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1968-11-30 第59回国会 参議院 決算委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十一月三十日(土曜日)    午前十時十五分開会     —————————————    委員異動  十一月三十日     辞任         補欠選任      渡辺  武君     岩間 正男君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 黒木 利克君                 温水 三郎君                 平泉  渉君                 松井  誠君                 黒柳  明君                 高山 恒雄君     委 員                 木内 四郎君                 小枝 一雄君                 山本  杉君                 若林 正武君                 大橋 和孝君                 小柳  勇君                 矢山 有作君                 上林繁次郎君                 岩間 正男君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        公正取引委員会        事務局長     柿沼幸一郎君        大蔵省主計局主        計官       金光 邦夫君        大蔵省理財局次        長        谷川 寛三君        文部省管理局長  村山 松雄君        厚生省環境衛生        局長       金光 克己君        厚生省環境衛生        局水道課長    国川 建二君        農林省農林経済       局企業流通部長  大河原太一郎君        農林省農政局長  太田 康二君        農林省農地局長  中野 和仁君        林野庁長官    片山 正英君        建設省河川局治        水課長      西川  喬君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君        会計検査院事務        総局事務総長   宇ノ沢智雄君        日本専売公社副        総裁       佐々木庸一君        日本専売公社生        産部長      大塚 孝良君    参考人        日本道路公団理        事        高橋 末吉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (国家財政経理及び国有財産管理に関する  件)     —————————————   〔理事松井誠委員長席に着く〕
  2. 松井誠

    理事松井誠君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、渡辺武君が辞任され、その補欠として岩間正男君が選任されました。     —————————————
  3. 松井誠

    理事松井誠君) 国家財政経理及び国有財産管理に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  4. 大橋和孝

    大橋和孝君 きょうは水道計画につきまして、これに伴うところの——建設省はまだお見えになっておらぬようですが、農林省厚生省からの考え方をちょっとお尋ねしておきたいと思うわけなんです。昔から水を治めるものは国を治めるといわれておりますが、そのようにして水の問題は非常に重大視されてきたわけであります。近年また都市化現象に伴いまして、都市人口急増に伴ってその飲料水確保重要性が高まってきておって、また一方、農村におきましても農業用水とか、あるいはまた工業の発達に伴うところの水の需要の増大というように、水の問題は種々あるわけであろうと思うわけであります。また、水の使用量の多少は文化のバロメーターともいわれておるくらいでありますので、水に対するところの行政は、どういう対策のしかたをしておるか、特にそれが非常に大きな問題となって、地方自治体に対しても、あるいはまた市町村に対しましても、非常に大きな問題となっておるわけであります。これについて基本的な考え方方針は一体現在何かおとりになっておるのか。その計画がおありであれば、将来の展望について、どういうふうにするかということについて一点お伺いしたいと思います。  また、政治的から申しましても、そのようにして非常に重要性があるわけで、重要な課題となっていることはいまも昔も変わらないわけでありますけれども、水というこの大きな課題を、その使用目的なり、あるいはまた、いろいろな立場の違いから二つ三つの省にわたって対処しておる。そのために、これの全体の調和がとれなくて、何と申しまするか、端的に言えば、責任のなすり合いとか、あなたまかせということになってしまって、その間にはさまっていろいろな問題が起こっているように思うわけでありますが、これを一元化に近いものにするというふうなことが必要ではないかと考えるのでありますが、その辺のことはどういうふうに取り計らわれておるか、この二点について、各省から御意見を聞かせてください。
  5. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 水の問題につきましては、ただいま先生からお話がありましたとおり、非常に農業面から見ましても重要でございます。そこで農林省といたしましては、すでに、御承知のように、昭和四十年から土地改良長期計画を立てまして、計画的にかんがい排水事業その他の事業を進めておるわけでございますが、特に水を確保するという観点、あるいは排水をよくするという観点から、約八千億円くらいの経費を予定いたしまして訓次進めておるわけでございます。ただ、いま御指摘がございましたように、首都圏なり近畿圏その他の都市化した地域につきましては、単に農業だけの水ということではまいらないということに漸次なっておるということは、御指摘のとおりであります。そこで、たとえば例をあげますれば、愛知用水なり豊川用水をごらんになっていただきましても、すでに農業の水、工業の水、あるいは水道の水というものを合わせて一つ事業としてやるということも行なっております。われわれとしましても、その辺を十分社会経済情勢の進展に応じながらやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  6. 金光克己

    説明員金光克己君) 水道事業の今後の計画とか方針でございますが、これについて御説明申し上げます。  水道事業につきましては、昭和四十二年度から五カ年計画を立てまして、その推進をはかっておるところでございます。昭和四十一年度末で、水道普及率は七二・一%ということでございまして、昭和四十二年度から五カ年計画事業を進めておりますが、その事業総額としましては一兆四千億を見込んでおるわけでございます。なお給水人口といたしましては、昭和四十一年度末が約七千二百七十一万三千人でございますが、それを昭和四十六年度末で八千九百五十二万六千人、約一千六百万人の給水人口の増をはかろうという形で進めておるわけでございます。  それで水道事業の今後の形態でございますが、従来、御承知のように、戦後上水道あるいは簡易水道という形で水道普及をはかってまいりました。普及率としてはかなりの普及率となってまいったのでございます。水の需要というものが非常に多くなってきたというのは、家庭の使用水も多くなったということで、水源水確保ということが大きな問題になってまいったわけでございます。そういうようなことで河川水から水を引くとか、あるいは多目的ダム等によりまして総合的な利水事業一環として水源水確保をはかるという方向に入ってまいったわけでございまして、御承知のように、昨年度からこういった水源開発、あるいはそれに伴う広域水道に対しましての国の助成金というものも予算化されたというような経緯でございます。さようなことでございまして、今後の方向としましては、やはり水源水確保ということが一番大きな問題になってくるわけでございまして、先ほど農林省のほうから御説明がありましたように、多角的な総合利水という、その一環で進めていくというケースが非常に多くなっていくと思うのでございます。そういう形で将来は水源水確保と、それからそれに伴いましてどうしても広域的な水道が必要でございまして、水道用水供給事業、あるいは水道事業としての広域的な事業が必要になってくるということでございまして、こういったような形態を今後大いに進めていこうというような考え方で現在臨んでおります。  以上でございます。
  7. 大橋和孝

    大橋和孝君 いろいろ計画は立てられておるわけでありますが、私ども一、二直面しました実例から申しますと、やはりいままでの農地が主題でありましたけれども、周囲にはどんどんと住宅が建ってきて目的変更されていく。それであると同時に、また一方では工場誘致がされて工業用水が必要になってくる。ところが、いままでの計画では、農地法から農林省のほうで結局この農業改善事業と一緒にして用水をやられると、それに対するための相当の費用がかかるから、これは地元負担で、一反何ぼというふうに金がかかるという状態用水確保される。実際はそれが今度は用水だけでなくて、この次は工業的なものが必要になってくる。また、たくさんの団地が形成されてくるために飲料水が必要とされてくる。また水道をやらなければならない。こういうようなことであって、これがだんだんに行なわれるために二重、三重とこれが重なってくる場合がいま予想されている例もあるわけです。こういうようなことを考えてみると、もちろん十分な横の連絡はしてもらっていると思いますけれども、やはりある程度その地域の将来の発展性というものを考えて各省連絡をとってやることが私は必要じゃないかと、こう思うわけです。ところが、そのさきに一つのことを推し進めて、たとえばいま農家が水がないからというので、農業用水確保のために、その一つ目的のためにやられてしまえば、いま申し上げたようなことで、あとでまたこれを追加しなければならぬという状態が起こってくる、これは目に見えておるわけですね。ところが、そういうことには一切かまわないで、農林省のほうではどんどんそれを推し進められるならば、住民の側からいえば非常に困ることになるわけですね。将来工業用水そのものに対して、いま金を負担しなければならぬということも起こるだろうし、あるいはまた、それだけ工業用水では不足だからしてもう一つやらなければならないということになるだろう。それは水道水道でまた別なところから工事を始めるということで、三段にこれを考えて要望にこたえた工事を進めるということになれば、非常なむだな投資にもなるだろうし、ということがいま現に起こりつつあるということを私ども考えるときに、やはり各省連絡というものはもっと何か一元化する、ことにそういうものに対しては、何でもいつでも一元化してやるということが必要ではないかと思うのです。  もう一つ、私は建設省に聞いておきたいと思うのですが、河川の方面でこれは話を聞けば聞くほど、河川課のほうでは、利水による被害が起こらないために河床は下げたほうがいい、天井川が決壊すれば害をするから河床を下げればいい、そういうことになるわけでありますが、河床を下げられれば、今度はいままで利水をもって飲料水に充てたり、あるいはまた、それをもって農業用水にしておったのがみんな枯渇してしまう。そういうことを一切おかまいなしということになればこれも私は大問題であると思うし、特にいままでは無制限に川砂利を取っておったわけでありますからして、これもどこが一体歯どめをしてやるのか、建設省はこの間うち法律もできて今度からは規制をされるようになったわけでありますが、その河床低下を防止するのだということも聞いておるわけでありますけれども、私は、これはやっぱり将来の治水計画ということの中には建設省も大きくからんで、その辺のところの堤防なり、あるいはまた、その川を治める上において、あるいははんらんなり洪水が起こらないということがもちろん必要だと思いますけれども、その前提に立って、また、そういうものに対する配慮というものを相当しなければ私はならぬのじゃないかと思うわけです。ことに私は、河床というものが全国的にかなり下がったところがあり、そういうことでもっていろいろな国費を投じ、あるいはまた地元負担によってやらなければならぬような事業がたくさんあるだろうと思うのです。その点、一体どのくらいになっているのか、河床低下というものはどのくらいになっているのか、その問題で建設省はどのくらいタッチしておるのか、建設省のほうにも話を聞きたいと思うわけです。  以上の点について、ちょっと各省の御意見を聞かしてもらいたい。
  8. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 水が多目的利用されなければならないということは、お話しのとおりでございます。そこで御承知のとおりでございますが、現在水資源総合開発という観点から、単に農林省農林省だけという事業だけでなくて、経済企画庁中心にいたしまして、農業用水、それから上工水、あるいは発電、そういうものをあわせた事業を各地で行なっておるわけであります。ただ、以前に着工いたしまして、その後その周辺事情が変わってきたというような問題にどう対応するかという問題もあるかと思います。その場合にも、すでにたとえば大阪のような都市化たいたしましたようなところでは、当初計画いたしました農業用水事業が、かなりその農地がつぶれまして、宅地化していくというようなことがあります場合に、あわせてその水路が都市排水路にもなるというようなことがございます。その場合には、いま申し上げました例では、あらかじめ大阪府と相談をいたしまして、農業側負担分、それから都市側負担分もあらかじめきめて事業に着工いたしております。その間、事情が変ってまいりますと、農業負担を減らして都市側負担をふやすという操作も現在農林省ではやっているわけであります。そういうふうにして、その辺の調整をとりつつやっていく必要があるかと考えております。
  9. 金光克己

    説明員金光克己君) 先ほどの御指摘にありました水の総合利用ということで、一元的に連携を十分やっていく必要があるのじゃないかという御意見でありますが、この点につきましては、経済企画庁中心になりまして、水資源開発また総合利用につきましては進んでおるところでございまして、先ほどの御指摘のような点につきましては、十分留意いたしまして極力総合的な連携を密にしてやっていく必要があると、かように考えておる次第であります。
  10. 西川喬

    説明員西川喬君) 先生指摘になりました最後の点でございますが、河川のほうといたしましては、河川改修をやっていきます上におきまして、計画的に河床を下げなければいけないというときには、計画の中におきまして、付帯工事といたしまして、現在の取水なり何なりの機能に阻害を及ぼさないような対策工事を行なうことを計画に取り込んでおります。しかしながら、自然現象で下がってきました場合には、これを自然現象で下がってきたから、常にどんなものでも川のほうでこれを直せるかと申しますと、やはり川のほうは公共事業としていたしております関係上、治水支障がない限りは、そういうことは河川のほうで負担することができないようなたてまえになっております。そういう点につきましては、それぞれの所管がございまして、農業用水のほうに支障が出てくれば農林省、それから上水道のほうに支障が出てさましたら厚生省のほうで対策を講ずる。むろん川のほうにおきましても、治水支障が出てきました場合には、川のほうで対策を講ずる、こういうことになっております。その対策を講じなければいけない限度と申しますか、治水のほうで申しましても、まあはっきり申し上げまして、いま先生もおっしゃいましたように、河床が下がってさましたら、かえって洪水の疎通には有効なわけです。ところが、河川管理施設といたしましての堤防とか、護岸が深掘りされまして、その根があぶなくなってくるというようなことになりますと、これは河川管理護岸の根継ぎをやる、あるいはそこで安定させるための床止めをやるというようなことを計画されるわけでございますが、河床低下がありましたら、必ず床止めをしなきゃいけないというのか、これは自然の河床安定効果の問題がありまして、必ずしも床止めをやらずに、かえって護岸を補強したほうがいいというケースもあるわけでございます。その辺につきましては、その川の状況に応じまして、どういう治水上必要な対策を講ずるかということをやっておるわけでございます。現在自然現象とは申しますが、おっしゃいましたように、その一部の原因には非常に骨材需要が多くなりまして、砂利採取原因もその一半をになっているわけでございます。全国的に相当河床低下状況がございますから、現在河道計画調査というものをずっと実施いたしまして、そういうところで治水河床を安定さしたほうがいいだろうかというのは検討いたしております。現在の河床のままで、すぐそのままで固定さしていいのかどうか、これは川の状況によりましていろいろ違いまして、必ずしもそのまま、現在河床がここまであれしてきて、もういろんな取水に障害が生じて、だからこれ以上下げないで、これで安定したらいいのだということには、一がいにはなかなか申せませんわけでございます。それによっていま調査をいろいろ進めておる段階でございます。
  11. 大橋和孝

    大橋和孝君 京都のほうでは木津川というのがあるわけですが、あの木津川は先ほどの砂利採取なんかの影響もあって河床が非常に下がりました。それで、その周囲にはもうほとんど取り入れ口から農業用水が入らない、それからして、その砂利採取をした砂利業者に対して損害賠償意味ポンプを取りつけさして、ポンプアップをしていま農業用水をやっておる。ぼつぼつそれも限度にきておるということで、農業用水としては困っておるわけです。また逆に、先ほどのいわゆる河床が下がったために地下水が変化を起こして、その周辺では、井戸がもう一切出なくなってきた。ところが、そこらはみな井戸水をもって簡易水道にしておるし、あるいはまた、各個人の家としても井戸水利用しておるというところが非常にたくさんある。これが不可能になってきているわけです。現在では町村が、いわゆる相楽郡、それから綴喜郡、久世郡というふうにずっとあの木津川の上流から下流にまたがる三郡にわたって市町村がいま非常に困っておる状態は御存じだろうと思いますが、そういう状態で、いま現在はもう町村の単位で簡易水道をつくるというのではとてももたない。だからして、今度は府として府営の水道としてやってほしいということを各町村が連名でもって府へ陳情しておるという状態なのであります。ところが、いま問題になっておるのは、その井戸はそういうふうにするならばするとしても、簡易水道をつくるならばつくるとしても、また一方では農業用水が足らない。先ほど申したように、その周辺では各土地会社がどんどんと土地造成をいたしております。近鉄沿線でありますので近鉄土地造成をやって、たくさんの団地ができつつある。この大きな団地ができてまいりますと、用水の問題で非常に大きな問題になっている。将来の何年かの展望を持ってやらなければ、いざ農業用水、あるいはまた、その市町村だけの簡易水道ということでやれば、またもって次にすぐやらなければならないような状態が起こってくる、こういうことでもって、いま府のほうにおいても非常に戸惑っておるというのが現状であるわけであります。だからして、私はここで特に御質問申し上げるのは、各省がもう少し連携をとって、ある程度将来の展望を持って、こういう問題を早く処理してもらわなければ困るんだと、私がいま言っているのは、農林省のほうはもういまのような計画で、どこか取り入れ口一つにして、そうして農業改善事業一つとしていろいろ農業用水路といいますか、それの建設計画を持って、ぐんぐん押しているわけですね、これをやりなさい、これをやりなさいと。ところが、また一方ではそういう状態が起こってきて、水がありませんから、どうぞひとつ水道つくってくださいという運動が起きている。ばらばらに起きているわけですよ。だからして府のほうにおいても、それじゃいかぬからというので、いま総合的にやろうと考えているようでありますけれども、府のほうがやって、各、建設省なり厚生省なり、あるいは農林省なり、いろいろ陳情してくるのがたてまえだという話でありますけれども、やっぱり国のほうも一つにやろうということからちゃんと出ていって、ある程度の総合計画を持っていかなければ、これはうまいことかみ合わないわけですね。こんなことを考えてみると、一体国の政治は何をしているかと。各省セクト主義によってこれを進めていけば、おれのほうの責任はそれで済むんだというものであれば、これは非常に迷惑千万であるわけですね。そこら辺のところを非常にかっちりと打ち出してもらわなければならぬと思います。木津川沿線のほうの水道の問題についてはどういうふうにする計画か、農林省のほうでは一体洪水に対してどうするか、あるいは建設省のほうも、もう少しこの問題と取り組んで——工業用水は通産省ですか、きょう来てもらっておらないからわからないけれども、こういうようなところあたりともちゃんと連絡をとって、木津川なら木津川に対しての治水の問題から、そういう水の利用の問題から、こういうものをひとつちゃんと連携をとってもらったプランを立ててもらわなかったら、その付近の住民というのは、水が足らぬので植えつけもできないような状態に置かれているという、その状態ばらばらでは非常に困る。また地元からいえば、先ほど建設省河川課の方からお話がありまして、自然に下がってくるものはその補償の対象でもないし、そんなことは考えられないんだと、治水をする目的は、ただ洪水が起こらないように考えたらいいんだと、天井川になって河床が上がっているよりは下がったほうがいいから、下がりっぱなしでよろしいというようなことになっても非常に困る話でありまして、それであるならば、適切に、どういうふうなところではどうすると。多少地下水を考えてみると、河川治水の上には影響がない、こういうようなふうな状態があれば、そういう状態をちゃんと踏んまえてそうしてやらないといかぬのじゃないか。だからして、私はむしろ河底を、河床を下げないための可動的なせきでもこしらえてやっても差しつかえないところだったら、私はもっと積極的に河川課のほうにおいても考えるべきではないか。それをやることによって、ほかにまた堤防が決壊したりなんかするということになれば、これはたいへんな問題だけれども、技術上の問題でいろいろ検討すれば、いま多少、可動ぜきというものを、建設省は水、川を守るというふうな意味で、そういうようなことをやることができれば、またその用水確保する上においてもできるんだと、たとえばいま木津川におきましては、損害賠償のためにポンプアップをしているわけです。そこへもうちょっと可動ぜき、動かすことのできる可動ぜきをつくれば、そこに水がたまればポンプアップだけで十分間に合うんだと。五年なら五年、また十年なら十年それでいけるという見通しがつけば、いまたくさんの金を使って、大きな、農林省で考えておるところの合同用水路計画なんかはしなくても済むんじゃないか。私はそういうことを建設省のほうの側においても、どこまでは治水上困る、これぐらいの程度だったらいいというものを判断をして、もっと科学的に、可動ぜきでも少しやって、そして取り入れ口を少しはカバーしてやる。影響がなければやるべきではないかと思うのですが、その点はどうですか、両方のお考え方を聞かしていただきたい。
  12. 金光克己

    説明員金光克己君) 木津川流域の水道計画というものにつきまして御説明申し上げたいと思います。  木津川流域につきましては、昨年度、国のほうから調査委託費を京都府に交付いたしまして、調査を実施いたしたわけでございます。この考え方としましては、将来の展望を考えまして、目標としましては、昭和五十年、あるいは昭和六十年という年次を目標といたしまして、計画をいたしたわけでございます。したがいまして、この考え方は、やはり他の工業用水農業用水など、あるいは将来の人口増というものも考えて計画を立てておるものでございます。そういうことでございまして、木津川流域で田辺町、精華町、木津町、井手町、山城町、加茂町、この範囲におきまして、昭和四十五年の人口十万五千人というものを見込んでおる、六十年におきまして、十七万人を見込んでおる。かような計画で、水道の給水量としましては、昭和五十年が一日量四万七千五百トン、昭和六十年が十万二千トン、一日量でございますが、そういうものを見込んだ計画を一応予定しておるわけでございまして、総工事費としまして、約二十二億円というものを考えております。これは水源資を除いておるわけでございますが、かような計画を一応調査としましては立てております。この事業形態につきましては、御承知のように、宇治川周辺につきましては、府営の水道用水供給事業をやっておるのでございますが、この地におきまして、同じような形態をとるべきものであるか、あるいは広域水道事業として行なう、いわゆる企業団としての水道事業を行なうべきものか、こういった点につきましては、今後の検討を待つ、かような現在の状況でございます。以上でございます。
  13. 西川喬

    説明員西川喬君) 木津川につきましては、いわゆる床止めをつくりまして、現在のままで河床を安定させるべきか、あるいは淀川の三川合流以下の計画とからみ合わせまして、どういうところを計画個所として考えたらいいかということにつきましては、現状を見つめまして、現在調査をしておるところでございます。ただ、先生のおっしゃいました、せきをつくれば、それで取れるんではないだろうか、こういうお話でございますけれども、これは私たちのほうでやります床止めになりますと、これは現在のいわゆる河床を安定させるための構造でございまして、水をためるような構造にはいたしません。水をためて、そこでせき上げをいたすということになりますと、一番最初に申し上げましたように、計画的に、いま現在ある河床よりもっともっと掘らなければいけない、二メートルも、三メートルも深く掘らなければいけない。そのためには付帯工事ということがございますが、自然現象で現状がすでにそういう状況になっておりますときに、これを改良しなければいけないということになりますと、これはやはり農業のほうは農林省のほうにおきまして、取水不良を改良するということになりまして、その床止めの上を使いまして、その上に可動ぜきを設けるというようなことになりますと、これは農業のほうと河川のいわゆる兼用工作物がつくられることになるわけであります。そういうふうにいたします場合に、床止めの位置その他の問題から、これは農林省と協議いたしますれば、あるいはそういう計画も成り立つかもしれませんが、私が聞いておりましたところによりますと、木津川の統合ぜきにつきましては、これは農林省のほうからまたお話があるかとも思いますが、そういうふうに非常に現在取水口がたくさんございますので、それぞれの口に全部そのようなせき上げの構造物をつくるということは、非常に経費の問題もございますし、また河川管理上の問題におきましても、長い区間の中にそういうせきがたくさん入るということは好ましくないということがございまして、この計画が定まりますときに、すでに農林省建設省と協議いたしまして、それによって農林省のほうが取水改良といたしましては現在のような計画をきめている一まだ私、前の計画でございますので、当時はタッチいたしておりませんですが、そういうふうに聞いております。
  14. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 木津川沿岸の農業水利事業につきましては、すでに農林省といたしましては、三十六年から四十年まで調査いたしまして、それから四十一年から本年まで設計に入っているわけでございます。その間、先ほど建設省からもお話がございまして、いろいろその水の、どうつくったらいいかという相談等もやってきたわけでございますが、結論といたしまして、この木津川の事態につきましては、上流に一個所取水口を設けて、安定した水を供給したほうがいい。そのほうがまた、でき上がりましたあと、あちこちにポンプをつくるとか、あるいは取り入れ口を幾つかつくるというよりも維持管理費が安くなるという結論になりましたので、地元の話をきちっとつけました上で、すみやかに着工したほうがいいのではないかというふうに考えております。なお、この水につきましては、先ほどお話しございましたように、その上流部にできます高山ダムあるいは青蓮寺ダムというようなところの水を活用するということになっているわけでございます。
  15. 大橋和孝

