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玉置委員 ここで軍縮の問題について世界の各国のイニシアチブをとるべきじゃないか。なお国連強化のためにいままでと違った、もう少し具体的に国連安全保障体制の整備というようなものにも関心を払うべきじゃないかということを申し上げたいのですが、時間がないから割愛いたしまして、そういうような御注文だけをひとつ申し上げておきます。
そこで、先ほど
佐藤総理に、国防というものは、国の安全というものは、その
国民の自国を守るという国防意識の合意でなければいかぬ、そこに一番基本を置かなければいかぬということを
お尋ねしたわけでありますが、
佐藤さんがこのごろおっしゃいますのは、
参議院選挙に勝利を得た、私たちの主唱する日米安保体制に
国民の支援を得たということをしばしばお話になるのですが、そこで次のことをひとつ御披露申し上げたいのです。
四月五日号の週刊朝日の世論
調査の発表によりますと、日米安保条約の存続論は三四・八%、それに対して日米安保条約をなくするというのと、ある程度薄めるほうがいいのではないかというのが合計で五二・二%。それからもう一つ、四月二十二日の読売新聞ですが、この世論
調査では安保存続論が八%に対し、安保をなくする、薄めるというものが六九%あったのであります。七月一日の毎日新聞の世論
調査によると、現在の自衛隊と安保でいいというものが二一%、中立その他これ以外のものを合わせまして六八%。六月三十日の東京新聞の都民の世論
調査、安保堅持論が一六・六%、なくする、薄めるというものが五五・八%。もう一つついでに言うておきます。四月五日号の週刊朝日、
日本の安全を守るためにアメリカにたよるか、中立その他の方法によるか、という問いに対しまして、自民党支持者のうちで五一・二%が中立その他を支持しております。ついでに、社会党にしかられるかもしれませんが、逆に社会党の支持者のうちでも、さきの毎日新聞の
調査によりますと、七〇年の態度としまして、安保の長期固定化もしくは自動延長に賛成するものがかなり多数で、さらに四月二十二日の読売新聞の
調査では、安保が役立っているか、いないか、という問いに対して、社会党支持者の中で、役立っていないと答えたもの三一%に対し、役立っていると答えたものが実に四〇%あるわけです。
このたびの
参議院選挙の自民党の得票数は過半数を割っておることも事実であります。その上、いま
説明いたしましたとおり、自民党の支持者の中でも、半分以上の大多数の人々が、日米安保がこのままでよいとは言っていないのであります。この世論
調査の動向を見ますと、一九七〇年を前にして
国民の大多数の方々がお
考えになっておるのは、日米安保条約の即時破棄を要求しておるのでもなければ、それが自動延長であれ、固定化であれ、このままの姿でよいと言うておるものも非常に少ないのであります。一番多数の
国民諸君は、安保体制を消極的に支持しながら、その弊害を何とかして除去してほしいという態度でありまして、わが党が立党以来今日まで主張し続けてまいりました日米安保体制の段階的解消というのが、これは公明党の皆さんもこのごろ一緒におっしゃっておるわけでありますが、ここにこそ国防に関する
国民合意の道が私は開けるということを立証していると思います。必要なことは、日米安保体制の改定——改定というのはおかしいのですが、一応の期限到来を目前にいたしまして、いまごろになって
佐藤さんが、先ほど申しました国防意識の高揚というようなことをお叫びになるのは、ちょっとおそいんじゃないだろうか、
意味が違うんじゃないだろうか。そこで、国防に関する合意の必要をお説きになりますけれ
ども、一番大事なことは、
国民は案外、
国会で国防問題をとらまえて
論議をしていないうちに、いろんなところからとっくに日米安保体制の利点と欠点をはだで知っておるというその事実を、やはり私は、為政者である
総理はお知りにならなければいかぬのじゃないか、こう思うのです。
そこで、
佐藤さんからお答えをいただきたいのですが、一九七〇年の安保の改定に際しまして、あなたは
国民の世論の動向を尊重されますかどうか。存続なり廃棄なり、あるいは必要な改定を行なうのか。世論の動向を見てこうこうしようと思うということをよくおっしゃいますが、いまこそこれが一番大事なときじゃないか。よく、いま白紙だとおっしゃいます。白紙でいいと思うのです。しかしながら、じっとこの
国民の動向をながめておいでになるだろうと私は信じております。そういう満を持して放たずというのがいまの
佐藤さんのお姿じゃないか。もうぼつぼつ
国民に向かうところをお示しにならぬと、私の心配しておりますのは、あとで申しますが、イデオロギーによる反米闘争とこれらの善意の諸君の行動が一緒になるおそれが非常にあります。そのことが日米安保体制にほんとうの
意味の私はひびを入れるんじゃないか。そこまで行ってしまうと、日米安保体制は、
日本の国防や安全に何のためにもならず、みずからそれを解消してしまうところへ行きやすいということを非常に心配いたします。この
意味におきまして、私は、
総理に、安保の期限の一応の到来の時期を目前にして、
佐藤総理は、
国民のこのような動向というものをどういうようにお
考えになっているか、その所信をお伺いを申し上げたいし、あわせまして
所管大臣である三木さんから——まあこれはやめておきましょう。
その次に、先ほど増田
防衛庁長官がおいでになりませんでしたので、お伺いしておきますが、
国民の国防意識と離れて、あるいはこれを曲視しまして、
日本の安全を守る自衛隊の存在の意義があるかどうか、あるいは、自衛隊が
国民の意思を離れて、
国民の合意を離れて十分な国防活動ができるかどうか。途中おいでになりませんでしたので、お隣の三木さんから、ちょっといままで
質問しました要点だけをお示しいただきたいのですが…。
〔「一つずつやれ」と呼ぶ者あり〕