほうに連絡はいたしております。以上でございます。
  85. 田中一

    ○田中一君 私先月の中旬に中央道、東名道の視察に行った一人でありますが、相当沿線を見ますと、中にせんだっての部分的な集中豪雨でのり面が相当こわれておるところがたくさん見受けられるわけです。のり面の崩壊ということは、結局落石等があり得るということになるわけでありますが、また説明を聞いていると、これは非常に落石の危険があるんだというような地点も通過をしているわけでありますが、全体的に路面の照明を行なうと約三十五億かかるなんということを、東名部分だけで三十五億かかるとか言っておりますが、それはたいへんな金だと思います。しかしいまの計画としては、橋梁とかあるいはエリアとかというところには照明が付されておるけれども、全体としては照明は行なわないような事業決定になっているわけですか。
  86. 片平信貴

    参考人(片平信貴君) ただいまのお話でございますが、照明につきましてはインターチェンジ、パーキングエリア、それから東京に近い川崎のインターチェンジまで、こういうものは路面を照明するようにできております。その後山北と小山の間、これは非常に霧が多い、それから御指摘の落石等もあり得る部分でございますので、この面につきましては照明をするように準備中でございます。それからなお交通量等から見て将来厚木までの間は、いわゆる市街地に相当するものになりそうである。交通量が非常に多くなりますと、これは全線照明したほうがもちろんベターなんでございますけれども、どういうところからやるかということになりますと、やはり交通量が非常にふえてくるところからやる、特に市街地に近いところからやるということが世界的な趨勢でもありますので、厚木までの間につきましては、将来照明ができ得るようにということで橋の構造等に、そこに照明のポールが将来建たないようでは困るので、橋の部分に照明のポールが建てられるような構造にしてございます。しかし、その他の部分につきましては、いまのところ照明の計画はございません。
  87. 田中一

    ○田中一君 一〇〇以上のスピードで走っている貨物自動車なんかが、カーブなんかでよく荷物を落とす場合があるんです。そういうものに後続車が引っかかったらいちころなんです。だから落石の部分、危険な部分には全部照明するということならけっこうです。同時にカーブのところは、やっぱり照明するようにしたらどうですか、これは荷物が落っこったとか何とかで引っかかったらおしまいなんですから、そういうことは考えていませんか。
  88. 片平信貴

    参考人(片平信貴君) 現在のところではそこまで考えておりません。というのは、東名の全体の事業費が三千四百二十五億、これがもうほとんどその範囲内で完成しようという時期に入っております。それからなお、最近になりまして、中央分離帯を飛び越える車が非常に多くなった。あるいは高架の間に落ちた人がいたというようなこと、それから外側のガードレールを飛び越えて路面外に落ちた車があったというようなことがだいぶございまして、そういうものに対しまして、まず優先的に中央分離帯に全部防護さくを置く、あるいは高架の間に網を設備するとか、あるいは外側のガードレールを、特にその下に人家があるとかというような、あるいは第三者に被害が与えられるようなところには、これは強化する必要があるだろうということ。それから御承知のように、非常電話がつけてございますが、これが夜照明がしてないものですから、非常電話が暗くて見えないといういろんな御意見がございまして、そういうものが見えるようにしようじゃないかというような金をさきますと、ほとんど残りがなくなってしまったわけでございます。それで、現在のところでは、先ほど申しましたように、山北と小山の間の照明を追加するということで精一ぱいというところでございます。
  89. 田中一