    大橋和孝君 この問題については、私もこの前のときに一回質問に触れさせていただいているのですが、その後ほとんど進展してないわけです。地元の話を聞いてみますと、非常に負担が多いし、先ほど私が触れましたように、将来は住宅も建ってくるし、あるいはまた工場も誘致される。そういうふうなことが目の先に見えているという状態であって、なかなか負担が大きい。農林省のほうからお話を、この間の質問のときに聞きましても、いや負担はわずかだ、二万何ぼだと聞いておりますけれども、当初は四十五億の計画をされておりましたが、現在では、いろいろな状況から百億近くかかるのではないかということを地元でも言っている。そういうことであれば、これは倍以上になってくるわけですから、一反当たり全体でもって二万二千円ぐらいの負担金が、百億になったら四万五千円ぐらいになってくるのじゃないか、こういう計算であれば年間ばく大なものになる。いまあなたのほうでは、十年間あるいは十五年間に分けるから、年に分ける、月に分けるから何ぼだという計算でしょうけれども、やはり負担は、総額は反当たり四万五千円ぐらいになるというのが、地元で計算してみると、その点が出てくるのじゃないかという心配がある。ですから、こういうことを考えて、やはりいま私が申しているように、もっと関連性を持ってこういうものを考えなければならぬし、また将来の展望が、そういうことであって、いま調査してもらっているという段階であるとすれば、現在、もう少し何とか農林省のほうとしては、いませっかくポンプをつくっているわけだから、そのポンプを使用する範囲内で、もう少し能力をふやして、そうしていまのままでも水がいけるというものならばそのままいけるのか、あるいはまた、どれくらいの間しか見込みがないから、それはどれくらいで工事をやらなければいかぬのか、そういうところはどのような調査になっているのですか。
  16. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 先ほどから、農林省がこの事業をやりました場合に、負担の問題がまず出てまいりましたわけでございますが、先回の委員会でも建設部長からもたしか申し上げたようでございますが、いまの計画では、国営事業で四十五億円、それからそれに末端に付帯いたします府営事業で十七億七千万円、それからもう少し末端にまいりました団体事業で七億三千万円、合計約七十億円の事業になっているわけであります。それによります負担が、国営事業の分だけでありますと、反当二万二千四百円、それを十五年償還でやりますものですから、約二千円程度。そこで、いま申し上げました府営なり団体事業を含めまして、いまの計算では反当、年約三千三百五十円になっているわけでございます。そういうことになっておりますが、これからわれわれの計画では、約七年かけてこの事業をやりたいと思っておるわけです。その間もちろん物価の変動等もございますので、多少の増高はあるかと思いますけれども、これが倍になるというふうにはわれわれ現在考えておりません。ただその場合にも、その七年の間にかなり都市化の問題が出てこようかと思います。そこでわれわれといたしましては、この事業を着工するというふうになりますれば、そこで受益面積の確定は将来農業として残るというふうなところをはっきりさせました上で、それに必要な水を取るという意味で、経済的な取水口なり何なりをつくるということでやっていかなければならないというふうに考えておりまして、一応計画したからもう末端の受益面積がどう減ろうと、いまのままやるんだというふうには考えていないわけです。なお、その後事態が変化してまいりまして農地の面積が減ってくるといった場合には、先ほどちょっと大阪の例で申し上げましたように、地元といろいろ話し合いをしまして、その水を転換いたしました場合の負担先の問題もある程度考えるということも、この事業をやっていく間では考えなければならないのではないかというふうに考えます。
  17. 大橋和孝

    大橋和孝君 いま申したように、それはもし工業用水に転換させるならそっちのほうに負担させたらいいじゃないか一いろいろあると思います。しかし、地元農民の感覚からいえば、なるべく反当たり幾らというお金を納めたくない、これは人情だろうと思うんです。将来いつまで農業が続くかわからぬという不安な状態にあるわけです。あなたから言えば三千円と言われるけれども——全体から言えば二万何ぼであなたの計算出ているわけですね。地元では四万何ぼぐらいになるだろうということはいろいろ計算しているようですよ。それは多少心配もあるから金の額も違ってくる。その点は違ってもいいと思うんですけれども、もう一つ聞きたいのは、まだ答弁をいただいてないが、いませっかく砂利業者から賠償の意味ポンプをつくったわけですね。ポンプアップしてるわけです。それをもう少し様子を見て、くみ取り口を何かするとか、河川課のほうに、治水のほうで妨害にならぬようなことで何か少し改良することを指導するとかいうことで、それがもう少し量がふえて現在のままでいけるかどうか、あるいはまた、そういうことをしなくても、それならいつごろになったらこれはだめになってしまうんだから、いつごろまでにやりなさいということのあなたのほうでは指導をしてますか。見切りは、いつごろになったら水が足らぬからしなきゃならぬというめどはつけているのか。それは何カ年計画でやるためにはそういうことが必要だからという計画はできているでしょうけれども、もしそういう指導をするならきちっとしたものをつくって指導していかなきゃならぬだろうし、それから私はいまお尋ねして、もしなんだったら知らしていただきたいことは、延ばされない——二年、三年たったら変わってくるわけです。その間に水道のほうも工業用水に変えられるような調査も去年しまして、それを着手しようとしている。それとマッチさせればいい。それをしないで、工業用水へばんばんといこうと言うから抵抗があるわけで、私はそういう意味からいって、何年ぐらいはいまの状態でもち得るのかということは、あなたのほうでは調査されてるのかどうか、それが聞きたいんです。
  18. 中野和仁

    説明員中野和仁君) いまのお話の、まあ臨時といいますか、応急的なポンプが何年もつかと、こういうお話でございますが、現在私のほうでいま、どのポンプは何年もちそうだという的確な調査をここに持ち合わしておりません。おそらく府のほうでもいろいろ調査はやっておられるかと思いますけれども、私が先ほどから申し上げておりますのは、あるいは場所によりまし七はそのポンプが一年もつ、三年もつということはあるかと思いますが、この地帯の農業がどうなっていくか、水を安定させるという意味からは。それからもう一つは、先ほども申し上げましたように、あっちこっちのポンプの維持管理ということも容易なことではないのではないか。やっぱり一つのところからきちっと水路をつけましてやったほうが結局は農家のためになるのではないかというふうにわれわれは考えておるわけでございますが、なお、いまお話しございました点は、もう少し調査としては検討してみたいと思っております。
  19. 大橋和孝

    大橋和孝君 そのところでもう一つ要望しておきますが、調査してもらうのは調査してもらって、現状のままでいけるというふうな間がある程度続くとするならば、その間にひとついまのように農業事業だけでなくて、もっとそれが工業用水にもなるし飲料水にもなるという総合計画を打ち出してもらいたい。これについてはどうなのか。いま厚生省のほうでは飲料水としての水道事業としてそれを考えておられますけれども、これはもう一つ工業的にもあるいはまた農業的にも、今度使えるものの一つ総合計画としてしてもらうようにひとつ考えてもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
  20. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 先ほど申し上げましたように、農業だけが先行したようなお話でもございますけれども、この問題は、先ほど申し上げました高山ダムなり青蓮寺ダムとの関係から、ずっと水の計算等もやってまいりまして、農業としてこの事業をやったほうがいいというふうに考えたわけでございます。まして今後水道事業なりその他の事業が出てまいりますと、ますます臨時ポンプなり何なわでこまかくやっておりますよりも、この際、そういう一つ取り入れ口からきちっと安定させた水路をつけていくほうが、たとえ将来統合といいますか、いろいろな問題が出てまいりましてもいいのではないかと、われわれ考えているわけであります。
  21. 大橋和孝

    大橋和孝君 それじゃちょっと厚生省に聞きますが、あなたのほうでは水道なり何なりで四十五年それから五十年、六十年という計画のもとにいま話を進めているというのですが、それといま農林省が言っている取り入れ口との関係は、ちゃんとそれは連絡がついているわけですか。同じところからものを取って同じようにやることになっているのですか。もしそれをやるなら、どういうふうになって費用分担させるのか。地元の農民に対して反当たり何ぼという農林省だけの考え方で計算されていると思うのですけれども、そうではなくて総合計画やるなら、その計算単位も変わってくるのではないかと思うのですが、その点どうですか、両方から聞かせていただきたい。
  22. 金光克己

    説明員金光克己君) 先ほど説明申し上げました水道事業計画は、水量等につきましては、水道という立場だけで考えておる計画でございますが、この水源の確保という問題になってまいりますと、やはりそういった農業用水工業用水等ともあわせまして総合的な計画地元計画し、また各省で相談し合ってやる、かような形態で進めるべきものだと思うのでございますが、今後の問題として検討してまいりたいと、かように考えております。
  23. 大橋和孝

    大橋和孝君 飲料水のほうで上水道のほうからいまそういうような御意見ですね。ですから農林省のほうとしても、この問題もう一ぺん再検討してもらって、総合計画のもとに地元民の負担が軽くなるような方法をひとつ再検討してもらうということが必要ではないかと思うのですが、どうぞそれを十分ひとつ各省連絡してこれをやってもらうようにしたいと思います。時間ありませんから、この問題はそういう要望をして私は質問をこの件については終わっておきますが、どうぞひとつ地元の農民の人たちが、自分らだけが非常に何か負担が大きいのではないかという考え方を持っているわけですから、そういうことがないように、今度は水道もやらなければならぬ、工業用水もやらなければならぬ、同時に農業用水もやらなければならぬ、この三つのものがあるわけですから、これをマッチさせて、お互いが同じように負担するものならするとして、よりりっぱなものをつくってもらう。工業をやったらまた農業をやらなければならぬということではなしに、もう計画がわかっているわけですから。近鉄沿線の発展ぶりを見ますと、どうせあそこはベッドタウンになるし、工場地帯になる。京都のほうも南のほうに工業を誘致をして南部のほうに発展していこうということは都市計画として出しているわけです。それにマッチしたものをこしらえていかないと、いまのところは早くやってしまわなければならぬ、もちろんやらなければならぬ、たんぼは植えられなくなるのですからね。だから私は、いまのところでどれくらいそれをやったらもつのか。それをもたす間にこの計画ができて、それとマッチしていって農家の人たちにも迷惑にならぬような、しかもりっぱなものをつくる、こういうことを私のほうは要望しているわけですから、そういう点を十分把握して適切な措置をしてもらいたい。ところが、りっぱな計画をしなければならぬからといってそれが延びてしまって、農家が実際水飢饉で困るということになったらこれはまたたいへんなんですから、農林省としては徹底的に考えてもらわなければならぬことですから、マッチさせて計画を進めていくというところにむずかしさがあると思う。十分考えてもらって、この問題に対しては、木津川沿線の水の利用の問題については、完全に考えてもらう。もう一つ建設省にお願いしたいのは、そうするためには治水意味からも障害にならない程度でそれに対してできるだけうまく協議に加わってもらって、そしてよりベターなものをつくってもらわなければいけない。それから、今度高山ダムもできたことでありますから、そこらを考えてやってもらうとりっぱなものができると考えておるものですから、至急それらのことを三省で、それにおそらく通産省も入るだろうと思いますが、そういうようなものを含めてひとつ完全なものにしてもらいたい、これを要望しておきます。  それからもう一つ、次にお願いしたいことは、奈良の国際文化観光都市建設計画、水利施設の事業について、ひとついろいろ伺っておきたいと思うのですが、これでいろいろな問題が発生しているわけです。これについてはもう御存じだと思います。建設省あるいはまた農林省厚生省あたり御存じだと思いますが、これは奈良市の上水道の水源として——いままで奈良は非常に水に困った都市なんです、昔から。で、この淀川水系の木津川の水流からポンプでくみ上げておったわけです。ところが現在では、それから将来を見通したときには、これではとても奈良市の給水事業を満たすことができない、こういうことから昭和二十八年に自然流下方式によって水を導く、その水源をさがしたところ、木津川の支流の布目川とか、白砂川を水源とすることが最も適当だという結論に達して、しかもその後、下流の京都府の関係町村との水利権の問題が発生をしたり、非常にいままでごたごたをしたことがあるわけであります。そして、経済企画庁近畿圏の整備との関連からいたしまして、淀川水系水資源の開発基本計画の策定と調整に時間がかかりまして、昭和四十年の二月一日付をもって許可されたのです、この水を引くのが。問題は、ここに地図を持っておるわけですが、こういうような水を導くところの水道の一部が京都府下で相楽郡の加茂町を横断しているわけですが、その水道工事の際に、地下にハッパをかけましたために、地下が花こう岩で——私どもあまりよく知らないのでありますけれども、花こう岩というのは直角に亀裂を起こすような性質があるんだそうでして、そのために、上のたんぼの水が全部漏水してしまうようになる。だからして田は渇水状態になって、渇水防止の策としてはどういうものがあるかということがいろいろ検討されても、全然それが問題にならない。渇水でたんぼに植えつけもできないような状態を来たしておるわけです。第一にこの問題があろうと思うのでありますけれども、昭和四十一年の三月の十八日に、建設省の淀川工事事務所、それから奈良水道局、これの依頼によって提出されました建設省の土木研究所地質化学部長芥川さんの視察報告というものがあるのでありますが、その内容は一体どのようになっているんですか。いろいろの内容を報告されていると思いますが、その報告内容がもしわかりましたらひとつ聞かせていただきたいと思います。どうでしょうか、わかりますか。
  24. 金光克己

    説明員金光克己君) 奈良市の水道事業に伴う問題でございますが、奈良市が昭和三十九年から第三期拡張事業を実施いたしておるわけでございますが、昭和四十五年度、五十年度を目標として計画を立ててまいったわけでございます。それで、計画給水人口は二十二万五千人でございます。さようなことで木津川の支流の布目川から導水路によりまして水道を導水いたしまして緑ケ丘浄水場で浄水する、こういう計画で進めてまいっておるわけでございますが、その導水路が途中京都府の南部の一部の、先ほど御説明のございました加茂町を通っておるわけでございまして、加茂町の岩船、西小などの一部の部落の中を隧道を通しておるわけでございます。その隧道を通したために、その部落の井戸水が枯渇してきたというような問題も起こりまして、昨年の夏から昨年の暮れまで、奈良市が給水車で給水した、かような問題も起きたわけでございます。さらに奈良市におきまして臨時の隧道等も設けて現在給水をやっておる、かような状態でございまして、この問題につきまして、奈良市とこの地元との間にいろいろと問題が提起されておるわけでございますが、この問題につきましては、奈良市におきましては、京都大学の防災研究所にこの原因等につきましての調査を依頼いたして、現在やってまいっておるというような状況でございます。  現在の状況は以上のような状況でございます。
  25. 大橋和孝

    大橋和孝君 この建設省及び厚生省は、このような計画をして許可を下したときに、どれくらいまで調査をし、また工事を進めている段階で監視をしてこられたかということは、一応一ぺんここで聞いてみたいと思うのです。これがなぜ聞きたいかといいますと、こういうことが非常に粗漏であったために、いま非常に大きな問題になっていると思うのです。その問題について少したださないとよくわからないので、一体その間に調査し、あるいはまた工事の途中でどのくらいな監視が行なわれたかということをひとつ聞いておきたい。  それからもう一つは、この工事の着工前に昭和三十三年の六月九日付で、京都府の加茂町長のところから奈良市に対して、この工事によって岩船地区は——加茂町の岩船というところですが、かんがい及び飲料水支障を来たすからして適切な処置をされたいということが奈良市に対して申し入れがされておった。それが奈良市では、十分その対策があるから心配はないという回答をしておる。こういうことによって加茂町長も隧道の施設に対しては同意をしたという経緯があるわけです。しかもその事前調査は、実際調べてみますと、昭和三十一年八月に学芸大学の島倉教授に、わずか二万五百円という調査費で形ばかりの地上からの調査をして、その科学的な調査というものはあまりしていない。そうして昭和三十九年の八月、日本水道コンサルタントの隧道工法に関する調査検討報告書というものができたという話でありますが、こういうようなものは一体この事実を厚生省なんかは十分御存じでございますか。このコンサルタントあたりはちゃんと調査したと言っているわけですが、一体どういう調査報告しておったのか、それは奈良市がやっているので厚生省は知らぬという状態にあったのか。
  26. 国川建二

    説明員(国川建二君) 一般的に水道工事を行ないます場合には、認可申請というものが行なわれるのであります。その認可申請の中身といたしまして、工事の基本計画はもとより設計の内容につきましても、実施設計ではございませんから、非常に具体的なものではございませんけれども、そういう計画書が提出されまして、その内容を審査した上で適当と判断いたしますと認可いたすことになるわけでございます。今回の事例につきましては、これはいわゆる隧道工事でございますから、もちろん必要な試掘調査あるいは地質調査等は行なわれたと思うのでございますが、非常にこまかな具体的なことまで、当時詳細にしたかどうかは、一応書類上の判断で行なったと思いますので、その時点におきましては、おおむね差しつかえないと私ども一応判断したわけでございます。
  27. 大橋和孝

    大橋和孝君 こうして現在の状態となって起こってきたわけなんでありますが、なかなか岩盤が、花こう岩というのはハッパをかけたときの亀裂が多くて、いままでは下のほうの何といいますか、地下の岩盤がかたくて、その上に地下水が流れておったために水も非常に豊かであった。この辺のところはちょっと掘ればすぐ水がたまるという状態ですから、水田としても、山のたんぽではあるけれども、水に非常に恵まれておったわけです。また同時に、この辺に住んでいる人も、ちょっと掘ればいい水が出てくるために、それを飲料水にしておったという状態でありますが、これがハッパをかけたためにがたがたに水が漏ってしまって、いま枯渇してしまっている。たんぼはみんな大きな亀裂の状態を来たしてしまって、とてもたんぼ植えられない、作付ができないので——時間がないから、ちょっと突っ走ってやりますから、要領よく答えてもらいたいのですが、実は干田になっているわけですから、干ばつになってしまってやれないのは八町五反歩もあった。それからまた水が減ってしまって、困っているところが三十六町歩ぐらいある、こういうような状態であって、非常に問題になっているんですけれども、これは一体いままで農林省としての見解からは、ここらに対して補償を千百二十二万ほどやり、そして不能のたんぼに対しては水をつくったり、あるいはまた飲み水はパイプでやったり、補償は四十二年度、少しされたようでありますけれども、これに対しての補償を将来一体どういうふうに考えておられるのか。ことに私は、奈良市あたりはこれはもう三年もやったらもとへ戻る、こう言っているようでありますけれども、なかなかそういう問題ではなさそうです。この間、ちょっと厚生省あたりにも話を聞いてみたら、調査をしてみたら、なかなかそうではないという中間報告も出ているんで、これはそうしなきゃならぬという問題でありますが、私はこの貧しい農家で、この辺の山間の農家がこういう状態で困っているときには、やはりだれがこれを守るかということになれば、私は農林省じゃないかと思うのです。農林省責任があるのじゃないかと思うのです。農林省責任があるとするならば、私は農林省のほうはこの補償に対しては積極的にどういうふうに考えておられるのかという点をひとつお尋ねをしておきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  28. 中野和仁

    説明員中野和仁君) ただいまのお話によりますと、水道工事との関連で、干害的な現象がいろいろ出てきているようでございますが、この場合に、いま厚生省からお話しございましたように、原因が究明されれば、直接的には原因者が補償すべきであるというふうに考えます。ただ、いまお話がありましたように、農家のためにそこの土地をもっとよくするという観点から、そこの規模が団体営の事業であれば、地元の申請があれば、そこの土地を改良するという観点からの土地改良の事業は、地元の申請によりましてやるということはできるかと思います。
  29. 大橋和孝

    大橋和孝君 いま現在の状態では補償の状態も不十分ですね、状態としてされようとしていることはけっこうですけれども、いま地元の加茂町から出されているところの昨年度の要求だけでも、配水を完全にしてほしいとか、水田の使用ができないからして、現状用途を変更して、耕作田に対する変更をして、地固めをするなり、耕地を整理してほしいというような希望も出ているわけです。それから労務が増加することに対しては補償もしてもらいたいし、減水のために貯水池をもっと設けてもらわなければいけないのだ、それから不能田に対しては作付転換とか何かの方法も考えてほしい、また生活に対して降霜になるところのものは補償してほしいというような、いろんな要求が出されているわけでありますが、これの責任体としては、奈良市がやったものだから当然奈良市が責任体であろうと思うのです。それが奈良市の北村町というところですが、そこで役場の中に対策本部を置いていままでやっておられたんですが、最近では三年ぐらいたてばなんだろうということで、その要求に対して地元の奈良のほうでは対策本部も引き揚げようというふうな形になっておるので、地元の人たちは非常に不安な状態になっているわけですね。こういうような状態であると、やはり調査も進めてもらわなきゃならないけれども、どうかひとつ根本的な永久補償といってはいけないけれども、これから大体見通しのつくような補償を考えてもらわないと非常に困ると思うのですが、その点はどうでございますか。
  30. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 具体的に加茂町のいろいろな要請のお話がございましたので、われわれといたしましては、近畿農政局、それから関係の京都、奈良の府県に対しまして、すぐ具体的にそういう意味での調査をさせるようにいたしたいと思います。
  31. 大橋和孝

