○猪俣
委員 私どもは、調書をとり、起訴するまでには相当の準備
期間があることはわかるわけであります。四月八日に、すでに福島が起訴、収容されておるわけだ。その前から相当の
捜査が行なわれたはずだ。それでなければ、また人権侵害になりますから、相当の
捜査が行なわれたと思う。そしてそれが相当マスコミに乗っておるのですよ。今度も
花蝶の問題が
新聞、
雑誌にみんな暴露されておるごとく、マスコミに相当
検察庁はいろいろのことを知らしておる。ですから、マスコミの一線記者の報告に基づいて、各紙に、政界に波及かということはもうすでに四十二年の初めから出てきていると思うのです。だから、ほんとうに犯罪の証拠ありとして固めて起訴するのは四月八日でありましたでしょうが、しかしそれ以前から政界に対する
関係は洗っておったと思うのです。それでなければ
新聞がそういう論調を書かぬと思うのですが、これはまあ、
刑事局長といえども
検察の第一線に立っておられない方ですから、私はあとで
検察官自身を証人として申請したいと思うので、それに譲りますけれども、
大臣及び
刑事局長の
答弁は、どうもわれわれの常識と違っておる。たとえつまらない
新聞でありましても、新日本
新聞なんというのは各党の代議士にみんな無料配付されておる。
福田さんのところへも行っておるはずです。これはすでに四十一年の末には、
佐藤政府に爆弾が足元に落ちたぞという
ようなことを書いてあるのです。それを四十三年の四月ごろ、
福田さんが全然無感覚でおったという
ようなことは私は想像できない。これは
福田さんに聞いてみないとわからぬから、
福田さんを証人として申請しますが、
検察当局は全く気がつかなかったというなら、これは私は怠慢じゃないかと思う。しかし水かけ論になりますから……。私としてははなはだ釈然といたさぬのであります。
次に、いろいろ聞きたいことがありましたが、同僚から相当の
質問がありましたので、私はかなり省略いたします。ただ、念を押しておきたいことは、
井本さんが、いま
大臣がおっしゃる
ように、これは私的の
会合であるということをおっしゃったけれども、
検察権のあり方、公平なるべき
検察官というものに対する国民の期待といいますか、そういうものが相当裏切られた
ような印象を与えたことはいなめない。あなた方はそんなことは感じておらなかった
ようですが、あなた方よりも国民が敏感なんだ。こういう天下を騒がしました
日通事件の最中に、一党の幹事長や
池田君という人とこういうところで
会食するという
ようなことは、多大の疑惑を与えることだと思う。だから
新聞紙なんは一斉に、李下の冠、瓜田のくつだと書いてある。これは、好意をもって言ってもそうですよ。好意をもっていたしましても、一国の
検事総長が大疑獄
事件の発展最中に一党の
責任者と
会食するという
ようなことは、瓜田のくつ、李下の冠、私はこれでも好意あって言ったことばだと思うのですが、少なくともそういう疑いは免れない。
ところが、これに対しまして
井本検事総長ははなはだこう然たる態度をとっておられる。私はこれも一つ問題だと思うのです。これは各
新聞にみな出ております。「「
花蝶」でやったのがいかん
ように書いてるんだが、「
花蝶」だって立派に税金払ってやってるんでね、しかも、
検事総長はそこへ行ってはいかんという法律でもあるんならともかく、
自分の金で、
自分の友達と遊びに行ったっていかんことないでしょ。私はあの前後、何回となく「
花蝶」へ行ってますよ。神様や聖人君子じゃないんだからね。
検事総長はそんなところへ行っちゃいかん、家でじっとしてろということですか。それに、
池田代議士が思うところあるんなら、向うが
招待するんでね」こういうことを
検事総長自身が言っている。
なおまた、
福田幹事長はこう言っているんだ。「払いは、オレが払うよといっておったんだが、何がなんでも(
井本氏が)払うよといって払っていった。オレは感心した。これほど気をつけて、堅いな、と。だから、
井本さんのそういうやり方は、むしろホメられていいので、非難されるべきじゃないんだ」こう言っている。
この
検事総長や
自民党の幹事長の
考えは、一体、国民常識と非常にかけ離れている。どうしてもこれは
福田幹事長と
井本さんに来てもらって、その心境を聞かなければならぬと思う。こういうことを言っておられる、これに対して
大臣はどう感じられますか。