    ○田中一君 カーブなども非常に積荷が落ちた場合には危険なんですよ。これは結局道路管理者の責任になると思うんですよ。積荷は故意に落としたわけじゃないんですから、急カーブの地点もあるから、そういうところでもって積荷が落ちますと、過失もあるだろうけれども、結局道路管理者の責任になるようなことになると思うんです。そういう点もやはり照明というものを心がけなくちゃならぬと思うんです。金の問題じゃないんですよ。どっちみち利用者から金をとっているんだから、露骨に言えば商売なんだから、だからそういうところに、危険のないように投資をするということが、至当だと思うんですが、政務次官黙って聞いてないで考えておいてください。  それから次に、沼津その他でもってインターチェンジの一般取り付け道路の完成がおくれる面が相当あるんじゃないかと思うんです。いわゆる一般の取りつけ道路のほうが完成がおくれるということになると、やはりその部分のふん詰まりが起こることになるわけですから、この点は促進して、どれを使うか、地点の決定がおくれているならそれを促進さすということにしないと、これは結局来年の三月または来年五月一ぱいで全通するという、この東名道路のほんとうの機能を発掘できないと思いますから、その点はどういう考えを持っておりますか、道路局長。
  90. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) ただいま供用を開始しております静岡−富士の間の静岡のインターチェンジから国道一号線につきます都市計画道路は、これはできておりませんが、そのために、西のほうからきたものをかりに安倍川の堤防に沿って中に入れるようにしております。実は、この問題は、私たち当然東名が完成するまでにつくりたいということで非常に急がしたのでございますが、何分用地が片づかないということもございまして、こういうような結果になったことをおわびしたいと思います。また、沼津のバイパスにつきましても、これは数年前から用地の交渉を始めておりまして、これも当初の計画は当然できていなければならないんですが、非常にこれも用地の問題でおくれまして、沼津のバイパスから国道二百四十六号までが今年一ぱいで完成するような状況でございます。さらに、これは当然二百四十六号のほかに、国道一号の三島等に入っていきますので、この事業を急いでやりたいと思っておりますが、取っかかりますと、いろいろ用地の問題がございまして、もうちょっとおくれるというような結果になった次第でございます。非常に申しわけないと思います。
  91. 田中一

    ○田中一君 それはひとつ促進してください。  それから東京−厚木間の海老名のエリアへ行ってみると、何か架橋があって、架橋がつり橋じゃないかと思って行ってみたところが、つり橋でも何でもない。ただ、タワーみたいなものが立っておって、コンクリートの。何も効果のない、ただ構造物としての美的感覚を示している構造物のように見える。そうだったら、そんなむだはやめましょうよ。そんな建築屋に頼むのはやめよう。金をとっているのだから、交通料をとっているのだから、実質的に照明その他に金を使うならいいけれども、ただ、あすこにコンクリートでアーチみないなものをつくっても何になる、何もならぬ。私は不思議に思って見ました。遊び屋の建築屋に頼むのはやめようじゃないか。そういうことがわかれば、あなた方とめなければならぬ。これは道路公団ばかりじゃない。建設公団のほうではその点はひとつ相当考慮してほしいと思う。答弁
  92. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) ただいま先生から御指摘のありました海老名のサービスエリアの問題でございます。ほんとうのことを申しますと、私もあれを見まして非常に奇異に感じました。いろいろ全体の計画そのものから見ておったのですが、サービスエリアの中のいろいろの構造について目が届かなかった点もあると思います。あとから聞いてみますと、やはり空間に一つの構造物で、美的感覚からつくったというような趣旨らしいのでございます。ああいうことは私たちも絶対に今後させないつもりでございます。
  93. 田中一

    ○田中一君 ほかのエリア等で自然の環境を生かしているという行き方は、非常にいいと思うんです。ああいうことはひとつどしどし取り入れて、自然の環境にマッチするような、やはりいこいの場所なんだから、それに徹して、むだを排除しながら、その地域の環境というものとマッチするように、自然の林でも、森でも生かしていくというようなこともひとつ考えてほしいと思う。その点は非常にいいと思いました。  それからのり面の崩壊はあっちこっちで目につくけれども、これはもう少し時間がたてば静まるのだということを言うかもしれぬが、これは相当強化をしないと、十分にやらないと、すぐに交通途絶しますよ。降り口は一定のインターしかないんだからたいへんなことになりますね。その点は道路公団のほうで十分に注意して、施工者の監督を厳重にするということにしてほしいと思います。
  94. 片平信貴