    大橋和孝君 それで農林省のほうに、ちょっとそうした問題は積極的に乗り出してやってもらうと同時に、今度はまた厚生省におきましても、飲み水ということはたいへんな問題ですから、おそらく簡易水道でもつくらなければならぬということになるだろうと思うのですが、そういうものに対しては、ひとつ地元負担にならないように、どうせ負担区分がきまっているわけですから、負担が要るわけでしょうけれども、そういうことも配慮して、ひとつこういう水の確保を考えてもらいたい。また農業用水のほうも同じことでありまして、現在の補償では抜本的なものが全然考えられない。ですから私考えるのですけれども、この木津川にまたそうした支流があるわけですから、そこらからもっと水を引いて、根本的な、大きなため池か、あるいはまた何かそういうものをこしらえて、農業用水確保の根本的計画というものを、何か考えたければならないと思うのですが、その点は考えておられるのかどうか、ちょっと聞かせていただきたい。
  32. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 先ほど申しましたように、具体的にその地区の問題といたしまして、近畿農政局なり府県に至急に調査をさせて、どうしたらいいかということを考えてみたいと思います。
  33. 大橋和孝

    大橋和孝君 時間がないからこれで最後にしますが、やはりいずれにいたしましても、地元の農民というのは山間の農民でして、生活状態を見ましても、都市を問題にしなくても、普通の農村と比較しましても非常に条件が悪いところです。実際私もそこへ行きましたけれども、ほんとうに純朴なこういう農村の人たちが、このような状態になっていることを見ますと、私は涙の出るような気持ちでそこを見てきました。ですから非常に質朴な、純朴なこういう農村の人たちがこういう状態に見舞われて、飲み水はないわ、それからまた植えようと思えば、去年なんかは特に干ばつがきつかったようですからして、全然たんぼが割れてしまっている。ところが、あの五月ごろにちょっと雨が降れば、その水がちょっとできればそこへ田植えをしているわけですね。田植えをしてしまったら、みんなからからになっちゃって、枯れ木になっているわけですね、植えたやつが。こういうような状態を見ると、ほんとうに痛ましいです。農民の気持ち——ちょっと水を見ればもう田植えをするという、その努力をしてもあかんということがわかっておっても、努力して田を植えている。こういうようなことを考えてみると、ほんとうに地元の人たちの、農民の生活というものを考えて、これは一体だれが補償してやったり、あるいはまた、だれがめんどうを見てやるのか。それは町もありましょう、あるいは府もあるでしょうけれども、根本的に国のほうでそういうところまであたたかい目が配られるということが、筋が通ってないと私はいろんな支障を来たすのではないかということで、私は非常に胸を打たれてやってきたわけです。ことに私は、これで奈良市と京都府と責任の云々ではなくて、国のほうで最終的には何か見てやるように、やはり連絡を密にとってもらって、そしてこういう問題が解決されない限りは、責任のなすり合いでうまくいかない。これらの農民のみなの言っている様子を考えてみて、永久補償してもらうならば、これは四十億ですか何かの工事であるのだから、せめて一割くらいは出してもらわなければ困るというようなことを、奈良市にしても、三億なり四億なりできるということになったら、奈良市もたいへんな問題になるわけですね。そういうことになってくると、責任のなすり合いになってしまって非常に困るわけです。  私は、最後に要望しておきますことは、厚生省のほうにおきましても、農林省のほうにおきましても、この問題につきましては、もっと積極的に近畿農政局なり、あるいはまた府のほうなり、あるいは町のほうなりに、ずっとパイプの通るような方法でこういうほんとうに困っている人たちを助けるような施策が末端にまで届くような行政をしてもらいたい、こういうことを私はひとつ要望したいと思うのです。特に水がないというようなことになると、これはたいへんな問題です。農業のできるように根本的に直そうとすると、もっと高いところに大きなため池をつくるか何かしなければいけないと思う。どんどん水が運べるようにすればこれは解決するわけでありますから、そういう根本的施策をひとつ徹底的に早く講じてもらいたいと思うのですが、その辺についての考えを聞いて、私の質問を終わります。
  34. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 先ほど申し上げましたように、原因が判明をしておりますれば、直接原状回復するのは、原因者の負担になるわけであります。いまお話しのように、農林省といたしましても、この行なわれている農業をどう守っていくかという問題がございますので、そういう観点から至急調査をしてみたい、こう思います。
  35. 金光克己

    説明員金光克己君) この問題につきましては、厚生省としては、飲料水の問題で非常に重大な問題でございますので、奈良市あるいは地元あるいは京都府との間の調整とか、そういった問題につきましては極力お世話をしてまいりたいと、かように考えております。
  36. 大橋和孝

    大橋和孝君 もう一言だけ。まだ大臣もおきまりでないようですからあれでございますけれども、ひとつ大臣のほうにも十分意見を通じていただいて、少なくとも三省が、あるいはまた通産省も含めてですね、総合的な計画のもとにやっていただいて、木津川の問題、あるいは今度の補償の問題やら、ほんとうに困っている農民を救うという問題、これはもうほんとうに本腰を入れてやってもらうように、大臣にもひとつ十分考えてもらうように伝えておいてもらいたいと思います。
  37. 小柳勇

    ○小柳勇君 厚生省の環衛局長にきのうの質問の続きを質問いたします。  昨晩おそく北九州市カネミのライスオイルの中毒事件につきまして、食品衛生法違反で告発されたようであります。告発されたということは、六号タンクの加熱パイプのピンホールから出たカネクロールが中毒症状の発生の原因であると判断されたから告発されたと思うが、そう理解してよろしいかどうか。
  38. 金光克己

    説明員金光克己君) 御指摘のとおり、今回の米ぬか油中毒事件は、六号タンクに入っておりましたピンホールから熱媒体に使っておりましたカネクロールが漏れて、それによって発生したものと考えておるわけでございます。
  39. 小柳勇

    ○小柳勇君 そういたしますと、六号タンクが原因であるから、その他のタンクでつくった油は危険性がないと、そこまで御判断の上でございますか。
  40. 金光克己

    説明員金光克己君) その他のタンクにつきましては別途調査中でございますが、ほかからは漏れるような穴は発見できなかったわけでございます。したがいまして、原因としては六号タンクが考えられる、かように考えております。
  41. 小柳勇

    ○小柳勇君 六号タンクの修理改善命令など、あと、事後処理並びに、きのうも質問いたしました食品をつくる機械設備などを適当の時期に点検するなど、今後のこのような事故の発生についての対策はどうとられましたか。
  42. 金光克己

    説明員金光克己君) 今回の事件は、従来の普通の食品衛生の監視の範囲から考えますと、特別なケースでございまして、従来食品に添加する食品添加物につきましては、非常に巌密に監視いたしておるわけでございますが、かように製造工程の熱媒体として使うというようなものにつきましては、やはり予想外と申しますか、十分注意していなかったといううらみはあるわけでございます。したがいまして、今後かような製造工程におきまして、不測の事態で食品が汚染されるというような構造機能のものにつきましては、この米ぬか油の製造事業だけでなく、その他のものに関しましても十分検討いたしまして、さようなことにつきましては今後十分検討していく、また監視対象として取り扱っていくというようにいたしたいと思います。  また、前回の委員会の席上での御質問にも御説明申し上げましたように、そのような複雑な製造工程を持っております業種につきましては、食品衛生管理者の配置等の幅を広げまして、管理を十分にさしていく、かような方法をとりたい、かように考えております。また特に危険なものを使い、それが食品を汚染するおそれのあるような製造工程につきましては、極力これをやめさせる方向に指導していきたい、かように考えておるわけであります。
  43. 小柳勇

    ○小柳勇君 最後の質問でありますが、大切なことでありますが、市当局が厚生省と相談して告発されたことによって、社長が、責任あれば全財産を投じてでも賠償すると言明しておりました。その社長の賠償責任が発生したと理解してよろしゅうございますか。その補償額は概算どれくらいと見積もっておられますか、それで質問を終わります。
  44. 金光克己

    説明員金光克己君) カネミ倉庫の社長は、責任が生ずれば補償するということは、新聞紙上に報道されておりますし、私どものところにも、さような意向は伝わっておるわけでございますけれども、補償の責任の範囲というものにつきまして、今回の事件の責任の範囲という問題とこれはからんでくるわけでございますので、そういった点につきましては、なお今後十分検討した上で判断されるべきものじゃないかと、かように考えておるわけでございます。しかしながら、食品衛生法によりまして、北九州市におきまして告発したという事実は、やはり製造過程において問題があったということを指摘しておるわけでございますから、そういった面におきまして責任が生じておるということは確かでございます。
  45. 小柳勇

    ○小柳勇君 質問終わります。
  46. 松井誠

    理事松井誠君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  47. 松井誠

    理事松井誠君) 速記を始めて。
  48. 黒柳明

    ○黒柳明君 私、コカコーラの問題について質問したいと思うのですが、初め農林省のほうにお願いいたします。  コカコーラが世界の清涼飲料界を席巻して、三十五年ですか、日本に上陸した。いま新しいフレスカ、第二の清涼飲料水を日本国内に持ち込もうというようなことで若干問題があるようですけれども、フレスカのことはあとで聞きますけれども、三十五年に上陸してから今日までのコカコーラの販売の状況、それをどのように把握しておられるか、また、どのような見解を持たれているか、そこら辺からお聞きしたい。
  49. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) ただいま黒柳先生の御質問でございますが、三十五年からのこまかいデータは手元にございませんので、最近の三カ年間の伸びの数字からあれでございますが、三十五年に原材料が自由化されまして以来、コカコーラは日本の消費者にも相当マッチした製品と宣伝方法をとりまして、最近三カ年におきましては、炭酸飲料水相当伸びておりますが、特に外国糸飲料、なかんずくコカコーラの伸びは非常に大きなものになっておるわけでございます。これにつきましては、その当時自動割り当て制に移行する際におきましても、国内清涼飲料業界の影響というものにつきまして、当省といたしましても配慮いたしまして、国内業界との協調を基礎にするというような点で種々指導の通達を出して指導しておるわけでございます。
  50. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまおっしゃったように、私も農林省のほうからいただきました書類があるわけですが、これは食糧庁の長官から出て、いま農林省の所轄ですけれども、いまおっしゃったように、「その後の状況をみると、コーラ飲料業界および国内関係飲料業界は、全体としてみれば、これらの指導にもとづき、最近まではおおむね協調を保ってきたものと考えられる。」、あとに具体的例をいろいろ出したいと思うんですけれども、まず国内業者との協調をおおむね保ってきたと、こういうふうな御見解ですけれども、この御見解、このとおりで認識していいものかどうか。国内業者との協調は保たれてきていると、こう見てよろしいんでしょうか。
  51. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 三十五年に原材料の自由化をいたしまして、本格的にコーラの国内販売が始まった段階におきまして、種々業界との協調問題が議論されまして、役所もこれを指導したわけでございます。その後食生活の洋風化、その他嗜好の大きな変化で清涼飲料、特に炭酸飲料がこの数年非常に大きな伸びを示したわけでございます。したがいまして、コカコーラ自体も非常に伸びましたが、国内の清涼飲料も相当伸びました。したがいまして、そのような、何と申しますか、市場の成長の過程におきまして、さほどコカコーラについての国内業者との協調問題は大きな問題がなかったというふうに承知しております。
  52. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで、この「これらの指導にもとづき」と、この指導は何をさすかということですけれども、具体的にどういう指導が出たか。
  53. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) これは、先生も御案内のことと思いますけれども、たとえば国内関係飲料の販売の混乱を生ぜしめることのないよう、コーラ飲料の価格の不当な値下げをしないというようなことについて、適時適切にコーラ業界とも役所が話し合ったというようなことでございます。
  54. 黒柳明

    ○黒柳明君 いま一つだけおっしゃいましたけれども、一つは、「自動割当制移行後も、国内関係飲料の販売に混乱を生ぜしめないよう、コーラ飲料の販売価格を不当に値下げしないこと。」ですね。二つ目は、「販売のために行なう宣伝、広告については、国内関係飲料の販売に混乱を生ぜしめないよう、過大な宣伝、広告を行なわないこと。」、その他3、4、5、要するに、前記各項目に関連して食糧庁が報告を求めた場合は——農林省が報告を求めたら報告書を出す、提出すること、このようなただし書きもあるわけですけれども、はたして不当に宣伝、広告しないこととか、あるいは値下げをしないこととか、こういうことを書いてあるんですけれども、これに対して、当然コーラ側からも何か約束の、誓約書か何か出ているわけですね、まずその点から。
  55. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 通達の趣旨を順守して、国内業界との協調を確保するという旨の誓約書が出ております。
  56. 黒柳明

    ○黒柳明君 誓約書ありますか、そこに。どんなものでしょう。簡単なものでしょうからひとつ。ございませんか。
  57. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) ここにございません。御了承願います。
  58. 黒柳明

    ○黒柳明君 誓約書、「本業界に重大なる混乱が生ずる恐れがあると農林省が認め、その是正のための業界との協調を指示されるときは、関係団体と協調して善処することを確約致します。」と、昭和三十五年八月四日ですね、こういう誓約書が出ているわけですね。そこで、私は、先ほどの指導に基づいてという指導の一の、要するに、「販売価格を不当に値下げしないこと。」、こういう指導があるわけです。この指導を守りますと、こういう誓約もあわわけです。それについて私は、省がこういうことを知っているかどうかということをまずお聞きしたい。これはほんの一例です。うんとこういうふうに一覧もありますし、これくらいの資料があります。きょう持ってくるのは——会館のほうに置いてありますから。これが一つで、こういう文章です。昭和四十二年の暮れのころ、富士コカ・コーラ・ボトリング株式会社西営業所担当ルートマネージャー鈴木善明という人から——映画俳優みたいな名前ですね、当店担当のセールスを通じて来年のコカコーラの箱数の取り扱い高によって謝礼金を四十三年当初出すので販売に協力してほしい旨の連絡を受け、当社としては、サービス面、販売方法等独占的であったコカコーラがたいへんなサービスをしてくれるものと思って、申し入れを受諾した。四十三年の初め、その人が、要するに、コカコーラ千五百箱の契約を口頭でかわせば、金を出す。こういうことで四月二十五日、金五万円なりを、小切手か現金か記憶してませんが受け取りましたと、これは横浜市西区戸部町五ノ一九六、三武本店鈴木という人から出ているのです。要するにこれはおまけをやると、こういうことです、リベートです。要するに千五百箱契約してくれれば、五万円のお金を渡すから、こういうことをはっきり言ってきた。五万円を、現金か小切手か忘れたが、一年前——半年前のことですから。こういうことを、私じかに行って聞いてきたから間違いない。さらに、いろんな例があります。喫茶店、台東区——こちらが調べた範囲は五十店くらい調べました。大体十箱前後を現物で持ってくるのです。これは販売の多いところも少ないところもあるので若干差があります。しかしながら、喫茶店ですから月にそんな量は出ません。現物支給です、要するにおまけです、景品です。いうならば値下げと何ら変わりがない行為です。台東区の喫茶店です。それからこれも一つ、そのうちの喫茶店ジュネーブというところは、百本もらった。これは何だか非常に外国的な、あるいは映画俳優みたいな名前で、いろいろなあれですけれども。さらに、これはちょっと離れますけれども、飯塚市——九州のほうからも報告がきました。これは毛利というところですけれども、このところは一カ月間無料で入れる、こういう話も聞きました、現物で百箱無料でもらった。それから福岡の某キャバレー、名前は出してくれるな、客商売だからということであえて名前は出しませんが、これは二百箱、というようなことで、これは私言うまでもなく、いろいろあります。現金でおまけをくれる、あるいは現品を含めておまけをくれる、リベートです、景品です、当然。このことは、不当な値下げをするなと、しませんよと言っておりますけれども、そうじゃないです、現実は。まだまだ例を出せと言うと一ぱいございます、無限です、数限りなくございます。こういう事実をはたして農林省のほうは把握していらっしゃるのか、適切な手をいままで打たれてきたのか、この点いかがですか。
  59. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) ただいま黒柳先生指摘の事実等につきましては、初めて伺うところでございます。私どものほうとしては、価格が一番大きな影響がございますので、三十五円という程度の値段の維持という点についてのいろいろ配慮をしたわけでございます。もちろん行政指導による再版規制の問題もあり、一方独禁法なり消費者行政からの問題がございますので、一銭一厘も下げてもらっては困るということで、しておりませんけれども、一番問題になりますのは価格でございますので、そんな不当な値下げについて、コーラ業界に対しては慎重な態度で臨むように話したわけでございます。  なお、ただいま種々御指摘の点につきましては、実は初めてでございます。これにつきましては、何と申しますか、リベートその他正常な商慣習で行なわれておるような場合と、越えているかどうか、そういうような点について、公正取引委員会等の御意見も承りまして十分調査した上で善処いたしたいというふうに考えております。
  60. 黒柳明

    ○黒柳明君 公取のほうは、また隣にいらっしゃるのが公取の事務局長さんで、そちらから見解をお聞きしようと思うのですけれども、私は、農林省のお立場、これだけの文書を出して、また四十年あたりには説明会も行なっているわけですが、それでコーラに対してきちっとした御指導をなさっている。これは当然指導することが目的で、文書を出すことが目的じゃない。これは私言うまでもない。現実にそういう不当な事項が起こらな  いように、起こっていたらそれを是正する報告書を出させて、それに対してまた処置もする、こういうふうな文章でもあり、またそのための説明会も開いた。そのことと並行して、そういう現状が維持されていないとこれはうまくないわけですよ。現にこういう何万円——もっとでっかい額もまだここにあるんで、それをずっといま出しますよ。もう明らかにこれは一本三十五円ということです、小売り業者が消費者に売る価格ですね。しかしながら、これは維持されているといっても、実際にそこにリベートが入ってくる、おまけが出てくる。そういうものをどんどん出していること、それについて、公取の御見解も承わらなければならないですけれども、このこと自体は、明らかに値下げ行為に通することだ、こういうふうに私たちは確信したい。ここらあたりのまた御事情も当然つかまえられていなければならない。こういうことで、いま、調査しまして、公取の御意見も聞いて善処したいという御発言がありました。知らなかったことに関しては、これはどんどんお知りになっていただきたい、こう思うのです。  それから第二点です。第二点は、「過大な宣伝、広告を行なわない」、こういうことがありますね。それじゃ、これに関してですけれども、これはまた資料がうんとありまして、これはどうしようもないくらいあるんですけれども、「過大な宣伝、広告」になるかならないか、農林省のほうのお考えをお聞きしたいと思うんです。たとえば富士スピードウェイ、これはモーターレースをやるところですね。ここは年間一億の契約、それでコカコーラの独占をやっているわけです。御存じのようにテレビにもよく出ますし、レースで一等、二等、三等になると、すぐコカコーラを飲みまして、それで写真をパチパチとらせる。去年そのコカコーラとペプシコーラと間違えて飲んでしまいまして大問題になったことがある。笑いごとじゃないのです、コカコーラにとってみれば。そういう笑えない喜劇もあるくらいです。コカコーラとしては富士スピードウエイに対して、一億という巨大な寄付を出している。ここにございますが、こういう契約が結ばれておる。それから一本売りますと十七円のリベートをもらえる。年間七十万の入場者がある、こういうふうにいわれているのですね。これは一つのレースが終わると——レースばかりじゃないのです、ふだんは練習場としてゴルフに使っている。そうするとコーラの山になる、みごとなものだといわれています。現に私行ってきました。そういうところで一本売ると十七円のリベートが入る。これは富士スピードウエイとして非常にばく大な利益です。そういう売らせるために一億もの金をここにつぎ込んでいる。後楽園は年間二千万円、それを出してコカコーラの広告をする、独占です。そのほか、若干ほかのものが入っているものもあると思いますが、あとのものは全部コカコーラの独占です。浅草松竹ボーリング場、改築のとき三百万円の寄付、コカコーラ独占です。大森後楽園ボーリング、開店のとき百万円の寄付、独占です。それから芝ボーリング、これは開店のとき三百万、これもコカコーラ独占です。東映本社二百万。東映系の直営館は全部コカコーラです。これも独占です。それから神奈川県横、浜ドリームランドが年間五百万の寄付、これも独占です。それから同じく磯子ボーリング、ボーリング場は全部とお考えになっていいと思う。ボーリング場は全部、コカコーラから三百万円ないし五百万円もらっていまして、それで宣伝費という名目ですけれども、実は、誇大ですよ、こうなった日には。そうしてコカコーラ独占体制です。それから千葉県船橋ヘルスセンター、一千万円、完全に独占です。コーラ以外は売るな。富士スピードウエイなんかはたいへんですよ。業者から聞きますと、富士スピードウエイの役員が回ってきて、コカコーラ以外のものを売っていたらつまみ出されてしまう。高い権利金を払って、入るときにコーラだけ売ることを約束させられて入る。これは当然独占です。それから山梨県富士急ハイランド、これは一千万円、独占です。栃木の宇都宮パークレーン、三百万円、これも独占です。兵庫県の宝塚劇場、百万円の寄付、独占です。奈良の橿原ボーリング場、百万円、天理ボーリング場、百五十万円。奈良ドリームランド、二百万円。あやめ池遊園、二百万円。ぐっと下がって九州ですけれども、福岡市営貝塚公園、三百万円。大丸デパート五百万円。その他数限りなくございます。ともかく年間開店ないしは随時、このほか、現金じゃないのを入れたらどうにも整理がつかないのですが、あっちの看板、こっちの施設となると、これは都内のデパートで千万、二千万出ております。みごとな遊園地をつくっておる。そうしてコカコーラだけ売るか、売ります、こういうことなんですね。これがはたして誇大宣伝にならないか、なるか。これはまた隣に控えていらっしゃいます公取のほうに聞かなければならないが、このことは別にして、この事実を農林省当局が把握しているのか。これだけの指導をし、また是正するために注意を払って、三十五年に通達を出して、四十年には説明会も開かれておる。四十三年もあと三十一日でやがて四十四年になろうとする。農林省はこういう事実をつかまえた上で適切な指導をしているのかどうか、また、この事実もお知りにならないのか、どうでしょう。
  61. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 三十五年、六年の原材料の自由化の際に、業界協調を基礎にする旨の通達の中で、宣伝、広告につきましては、「国内関係飲料の販売に混乱を生ぜしめないよう、過大な宣伝、広告を行なわないこと。」というようなことで指導しているわけでございますが、この通達は、繰り返すようでございますが、国内関係業界と協調を保つべき旨を基調としたものでございますが、過大な宣伝、広告の意味について申し上げますと、われわれといたしましては、消費者に誤った印象を与えるような誇大とか虚偽の商品についての広告とか、あるいは何と申しますか、他の競争商品の誹謗をいたすとかというような不当不正な宣伝、広告というようなものは好ましくないんで、そういうものは慎めということでございます。それからなお、そのほか、シェアを拡大したいあまりに、生産費を割ってコスト割れの宣伝費をつぎ込んで宣伝に重点を置くというようなことについては、これは好ましくないという意味で、「過大な宣伝、広告を行なわないこと。」というような通達を出して指導したわけでございます。  コカコーラにつきまして、ただいま具体的な事実につきまして黒柳先生からいろいろ御指摘がございましたが、われわれといたしましても、コーラがかなり多額な宣伝費を使って強力な宣伝を行なっておるということについては承知しておるわけでございますが、これら加工食品とか嗜好食品の宣伝、広告一般のレベルから見て、どうであろうかというようなことについても、なお検討の要があるかと思いますけれども、いままでのところにおきましては、まあコスト割れの宣伝、広告を行なっておるというようには承知しておりませんし、なお注意してみますと、虚偽とか誇大の宣伝、あるいは他の競争商品を誹謗した宣伝を行なっておるというわけでもないように承知しておるわけでございます。したがいまして、われわれは、自由化当時の誇大な宣伝というものにこれが触れるかどうかという点については、われわれ触れると断定いたしかねるわけでございます。しかしながら、この誇大な宣伝、広告を慎めという趣旨も、国内関係飲料業界との協調ということにつ一いての基本理念といたしまして通達を出し、指導中でございますので、この点については、個々の具体的な事実についても、さらに農林省といたしましても、十二分に把握につとめるとともに、コーラの宣伝方法等については、関係業界との協調という視点で今後進むように指導をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  62. 黒柳明

