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大橋和孝君 京都のほうでは
木津川というのがあるわけですが、あの
木津川は先ほどの
砂利採取なんかの
影響もあって
河床が非常に下がりました。それで、その
周囲にはもうほとんど
取り入れ口から
農業用水が入らない、それからして、その
砂利採取をした
砂利業者に対して
損害賠償の
意味で
ポンプを取りつけさして、
ポンプアップをしていま
農業用水をやっておる。ぼつぼつそれも
限度にきておるということで、
農業用水としては困っておるわけです。また逆に、先ほどのいわゆる
河床が下がったために
地下水が変化を起こして、その
周辺では、
井戸がもう一切出なくなってきた。ところが、そこらはみな
井戸水をもって
簡易水道にしておるし、あるいはまた、各個人の家としても
井戸水を
利用しておるというところが非常にたくさんある。これが不可能になってきているわけです。現在では
町村が、いわゆる相楽郡、それから綴喜郡、久世郡というふうにずっとあの
木津川の上流から下流にまたがる三郡にわたって
市町村がいま非常に困っておる
状態は御存じだろうと思いますが、そういう
状態で、いま現在はもう
町村の単位で
簡易水道をつくるというのではとてももたない。だからして、今度は府として府営の
水道としてやってほしいということを各
町村が連名でもって府へ陳情しておるという
状態なのであります。ところが、いま問題になっておるのは、その
井戸はそういうふうにするならばするとしても、
簡易水道をつくるならばつくるとしても、また一方では
農業用水が足らない。先ほど申したように、その
周辺では各
土地会社がどんどんと
土地造成をいたしております。
近鉄沿線でありますので
近鉄で
土地造成をやって、たくさんの
団地ができつつある。この大きな
団地ができてまいりますと、
用水の問題で非常に大きな問題になっている。将来の何年かの
展望を持ってやらなければ、いざ
農業用水、あるいはまた、その
市町村だけの
簡易水道ということでやれば、またもって次にすぐやらなければならないような
状態が起こってくる、こういうことでもって、いま府のほうにおいても非常に戸惑っておるというのが現状であるわけであります。だからして、私はここで特に御質問申し上げるのは、
各省がもう少し
連携をとって、ある程度将来の
展望を持って、こういう問題を早く処理してもらわなければ困るんだと、私がいま言っているのは、
農林省のほうはもういまのような
計画で、どこか
取り入れ口を
一つにして、そうして
農業改善事業の
一つとしていろいろ
農業用水路といいますか、それの
建設計画を持って、ぐんぐん押しているわけですね、これをやりなさい、これをやりなさいと。ところが、また一方ではそういう
状態が起こってきて、水がありませんから、どうぞひとつ
水道つくってくださいという運動が起きている。
ばらばらに起きているわけですよ。だからして府のほうにおいても、それじゃいかぬからというので、いま総合的にやろうと考えているようでありますけれども、府のほうがやって、各、
建設省なり
厚生省なり、あるいは
農林省なり、いろいろ陳情してくるのがたてまえだという話でありますけれども、やっぱり国のほうも
一つにやろうということからちゃんと出ていって、ある程度の
総合計画を持っていかなければ、これはうまいことかみ合わないわけですね。こんなことを考えてみると、
一体国の政治は何をしているかと。
各省の
セクト主義によってこれを進めていけば、おれのほうの
責任はそれで済むんだというものであれば、これは非常に迷惑千万であるわけですね。そこら辺のところを非常にかっちりと打ち出してもらわなければならぬと思います。
木津川沿線のほうの
水道の問題についてはどういうふうにする
計画か、
農林省のほうでは一体
洪水に対してどうするか、あるいは
建設省のほうも、もう少しこの問題と取り組んで
——工業用水は通産省ですか、きょう来てもらっておらないからわからないけれども、こういうようなところあたりともちゃんと
連絡をとって、
木津川なら
木津川に対しての
治水の問題から、そういう水の
利用の問題から、こういうものをひとつちゃんと
連携をとってもらったプランを立ててもらわなかったら、その付近の
住民というのは、水が足らぬので植えつけもできないような
状態に置かれているという、その
状態が
ばらばらでは非常に困る。また
地元からいえば、先ほど
建設省の
河川課の方から
お話がありまして、自然に下がってくるものはその補償の対象でもないし、そんなことは考えられないんだと、
治水をする
目的は、ただ
洪水が起こらないように考えたらいいんだと、
天井川になって
河床が上がっているよりは下がったほうがいいから、
下がりっぱなしでよろしいというようなことになっても非常に困る話でありまして、それであるならば、適切に、どういうふうなところではどうすると。多少
地下水を考えてみると、
河川治水の上には
影響がない、こういうようなふうな
状態があれば、そういう
状態をちゃんと踏んまえてそうしてやらないといかぬのじゃないか。だからして、私はむしろ
河底を、
河床を下げないための可動的なせきでもこしらえてやっても差しつかえないところだったら、私はもっと積極的に
河川課のほうにおいても考えるべきではないか。それをやることによって、ほかにまた
堤防が決壊したりなんかするということになれば、これはたいへんな問題だけれども、技術上の問題でいろいろ検討すれば、いま多少、可動ぜきというものを、
建設省は水、川を守るというふうな
意味で、そういうようなことをやることができれば、またその
用水を
確保する上においてもできるんだと、たとえばいま
木津川におきましては、
損害賠償のために
ポンプアップをしているわけです。そこへもうちょっと可動ぜき、動かすことのできる可動ぜきをつくれば、そこに水がたまれば
ポンプアップだけで十分間に合うんだと。五年なら五年、また十年なら十年それでいけるという見通しがつけば、いまたくさんの金を使って、大きな、
農林省で考えておるところの
合同用水路の
計画なんかはしなくても済むんじゃないか。私はそういうことを
建設省のほうの側においても、どこまでは
治水上困る、これぐらいの程度だったらいいというものを判断をして、もっと科学的に、可動ぜきでも少しやって、そして
取り入れ口を少しはカバーしてやる。
影響がなければやるべきではないかと思うのですが、その点はどうですか、両方のお
考え方を聞かしていただきたい。