    参考人(片平信貴君) のり面の強化の問題でございますが、のり面も御指摘のようにこの間の集中豪雨でだいぶやられておるところがございまして、のり面につきましては、われわれもずいぶん慎重に勾配それから土質、岩質等を調べながらどういうことがそこで一番いいのかということを選んでおりますが、特にこの間先生方に見ていただきまして、崩壊いたしましたところは土丹岩でございまして、水を含むとその岩がふくれてくる部分でございます。これにつきましては、当初からもう少し調査をしっかりやればふくれるということがわかったのでございますが、その点多少不備があったと思います。これにつきましては、こういう水を含むとふくれるというような土丹等の場所につきましては、今後コンクリートのふきつけをやりましてふくれを押えるということと、それから上から水が入らないようにする排水に注意するということで、十分今後注意いたしたいというふうに考えております。  それからもう一つ、山のバランスがくずれて、山全体が少し動いてくるという場所もございます。これにつきましては、さしあたり重さのかかる部分を取り除いてはおりますが、その後なおここに観測用の基準点を設けておきまして、管理段階では常時その観測点が動き始めたかどうかということを観測いたしまして、しも豪雨等で危険が起こるというようなところには、そこに監視人を置いて危険を未然に防止したい、こういうようなことも考えております。まあいずれにしましてものり面につきましては、たいへんむずかしい計算に乗らない面がございますので、いままでの名神それから東名でやった経験をさらに生かしまして、今後崩壊のないように努力したいと考えております。
  95. 田中一

    ○田中一君 インターチェンジの設置の原則をひとつ説明してほしい。区間あるいは都市部との関連というか、むろんこれは一方的にきめても、道路局なりあるいは都道府県市町村ですね、それが合意をしなければなかなか困ると思うんで、その点は一応持っている基準を示してほしいと思うんです。
  96. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) 高速道路インターチェンジにつきましては、いろいろ高速道路がたとえばいま法律できまっている七千六百キロの高速道路につきまして、全部がまた同じ性格でございませんので、インターチェンジの基準というのをいまいろいろ委員会その他で、技術委員会をつくってやらせておりますが、私たちの考えといたしましては、やはり非常に乗降の−高速道路に乗ったり降りたりする利用者の多いところにつくるというのが、ひとつの原則かと思います。またこれが非常にいまの中央道、東名もそうでございますが、国の幹線になるような高速道路でインターチェンジが非常にふえてくると、地元は非常に利用しやすくなるかと思いますが、それだけ費用がかかり、また本線でインターチェンジから入る所でやはり通り抜ける車両も相当スピードの上で障害にもなりますので、こういうような幹線自動車道の中のさらに幹線になるものについては、大体普通の中央部では二十キロくらいを考えております。ただこれが都市の周辺になりますと、非常に乗降利用者が多くなりますので、そういう点では五キロまで縮めてまいりたいというように考えております。
  97. 田中一

    ○田中一君 そうしますと、二十キロから五キロということが一応の基準になっているわけですね。そこで中央道の場合、春日井から中津川の間に確か五市あったはずだと思う。せんだって行ってみると、五市がみんな自分の周辺にインターチェンジを持ってきてくれと言っている。しかしその都市と都市の間には五キロもないところがある。むろん厳密な行政区域というものが接しているわけです。これはあっちもこっちもどの都市もみんながインターチェンジをつくってくれということになると、これまた余分の投資ということが行なわれるのじゃないかと思います。そこでこういう場合はやはり三万か五万程度の都市であって、それらを総合してやはり大きな将来への都市化の発展過程というものを想定しながら、その中間なら中間に一番いい適地を求めてそこに持ってくるという方法をとって解決しないと、いまの原則の二十キロから五キロということを考えても、そういう短い区間に三つも四つもつくってくれということがある。その点は変則に原則が変わったものという見方をしてそれらの地域の要望にこたえないと用地なんかもうまくいかないので、やむを得ずこうしたのだというそういう妥協はしないようにしてもらいたい。えてしてごねのほうに負けていく、そういうことでは困る。高速道路は地域社会の発展ばかりでなくて、国全体の、国民全体のものですから、そういう意味でひとついまの名古屋−中津川の間の問題をどう処理しようとするのか、それを聞いておきたい。
  98. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) インターチェンジにつきましては、ただいま先生お話がありましたように、やはり将来のその辺の都市計画的な見方をしてどういうようを発展をするか、この問題とさらにインターチェンジというのはかなり広い面積を要しますので、ほしいというところに全部できるものでもない。また高速道路を中心として地域の開発をはかるにしても、高速道路だけではだめなんでございまして、やはりそれに接続いたします国道とか県道とか、こういう道路の網としてやはり整備していかなければ、地域の開発にもならぬということもございますので、いまのお話しの小牧−中津川につきましてはいろいろそういう要望もございますが、そこには御承知のように国道の十九号が通っております。こういうものとやはりインターチェンジをどう連絡させるか、こういう関連で一番必要なところに置いていく、その間隔も多少二十キロよりは狭くなりますが、やはりあまり狭い間隔には置かない、こういう趣旨で今後もいきたいと思っております。
  99. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 田中さん、まとめてください。
  100. 田中一