    ○黒柳明君 やはり非常に認識不足だと思うのですね。現状に対する把握が甘いのではないかと私は思うのです。生産コストを割る必要はない。ものすごくもうかるのですから、そんな必要はなそれから国内業者との協調をはかる、はかってはいやしません。そちらに陳情書が幾つもきていると思うのですが、中小メーカーは圧迫されてアンチ・コカコーラの運動を展開していることは、事実を当然お知りになっていると思うのです。大メーカーは何を言っているかというと、朝日にしてもキリンにしても、とにかくコカコーラとは太刀打ちはできない。だから、バヤリスや何かは副業だから、ビールのほうの売れ行きが順調だから、だから清涼飲料や炭酸飲料ではあきらめよう、こう言っているのです。だから、そういう中小メーカーではどこでも取り上げてくれるところはないから一この大資本には太刀打ちできな  い。また、農林省はそういう態度で通達を出したものの、そんな協調ができているやの甘い認識を持たれている。あるいは原価を割る割らないというようなことを基準にしているが、ものすごく  マージンがあるのですよ。それをつぎ込めばどんどん宣伝、広告できるわけです。何も原価を割る必要は毛頭ありゃしません、日本のとは資本力が違うのですから。大企業と中小企業とでは、それが当然の話ですから、その辺の把握認識、現状というものをもっとはっきりつかんでいただきませんと、ただ単に通り一ぺんな、いまおっしゃったようなことで協調しているなんてとんでもない。また、相当のマージンがある。それだったらそれは三分の一あるいは何分の一つぎ込んでも、このぐらいの宣伝費は軽々安々です。いまはいいです、五〇%、六〇%のシェアなのですから。五年、十年たったら、ごらんなさい、またたく間にコカコーラが伸びることは……。大手はダメージはあるけれどもあきらめていると言っている。中小企業は倒産する一方で、しようがないと言っております。どこがめんどうをみてくれるか。省は関係当局としてめんどうをみてくれない。こういうことが切実な問題になっているわけです。ですから、この点認識が非常に甘い。こういうことを指摘するとともに、ぜひこういうことは公取ともよく相談する、こういうことは先はどおっしゃいましたけれども、その余地もあると思いますけれども、そういうただ単なる上っつらのことではなくて、中小メーカーの意見を聞き、国内メーカーの協調度というものをよく把握して現状を認識した上からの評価をぜひ加えていただきたい、こう思うのです。  それから、先ほどフレスカの問題が出ましたけれども、フレスカに対しては、これはどのように農林省は認識して処分するのか、これはいかがでしょうか。
  63. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 本年の十月中旬にアメリカのザ・コカ・コーラ・カンパニーの子会社でございます日本コカ・コーラから、フレスカという新製品の技術援助契約の締結の申請がございました。説明によりますと、これは無糖の——砂糖を入れないグレープフルーツ系の炭酸飲料だということでございまして、これがただいま先生もおっしゃいましたように、サイダー業界を中心といたします日本の中小清涼飲料業界は、コーラの関係で相当影響を受け、非常に重大な段階に立っておりますし、さらに、この製品が、中小企業が約五〇%のシェアを占めておりますサイダーと面接競合いたすというような点がございますので、われわれ農林省といたしましては、技術導入は、御案内のように、ほぼ一〇〇%自由化されておりますが、これについては、個別審査において慎重に検討いたすということで、直ちにこれを取り入れるのは、たいへん問題であるというふうに判断いたしまして、その自動承認制のものを個別審査のほうに切りかえまして、いろいろな手続を現にとっておりますが、そのような審査にも先立ちまして、業界もこのような情勢でございますので、業界自体も、いろいろ日本コカ・コーラとお話し合いを続けておられるようでございますけれども、役所のほうといたしましても、コーラ側を呼びまして、この申請の取り下げにつきまして、ただいま強力な指導を行なっておりますし、最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
  64. 黒柳明

    ○黒柳明君 またコーラのときと同じように、誓約書を出させた、通達を出した、あとはそれでいいだろうというようなことでお茶を濁さないように、これ以上フレスカが国内にシェアを伸ばしますと、完全に国内の清涼飲料工業界というものは、サイダーは昔のものになってしまって、飲む人はいません。店頭にはありはしません。ほかの清涼飲料、炭酸飲料を含めて相当これは打撃を受けることは間違いないと思いますので、このコカコーラへの通達、あるいは説明会が通り一ぺんのことで済まされないように、きちっとした結論を出していただきたいと思うのですけれども。  それから公取のほうにお伺いしたいと思いますけれども、私は、農林省のほうは公取のほうと相談しておられ、当然誇大宣伝であるか、あるいは不当、不公正取引ですか、項目があります。六項、七項の不当要因という条項に抵触するかどうか、この問題になってくると思いますけれども、私、せんだってのGEのケースで、ルームクーラーを買ったら十四、五万のテレビをつけると、これは公取でなくて私たちが見ても不当だとわかる。しかし、コーラの場合は、現金をリベートとして出す、また一本売れば十七円のリベートを出す、あるいは一億、二千万、三千万と、規模に応じて広告宣伝費を出すと、こういうことは六項の正常な商慣習ですか、これに照らして非常に問題があると思うのですね。正常な商慣習に昭らして、不当な利益または不利益をもって直接または間接に「競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。」、この七項の不当要因、不当排除、この項目です。ルームクーラー、それにテレビのおまけ景品、そういう形では目に見えないにせよ、これを金額あるいは現物おまけ、宣伝広告代として何千万、何億、こういうものを積み重ねていったら、GEの例以上に問題のケースだと思うのですけれども、この六項、七項の不当要因、不当排除、この法的な見解はともかくとして——またこれもお聞きしたいと思うのですけれども、このようなコーラの市場の販売について、公取のほうはどのような御見解をお持ちになっておるのか。
  65. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 私ども、ただいま御指摘いただきました独占禁止法第十九条の違反の問題と関連いたしまして非常な関心を持っておるわけでございますけれども、具体的な違反事件といたしまして、本年初頭に問題にいたしましたGEのルームクーラーの景品つき販売、これは一応、一般指定違反ということで私ども取り上げたわけでございますけれども、取り上げたあとでやはりそれだけでは済まない問題を含んでいるような印象を事件に関連いたしました私どもといたしましても非常に強く持っておったわけでございます。と申しまするのは、非常に過大な景品をつけたということで、私ども、十九条違反ということでやめさせたわけでございますけれども、実は、それならば景品つき販売でなしに価格競争ということで、それだけ値引きいたしますということでまいりました場合には、おそらく景品つき販売以上にわが国の業界としては問題があるんじゃないかという問題を一つ含んでおるわけでございます。それに非常によく似た問題が、ごく最近におきましては、自動車に対する大きな景品つき販売ということで提起されている問題が一件ございます。  それからただいま御指摘をいただきましたコカコーラの問題、これは独禁法の立場から申しますと、一つは、一種の行政指導によって価格支持をしているという問題がございます。その反面、価格支持をしているために、非常に大きなもうけが上がって、そのもうけで大きな広告宣伝費や、それから寄付をいたしておるという問題がからんでくるわけでございます。この三つに共通な問題は、いずれも非常に生産性が高くて、安いコストで売れる商品が入ってきておる、それにどう対処すべきかということでございます。これは、私どもも基本的により広い見地に立って熟考を要する問題だと思うわけでございますけれども、私ども公正取引委員会としてできます問題といたしましては、それらの個々の取引関係の中に不当な取引方法に該当するものがあった場合には、それの取り締まりをやっていくという態度で臨んでおります。
  66. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は、当然それに対して公取としても立ち入り検査をしてもらいたいと、こう思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
  67. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) コカコーラの問題につきましては、私どもの担当官を派遣いたしまして、事情聴取をやっている案件が二、三件ございます。
  68. 黒柳明

    ○黒柳明君 それについて、もうちょっと具体的に御説明願えませんでしょうか。
  69. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 係官を派遣いたしまして事情聴取をいたしました案件といたしましては、先ほど話が出ておりました、富士スピードウェイについて事情聴取をいたしました。それから本日は、浅草の松竹ボーリング場、それから芝のボーリング場に係官を派遣いたしまして事情聴取をいたしております。
  70. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、富士スピードウェイは事情聴取なされて——きょうですか、きょうはそうすると何時ごろからそれをおやりになっているわけですか、これからですか。
  71. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 富士スピードウェイについては、これは二、三日前に事情聴取に参っております。それから二軒のボーリング場につきましては、今朝係官を派遣いたしております。
  72. 黒柳明

    ○黒柳明君 すると、きょう二軒のボーリング場に調査に行かれた、この立ち入り調査は、四十六条の強制調査と解釈してよろしいですか。
  73. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 本日の二件はさようでございます。
  74. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、先日の富士スピードウェイへ行かれて、まだまだこれから調査する案件もあると思うんですけれども、多少でも問題点があったか、その点いかがでしょうか。
  75. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 検討を要すべき問題点は若干ございます。それについては現在検討中でございます。
  76. 黒柳明

    ○黒柳明君 きょうはちょうど土曜日ですね。ですからアメリカ関係の会社は土、日は休みであると、私はこう認識をしているのですけれども、当然この問題は、先ほどの九州に至るまで全国的な調査結果というものはまだまだあるのでありますけれども、若干あげたわけですけれども、まずそのもとである日本コカ・コーラ、それから日本コカ・コーラ、ボトリング協会、それからさらに東京コーラ・ボトリング、これが要するにアメリカから全体の原液を輸入するところである。あるいは日本全体、十六のボトリングを統括するところであり、あるいは東京のコーラの販売を統括するところだ、この三つに対して、あるいは富士スピードウェイに行ったならば、富士コカ・コーラ・ボトリング株式会社、ここらあたりは当然強制捜査しなければならない、こう思うわけです。さらに私がいま指摘をした後楽園、その他一ぱいありましたね。後楽園とか、あるいは大きいところ、船橋ヘルスセンター、あるいは富士急ハイランド、あるいはいろんなところを言いましたけれども、ボーリング場を含めて、ボーリング場以上に規模が大きいところは一ぱいあるわけです。また、いま言いましたように、原液を輸入するところ、それを今度は日本国じゅうの支社といいますか、十六の各地方のボトリングに流すところ、さらに東京ボトリング、富士ボトリング、そのようなところも当然立ち入り調査をしてもらいたいと思いますし、こういうおもだったところだけでも早急に調査をしていただきたい、こう思うんですけれども、今後とも強制調査をしていただくとともに、その結果を期待すると、こう思うんですけれども、今後も調査は続けていただけるものと、こう判断してよろしいですか。
  77. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 将来の調査計画につきましては、これは先生にも御了解いただけると思うのでございますけれども、私からこの席上で何とも申し上げることはできかねる問題でございますけれども、本件に関する調査という一般論として申し上げますと、私どもといたしましては、引き続き調査を続行していきたいというふうに考えております。
  78. 黒柳明

    ○黒柳明君 時間も非常に限られていますけれども、私、こう言うのもちょっとうまくないと思うのですけれども、従来公取の態度は、若干公正を欠くような、不明瞭な点も指摘される場面もなきにしもあらずであったと思うのですけれども、今回の場合には、これは非常に問題は根深く、事件は広範囲です。私は今回だけの質問ではなくて、さらに二回、三回と調査事実はありますし、また、公取の調査結果を待って発言をしていきたいと思うのですけれども、厳正なひとつ態度で公取の人が臨んでいただきたいし、また、当然それがあたりまえだと思いますし、また、農林省のほうも、先ほど私指摘したように、現状の認識が甘い、こういうわけです。公取のほうで問題がある、問題があるから強制捜査をしているわけです。それに対して、私が認識が甘いとこういうふうに申したのは、そのことです。こういう事実があるのに、フレスカの問題、これは何とか善処してストップさせる方向にと、こういう御意思は若干でも持っているはずだし、また、そういう方向であるというふうに発言なされましたから、将来の動向を見守っていくよりほかないと思いますけれども、それよりも、三十五年から四十三年までのそういう問題を多々含んだ事件があるということが公取の態度です。最終的には、調査の結果を分析して法的の黒白がまだ時間がかかる。当然問題があるので、強制調査、立ち入り検査、いまの時点でこうなっているわけです。それを農林省が把握してない。それを農林省が、先ほど私がまた言ったことの繰り返しじゃなくて、三べん目ですけれども、それでいいような感覚でいらっしゃることは、これは決してうまくないのです。だから冒頭にそれを指摘して、考え方が甘いのだ。ですから公取の態度を聞いていただきたい。それでこの問題に対しては、フレスカの問題も含めて、早急にこういう事実を把握してください。それで国内業者との協調を保っていけるであろう、事実はどうか、それは私は済まないと思う。現にこれは済まないのです。あるいは原価を割るとかなんとか、そんな宣伝費云々の問題ではない。景品で、おまけつけるよりも、値引きしたのと同じケースになる、こういうことじゃないか。そういうことにも考えをめぐらしていただいて、部長さんが全面的にこれは農林省の中で責任を持っている、こういう資格できょうお出になったと思いますけれども、ひとつ農林省の今後の御決意なり、ほんとうに現実にこの問題を私二弾、三弾やっていきますよ。その場合、いまのような中途半端でなく、こういうことに対しても、この次つかんでないと問題になっていきますよ、その点どうですか。
  79. 大河原太一郎

    説明員大河原太一郎君) 種々御指摘を受けました点につきましては、十分調査し、その問題のある点等につきましては、独禁法その他の問題については公取の御意見なり、調査の結果を待つわけでございますけれども、誇大宣伝等の悪質の事実、あるいは実質的な値引き等については、詳細に調査して、逐次進めていきたいと思います。
  80. 黒柳明

    ○黒柳明君 一言最後に、当然そのような態度でやることはあたりまえですけれども、いままで八年間非常にずぼらであった。こういうことで、せめて農林省調査を進めてしっかり把握してもらいたい、指導してもらいたい。と同時に、せめて公取くらいは独禁法を十二分に活用して、この問題に対して徹底的にメスを入れると同時に、私どもも大々的にこの調査の資料を積み重ねてありますし、また今後も積み重ねて、これの白黒がはっきりするまでやっていく、こういう態度でいきたいと思うので、ひとつ最後に公取の決意のほどをお聞かせ願いたいと思うのです。
  81. 柿沼幸一郎

    説明員柿沼幸一郎君) 今後も厳正な態度で調査に臨んでいきたいというふうに考えております。
  82. 松井誠

    理事松井誠君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  83. 松井誠

    理事松井誠君) 速記を始めてください。
  84. 小柳勇

    ○小柳勇君 会計検査院職員の処遇の問題について質問いたします。  昨日、四十二年度の会計決算報告も内閣に出ましたが、あれを見ましても、十二億五千万円余の不正金額などあって、会計検査職員、調査官の御苦労のほどを推察いたしております。私どもの手元に会計検査院職員労働組合執行委員長越川君から「会計検査院職員の待遇について」という陳情書がまいっておりますが、その最後のほうに「国会においても真に国民に信頼される会計検査院の機能と独立性を保障するために、会計検査院職員の待遇改善に関する決議等しかるべき処置をとられることを要請いたします。」、こういう陳情書も決算委員の諸君の手元に届けられておるような次第でございます。国費のむだづかいを防止するために前線で働いておる諸君の処遇の問題について具体的に質問してまいりたいと思います。特に、大蔵省主計官においでいただいたのは、答弁を求めるというよりも、このような切実なる要求が出ておる、これを会計検査院の御当局がいろいろ努力をされておるようであるが、この努力がむだになりませんように、大蔵省としても十分ひとつ聞き届けてもらいたいと思って来ていただきました。以下具体的に質問してまいります。  まず第一は、会計検査院の諸君は高度複雑な検査事務に従事しているのでありますから、それに相当する待遇が必要であると思います。ところが、その給与は民間水準に比べて著しく低く、一つの例として申しますと、四十代の大学卒業で比べますと、製造業平均月約十一万円に対し、七万円程度であるということを聞いておりますが、そんな状態であるのかどうか。現状では何らかの優遇の措置は考えられないか、事務総長にお尋ねします。
  85. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま本院の仕事につきましてたいへん御理解ある御発言、御鞭撻のおことばをいただきまして恐縮に存じておる次第でございます。われわれといたしましては、現在与えられました範囲内の予算と人員をもちまして、できるだけ検査にあたりましても効率的に検査を実施してまいるということで日ごろ努力をいたしておるのでございまするが、あるいはしさいに御検討をいただきますれば、必ずしも全部が全部期待に沿いかねるような点もあろうかと存じまするが、こうした点については、今後私たちとしても十分努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。  ところで、ただいまの御質問でございまするが、職員の給与並びに待遇につきましては、国家公務員全体の問題でもございますので、本院といたしましても、この席でそれに言及いたしますことは差し控えさしていただきたいと存じまするが、本院職員の職務の特殊性にかんがみまして、現行法の範囲内で何らかの措置を講ずる必要があるということは、われわれも十分認めておる次第でございまして、四十四年度予算につきましても、現行給与法に基づく俸給の調整額を認めていただきたいということで関係当局に要求いたしまして、目下鋭意折衝中でございます。
  86. 小柳勇

    ○小柳勇君 ただいまの現行給与法に基づく俸給の調整額ということの具体的な御説明調査官の人員並びに大蔵省に要求しておられる予算額について御説明願います。
  87. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 調整額の説明でございまするが、これは現在いろいろな職種に対しまして俸給額以外にある程度の割り増しの給与が認められておる一種の手当といいますか、そういったような性質のものでございまして、本院におきましてもやはり調査官の職務が複雑かつ困難になってまいっておる関係で、当然そうしたものを認めていただきたいということで、本年度経費にいたしまして五千九百万円ほどのものを概算要求をいたしておる次第でございます。  それから現在の調査官の定員は六百二十四名でございまして、実員は六百二十八名となっております。そのほかに検査に直接従事いたしまする者が、調査官以外に課長と、それから一般の事務職員が、それぞれ課長が五十二人、主任が九十人という定員になっておりまして、課長は現在一名欠員でございます。それから主任が現在九十人に対して八十七人ということで三名欠員になっております。
  88. 小柳勇

    ○小柳勇君 第二の問題は、一般職員は、その職務の性質上安心して職務に専念できるよう身分と生活を十分保障することが望ましいと思いますが、どのように考えておられるか御答弁を願います。
  89. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 職員の身分保障の問題につきましては、現行の国家公務員法におきましても、たとえば本人の意思に反して免職されたいとか、不当な処分があったと思われるような場合には、公平審査の要求をすることができるとか、あるいは定年がないとかいうことで相当の保障が与えられておるものと解されますが、御質問の意を体しまして、この問題につきましては、なお今後慎重に考慮してまいりたいと存じております。
  90. 小柳勇

    ○小柳勇君 第三の問題は、会計検査院は憲法上の独立機関でありますから、人事権も内閣及び人事院から独立させて、待遇もそれに相応するものとすべきであると考えるが、これについてはどのように考えておられますか。
  91. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの御質問は、本院の職員を国会の事務局職員並びに最高裁判所の事務総局職員のように特別職にしてはどうかということの御質問と存じますが、この本院の職員を現在の一般職から特別職に切りかえる問題につきましては、検査という職種が特別職という職種になじむものであるかどうか、あるいはまた、かりに特別職といたしました場合に、その範囲をどこまでにするかというような基本的な問題が多々ございますので、いまここでにわかに結論を出すことは困難と思われますが、この点につきましても、鋭意研究してまいりたいというふうに考えております。それからまた待遇の問題は直接、職の問題とは関係がないように思われますので、両者は切り離して、待遇の問題につきましては別途検討してまいりたい、かように存じております。
  92. 小柳勇

    ○小柳勇君 次は、検査対象は二十五年度に比べまして、四十年度では実質三倍以上になっていると聞き及んでおります。ところが定員はほとんど二十五年から変わっていない、こういう状況では、十分な検査もできないのじゃないかと思われますが、会計検査院はどういうふうに解して、どのような考えをもって対策を講じておられるか、具体的に四十四年度の増員要求などについてお聞かせ願いたいと存じます。
  93. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 職員の増員につきましては、連年関係当局に対して要求をいたしておるのでございまするが、四十四年度の概算要求では、検査職員といたしまして六十二名の増員をお願いいたし、目下折衝中でございます。
  94. 小柳勇

    ○小柳勇君 金額についても、調査の実績も、実態も相当仕事量は増加しておるようでございます。定員は全然変わっていない。こういうことでは、私ども関係議員から見てまことに不満であります。したがって、検査職員の増員、このことが、たとえば国費のむだづかいなどを最小限度に食いとめることができるならば、この増員につきましても、ひとつ完全に六十二名の増員がとれますように御努力願いたいと思います。  最後の問題は、実地検査の旅費は、二十六年度では検査院予算全体の一六%であったのが、四十二年度では七%に減少しております。このようなことでは、検査浸透率は実質的に大幅に減退しておるのではないかと考えます。実地検査の実績を維持するために相当無理な日程を組んでおるということも聞きました。十分な日時をかけて検査をしておるのか、旅費はいわば検査のための事業費でありますから、せめて旅費予算が縮小することがないように増額を強く主張すべきであると考えます。四十四年度の実地検査について、どの程度の浸透率を考えて旅費を要求しておられるか、御答弁を願います。
  95. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまおっしゃいますように、検査旅費は本院にとって事業費に相当するものでございますので、連年強くその増額につきまして、関係当局に要求をいたしておるのであります。四十四年度におきましては、実地検査の浸透率を一二・五%に上げるということを目途にいたしまして、必要な旅費といたしまして一億九千三百万円を概算要求いたし、目下鋭意折衝中でございます。
  96. 小柳勇

