○坂元
説明員 医薬品の問題につきまして実施状況を御
説明いたします。
医薬品の第一点は危害防止の点でございます。医薬品の危害防止は、御案内のように製造承認の
段階で厳重にチェックしていくということが一番大事な点であります。それから第二の点は、一たん許可されたものでも予期せざる副作用というようなものがその後発見されることもありますので、そういう許可された後の副作用のフォローアップ、この二点の問題になるわけであります。
そこで、前段の製造承認の
段階における厳重な審査ということにつきまして、従来から臨床データ等を的確にとるように指導しているわけでありますが、先般七月の下旬に、医薬品等のうち、特に配合剤といわれるものがございますが、この配合剤についての医薬品の毒性試験の実施
方法等について通達を出しまして、
関係業界に指導をしているわけでございます。医薬品の毒性試験というのは一番大事な実験でございます。急性毒性、慢性毒性等についての動物実験の数、それから観察期間等についてのやり方が従来ややあいまいになっていた点を統一的に
検討し直しまして、いま申しましたように先月の末、動物実験等の毒性試験に関する添付資料を今後は必ず製造承認の
段階においてつけさせるというようなことを指導いたしたわけでございます。
それから既承認の医薬品の副作用に対するフォローアップの問題でございますが、既承認の医薬品で予期せざる副作用等が出た場合の情報収集等のモニター制度というものを、
昭和四十一年度から全国の大学病院等に
お願いをしまして実施をしておるわけでありますが、何
ぶんにも対象の施設数がまだ非常に少のうございますので、この大学病院、国立病院のほかに、公的の医療機関全般にまでこの対象施設数を広げていきたいということで、現在
関係方面と話し合いをしている
段階でございます。
それから新しく開発された新医薬品について、今後二年間は副作用に関する情報の収集
報告をさしたい。これは当該開発メーカーに対して、新規の医薬品を許可した
あとも二年間だけは、少なくとも副作用に関する情報収集の
報告をしてもらいたいというような
措置を最近実施いたしました。
それからさらに、国内だけではなく、国際的にWHOその他欧米の諸国とも緊密な連絡をとりまして、海外の副作用情報収集というものをできるだけ迅速に行なうように連絡をし合って、最近の例からいいましても、たとえばクロマイについてアメリカ等の情報がわかりましたので、そういう情報に基づきまして的確な
措置をいたしたいということが
一つあるわけでございます。
このような情報収集に基づきまして、先般の当
委員会の
決議の中にございましたように、使用上の注意
事項を必ず書かせるようにいたしたいということと、それから場合によりましたら使用対象を制限したい。たとえば妊娠中の婦人の使用を制限するとかいうような
措置を迅速に講ずるような体制を現在つくりつつあるわけでございます。これが第一点でございます。
それから第二点は、試験検査等の施設の整備でございます。医薬品の毒性の研究というものが非常に重要なおりから、その施設というものが従来若干貧弱でございましたので、本年の七月一日から国立の衛生試験所の組織を再編成いたしまして、毒性センターといわれるものを衛生試験所の中に設置をいたしました。これは建物の建設等の
関係がございまして、今年度、四十三年度
予算と来年度の
予算でその整備をはかっていきたい、かように思う次第でございます。
次に、保管上の注意なり有効期限等の表示の問題でございます。保管上の注意の問題につきましては、保管
方法が適正でなければ経時変化というようなものを来たすおそれのあるような医薬品、たとえばいわゆる液剤等がこれに該当するかと思いますが、そのような医薬品については、容器なり添付文書等に保管上の注意
事項を必ず書かせていくようにしたいということで、現在その
方法を
検討をしている
段階でございます。
それから最後に有効期限の表示の問題であります。有効期限の表示をさせることにつきましては、経時変化をするような医薬品等について、特に先ほど申しました液剤等でございますが、そういう液剤等のものにつきましては、今後有効期限を表示さしていきたいという方向で現在
検討を進めておりますが、ただ経時変化を観察するための
裏づけの実験の
方法等が、まだ技術的に十分煮詰まっていない点がございますので、そういう
裏づけの実験の
方法、そういうものを現在技術的に
検討をいたしております。そういうものがある
程度目鼻がつきますならば、できるだけ早い
機会に、経時変化を起こすようなおそれのある医薬品について、有効期限の表示をさしていきたいということを
考えているわけでございます。
なお、この点に
関連をいたしまして、製造年月日の表示ということを前回の
国会で御
審議願ったわけでありますけれ
ども、製造年月日の表示ということよりもむしろ、われわれその後内部で
検討いたしました結果、有効期限というものを今後漸進的につけさしていこう、そっちのほうが
消費者保護のほうからいきましてもよりベターだ、こういうふうに
考え方を変えておりますので、この点も特に御
説明を申し上げておきたいと思います。
以上でございます。