    ○田中一君 もう一つ、長野県内に入って、恵那山隧道の問題ですが、説明を聞くとこういうことを言っておるんですが、新しいアメリカからさく岩機を買った、これがさく岩機を使っておるが、現在のところ一〇%程度しか効力を発揮してないというような説明を局長がしていましたが、これは非常に誤解を受けるんです。そういう説明をされると機械がだめなのか、土質がだめでそれに適しない機械を使っているのか、あるいはズリ出しその他が十分でないからそれに制約されるんだというようなことも言っておりました。結局こういうことでは何億か知らぬけれども、買った機械というものが日本の土質に合わない。ことに恵那隧道の土質には合わないんだということになると思うんです。その点はどう考えているか。非常にいいのは公団が率先してそういう機械を開発してそれを貸与してやらせるという方法はいいと思う。事実これがコントラクターに全部持たして、一ぺん使ってあとないということになると、たいへんな投資になります。高くなる、単価は。しかしそれが適さない機械を使っているのならこれまた問題なんだ。その点は現在どういう認識を持っておるのか。
  101. 片平信貴

    参考人(片平信貴君) ただいま御指摘の、ロビンスという機械でございます。これはもともと今度の恵那のパイロットトンネルに使う場合に、御承知のように恵那では断層、その他が非常に多い。それから岩質も変化をするであろう。それで通常のロビンスのタイプじゃなくて、日本に入れましてから、日本でそれにシールドという屋根のごときものをかけまして、固いところはシールドは要らないけれども、やわらかいところに入ったらシールドが役に立つように改良をいたしまして、それで掘さくをしてみよう、こういう計画をつくったわけでございます。したがって最初の約二百六十メートル、これは試験工事ということで、シールドをつけた場合に、はたしてロビンスの最初の予定どおりの掘進速度が出るか出ないか。シールドをつけたためにどういう機械の弱点が出てくるであろうか、ということをいろいろ調査をする目的で、試験工事を開始したわけであります。したがいまして、その掘さくの途中で、実は予想いたしましたというよりも、シールドをつけたということがロビンス本来の能率をいろいろ阻害する面がいろんな面で出てまいりまして、これをあそこを改造したらいいじゃないかあるいはこれを改造したらいいじゃないか、いわゆる試験工事の目的とするような改造が相当行なわれてきたわけでございます。したがって御指摘のように、全体の平均掘進は一日一メートル五十くらいしか平均は進んでおりません。しかし掘さくそのものを順調にやっていく、その掘さくの試験、改造のために休んだ日等を除きますと、一日約九メートルくらいいっております。それで二百六十メートルを掘進している間に、問題になりましたのは、方向性といいますか、固い岩の場合とやわらかい岩の場合と方向が上にいったり、下にいったりする、その調節がなかなかできなかった。これがシールドがあるためにできなかった。それでシールドのうしろのほうを切りましたり、いろいろ改造しまして、やっと方向性がうまくいくように最近なったわけでございます。その改造を最終にいたしまして、あと二百メートル、これは予定しておらなかったのでございますけれども、もう一度その改造した機械で試験掘進をやりまして、それによって歩掛かりその他をきめて発注しよう、こういう予定でございます。いまの予想では、この改造後の掘進は、大体予定どおり一時間の掘進が一メートル五十程度はいくのじゃないだろうか、こういうふうに予想しております。したがって、もう少し時間をかしていただきたい、こういうふうに考えます。
  102. 岡三郎