    ○小柳勇君 昨日出ました検査の実績を見ますと、検査の浸透率約七%のようです、四十二年度は……。以前私、決算の理事をしていたころの、三十五、六年ごろです。そのころは約一〇%から一一%ぐらい。それが現在七%というのは、やはり旅費の問題もございましょうし、定員の問題もございましょう。ここ数日この質問をするために関係の人に来てもらっていろいろ調査いたしますと、少ない給与で本を買い、あるいは実際新しい機械の研究をして、そして少ない予算で現地に行って苦労しながら調査をしているという実態がわかりました。切々とその職員の訴えを聞きまして、この質問をしたところでございます。関係当局は私ども以上に詳しいわけでございますから、国の財産を大事に使う、正当に使うという立場から、会計検査院の職員をもっと活動できるようにしてもらいたいというのが質問の趣旨で、大蔵省からも見えておりますから、私の質問の趣旨に対しての御見解を聞いておきたいと思います。
  97. 金光邦夫

    説明員金光邦夫君) 会計検査院の業務の適正な執行ということにつきましては、財政上からもかねがね配慮してまいってきているわけでございます。いま、いろいろお話ございまして、できるだけ御趣旨に沿って検査院と相談いたしまして、御相談の上、適正な範囲で仕事を進めてまいりたいと、かように思うわけであります。ただ、もう少し申し上げさしていただきますと、調整額の問題が最初に出たわけでございますが、これは一般職の職員の給与に関する法律の中の俸給の調整額ということでございまして、人事院のほうで御検討を願っているということでございます。定員につきましては、一般の省庁が五%の削減計画をやっているときでもございますので、できるだけ努力はいたしますけれども、そういうような事情にあるということを御承知願います。
  98. 小柳勇

    ○小柳勇君 せっかく来てもらって、うしろ向きの、言いわけを聞いてはしようがないわけです。大蔵省としての調整額の、一般職員の給与に関する法律十条の規定に基づく俸給の調整です。したがって、もちろん人事院の検討も待たなきゃなりませんけれども、初めに質問で言いましたように、民間製造業の大卒の人たちに比べても七五%程度の給与しかない、こういうことは資料で出ております。そういうものも考え、特にそれだけの力量がないと、普通の製造業に比べて、もっと高度の知識なり経験が必要であるというようなことも勘案してもらって、ひとつ大蔵省としては人事院からの要請がありました場合、前向きに御検討願いたいということで聞いていただいたわけですから、ひとつ検討をしてください。  なお、同僚議員から関連質問がありますから。
  99. 矢山有作

    ○矢山有作君 関連。ちょっと会計検査院にお伺いしたいんですがね、私ども検査の浸透率だけを見たのでは、検査がはたして徹底して行なわれておるのかどうか、有効適切に行なわれておるかどうかの判断はなかなかしにくいと思うんです。というのは、検査に必要な旅費が不足してくれば、検査対象の操作をすることによって私は浸透度はふやしていけると思う。たとえば遠距離の検査に出張しなければならぬ状態があるとしても、検査の浸透度を高めようと思えば、遠距離の検査を犠牲にして、東京周辺の検査で浸透率は高めていく、こういうようなやり方も私はできると思う。そうすると、やはり検査というものを徹底させて——検査を徹底させるということは、何も不正を摘発することじゃないのですから、国益、国家利益を守り、国民の拠出した税金が有効適切に使われておる、それを守っていくという立場があるわけですから、そうすれば私はやはり積極的に、検査院の事業費といわれた検査旅費というものの増額ということを考えていかぬといけない、こう思っておるのですがね、その点、検査院はこれまで旅費が足らぬところを、そうした検査対象をいろいろ操作することによって浸透率を高めるというようなことをやってきておるのじゃないんですか、私はそういうふうに思っておるのですが。
  100. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま御質問のような方法で検査の浸透率を高めようと思えば、確かにそれはおっしゃるようにできると思います。しかし、ことさら浸透率を高めるというようなことで、たとえば東京の近在の関東一円をある年度に限って検査を重点的にやるとかというようなことはいたしておりません。これはまたいずれ資料で御説明申し上げれば御納得いかれると思いますが、なるべく全国一円に平均して検査がまんべんなく行き渡るようにということを主眼として、ただし、これはまた工事その他の関係で、重点的にある個所に工事が集中しておる、あるいは災害の関係で、災害がある地方に集中して起こったというようなことで、補助工事あるいは補助の査定の検査などにはそうしたところへ重点的に検査を施行するということで、多少の、地域別に見た場合に、検査の浸透率がアンバランスになるということはございますけれども、故意に、検査の浸透率を高めるということで、先ほど申し上げましたように、旅費のなるべくかからないようなところを選んで検査を施行しているということはございません。
  101. 矢山有作

    ○矢山有作君 関連質問ですから、これでやめますが、まあ事務総長としては、そういうことをやっておるということは言えないと思うのです。しかし、私は、いまの物価の上昇の傾向から見て、最近数年間の検査旅費の動向と照らし合わせてみた場合には、浸透率というものを維持していこうと思えば、私がさきに言ったような、検査対象を取捨選択していくということにおちいらざるを得ないような危険性を私は持っておると思います。これは私は否定できない。あなたのほうで、そういうことをやっておるということをこの席では言えぬと思う。しかし、そういうおそれは多分にある。したがって、これは大蔵省のほうに、私は、小柳委員の質問とあわせて注文しておきたいのですが、先ほど検査の意義ということを、私はちょっと触れたのですが、大蔵省もこれは否定はなさらぬと思うのです。もちろん検査を受けるほうの側にすれば、これはいやなものです。検査を受けないほうがいい。したがって、考えようによっては、検査院の体制というものを弱体化したほうがいいんだという考え方もなきにしもあらずと思うのです。私は、そういうような考え方がもしあって、検査体制を強化する努力を予算上サボられておるとするならば、これは国民なり、あるいは国の利益を守っていく上から、たいへんな問題だと思う。したがって、現在の物価上昇の状況から考えて、十分な検査効率があがるような、そういう事業費である旅費に対する特別な配慮というものを考えてもらいたい、このように思います。したがって、小柳委員の先ほどの答弁とあわせて、大蔵省の考え方を承っておきたいと思います。
  102. 金光邦夫

    説明員金光邦夫君) 先ほども申し上げましたように、会計検査院が業務の適正な執行をやっていただくということにつきましては、かねがね財政上からもいろいろ配慮してまいったわけでございまして、今回も検査院のほうと御相談いたしまして、効率的な、おのずから適正なものというものを検討してまいりたい、こう思っております。
  103. 小柳勇

    ○小柳勇君 次は、建設省と道路公団に対して質問いたします。質問の趣旨は、北九州市議会から、地方自治法第九十九条第二項に基づく意見書が提出されております。この意見書によりますと、主題は、関門国道トンネル及び若戸大橋の通行料金を無料にしてもらいたい、こういう意見書であります。この意見は、市だけでございませんで、関係県並びに市町村及び各産業団体からもしばしば聞くところでありますので、代表して質問するわけであります。本土と九州を結ぶ大動脈である関門トンネル及び北九州臨海産業道路のかなめとしての若戸大橋の通過料金が高過ぎる。関門国道トンネルは、小型の乗用車で三百五十円でありますから、往復タクシーに乗りますと七百円払わなければならん。タクシー代プラス七百円払わなければならん。それから若戸大橋は片道で百五十円でありますから、往復三百円をタクシー代のほかに払わなければならん。それでは所期の目的に反するではないか。住民福祉のために非常な重圧を加えているから無料にしてもらいたいといっているのであります。  したがって、時間もありませんから、まず若戸大橋について質問いたします。建設費、それから現在の営業状況、それから予定償還年月日及びこれからの見通し、この四点について御説明を願います。
  104. 高橋末吉

    参考人(高橋末吉君) お答えいたします。  若戸大橋の建設費と申しますか、料金によって償還をいたさなければならない金額は、四十三年度の当初——四十二年度末で締め切ったものが四十三年度の当初になっているわけでございますが、六十九億百万でございます。  現在の償還の実績でございますが、若戸大橋は、申し上げるまでもなく三十七年から御利用いただいておりまして、七年目に入るわけでございますが、今日までずっと年度の収支の関係は赤字で経過しております。収入の点だけをずっと見ますると、御利用される通過の台数というものは、計画を上回って御利用いただいているわけでございますけれども、支出のほうが、さらに計画を大きく上回ってまいっておりますので、収入の伸びにもかかわらず、その年度、年度の収入支出の差というものはマイナスが出てまいっておりまして、三十七年当初に償還を要する額が六十二億でスタートいたしたのでございますが、先ほど申し上げました四十三年度の、本年度の当初には六十九億というふうに、毎年度の赤字がプラスになってふえている状態でございます。  次に償還の最終期限と申しますか、事業計画の際に、政府から御許可いただいている年度は、三十七年の九月から六十七年の九月まで、三十年でございます。今日までまだ七年たっただけでございますものですから、これからの予想と申しますか、想定というものは、まだ今後の推移を見ていかなければならんような状態であるわけでございますが、経過から見ますと、年々好転をいたしていくようには考えられます。しかし、まだこれから五年ぐらいの期間は、収支の差がとんとんになるところまでようやくじゃないかというふうな、いまのところの想定でございます。  簡単でございますが、以上でございます。
  105. 小柳勇

    ○小柳勇君 今度は建設省にお伺いしたい。  いまの、建設費が五十一億で、利子が利子を生みまして、四十三年度の出発が六十九億になります。いまおっしゃるとおり。一般論ですけど、六分の利子、まあこれは商業ベースですね。こういうような公共性の非常に高い若戸大橋あるいは関門トンネルというような道路公団のこの建設費に対する利息というものがこのようなことで、これが利用負担になっているわけですね。こういうものに対してもっと安い利子なりあるいは利子補給なり、何らか考える余地はないかと。これは道路公団に言ったってしかたありませんが、建設省として、そういうことを御検討になったことございますか。
  106. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) 御承知のように、有料道路といいますと、これは料金で償還をする、建設費を償還する形で料金をいただいておるわけです。もともとやはり道路というのはこれは無料で通すのが原則かと思います。昭和三十一年に特別措置法を全面的に改正いたしまして、やはり道路を急速に整備するということで、やむを得ない措置としてまあ料金を取るというようなことで、有料道路の制度が拡大されたわけでございまして、私もいま先生のおっしゃいましたような金利が、非常にこれは問題でございます。いまのところは大体名神高速、現在つくっています東名高速その他にいたしましても、大体国の出資金を入れまして資金コスト六分に押えております。まあそういうことでございますが、やはりこれはできるだけ料金を安くするためには資金コストを下げるということは一つの方法かと思います。いまの道路の全体の投資を見ますとやはり、有料道路ももちろんでございますが、一般道路も相当おくれておりまして、県道なんかの舗装率もまだ三〇%しかできてないということで、一般道路につぎ込む道路の投資も相当ばく大でございまして、なかなかいまのところまだ有料道路に対して資金コストを安くして料金を安くするだけの出資ができないような状況でございまして、ただこれは、若戸大橋につきましては、やはりいまのところは料金の徴収期間が供用開始から三十年の昭和六十七年を予定しておりますが、どうもこの日本のいまの経済、財政状況からいいましても、十年先のことはなかなかわからないと思います。私たちやはり、今後道路投資をふやしていきまして、まあ十年ぐらいすれば、相当いまの有料道路も無料にするなり、また料金を安くするための金利を下げる、こういう方法もあるいは道路投資の中で考えられるんじゃないかという考えを持っておりますが、いまのところ非常に車のふえ方が多いもので、まだなかなかそこまで手が回らないような状況でございます。
  107. 小柳勇

    ○小柳勇君 この若戸大橋は御存じのように、北九州、百九十九号線、いま産業道路として重要な線でありますから、これで高い通行料金を払っていくということは非常な負担であります。  時間がないようでありますから、次は関門トンネルでありますが、関門トンネルの建設費、営業状態並びに償還の年月日、償還について、簡潔に御説明を願います。
  108. 高橋末吉

    参考人(高橋末吉君) 関門トンネルについて申し上げます。  建設費、これは国で直轄で長い間やってこられたのを三十一年に道路公団が設立され引き継がれたことは御承知のとおりでございますが、これも五十一億という事業計画で、その後多少変更や何かがございましたが、三十二年にスタートをいたしますときには、五十三億八千六百万というのでスタートいたしております。こちらのほうは、その後の交通台数の伸びが非常に多くなっておりまして、四十三年度当初には償還を要する額が四十七億というふうに減ってきております。経過の途中では、やはり営業開始当初、年度の収支差がマイナスで出てまいりましたが、プラスになってまいりました三十八年ごろは六十八億というのでずっとふえておったのでございますが、その後損益がプラスのほうに出てまいりまして、ただいま申し上げましたように四十七億ということに相なっております。関門トンネルは五十九年の三月までというので、三十三年から二十六年間の期間で計画されてございます。  それから今後の見通しでございますが、ただいま申し上げましたような償還を要する額が年々減ってまいりますので、これをまあ今後の収支を想定いたして私どもの見込みを考えますと、四十九年ごろには償還が終わって開放ということができるのではないかというふうないまのところの状態でございます。簡単でございますが。
  109. 小柳勇

    ○小柳勇君 建設省に。あと五年ぐらいすると関門トンネルの償還が終わるということでありますが、ただあとの維持が、漏水を吸い上げるとか、——したがっていまの三百五十円の通行料が百五十円ぐらい必要だというようなことも聞き及んでおりますけれども、これこそ地方自治体なりあるいは国が負担をして、償還を終わったものは全部無料で開放する、これが原則でなければならぬと思います。一般有料道路につきましては、この原則ぐらいは建設省としてもお認め願わなければならぬと思うのですがいかがでございましょう。
  110. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) 関門トンネルは御承知のように、いろいろ長いトンネルでございまして、照明もございますし、中の空気をかえるいわゆる換気という問題もございます。まあ私たち聞いておりますのは、大体一年間にそういう費用が三億ぐらいかかるということでございます。先生のおっしゃるように、これも三億は国が出してやると、これは一番いいと思いますが、なかなかいまの維持というのもだんだんこれは金がかかってまいります、また道路の投資の一部でございますので、その辺はやはりいまの状況——道路投資の状況、交通の状況からいうと、やはり多少は利用者に御負担を願わなければならぬのではないかというふうに考えております。まあ先生のおっしゃるように、国が全部出して無料にすること、これがほんとうに理想でございます。私たちもそういう時期がくることが早くなるように祈りたいと思いますが、どうもいまのところ、この四、五年は償還終わっても多少の料金はいただきたい、このようには考えております。
  111. 小柳勇

    ○小柳勇君 最後でございますが、要請は無料にしてもらいたいと、両方とも無料にせよという要請でございますが、現在の道路公団なり建設省の意向では、無料とまではいかぬようだけれども償還が終わったら何とかひとつ無料にこれは開放というような方針は確認していいわけですね。
  112. 蓑輪健二郎

    説明員蓑輪健二郎君) いまの御質問でございますが、関門トンネルにつきまして、いまの収支から見ますと、四十七年ぐらいにはもう償還できるかと思います。そのあと大体いま言いました相当まあ維持的な経費がかかりますので、それについてはしばらくは御負担願いたいというのがいまの考えでございます。できるだけこれは早く無料にしたいという考えは変わりはございません。
  113. 小柳勇

    ○小柳勇君 それでは、これで終わりますが、非常に地元民及び産業道路としても重圧がございますから、私の質問いたしました真意並びにこの市議会から出ております法に基づく意見書の意思を尊重しながら、この後も十分御検討願いたいと思います。質問を終わります。
  114. 松井誠

    理事松井誠君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  115. 松井誠

    理事松井誠君) 速記を始めてください。
  116. 矢山有作

    ○矢山有作君 この間の九月のたばこ耕作審議会で四十四年度の耕作面積を諮問した際、裏づけとして出された長期需給見通し、これをひとつ御説明願いたい。
  117. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 九月に御審議願いました長期見通しは、こういう、ふうに考えておる次第でございます。  基礎になります販売につきましては、四十三年の売りは千九百八十億本であろうと見ているわけでございます。その後の伸びにつきましては、いろいろ議論があった次第でございますけれども、四十四年は前年対比六、一%の伸びである二千百億本にしたいという考えを持っております。その後につきましては、最近の傾向から見まして、年率百億本程度の伸びを見込むのが妥当ではないかと考えまして、四十五年二千二百億本、四十六年二千三百億本、四十七年二千四百億本、四十八年上千五百億本と見ておるわけでございます。四十三年と四十四年の間に、若干その百億本よりも大きな数字を見ておりますのは、四十二年に対します四十三年の伸びは値上げの影響もありまして、  一・五%程度の伸びにしかならない千九百八十億本であろうと低目に押えました関係上、四十四年はそれを若干取り返す数字を組んでみた次第でございます。  これに対します製造所要数量は、在庫の関係があるものでございますから、四十三年度は持ち越しの関係上、千九百五十一億本であろうと見ておるわけでございます。四十四年は二千百八億本、四十五年は二千二百四億本、四十六年は二千三百六億本というふうに百億程度の伸びを見ておる次第でございます。
  118. 矢山有作

    ○矢山有作君 ちょっと待ってください。焦点をしぼります。これ全部説明されておったら時間がかかってしょうがない。長期需給見通しで生産数量の推移が掲げられておりますね。それに対して、おそらく生産数量がこういうふうに動くという数字が出ておる以上は、耕作面積の数字というものも当然持っておられるべきだと思う。したがって、耕作面積の推移はどうなるのか、それが一つ。  それから、今度の減反の最大の理由の一つは、葉たばこの過剰在庫を解消するということにあったはずですから、その在庫解消は大体何年度を目標にしておられるのか、そのことだけをしぼってお答えください。
  119. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 耕作面積につきましては、私ども諮問でお願いしました数字と答申をいただきました数字との間に、この前、岩間先生にも御承知願いましたように、若干の差があるわけでございます。私ども四十八年ころには正常在庫に戻したいと考えてまいりましたけれども、当初お願いをいたしました黄色種一二%減反という案がともかく下がっておりますので、四十九年度以降まで在庫調整はいまの見通しのところではおくれるかもしれないと見ておるところでございます。  面積について申し上げますと、ここ一両年八万七千四百五十ヘクタールというものを基礎にしてやってまいりましたけれども、四十四年度には、公示面積案では七万五千五百九十五ヘクタールというふうに減ってまいるわけでございます。見通しは、四十四年度につきましては、七万四千六百十、四十五年度につきましては、七万二千八百八十一と、こういうふうに考えておりますが、その場合の中身といたしましては、黄色種は、まず四十四年度面積をずっと維持するという仮定を立てまして、現在の趨勢からみますというと、在来種、バーレー種において自然減反が出ております。その数字というものが、今後かなり続くという前提で組んでおる数字でございます。
  120. 矢山有作

    ○矢山有作君 そうすると何ですね。こういうことになるわけですね。諮問をしたときよりも耕作反別は、答申による耕作反別と違ってきた、したがって、それだけこの長期需給見通しにおいては、当初計画しておった過剰在庫の解消の予定をズラしていかなければならない、こういうことですね。それからいま一つは、答申の面積と諮問面積が違った、それに基づいて生産数量と、それから今後の耕作面積の割り当てをどうするかという、この数字も違ってきますね、当然、そうです一ね。
  121. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 御指摘のとおりに、当初考えました案と違ってまいったわけでございますけれども、いろいろ御審議の過程におきまして、私ども当初案というものを固執すべきか、否かにつきましては、かなり反省の余地があるとは思っておる次第でございます。ただし、答申をいただきました案を、そのまま守るというふうにもまだ決心をいたしておりませんけれども……。
  122. 矢山有作

    ○矢山有作君 ちょっともう一度そこのところ。
  123. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 答申をいただきました案を、そのまま維持しますと、ここで申し上げるにはまだ早いかと思いますけれども、需要の変動の見通し、現実の来年の作柄等を見まして、現実的に再来年度の数字は検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
  124. 矢山有作

    ○矢山有作君 そうすると、こういうことなんですか。答申で得た耕作面積をそのまま忠実に守って、そうしてそれに対応する計画の変更をやって、その耕作面積に対応する生産数量の変更もやって、そうして過剰在庫の解消年度を繰り延べていくと、こういうことではないのですね。私は過剰在庫の解消年度を繰り延べられるとおっしゃったから、したがって、当然そこに出てくる結論は、答申による耕作面積を尊重されて、そしてそれに基づく生産数量というものを見込んでいかれるのだと、こう思っておったのですがね、違うのですか。
  125. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) はなはだいまの時期には申し上げにくい問題ではございますけれども、耕作審議会の議論といたしまして、来年はまたあらためて需給を見て議論をしようというふうになっておりますので、先生お話のとおりこれを維持して在庫の解消を繰り延べろという御意見はあるいはその段階で当然出てくるかと思いますけれども、現在のところ消費税制度に切りかえる等の問題をかかえております関係上、それらとの見合いを来年耕作面積を審議します場合には、また十分新しい条件を考慮に入れまして、御検討願うというつもりでいるわけでございます。
  126. 矢山有作

    ○矢山有作君 全く公社というのは一方的ですね。驚き入りました。というのは、たばこは専売制度でしょう。したがって生産から販売に至るまで全体を完全に公社が掌握し、管理しているわけです。そうすれば、一応需給見通しというものはほかのものに比べて、的確に私は立てやすい要素を持っていると思う。ところが、その需給見通しがこれまでの経過から見るならば、常に狂ってきている。その需給見通しの狂った結果というものを、全部耕作者にしわ寄せをして公社は切り抜けてきた。今後もその態度でやはり押し通す、一体耕作者というものは営農計画というものが全然立ちませんよ。しかもいまのように米が議論の集点になってたいへんなことになって、総合農政の転換だといっていろんな議論がされている。そこで、たばこは少なくとも五年なり十年の間は、需給事情がどうなっていくのかということが示されなきゃ、耕作者というのは全く公社の一方的な、独善的なやり方で、踏んだりけったりですよ、これは。私は少なくとも諮問をされるときに、長期需要見通しというものを、その裏づけとして示されたのでしょう、審議会に。そうするならば、その生産数量、さらにそれを裏づける耕作面積というもののいわゆる需給見通しというのはあって、  そしてそれで審議を受けているはずなんです。それで審議をした結果答申が出たはずなんです。そしてその答申による耕作面積と、諮問の耕作面積が狂うならば、これは当然農民に対して将来の営農への考え方を持たせるためにも、やはりこれを修正して、答申を尊重して、答申がこうなりましから、公社は少なくとも今後五カ年間の間にはこうしょうと考えているのですということを示す責任があるのじゃないですか。それをもやらないで、まだそのときどきによって考えていきましょうという、こんな農民無視というか、でたらめな行政というものは、あってはならないと思います。でたらめと言うのも私は口が過ぎると思うが、その辺の反省ありませんか。
  127. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 耕作面積が過大であるという問題はこれは、見通しの問題も御指摘のとおりであるかと思いますけれども、多くは五月一日に値上げをいたしました結果、消費がいままでの六%程度の伸びからどうも一%強程度の伸びに落ちてしまうという、消費水準が落ちてきます問題が、かなり響いてまいったわけでございます。この点をひとつ御了承を願いたいと思います。この消費の水準が落ちたレベルに合わせますには、一%強、二%程度の減をお願いする、それはさしあたりの両三年はさらに減反問題ということを惹起しないで済むのではないでしょうかという考えで諮問を申し上げましたけれども、現実の耕作農民に対する負担の点を、いろいろ中立委員先生その他から御主張がございまして、その点は七・七というふうに減してまいったわけでございます。その査定のいろいろありましたところで、私どもはなはだ先生のおっしゃいます筋のほうはわかるのでございますけれども、現実の問題としまして、過剰在庫をなお多くかかえていくというのが、持ち切れなくなる場合を考慮いたしまして、今後の問題については、もう一度検討の機会がほしいということをお願い申し上げている次第でございます。
  128. 矢山有作