    委員長岡三郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  103. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 速記をつけて。
  104. 田中一

    ○田中一君 これはまだ決定してない長野県下の路線の問題について、いろいろ条件地元から出されておるように聞いておるわけです。これは全然中央道の工事の問題じゃない別な面で大きな要求があるように聞いてきましたけれども、これはひとつ政府のほうではその事情を事前に聞いて——そのために路線決定ができないということじゃ因るのであって、これは道路局長のほうで、その問題を一応解決して、スムーズに仕事が、土地買収なり、路線決定なりができるようにしてほしいと思うのです。これはいまどうしてこういうことを質問したかというと、せんだってわれわれが行った視察の報告が、来月にならなければ報告ができないということに理事会でなったらしいのですよ。それではもう事前に皆さんのほうでどんどん仕事を進めてもらわなければならない、いま質問したようなことがあるものですから。一カ月も前にわれわれが行ったのは、九月の十八日から行った。十一月になって初めて委員会報告することになったそうでありますから、それでは困るのです、来年の予算もあるし。それで事前に委員会でこういうことを質問したわけでありますから、これは委員長ひとつ御了承願いたい。  それで、中央道のほうは吉田までは三月完成ということになっておるらしいけれども、伊那谷、天竜川沿いのほうはまだ路線の決定までもできておらぬということになると、これは一体、むろん恵那山隧道の完成ということに見合ってしなければならぬことだから、これはやむを得ぬと思いますけれども、じんぜん日を送ると買収価格は上がるばかりで、また上げたくって待っているわけです。かつてあの路線をきめる場合に、建設計画をきめる場合に、あの地元の諸君は、知事をはじめ自分の土地は無料で提供いたします、だから天竜沿いの伊那を回ってくれという陳情が盛んにきたものですよ。ところが、いまになっていよいよ路線の方向がきまると、百億近い都市化に対するところの予算を国で補助してもらわなければ、援助してもらわなければできないのだ、こういうようなことを言っておるのだ。そうしたことならば仕事が進みません。またうっちゃっておけばまたどんどん地価が上がっていくのです。仕事が進んでいけばいくだけに、それだけにひとつき然たる態度で臨んでもらわぬと不公平が行なわれますから、その点はひとつどうか注意していただきたいと思うのです。これで質問は終わりますが、総括的な御答弁をひとつしていただきたい。
  105. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) 中央道の伊那谷のルートにつきまして、用地買収の問題にもからみまして、いろいろ要望が出ておることを存じております。ただやはりルートの選定というのは、地元のいろいろ土地の開発の計画もございます。そういうものとの関連でマッチさせていかなければならない点はあろうかと思いますが、やはり用地を補償するという問題になれば、一つの基準に基づいて全国公平にやっていかなければならぬと思います。そういう圧力によって特に上げるとか、そういうことがあってはならないというふうに考えております。ただこの際、やはり地元がいろいろ中央道の事業と同時に、いろいろ農業関係の開拓事業、そういうものも計画したいというものがあれば、これはまた補償の問題とは別にそういうものは県のほうがやれるものであれば当然やっていただいたほうが、ものごとがスムーズにいくということで、私のほうは県を通じて、県及び地元とやはり話し合いを十分に持つということがまず第一に必要かと思います。で、そういうことによって、ほかの全国的な高速道路の用地は、同じような考えで、同じような基準でされていくというようなことをはっきり了解してもらうということが、やっぱり用地の了承を得る最善の方法ではあるという確信をいたしておりますので、今後できるだけ早くそういう話し合いを続けまして、用地の円満解決をはかっていきたいというふうに考えております。
  106. 岡三郎

    委員長岡三郎君) それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会