    ○矢山有作君 まあ、たばこの消費に値上げが非常に響いたということを盛んに強調されておりますが、この値上げは、これは農民に責任のある問題じゃありませんので、しかし、なるほど今度の諮問をやられたことの一つには、あなた方の場合には根拠になると思います。したがってそれをあまり強調して、今回の減反の理由にするというのは、これは一方的ですよ。それからやはり値上げとともに過剰在庫の解消という問題が非常に大きなウェートを持つだろうと思うのです。ところが、あなたいまも過剰在庫の解消を強調されながら、しかもこの計画を見ると、輸入葉を大幅にふやすことになっているのでしょう。少なくとも耕作農民を犠牲にして減反を強行しなければならないというならば、この輸入葉を減らして、少なくとも日本の耕作農民を守ってやるというのが筋じゃないですか。そういうことを言うと、あなた方はすぐに嗜好の問題だとか何だとかかんだとか、こう言う。しかしながら、嗜好の問題一つを取り上げてみても、嗜好などというものはこれはつくられるものですわ。たばこに関する限り専売公社が先ほども言ったように全部握っているのでしょう。どういう品質のたばこをつくるか、どういうタイプのたばこをつくるか、これはもう専売公社の一手ですよ。そうすると、その中で国民の嗜好というものは決定されていく。ただ嗜好を単なる理由にして、輸入葉をふやさなければいい品質のものはできぬのだ、こういうことを言われるだろうと思うのですがね。これも私はそういう立場からするならば、大きな問題があるだろうと思う。それから品質の問題もおそらくあなた方言われるでしょう。これも、品質の問題はやはりあなた方、積極的に国内品質の改良をはかるべきなんで、そういうことを理由にして輸入葉をふやして、国内の耕作農民を犠牲にするやり方というものは間違っていると、私はこのことはやはりはっきり申し上げておきたい。この問題は時間の関係がありますから、あらためて論議をいたします。  次にお伺いしたいのは、私はあなたの話をいま聞いておりまして、この間出された、四十四年度の耕作面積の配分についてという通達が、なるほどこれだけきびしくなったのはあなたのいまの答弁を裏づけるものだなということを実はいま感じておったわけです。これで見ると、あなた方は答申は出さしたが、その答申なんというものは、あまり尊重しようという気持ちはないのじゃないですか。耕作面積の配分にあたっては、きびしい締めつけをやろう、こういうことを考えているのですね。そうでしょう、語るに落ちたわけですな。どうなのですか。
  129. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) お答え申し上げますけれども、私ども答申をいただきましたとおりの面積、種類別に公示をいたしておりますので、特別の異なった考えをこれに盛り込んでいるつもりはない次第でございます。
  130. 矢山有作

    ○矢山有作君 それはそうでしょう。あなた幾ら心臓が強くても、この委員会の席上で答申は骨抜きにするつもりでああいうきびしい通達を出したのですとは言えぬわ、それは。だからあなたの言いわけは言いわけとして聞いておきます。それからいまあなたの話を聞いておってもう一つ気にかかるのは、収納価格によって締めつけていって、減反を強行するのじゃないかというおそれが、ここでまたあなたとの話をしておってはっきり出てきた。この間、二十日の農林水産委員会の足鹿委員の質問に対して、あなたは収納価格の算定方式は、従来の方式を用いることになろうが、具体的には検討中であり、また、外国葉の輸入を増大させ、国内葉を押えようとは思っていない、こういう答弁をされたはずですけれども、ところが、あなたのほうから私は出されているこの長期経営計画会議の検討状況について、というのがあります。この中を調べてみると、「収納価格水準」について「国際的な輸出入を含めた原料葉たばこの需給均衡価格の指向」こう明示して、はっきりと、「外葉購買による国産葉価格のけん制」ということを記載してあります。これで見ると、もうあなたの意図は、収納価格を従来の生産費補償方式で出しておったが、その計算の各要素をいじくることによってことさらに引き下げるようにして、そして減反を強行する、こういう方向がこの文書で示された、あなたの答弁と総合すればそれは間違いないのじゃないですか、どうなんです。今後の方針を聞かしてください、収納価格に対する。
  131. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 収納価格問題につきましては目下、資料が集まりましたので検討いたしておる段階でございますので、はっきりしたことを残念ながら申しかねる次第でございますので御了承いただきたいと思いますが、算定方式の基礎は、先生御存じの方式に基づいてやらなければならぬのではないかと、耕作者の方々からはあの算定方式は実情に適しないという御批判もございますけれども、どうもさしあたりのところ、かわるいい算定方式をまだ見つけ出しておりませんので、あの方式によらざるを得ないかと考えておる次第でございます。  なお価格の長期的な問題といたしましては、私ども過剰在庫解消の方法の一つとして、葉たばこを輸出するようにという耕作者の方々からの強い要望を受けておるわけでございますけれども、現在の価格におきましては、国際市場におきます日本の葉たばこの競争力というのは非常にないことは遺憾ながら事実でございます。そのような関係をあわせまして考えますと、およそ一そう志すならば長期的には国際価格とリンクした国内価格体系でなければならぬと思っておりますけれども、先生がおっしゃいました文書、「けん制」というようなことばは、私、原稿のときから目を通しているつもりでございますけれども、それはあまり記憶にないのでございます。
  132. 矢山有作

    ○矢山有作君 あなた記憶にないはずないですね。四十三年九月に長期経営計画会議事務局から出たマル秘の長期経営計画会議の検討状況について、その七ページに、「収納価格水準」そこにはっきり書いておられます。いずれにしてもここまではっきりと書く以上は、収納価格を外葉の輸入によって下げていく、その意図はもうはっきりわかったわけですよ。ですからあなた方が、一方では過剰在庫を理由にする減反を強行しながら、一方では輸入葉を大幅にふやすような需給計画を立てる。これこそ公社の独善的な農民犠牲の政策なんだと、これはしつこいほど言っておきますが、この意図ははっきり出たと思うのです。そういうやり方をするのは、ちょっと酷じゃありませんか。
  133. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 若い人たちが夏休みになるとたいへんに勉強いたしまして、いろいろな書類をつくりました。しかし私どもは十一月の日付でつくりました長期計画、これを正式の長期計画といたしております。過程でできましたものにつきましては、はなはだ恐縮でございますけれども、これをお忘れ願いたいと思います。
  134. 矢山有作

    ○矢山有作君 その長期計画をつくるときに、こういうことを真剣に検討されたわけです。それでは、いまの答弁で、あなたはこの収納価格を外葉の大幅輸入によって下げるということはしないと確約できますか。
  135. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 長期計画案自体はいろいろなものが出てまいりましたが、幹部が検討しまして正式なものにしましたのは、どうか十一月のものであるということを御承知願いたいと思います。ただ長期的に見ますというと、いま私ども申し上げましたとおりに、輸出という面を考慮し、国際的に通用する日本の葉たばこというものを考えますというと、これは耕作、加工、調理、乾燥等の面において格段の努力をしなければならぬと思っておるものでございます。その目標とするところが国際価格であるという意味において、国内葉は耕作者の所得との調整を考慮しつつ、もっと生産性を上げることが必要だ、という考えを持っておるものでございます。
  136. 矢山有作

    ○矢山有作君 幾ら議論したって、そのとおりでございますとはなかなかあなたも言わないでしょう。しかし長期経営計画十一月の分であなたが指摘された点は、幾ら何だってこの九月の検討状況についてのように、どんずばりと言ってしまったんじゃ、これは身もふたもない話なんで、耕作者だって承知しませんよ、こんなことをやられたら。したがってお役人の頭のよさを活用して、十一月には何が何じゃやらわからぬ、耕作者が読んだら何を書いてございますのやら、というようなわけのわからぬ表現に直されただけの話、収納価格を引き下げていくというあなた方の気持ちは、われわれは動いていないと思う。もしそういう気持ちがないというのであるならば、まず外葉の輸入をとめて、国産葉の増反に踏み切れるような方向に変えられますか、変えられないでしょう。
  137. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 現実問題としまして先生指摘のとおり、一五%程度の外葉を使用して国内で販売するたばこをつくっておるわけでございます。先ほど先生から御指摘がございました上級銘柄に嗜好が移ってまいりますというと、外葉の輸入量はふやさざるを得ないと考えておるわけでございます。それはどうしても日本の国内ではできない葉っぱというものが、味の点や香りの点からあるわけでございますから、それらの味や香りを要求されますというと、そういう葉の輸入を考えざるを得ないと思うわけでございますけれども、今後のたばこの国内の耕作をどうするかという面から考えますと、私ども全体としての農業人口の減少ということも、かなり注視いたさなければならぬと思う次第でございます。私どもがつくっていただきたいと思いましても、それは値段の問題もあるわけでございましょうけれども、国内ではたばこをやめる方が出てくるという状況は、全般の日本経済の中における農業人口の比重の移り変わりから申しまして、はなはだむずかしいことがあろうかという考えを仮定として立てておるわけでございます。この仮定からいきますというと、国内耕作というものは焦点をはっきりさせてお願いをすべきではなかろうかと実は思っている次第でございます。その焦点というのは、味や香りがいいものというのはなかなかできないかもしれない。しかし、くせのない葉っぱが生産性が高く、多量にできて、しかも燃消性といいますか、こんなたばこをやっております者からいいますと、やや仲間だけに通ずることばになるかもしれませんが、燃消性とか、てん充効果とかいうものの高い葉っぱに目標を定めまして、それが多収性のものであって農家経営上もプラスになる、われわれのたばこをやっていきます、生産していきます上でもプラスになるようなものに集中して、政策的に努力を講じてまいるべきではないかと考えておる次第でございます。
  138. 矢山有作

    ○矢山有作君 いろいろと言われますが、あなたのいまおっしゃったことに対して、私のほうは先ほどもうすでに反論的な立場から述べたことですし、要するに何と強弁されてみても、やはり収納価格の引き下げを考えておるということは間違いないことだと思います。特にいまの政府全体の考え方が、農業基本法でいう農民の生活水準なり所得を他産業並みに確保するという根本目標を忘れた農政を展開しておる中ですから、したがって、そういうことを口では言うが、そんなことを無視してしまって、農民の生活なぞというものは忘れて、収納価格を低くして、専売益金をたくさんあげさえすりゃいいんだと、こういう考え方なんだろうと私は思います。  そこで、一つところで議論がとどまってもしかたがありませんので進めてまいりますが、この間の農林水産委員会で足鹿委員が、いわゆる黄色葉の収量制限に対して、収量規制に対して、官僚独占の反民主的なファッショ政治だと、昭和のまさに怪物だと、こうおっしゃったんですが、私もいろいろ考えてみたら、足鹿委員の言うとおりだと私は感じがしたわけです。こんな一方的な非民主的なやり方というものはない。しかも、その収量制限をやるときに、制裁措置までくっつけて通達を出しておられる。これは少し、あなたのほうではこれは生産の指導だと言って言いわけをされるんでしょうが、ちょっと行き過ぎじゃないんでしょうか。少なくとも制裁規定を加えるということは行き過ぎじゃありませんか。どう思いますか。
  139. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) あの際にも御説明申し上げましたけれども、制裁として個人の耕作者にきちっとはね返すということは法律的にも疑問があり、妥当でないという部内の意見もございました。そこのところは私ども十分に議論したつもりでございます。その結果、あの際御説明いたしましたように、これは来年の需給を考え、耕作面積を考えるときに、あまりに収量が多くとれ過ぎますというと、全体の耕作面積はその結果減らされるということになりますので、したがって、事前に、肥料のやり方等につきまして十分に御注意願いたいという意味の指導の点に特別重点を置いて流した通達でございます。制裁措置になっていいかという問題、そうなってはならないという結論というのは、出します際に内部で非常に議論いたしましたので、先生ごらんのとおりに文章そのものもそうはなっていないつもりでございます。
  140. 矢山有作

    ○矢山有作君 それはね、制裁だということを文字の中に明確には入れておられませんわね。文字として明確には入れておられぬ。しかしながらね、考えてみたらこういうことなんじゃないですか。減反はされる。そうすれば、これは収入に響いてくるのはわかり切った話なんです。そうすると、耕作者である農民がとにかく減反による収入減を補うて、何とかして収穫をふやしていこうとする努力をするのは、これは人間に与えられた生活を守っていくという当然の権利じゃないでしょうか。私は、人間のこれは基本的な権利だと思うんです。それに対して、ただ単なる指導ならまだとしても、明らかにこの通達を読んでみると、これはもう制裁ですよ。ここまでいくのは、私は行き過ぎだと思う。農民が自分の生活を守ろうとするその権利を、あなた否定はできないでしょう、これは。また、減反すれば、収入を減らさないために収穫をふやそうとして努力する、これも生活権を、生活を守っていくという権利の立場からいえば否定できないでしょう、これは。それに制裁を加えるような規定を入れた指導文書を流すというのは、ちょっと行き過ぎじゃないんですか。
  141. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 過剰在庫の時期でございますので、収量だけに着目して減反を、なお多収の耕作をねらうということにされましたんでは、これは全体としての専売事業がなかなかうまくいかないということになる次第でございますので、その点はひとつ先生にもぜひ御納得を願いたいと思う次第でございます。  所得金額自体につきましては、これはまあそんなこと簡単にできるかと、先生がまた反駁をされるかもしれませんけれども、品質向上によって所得の上昇の道があるということは考えておるものでございます。
  142. 矢山有作

    ○矢山有作君 これね、幾ら、ぜひとも了承してもらいたいとおっしゃっても、私は人間の生きる権利を尊重しますから、ぜひとも了承するわけにまいりません。この問題は、ただ単に収量の目標を示されるとかなんとかいうことだけにとどまっておるなら、私もそれほどここでこの間議論されたことを蒸し返して議論いたしません。しかし、明らかに、制限収量を超過した場合には、超過量の程度を考慮に入れて翌年度の耕作面積を調節すると、こうなっているでしょう。制裁ですよ、ここまで文章を入れた指導通達は行き過ぎだと言うのです。これは撤回しなさいよ、それは問題ですよ。われわれは、こういう通達を出したあなた方がいかに強弁されようとも、人間の生活を守る権利からいって承服できません。今後に問題幾らでも残ってまいります。これだけは撤回しなさい、どうです。
  143. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 制裁措置であるということを言いますが、それは現行の法制その他から適当でないという考えでございましたけれども、先生のお読みになった文章のところでは、若干御指摘のようなきらいがあるかと思いますけれども、私ども出しました通達のなお書きのところに、なお、この収量規制については、基本的には公社の指導の徹底により計画生産を達成したいという考えによるものであると明らかにしておりますので、ひとつその点をあわせてお読み願いたいと思います。
  144. 矢山有作

    ○矢山有作君 そういうようなあとにつけたりの言葉を言われても、制裁的な規定であるということを——私のほうからあなたの意見に同意をして、制裁規定だという私の考え方を取り消すなんということは言えません。これは明らかに制裁規定、そういった指導をやられる専売公社の姿勢については今後にも問題を残します。これはわれわれとしては絶対に許せない。  それから次に、四十四年度の葉たばこ耕作面積の配分について、構造改善事業実施地区に対する扱いについては、これまでも私もお聞きしました。ところがどうも説明がややこしいのと、それからこの通達の文章の内容が、あなた方、頭がいいものだから、なかなかむずかしい表現をしているので、よくわからぬのです。そこで、こういう点が問題であるということを私は読み上げますので、それを含めて、だれが聞いても簡単にわかるように説明してください。  黄色種について、「構造改善事業における所要面積については、別枠としてはずし、全国一律に縮減したうえに加えて、支部局ごとに配分する。」、こういう規定がある。それからさらに、「農業構造改善事業実施地区については、」「認定を受けた計画に基き導入する近代化施設の規模、構造、設備能力等に照らし、必要最小限度の面積増加と新規耕作者の導入を認めて差し支えない。ただし、事業の実施を一年繰り延べることが可能な地区については、できる限り、繰り延べを図るよう関係者の協力を求めるものとする。」こうなっております。この三つをミックスして、簡単明瞭に、構造改善事業実施地区の葉たばこ耕作はこうするんだと、だれにでもわかるようにひとつ説明してください。
  145. 大塚孝良

    説明員(大塚孝良君) 第一のは、正式の通牒には書いてございませんが、第一の考え方は、縮小してというのは、まず構造改善事業の全国的な計画の面積を頭に置いて、その残りを廃減作率によって収量を配分したということです。  それから第二の、「必要最小限度」というのは、必要な量はこれは必要なんでございますが、「最小限度」というのは、さっきの施設その他についてでございますが、構造改善事業で乾燥室とかあるいは苗床の共同育苗の施設等の計画がございまして、それらの施設について合った面積を許可して、しかもこれは地方局長に、その実際のこまかいことは私ども全部わかりかねますので、地方局長にやってもらいたいということです。  それから繰り延べの問題は、構造改善事業といえども必ずしも計画どおり進んでない場合がございますので、そういう場合に、もし延ばせるものなら延ばすように御協力願いたい、こういう意味でございます。
  146. 矢山有作

    ○矢山有作君 計画どおりに進んでない構造改善事業は、むしろこれは促進して計画どおりに完成させる立場に立つべきなんで、たばこの減反とからめてさらにこれを引き延ばすようなやり方というのは私は間違いだと思います。  それから、いまおっしゃったことをまとめて言うなら、要するに、構造改善事業実施地区については、導入する近代化施設の規模、構造、設備能力に照らして十分な配分をいたしますと、こういうふうに簡単に解釈したらいいですね。
  147. 大塚孝良

    説明員(大塚孝良君) 十分にというところに私は問題があろうかと思いますが、それは必ずしもその地区の御希望だけではないと思うので、ほかの地区ではわりあいとつらい立場にあるわけでございますので、もし余分に配分をして、それが消化できなかったというようなことになりますと問題でございますので、やはり必要な量、面積はこれは配分する、しかし、そのいろいろな施設関係に照らした合理的な面積の範囲内で配分するという意味でございます。
  148. 矢山有作

    ○矢山有作君 専売公社の出しておられる長期経営計画と、それから今度の減反措置と、それからそれに伴う諸通達、これをあわせてずっと考えてみると、これはもう明らかに零細耕作者の切り捨て政策が強行されようとしておるということは明確なことです。したがって、これらの点についての見解を一々言ってただしていきたいと思って用意をしておりましたが、とてももう時間が足りませんので、最後に二つ、三つ、どうしてもこれだけはただしておきたいと思う問題に入らしていただきます。  まず第一に聞きたいのは、構造改善事業でたばこを基幹作物として選んだ個所数と、事業費総額並びに負担者別の負担金額がわかっておるならばこれを説明していただきたいと思います。
  149. 太田康二

    説明員(太田康二君) 先生承知のとおり、構造改善事業を実施いたしました三十七年から四十二年までが現在までの数字としてわかっておるわけでございまして、全部で三十七年から四十二年までに構造改善事業におきましてたばこを基幹作物といたしております地域数は九十五地域でございます。  それから、そこで実施されました事業はいろいろあるわけでございますが、御承知のとおり、造改善事業は、一つは土地基盤の整備、一つは経営近代化施設の導入ということに相なっておりまして、いま申し上げました地区におきます総事業費の合計額が四十二年までで十億七千四百九十四万三千円、これに対しまする補助額が五億三千七百三十四万七千円、それから融資単独事業事業費が五億七千百五十二万五千円、これに対しまする融資額が四億五千六百四十七万円。したがいまして、総事業費としては、先生承知のとおり、約十六億ぐらいの事業になっておるということでございます。
  150. 矢山有作

    ○矢山有作君 そうすると、構造改善事業でたばこを基幹作物として選んだ地域が九十五地域、それから補助、融資単独事業合わせて事業費総額が十六億数千万円、そのうち国庫補助が五億数千万円、他の大部分は農民負担、一部地方自治体が負担をしておるものもあると思いますが、そういう状況です。  それから次に公社のほうに聞きたいのですが、これまでの乾燥室建設の総数、それからそれに要した建設費総額、さらにその内訳として公社の補助した金額と耕作者の負担した金額の総計、これを示してください。
  151. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 先生年次をお聞きになりませんでしたけれども、四十三年度の予算で組んでおります数字からさかのぼって数年を申し上げてよろしゅうございますか。
  152. 矢山有作

    ○矢山有作君 総額をまとめてください。これまでの何年から補助した総額が何ぼになるか、建設した総額が何ぼになるか。
  153. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) これは明治四十五年から行なわれておる措置でございますので、総額となります……。
  154. 矢山有作

    ○矢山有作君 常識的な範囲内でとどめてよろしい。たとえば三十五年以降とか三十八年以降とか。
  155. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 三十五年度について申し上げますと、補助しました室数は四千六百八十二室、補助しました金額は四千五百六十五万円ということになっております。
  156. 矢山有作

    ○矢山有作君 全部集計して言ってくれませんか、時間がかかりますから。
  157. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) それじゃ、あとで集計して提出いたします。
  158. 矢山有作

    ○矢山有作君 それでは、いま言った問題についてはあなたのほうからあとで資料を出してください。私のほうに調査室を通じて調べた数字がありますから、これが違うか違わないかは別問題として、これを一応申し上げてみます。三十八年以後乾燥室の建設、さらに乾燥室の設備改善、これに対して出した公社の補助金総額が四十五億七千九百万円。それで補助は大体一四%と聞いております。したがって、これで逆算をしてまいりますというと、それに対応する乾燥室の総建設費は三百二十七億一千一百万円余になります。そうすると、残りの二百八十一億三千一百万円余は農民が負担した建設費と、こういうことになるはずです。  そこで私がお伺いしたいのは、長期経営計画会議の検討状況についてという資料によりますと、耕作面積は四十三年度の八万三千百七十一ヘクタールを十年後の五十三年には二〇%減の六万八千ヘクタールにするということが考えられておるようです。そうなると、これまで乾燥室の建設に多額の補助金を出しておる、葉たばこ基幹作物として構造改善事業に多額の国費を投入しておる、それらが償却しないままで使用ができないというようなことにおちいるおそれが出てくるわけです。つまり国費のむだ使いということが起こってまいりますが、この点についてはっきりした見通しを持っておられるのか、またそういう事態が起こることに対して専売公社なり農林省はどういうふうにお考えになっておるのか、このことを伺いたいと思います。
  159. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 農業就労人口の減少その他を考えますというと、耕作面積が放置しておけば落ちるかもしれないという考え方を私どももいたしております。耕作審議会に出しました数字でも、八万二千ヘクタールありました耕作面積は、四十八年ごろになりますというと六万七千四百二ヘクタールに落ちるかもしれないと考えている次第でございます。そのほか先生指摘のようなつくられました乾燥室があるいは使用されなくなったりする場合もそれは起こるかもしれないと思っておりますけれども、先生承知のとおり、乾燥室はずいぶん古くから建てられておる次第でございまして、かなり多くのものは償却がされておると考えております。いままでその補助金を出しましてつくられました乾燥室につきましてもまあかなり償却が進んでおるものが多くなるはずでございますので、そこらの点でもし見通しのように耕作面積が減ってまいりましても、私どもはそのように自然に減っていくことが望ましいと思っているわけではございませんけれども、まあ場合によってはやむを得ない事態があるかと思う次第でございます。
  160. 太田康二

    説明員(太田康二君) 先般も実は申し上げたのでございますが、農業構造改善事業の実施地区につきましては、先生承知のとおり、農業椛造改善事業計画の認定を受けた計画に基づいて導入する近代化施設の規模あるいは構造、設備、能力等に照らしまして、一応必要最小限度の面積増加、あるいは新規耕作者の導入というものは認めてまいるというのが公社の基本的な方針でもございますし、そういった意味におきましては、現在実施中の構造改善事業地区におきましては、さほど問題はなかろうというふうに思いますし、なお、もちろん今後の面積減というような問題が起こってまいりますと、いろいろ問題も出てまいるかと思いますが、十分現実に即しまして、公社とも連絡をとりつつ、先生が御心配なさったようなことのないようにひとつ指導をしてまいりたい、かように考えております。
  161. 矢山有作

    ○矢山有作君 専売公社のほうに申し上げたいのですが、自然減反ということをさかんに強調されておりますが、これは自然減反ではないのですよ。収納価格を締めつけていくものだから、低く押えていくものだから、タバコをつくっても食えないのですよ。したがってタバコをつくらなくなる。名前は自然減反だけれども、事実は収納価格を抑制することという公社の方針に従ってタバコ耕作からほうり出された、その結果から起こってくる減反です。ですから、そこのところは自然減反自然減反ということをあまり強調されないほうがいい。もし農業基本法の趣旨を尊重して日本の農政全般、もちろん葉タバコ耕作についても、その価格水準が他産業並みの労働者の生活水準なり所得水準を確保できるところに置かれておるならば、こういう自然減反などというものは、そうめったやたらに起こるものではない。このことだけを申し上げておきます。  それから、いまあなたは質問者をごまかすような答弁をしてはいけません。なぜかと言いますと、乾燥室などの耐用年数というものは一般的に言うならば——一般的にということはがつきますが——一般的に大体二十年。これは公社から聞きました。ところが私がいま申し上げた乾燥室の建設費総額は三百二十七億幾らです。これは三十八年度以降に建設された乾燥室のいわゆる総額であります。そうすると、これはまだまだ償却が進んおるどころの話じゃない。これからまだ大いに活用しなければならぬものなのです。だから償却はもう進んでおるだろうからというようなことは成り立たない。それから万一そういうむだになるようなことがあってもやむを得ないとおっしゃいますが、あなたは大蔵省出身のお役人にも似合わないことを言われる。大蔵省というところは、各省から予算要求をしても、国費の効率的な利用だということで、きわめてきびしい態度をとる。そうであるとするならば、たとえ少額のものであっても、むだが起こるものをやむを得ないとは言えないはずなのです。このことばは取り消して何らかの方法を検討するということにあなた言い直したほうが、あなたのためではありませんか。そしてまた、どういうふうなむだな状況が起こってくるかということについて、専売公社ではお調べを願いたい。このことはどうですか。
  162. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 耐用年数を二十年と見ておりますことは御指摘のとおりでございます。金額等につきましてはなお検討いたします。私どももむだになりっぱなしとは実は考えておらない次第でございますので、そこらの点につきましてはなお検討いたします。
  163. 矢山有作

    ○矢山有作君 やむを得ないということは取り消しますか。
  164. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) あまりやむを得ないというようなことを申し上げることはよくないと思います。先生の御指摘のとおりに思います。
  165. 矢山有作

    ○矢山有作君 それではこれで最後にいたします。これも去る二十日の農林水産委員会で足鹿委員の質問に対して、副総裁は減反に対する特別な補償措置はとらない、これは公社の方針である、こう言っておられます。ところがばく大な投資をして、公社の一方的な指導のもとに乾燥室を建設した。そしてその設備の償却がろくにできない間に公社のこれまたいわゆる需給見通しの食い違い、一方的な経営上の都合から減反を強制される。そして農民は大きな投資の回収ができないという犠牲を受ける。これに対していとも簡単に補償措置をとらないと言う感覚というものはどういうものでしょう。私はそういうような考え方は非常に大きな間違いだと思う。専売法の第十三条によると、「耕作者は、公社の定める方法により耕作し収穫しなければならない。」第十八条には、「耕作者は、その収穫した葉たばこを、公社の定める方法により乾燥調理した後、すべて公社に納付し「なければならない。」また第二十五条には、「公社は」「葉たばこの生産に関し必要な指示をすることができる。」まあタバコの生産に関しては手取り足取り、まさにありがた迷惑といわれるほどの監視、監督でやられる。指導、監視、監督を公社がやられる。そうしてタバコの耕作をやっておるその耕作者が一方的な公社の都合で減反を強制され補償措置は何もない。こんなばかな話がいまの民主的な世の中にあっていいんでしょうか。どうお考えになりますか。
  166. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 御指摘になりました点につきましては、事前に私ども検討をいたしました。自然減反といいますと先生におしかりを受けるのでございますが、それは別にいたしまして、黄色種のように増反希望のあるところに減反をお願いするという場合に、一体乾燥室問題がどうなるかということが問題の一つであることは、先生指摘のとおりでございます。ただわれわれの考え方は、継続耕作者はまずは従来の耕作反別を維持される場合が多い。例外的に減らされる場合がありましても、乾燥室が全然利用されないような事態に陥ることはおおむねないという検討をいたしまして、ちょっとこまかいところは失念したところがございましょうが、耕作される限りにおいては乾燥室の利用をなされるはずであるから、特別に著しい負担をおかけするということなしにやられるのではないかと考えた次第でございます。
  167. 矢山有作

    ○矢山有作君 であるならば、補償措置をとらないなどというようなことを軽々しくおっしゃらずに、はたして公社の生産方針に従って進めていった場合に、耕作者にどれだけの犠牲をしいることになるのか、耕作者が投下した資本を償却しないうちに回収不能になっていくのか、この辺の見通しというものをはっきりつけた上で、その措置というものを真剣に考えますというのが公社副総裁としての答弁であるべきです。それをどうなるやらも実態もつかめないままに、一審のもとに特別の補償措置は考えないと、もしあなたのほうで調査した結果、大きな犠牲をしいることになったらどうなりますか。何らかの方法で考えなきゃならぬということに追い込まれるかもしれない。私たちは、この問題は、そう簡単なものとして済ます  つもりはありません。再度あなたのお考えを聞きたい。
  168. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 個人別の耕作許可面積につきましては、作業がこれから進行する問題でございますので、先生の御指摘のような問題は、それらの実情を見まして検討してまいりたいと存じます。
  169. 矢山有作

    ○矢山有作君 それでは、これで最後にいたします。資料を要求いたしたいと思いますので、その資料はあなたのほうでできるだけ詳細なものをつくって、これ出していただきたいと思います。  乾燥室建設ですね、昭和三十五年なら三十五年以降、三十八年なら三十八年以降でよろしい。それの総数と、それに要した建設費総額、それに対して公社が幾ら補助金を出したか、農民負担が何ぼになっているか、それを示していただきたい。それから、あなたのほうで、いずれにしても、早急に減反を目標としての長期需給計画を立てる意図があるだろうと思うのです、これまでのあなたのところからいただいた資料によって判断するならば。そうすれば、どういう方向でその方針を進めていくのか、それに伴って、農民の投下資本がどれだけ回収不能で、犠牲にされていくのか。こういう点は早急にはできぬと思いますが、ぜひともこれはあなたのほうで調査をしておいてもらいたい。その上で、あらためてこの問題については、私は他の機会あるいは他の委員会で、もっと突き詰めてあなた方の御意見も伺いたいし、私がきょうの質疑の中でこれは明らかに間違っておると考えたことについては、なおただしていきたいと思います。  第一は、私は専売法を読んでみて、この専売法はいまの局主主義の社会における立法論からしても、きわめて非局主的な法律である。この法律自体がもう否定をされて、新しい民主的な法律につくり変えられなければならぬということを私は痛感いたしました。そういう点で、副総裁は、この専売法を読んでどういうふうにお感じになりますか。そう思いませんか。
  170. 佐々木庸一

    説明員佐々木庸一君) 初めにございました資料要求につきましては、私ども、かなりの程度のものはできると思いますけれども、御指摘のうちでの建設費総額になりますというと、調査がございませんので、補助金を交付しました建設室数、補助金の交付金額等はお出しできると思いますので、御了承を順いたいと思います。  二番目に御請求になりました数字は、私ども、現実の耕作の結果、収穫、収納がどうなったかということによって年々の具体的なやり方をきめるべきものと考えておりますので、仮定が入りまする問題につきましては御猶予を願いたいと思う次第でございます。  三番目にお話しになりました専売法の問題でございますが、これは専売職員といたしましても、明治以来引き続いております中身が、表現だけは改まって現在まで引き続いておりますので、これは先生指摘のような問題点はあると私どもも思っておるものでございますが、実体の改正の必要が切実に起きましたときに、私どももまた改正をお順いすべきものと考えておる次第でございます。
  171. 松井誠

    理事松井誠君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  172. 松井誠

    理事松井誠君) では速記を始めてください。
  173. 岩間正男

    岩間正男君 国有財産管理の問題が当委員会でしばしば大きな問題になりました。当委員会のいわば重大案件の一つになるわけです。その中では、非常に不正不当な管理が行なわれている。これは、しばしば指摘をされてきたところであります。この問題と関連して、実は学校に現在国有財産あるいは国有林野、そういうものが敷地として貸し付けられておる。この問題について私は質問したいと思うのであります。  第一にお聞きしたいのは、これは文部当局でありますが、現在、国有財産特別措置法並びに国有林野法施行令によって、学校教育法第一条にいう学校が、国有地、国有林の貸し付けを受けている、そういう資料があると思うのです。そのような資料をここで発表していただきたいと思うのです。学校穂別、それからその面積、それからさらに賃貸料の問題があると思います。その点をお伺いいたします。
  174. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 文部省が、従来公立学校につきましては、建物に関して国庫負担の制度があって、したがって、実態もよく把握して、補助負担やっておるわけでありますが、学校の敷地に関しましては、これは学校教育法によりまして、設置者がこれを負担し維持管理するという原則によりまして、別段国庫補助負担の制度もない関係もありまして、実はあまりよく実態を把握いたしておりません。最近の調査によりまして——最近といいましても、やや時点が古うございますが、昭和三十九年の学校施設の実態調査に関連いたしまして、敷地の問題もあわせて調べましたが、それによりますと、高等学校以下の公立学校の校地として使用しておる面積は、全体で約六億平方メートルであります。そのうちで、設置者の所有にかかわるものが八八%、それから借用のものが一二%という比率になっておるということがわかっておるわけでありますが、その借用のものの所有者別の内訳などにつきましては、実はたいへん申しわけない次第でありますが、よく把握いたしておりません。これが実情でございます。
  175. 岩間正男

    岩間正男君 これは実は私は、文部行政の中で今後やはり問題になる重要な課題だと思うのですね。ところが全然これはその資料がないのですね。なるほど直接建物の管理をやっておるのだということでありますが、敷地の問題はやはり非常にこれは重大な課題になっているわけでしょう。この問題について、少なくともこれは資料を持っているということが必要だと思うのですよ。これはやはりそろえられる必要がありますね。まず第一に、私はこの点が非常に不備だと思う。なぜかというと、あとでこれは私は政策論議をしようと思っているわけです。つまり日本の文教政策の一つ課題として、この敷地の問題が、国有林との関係で賃貸されている。この問題がどうなるかという問題なんですが、それで、そのとき、資料なしにこの問題を議論をやるというわけにはいかない。したがって、こういうものは整えてもらいたい。  それではお聞きしますが、大学の場合はどうなっているのですか。大学の敷地の問題については、国有地になっているのか。これはあるいは借用していることになるのですか。どういうふうになっていますか。たとえば具体的に言ったら東大とか京大とか、それから東北大とか、こういうような大学はどうなんですか。
  176. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 国立大学につきましては、現在会計制度といたしまして特別会計制度をとっておりますので、文部省所管国立学校特別会計所属の国有財産に全部なっておるか、少なくともそうなすべき手続進行中ということになっておりまして、借用地というのはありましても、きわめて僅少であると承知しております。
  177. 岩間正男

    岩間正男君 これなんかもやっぱり資料が必要だというふうに思うんですよ。そうして借用した場合に、これは賃貸料を払っているのかどうか、大部分はもう国有地にしようとしておるんです。現在はっきりもうなっているわけじゃない。今後やろうとしている。それから借用している分については賃貸料を払っているのか、その点。
  178. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 国立大学の敷地はほとんど全部が現に特別会計所属の国有財産になっております。一部普通財産を一時使用しているもの、それからあるいは民有地等を借り上げているもの等がございます。民有地を借り上げておる場合には借料を払っております。普通財産を借りているものにつきましては、話し合いによりましてきわめてこれは一時でありまして、いずれ特別会計所属に所管がえをする、いま手続中と御承知願ってもよろしいかと思いますので、たてまえとしては所管の国有地として所有しておるか、あるいは民有その他のものを借地料を払って使用しておるというぐあいに御理解願ってよろしいと存じます。
  179. 岩間正男

    岩間正男君 それでは理財局にお伺いしますが、国立大学の場合ですね、これはどうなんですか。大学に貸しているという形になりますか。それとも大学のもう敷地として所有になっているわけですか。そうしてそれの賃貸料の有無の問題はどういう関係になっているか。
  180. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 先ほど管理局長からお話がありましたように、国立大学の敷地は大体文部特別会計の所管になっておると思いますが、私ちょっと資料は持っておりませんけれども、中には一般会計のものを、大蔵省所管のものをお貸ししている場合があるかもしれませんが、そのときには理論的には有償ということになっております、法律上は。ありましてもごくわずかだと思います。ちょっと把握しておりません。
  181. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっとその資料を、これは明らかにするために出してほしいと思うんです。  それでは次にお聞きしますが、これはどうですか。現在国有財産特別措置法によりまして、この三条の八ですか、これによって学校教育施設に国有地を賃貸している状況ですね、国立学校になりますが、これの最近のやつでいいです、四十年ごろからでいいですが、件数とそれから面積、それから賃貸料ですね、これをお伺いします。
  182. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) お答えいたします前に、さっきのちょっと補正しておきたいと思うんですが、ちょっと私、舌が足らなかったのですが、一般会計所属の普通財産を国立大学のほうにかりにお貸しするという場合は、所管がえの御申請がございまして、一般会計から特別会計に、文部特別会計に所管を移すことになっているわけです。その間、手続の終わる間の貸し付けの問題でございますから、ほとんど問題がなく進んでおります。それから有償と申しましたが、これは訂正を申し上げます。無償でございます。
  183. 岩間正男

    岩間正男君 有償じゃない、無償。
  184. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) はい。それから国有財産の普通財産を学校の教育施設に貸している問題でございますが、これはただいまお話がありましたように、国有財産特別措置法で減額をいたしまして貸し付けをするということになっておりますが、四十二年度末現在におきまして、土地で申しまして、まあ件数を申し上げますが、四百五十一件で、使用料といたしましては三百七十五万平米と、それから貸し付け料が年額で申しまして二億三百万円になっております。端数は省略いたします。建物がこれは非常にわずかでございまして、十一件で、延べで八万平方メートルでございます。これは貸し付け料は年額で申しまして二千百万円ということになっております。
  185. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっとこれは私たちの手にした資料とは違うようです。これはまあ私はあとでも資料要求しようと思うのですが、もっとこれは詳細にやっぱり出してもらいたいですね、学校別にね。学校教育法の該当の学校といっても、これは小学校、中学校、それから高等学校、高等専門学校、大学、それから盲学校、ろう学校、養護、それから幼稚園、これだけあるはずですね。どういう仕分けになってどれだけどう貸しているか。そういう点ですね。こういう資料は、これはまだ理財局のほうでできておらないですか。
  186. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) まあ統計は詳細であるほどいいかも知れませんですけれども、ただいま申し上げましたように非常に件数も少なくございますし、いろいろ事務簡素化の点から必要なものだけをとっておりまして、業務統計にございますが、ただいまは施設別にしかとっておりません。学校施設とかそういう福祉施設はどうだとか、そういう別でございまして、いま御要望がありましたような学校の糧日別とかいったものは統計として持っておりません。
  187. 岩間正男

    岩間正男君 これは資料としていただきたいと思いますがどうでしょうか。これはいまから集めてもらわないと論議するに非常に不十分なんですね。ひとつ新たに論議を起こそうと思っているのだから、これは資料がないとまずい。どうですか。
  188. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 貸し付けの契約書から全部洗わなきゃいかぬことになりますので、相当時間がかかろうかと思っておるのでございますが、いままでわれわれがとっております業務統計にそういう項目がございませんものでございますから、全部貸し付け契約を一件一件洗ってみなきゃいかぬので、時間が相当かかる。
  189. 岩間正男

    岩間正男君 これはしかし基礎がないとこれはどうも議論がうまくないのだがね、実際問題として。電算機でもだめですか。
  190. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 電子計算機を持っておりませんので……。
  191. 岩間正男

    岩間正男君 大蔵省がそれじゃしようがないな。とにかくこれに近寄る努力はしてもらいたいと思うのだが、何とか方法はあるでしょう、人員不足とかなんとかいったって。こういう基礎資料がなけりゃ話にならないですね。だからそういう点について努力をしてほしいと、こういうふうに思うわけです。  それから、それじゃ林野庁にお伺いしますが、林野庁の場合にですね、これは国有林野をやはり同じように有償で学校施設——学校教育法第一条のこうした学校ですね、これに貸し付けている場合があろうと思うのですが、この件数、面積それから賃貸料ですね、これをお知らせ願いたい。
  192. 片山正英

    説明員(片山正英君) 四十二年の調査でございますが、件数におきまして二百二十五件でございます。それから面積にいたしまして二百三十六ヘクタールでございます。貸付料でございますが、三千二百九万円。それから学校別は、実は内訳はございませんが、その内容は、公立小学校、それから公立中学校、それから官立の大学、公立の高校、公立の幼稚園、私立の同じく大学、高校、中学、小学、幼稚園、それ全部含めたものでございます。
  193. 岩間正男

    岩間正男君 いま総数、トータルが出されておるわけですから、積算の基礎があるわけでしょう。そうすると、ほんとうはおかしいのですがね。私の要求した資料もちゃんと仕訳すればできるわけでしょう。ありましたら資料をいただけますか。
  194. 片山正英

    説明員(片山正英君) 林野庁でとっておりますのは、それは最後の件数、面積、貸付料として各局署からとっておりますので、内訳となると、現在手元にございません。
  195. 岩間正男

    岩間正男君 出してもらえるのですか。
  196. 片山正英

    説明員(片山正英君) 現在林野庁でただいま申しました数字は総体として営林局署から統計とったものでございますので、ほかの、先ほど申しました大学、中学別の林野庁としては統計をとっておりません。
  197. 岩間正男

    岩間正男君 やっぱり文部行政の基礎になる問題ですからね、調査がなくて、見込みの行政をやられちゃかなわないですね。私たち検討するにはやはりいま言ったくらいの資料は、これはないとぐあいが悪いわけですよ。それはなぜそういうことをお聞きするかというと、実際この貸し付けが有償になっているわけですね。それが相当やはり市町村によっては財政を圧迫している、こういう事態が起こってきている。そういう点からぜひこういう問題を明らかにしたい、こう思うのです。  ついでにどうでしょう、全国の件数わかりませんか。たとえば何県、県別で、それからそこの名前くらいはこれはないと、どうもまずいのだ。その辺の根本がはっきりしないのですね。ばく然とここで論議しておっても、下のほうでこの問題についてどう考えているか、こういうことを考えますと、実は私たちこの前予算委員会から調査にいったのだ。そこでこの問題にひとつぶつかったわけです。それからわれわれなりに調査を進めてきたわけなんだが、結局官庁の統計がなければ、これはできないわけです。したがって県別というのはできていますか。それからそれのどこそこの小学校というのは何々、中学というのは何々というのはわかるわけですね、こういう名簿はもらえるのですか。これはどうなんでしょう、そういうものは文部省には全然ないのですか。
  198. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 文部省には、要するに校地の所有、借地別という統計以外にはその借地先がどこになっているというようなものはございません。
  199. 岩間正男

    岩間正男君 林野庁もないのですか。
  200. 片山正英

    説明員(片山正英君) ただいま先生おっしゃいました県別あるいは学校種別、これは現在林野庁にはございませんが、調査をいたせばできると思います。ただ少し時間はかかると思います。
  201. 岩間正男

    岩間正男君 委員長からもこれは要求してほしいと思うのですが、これはやっぱり一国の文教政策と非常に関係してくる問題だと私は思っています。これはあとで申し上げますが、そういう点から言いますと、こういう統計がないというところが、いかに文教行政が科学的でないかというはっきりした裏づけなんです。少なくとも文部省はこういうものを持っていなくちゃならないですよ。管理局の名においてこれは持っていなければならないですよ、これだけのものは。そうして実際敷地がどうなっているか、両方合わせましてこれは件数にしますと六百九十件くらいあるわけですね、これくらいのものですから、六百九十件くらいのものが調査できないというのは、これはおかしいわけですよ。いま幸いに林野庁のほうでこれを調査するという意向を出されたわけですが、これは理財局も文部省もやってほしいんです。そして当委員会に提出してほしいんですが、委員長からこれは要求していただきたいと思いますが、いかがですか。
  202. 松井誠

    理事松井誠君) いま岩間委員から要求された資料、理財局のほうどうですか。短時日にはむずかしいかもしれませんが、不可能ではないわけでしょう。
  203. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 先ほど申しましたように業務統計に載っておらぬわけでございますが、契約書を一々めくれば出てまいります。さっき申しましたように四百件ぼっちでございますから、これはやればできますけれども、すぐにと申されましても……。
  204. 岩間正男

    岩間正男君 私はそんなにむちゃ言わぬから。
  205. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 一々契約書たくさんある中を拾うわけでございますから……。
  206. 岩間正男

    岩間正男君 半カ月くらいおいていただいていいんですから……。
  207. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 半カ月でできますかどうかわかりませんが、時間をかしていただきますれば……。どの程度出しましょうか。
  208. 松井誠

    理事松井誠君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕
  209. 松井誠

    理事松井誠君) 速記を始めてください。  先ほどから岩間委員から要求されている資料、理財局のほうでは時間がかかっても出せるわけですね。
  210. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 出しますが、いま言われたような御質問の御趣旨でございますから、各省その時点をいつにいたしますか……。
  211. 松井誠

    理事松井誠君) 文部省も出せますか。
  212. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 実は文部省のほうは借り受け側という角度で調べなければなりませんので、どこの学校かわからない時点で、結局御要望のような資料をつくるとすれば学校全部、悉皆調査いたさなければならぬということになるかと思います。そういうことになりますと、やはり現在の制度ですと、指定統計の調査項目に入れてここでやりませんと強制力もございませんので、文部省はおそらく一番時間がかかるんじゃないかと思います。来年度の指定統計項目きまっておりますから、それに入るかどうか、入るとしても一年はかかります。来年度の指定統計計画にもし入らないとすると、さらにもう一年要るんじゃないかと思いますので、できるだけ検討いたしてみます。
  213. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ便宜な方法でいいんですが、理財局とそれから林野庁と協力して、あなたのほうにもそれを備えること必要だと思うし、同じ統計でもいいです。あなたのほうで独自の調査をすれはなおいいわけですが、過渡期ですからそういうことで出していただきたい。
  214. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 委員長、もう一ぺん伺いますが、さっきのあれは、減額貸し付けだけでよろしゅうございますね。減額貸し付けだけは統計で整理してございますが、全部となりますと、とても……。
  215. 岩間正男

    岩間正男君 いいです。
  216. 松井誠

    理事松井誠君) 林野庁よろしゅうございますか。
  217. 片山正英

    説明員(片山正英君) なるべく早く先生のおっしゃる統計出したいと思いますが、林野庁も実は貸し付け件数は約四万八千件あるわけでございます。その中から引き出すわけでございますから、時間を少し拝借いたしたいと思います。
  218. 松井誠

    理事松井誠君) それでは理財局、林野庁別に期限を切るわけではございませんが、事務的にできるだけ早くやっていただきたいと思います。
  219. 岩間正男

    岩間正男君 そこで賃貸契約の場合、現在公立学校の場合時価の五%に減額をして、それでもって払い下げ、ないしは貸し付けをやっている、こういうことになるわけですね。それで林野庁にお伺いしますと七%ということになっているが、現行はどうなっているんですか、それは両省からお伺いします。
  220. 片山正英

    説明員(片山正英君) 林野庁といたしましては、国有林野法に基づきまして、現在貸付いたしおりまする賃貸料は時価の四%でございますが、学校に関する限りにおきましては便宜五割の減額措置をいたしておりますので、時価の二%ということで貸付いたしておるわけでございます。
  221. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 国有財産のほうも先ほど申しました特別措置法で五割以内でございます。それからまた災害等の特別の場合には五割を七割まで上げるようにいたしております。
  222. 岩間正男

    岩間正男君 これは林野庁のほうは、ぼくは三〇%と聞いているのですが、違いますか。七割引くのが原則なんで、施行法か何かで現在五〇%にやっていると、どうなんですか、どうしてまたそうなっておるのか。
  223. 片山正英

    説明員(片山正英君) 御承知のように、林野法で施行令がございますが、七割以内ということになっております。それを管理規定に基づきまして五割といたしておるわけでございます。
  224. 岩間正男

    岩間正男君 とにかく半分ですね。そういう形でこれはなされているんだが、どうですか、国有地それから国有林野の中で無償で貸し付けている場合があると思うのですがね、それはどんな場合ですか。
  225. 片山正英

    説明員(片山正英君) それぞれ無償で貸し付けているものがございます。それはそれぞれきめられた条項に基づいてやっておるわけでございますが、たとえば道路法による道路であるとか、あるいは桟橋であるとか、あるいは墓地、火葬場あるいは生活困窮者の施設その他ございます。大体そういうものは無償で貸し付けるということに規則できめておるわけでございます。
  226. 岩間正男

    岩間正男君 これは林野法の八条の二に規定されているじゃないですか、無償貸し付けの条項は五項あるのじゃないですか、これでいいんですか。いまの御答弁はちょっと何なんだが、明確に法的な……。どうですか。
  227. 片山正英

    説明員(片山正英君) 御指摘のとおり、先ほど申しましたのは一例を引いたわけでございますので、八条の二項に書いてございます。
  228. 岩間正男

    岩間正男君 念のためにあげてみると、「林道又は農道」「水道施設又は用排水路」、三は「水害又は火災の予防施設」、四は「船揚場、水産物干場又は漁具干場」、「その他公用、公共用又は公益事業の用に供する施設で政令で定めるもの」、こういうことですね。こういうものはとにかく無償で貸されているわけですね。国有地の場合どうですか。
  229. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 国有財産法の二十二条に、大体いま林野庁のほうからお話があったような種目でございますが、緑地、公園、ため池、火葬場、じんあい処理場、し尿処理施設、それから生活保護を要する生活困窮者の収容施設とか、それから災害発生の場合の応急措置用のもの、こういうものを地方団体が国から借りる場合には無償でやると、こういうふうになっています。それから特別措置法の二条にも、水道とか防波堤とか岸壁、桟橋、臨港施設、こういったものにつきまして貸し付けを無償でいたしております。
  230. 岩間正男

    岩間正男君 無償貸し付けの場合の件数の、概略でいいですがね、これはわかりましょうか、国有地あるいは国有林野の場合、両方とも。
  231. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 無償貸し付けの、四十三年三月末現在でございますが、件数で千六百七件ございます、土地と建物入れまして総合計で。土地がそのうち千五百七件、建物が三十六件となつております。数量の概数を申しますと、土地のほうが五千百万平米ですか、それから建物のほうが二十万平米でございますか、そういったことになります。
  232. 片山正英

    説明員(片山正英君) 国有林野の貸付いたしております全件数が四万七千九百六十六件でございますが、そのうち無償で貸付しておりまする件数が九千九百七十二件でございます。なお面積にいたしまして全体では四万六千百十九ヘクタールでございますが、そのうち無償が九千百八十七ヘクタールでございます。
  233. 岩間正男

    岩間正男君 どうですか、これら無償貸し付けが指定用途のとおりに使われておりますか。非常にこれの経理とかそれから管理の面でどうですか。両者からお伺いしたいのですが、つまり、当委員でずいぶん問題になったのは、この指定用途以外の転用とか転売とか、そういうことが非常に多くて、いつでも大きな問題になったのですけれども、こういう点はどういうふうにお考えになっていますか。
  234. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 地方公共団体といえども、いま申しましたような貸し付けをいたします場合には用途指定もいたしておりまして、それに基づく監査も地方の財務局において励行しておりまして、もしかりに用途以外の目的に使っておりました場合は、厳重に注意をいたしますし、契約を解除するということもいたしております。そういう事態が地方団体にはないようでございます。それから法律で規定をしております、私申し上げなかったのですが、国有財産法の規定で、たとえば公園に貸します場合にも、そこをプロ野球の試合に貸した場合には賃借料はいただくということになっておりますので、念のために申し上げておきます。
  235. 片山正英

    説明員(片山正英君) 私のほうのいまの無償のものにつきましては、条項に定めておるように、主として大体地方公共団体に貸しておるわけでございます。その管理運営も適正に行なわれておるというふうに考えております。
  236. 岩間正男

    岩間正男君 こういう中で、当委員会でもしばしば問題になったのですが、たとえば緑地ということで貸したところが、いつの間にかそれが遊園地に使われる、あるいはゴルフ練習場に使われる、こういう例があるのですね。それで、実は無償で貸し付けたのに非常に乱派にこれがいままで運営されたという例があって、それでその返還を求めるとかあるいはこれを有償に変えていくとか、そういうような問題がいままであったと思うのですが、そういう件数の調査はございますか。いままでそういうことを強制的に——最初のこれは全部契約書があるわけですが、契約違反の場合、そういう場合でそういうなにがございますか。
  237. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) ちょっとうちで監査をしています資料持ってまいっておりませんですが、間違ったことを申し上げるといけませんから、遠慮さしていただきたいと思います。
  238. 岩間正男

    岩間正男君 これも時間の関係から、それじゃいままでの件数出してもらいましょうか。解除をしたり、いろいろあるでしょうから。そういう不当な、実際は無償といいながら、それがいろいろの形でこれが乱脈に経営されているのが非常にここで大きな問題になっている。そういうものと比べますときに、これはどうですか、学校の無償貸し付けのような場合でそういう問題が起こったということはございますか。学校の賃貸ですね、そういう場合どうでしょうか、わかりませんか。これも調べてください。学校ではあまり聞かないのでありますが、さっき申された無償の場合にこれがずいぶん目的外に使用されるとか、全く営利のために使用されるとか、こういう事態が起こっております。私は実はこの二つの問題を対比して非常に重要に考えるわけですがね。なぜ一体学校でこんな五割減額などという……。どうして学校を無償にしないのか。学校の場合、私は当然これは無償にすべきじゃないかと思うのです。ことにこれは時間の関係からきょうはあげませんけれども、なまなましい非常に不当な経理をされた例があるんです。無償で借りておって、そういうものがたくさんあるときに、学校のほうだけがこれは有償にされている。こういう形になっておるわけですけれども、これは非常に私は一国の文教政策の上から重大な問題じゃないかと思います。ここで論議をするには、きょうは政治の空白日でございます。まだ内閣がない、大臣がいない。政策論議をやるわけにはあまりいかないんです。しかし憲法二十六条には、義務教育はこれを無償にする、そうしてこの義務教育も高等学校まで伸ばそうと、こういうことが現実的に東京あたりでは起こっている。それから全国的の趨勢を見てもそうであります。この公立学校に対して、少なくともこういうものは無償で貸されるというのが私は基本的な方針でなければならぬじゃないか。ことに佐藤総理は、いつでも施政方針をやる場合には、教育を尊重するということを言わないことはないんです。二年ほど前には一番先にまっ向、劈頭から教育の問題を出したことがあります。ところが、実際そういうことを言われても、無償の憲法を持っている、そういう国の具体的な問題になってまいりますというと、敷地をさえ国有財産や国有林野、そういうものが実は賃貸の対象になっているというのは、非常に私はおかしいんじゃないかと思うんです。こういうことが許されていいのかどうかということを考える。私はなぜ文部省にそういうことを要求したかというと、大体文部省というのは教育内容に入るべきじゃないんです。ところが、教育内容の指導を最近はもう教科書の問題からその他もう非常にこれを深めている。文部省の任務はそんなところにない。設置法を見ればわかるのでありますが、これは施設とかそういうところに努力をしなければならない。少なくとも私はいまの問題としては当然こんなものは一番先に、優先的に無償にしていい問題だというふうに考えるのですね。ところが現し実はそうなっていないのです、学校教育は。具体的にはこのような予算、施設や行政の面では非常に軽視されている。そうしてそういう土台はごまかしておいて、そうして子供に一つの倫理観を教える、それから一つ目的意識で子供をいまのたとえば高度成長政策に協力をさせる、あるいはさらに国防に協力をさせる、そういう方向を目ざしたところの軍国主義の教育だけはやかましく言っている。ここに根本的なさか立ちがあるのです、いまの教育政策にはね。私はいまの少なくとも教育を尊重するということを言っているんだから、そうしてほんとうの裏づけがあるとすれば、少なくともこんな微々たる問題、予算総額の中から見ますというと、賃貸料二億ちょっとですよ、二億五千万くらい、件数からいいましても、面積からいっても、微々たるものです。少なくともこんな問題は、これは無償にすべきだというふうに私は考えるのですがね。もっともこれについて見解を求めて、あなたたちがそれを否定するというと、先になってやりにくい。いまの内閣ができたら私はやらざるを得ない、この問題は。もう少し広い場で佐藤さんのこれは見解を、少なくともこんなことを聞いてみなければ……。うそとか、ほんとうとか。そういうことですから、これについてはお答えがあったらお答えいただいてもいいんですけれども、これについては別にお答えなくてもいいですけれども。
  239. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 私どもも、たいへん教育の重要なことはいまさら申し上げるまでもないことだと思っておりますが、いまお話が出ました義務教育だけに限ってみましても、これはやはり何もかも国が経費負担をすべきものだという議論は、ちょっと私どもも異論を持っておるわけでございまして、これはやっぱり国と地方で、義務教育の費用にいたしましても財政的には負担を受け持つべきじゃないか、そういう精神からでございましょうか、これは私がしろうと考えでございますが、一番大きな、先生方の給与につきましては、それから教材費などにつきましては、義務教育費国庫負担法で半分ずつ国と地方で受け持とうじゃないか、それからまた基礎になります文教施設につきましては、義務教育諸学校施設費国庫負担法で、小学校の場合は三分の一、それから中学校の場合は二分の一国が負担をするというような財政負担がきめられておるわけでありまして、それからまた義務教育関係の経費は、地方交付税交付金の算定基礎にもなっているというようなことでございますが、国有財産につきましても、一般の、いま言ったような考え方と離れては考えることができないので、そういうような財政負担、同じくこれも補助金とか国の負担と同じことになるわけでありますが、無償にするにいたしましても幾ら、減額するにいたしましても……。したがいましていま申し上げましたような一般の考え方とにらみ合わせましてきめるべきものではないか。  それからもう一つは、私は非常に重要な一つのポイントじゃないかと思うわけですが、地方財政のいろいろな議論をいたします場合に、やはり財源の偏在とか、いろいろな問題が起こってまいりますが、この国有財産の貸し付けのあれを見ましても、あとでまた御要求されました資料を出してごらんいただくわけでございますが、私、財務局別に見てみたのでございますが、先ほど申し上げましたように全部で四百五十一件土地を貸し付けておると申し上げましたが、件数だけで見ますと大体関東財務局で半分くらい占めておりまして、関東と近畿財務局、東海財務局を入れますと七割くらいになるのじゃないかと思っております。そういったことで非常に偏在しておるという問題、それからまた、もう一つ別の面から申しますと、偏在は、先ほど文部省のほうから高校以下——いま私が申し上げておりますのは全部公立、私立が一緒になっておりますからわからぬので、なおさら問題があれしてまいっておりますが、高校以下の公立学校で六億平方メートルの敷地があって、そのうち一割二分が一般から、国及び民間から借りておるのだと申されました。そうしますと七千平米ちょっとでございますが、先ほど申し上げましたように、公立か私立かわかりませんが、一緒になったものを見ましても、まあその借りておる分のさらに五%くらいしか占めていない。したがって、六億平方メートルの必要坪数からいいますと、きわめてわずかなものしか公立学校の各義務教育の部分の土地については国有財産は寄与していないだろうと思います。そういうことになりますと、非常に偏在度という点からも一般の負担の点で再検討がなさるべきではないかというふうに考えております。非常に重要な問題でございますが、そういった点からいたしまして、ただいまの割合をすぐどうこうということは、国有財産というものが国の需要を充足しますべき財産でありますことを考えますと、非常に問題があると思います。
  240. 岩間正男

    岩間正男君 林野庁長官からお聞きしたいのですが、同じような答弁をされるのじゃないかとしんしゃくいたしまして悪いのですけれども、そう思いますが、いま代表的な御意見だと思いますが、要するにこっけいなんですね。だから先ほどの無償のところでも調べてごらんなさい。たとえば緑地が偏在しておる面がある。これは無償で貸していいと思うのです。ところが教育の場合だけは偏在しておるから、この利益を受けていないところがある。利益を受けるところだけが悪いというこういう議論は成り立たない。いかにももっともな意見のようですが、だめです。これは理論的にたえませんよね。  それからもう一つは、教育の議論をここで——これは政策上のことだからいまやっても困るのだが、大体が国庫負担法の範囲、半額の問題と、それから施設までいろいろ三分の一とかなんとか、そういうふうなあれを定めてやっているんです。逆にそういうところは国の持っている施設は優先的に無償で貸す、あるいは払い下げる。そういうことをやって、足りないところにはもっとやはり増額していく、それで均等にいかないところには補助するという政策をとっていくのがほんとうだろうと思う、文教としては。ところが全くそうではなくなっているんです。これはここで論議の限りではありません。長い議論をここでやっても話にならないんですが、もう一、二問だけついでにやらしていただきたいんですが、こういうことのために、やはり地方の財政が相当、圧迫されているわけですね。たとえば宮城県の石巻市ですが、十四、五万の市ですが、このところの場合を調べてみますと、これは昭和二十九年度の中学校の賃貸料を見ますと、二百八十七円です。これがどうですか、四十一年になりますと、六十三万三千五百二十八円、二千二百倍です。これはどういう根拠なんです、地価がこんなに高騰したんですか、昭和二十九年から四十一年までの十二年の間に二千二百倍の地価の高騰ですね。これに基づいてこのような額がかけられている、しかも、その市ではこれだけではありません、女子商業高校を持っております。これが百二十七万八千九百六十二円納めておる。両方合わせて百九十一万二千四百九十円。一体この二百万の金を子供の施設や給食費やあるいはいろいろなそういうものに回していくという愛情を持つことはできないのかどうか。これを国から借りていてそうして国の子供を教える、二十六条の義務教育は無償にするという憲法を持っている国が、あそこは国有林ですが、保安林でしょう、保安林地帯でしょう。そんな土地を貸して、しかも二百万近くの金を国庫に入れているというこの根性が問題だと思う。教育に対する姿勢の問題です。額は二億五千万入るか入らないかという問題ですが、二億五千万を無償にするあるいは無償払い下げに持っていってなぜ悪いか、このところはわれわれの論議の場なんでしょう。だから決算委員会でこういう一つのこれは政策を論議しなければならないというように実は考えているんです。そこでこの問題は非常に小さい問題のようだが、政策的には非常に大きな問題である。そういう点から私はお聞きしているのでありますけれども、これはどうなんですか、どう思いますか。地方財政に対していまのような一つ負担をかけておりますよ、それを国家の収入としている、これは国庫に入っているんです。その金が全体で二十億からあるわけですが、そのうち教育関係だけでも二億五千万円入っている、これでいいんですか。どうも私たちはこれはちょっと了解することができない、どうお考えになりますか、この点についてだけお伺いしておきます。  ついでに時間がないからもう一つお伺いしておきますが、この問題で市長会が最近決議をしているんですね。これは御存じですか、市長会が決議をしている。十月の十五日に第七十三回東北市長会議が仙台で開かれました。そうしてここからいろいろ出された当面の諸問題をやった中で、「公立学校敷地の国有地を無償払下げをされるか貸付料金の全免を図られたい」。当然これは法律改正が伴う問題ですから、時間はかかるけれども、やる気になったらすぐできる。そうしてこれが全国市長会に持ち込まれました。実はほかでもない。向いの会館で昨日これは決議されているんです。「公立学校敷地の国有地を無償払下げをされるか貸付料金の全免を図られたい」。これは東北から提案され、そうしてこの理由としては、現行の国有財産法においては、学校教育法第一条に規定する学校の施設を対象とした国有財産の譲与及び無償貸付は認められてはおらず、国有財産特別措置法において、わずかに時価からその五割以内を減額した対価で売払い又は貸付けすることができることになっているが、法改正により無償払下げをされるか、貸付料金額を免除されるよう措置を講じられたい。」、この議案が昨日の全国市長会の評議員会で採択されているわけです。こういう事実は御存じですか、そうするとこれは地方の自治体の要求になってきているんですよ。こういう関係を持っているところでは、私はこういう要求が起こってくるのはあたりまえだと思う。そうしてまた政府が口で教育の尊重を言っていることからいえば、当然これはまっ先に取り上げなければならぬ問題だと考える。どうお考えですか。
  241. 谷川寛三

    説明員(谷川寛三君) 昨日御陳情があった由、報告を受けております。
  242. 岩間正男

    岩間正男君 二千二百倍になった理由です。それだけちょっと知らせてください。
  243. 片山正英

    説明員(片山正英君) 学校の問題について、たいへん事務的な御説明になって申しわけございませんが、国有財産の特別措置法の三条に、先生指摘のとおり五割以内の減額という、学校関係につきまして、私立、公立とも五割以内の減額ということが明記されておるわけでございます。われわれといたしまして、したがいまして国有林野法におきましても、これに準じた指置として五割減額を適用してやっておるのが現況でございます。そこで先生指摘の値段がだんだん上がってきたということでございますが、これは確かに御指摘のとおりに値段の上昇を見ておるわけでございますが、ただ、これはわれわれはあくまで時価主義をとっておるわけでございます。御参考までに申しますと、大体石巻のいま学校関係を調べますと、大体年間貸付料が平米当たり四十円弱でございます。月に直しますと三円程度のものと、こう思っておりますので、さほど不自然な貸付料ではないんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  244. 岩間正男

    岩間正男君 これはまあ法改正を要する問題ですが、先ほども申しましたように、やる気だったらすぐできるものです。しかもこれは全国の市長会がこういう決議までしている問題である。それはだれが考えたって、ほんとうに教育のことを考える親であったら、いまの教育費の負担で苦しんでおる、そういう問題のこれは一つの性格をあらわした問題ですから、こういう問題、私はほんとうにできる問題だと思いますが、とにかくとりあえずこれを問題にして、しかもこの問題をもっともっと追及したい、各党派の替成をいただける問題じゃないかと思います。そういうことを最後にはっきりさして、政治答弁はここでは要求しません、そういう意図もなかったわけですから。いずれ責任者がはっきりでき、内閣ができたあとで、もっと論議を展開したいと思います。ではさっきの資料、できるだけ早くお願いして私の質問を終わります。
  245. 松井誠

    理事松井誠君) では本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十九分散会