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増田国務大臣 受田さんの御
質問はやはり
防衛庁長官としてお答えすべき部分が相当多いと思いますから私からお答え申し上げます。残余の点は
政府委員から補足的に御答弁申し上げます。
今度の
F4Eファントムが最適ということは航空幕僚長の二カ年間の勉強の結果の上申でもございますけれ
ども、その後に、ドイツやイスラエルと
日本は国情が違いますけれ
ども、しかしドイツにおきまして
F104ではうまくないということで八十八機以上をこれから買うわけでございます。そのうちもちろん国産でできる部面もありまして、一億ドルの部面は国産をいたしたいといっております。ところが、
日本ではかりに五億ドルといたしますと、四億ドルぐらいは国産でできる。
日本の
技術水準のほうがある
意味において高いということもいえるわけでございまして、これは喜ぶべき現象だと思っております。
それから
F104に本来備えてある核装置あるいは爆撃装置ははずす必要はないかのごときお説でございましたけれ
ども、私
どもは
防衛、自衛ということだけを考えておるのでございまして、核装置のようなものがあるならばたとえ能力がございましてもこれは除去することが当然である、こう考えております。その点は受田先生とちょっと説が違いますかもしれませんが……。
それから爆撃装置等も、腰だめの爆撃は地上支援あるいは海上支援等で行ないます。いまのF86Fも腰だめの爆撃をするわけでございまして、海上から
日本に侵攻せんとするものを爆撃するあるいは陸上ですでに上陸作戦等が行なわれた侵略者を排除するための爆撃はします。これはF86Fの程度の爆弾の装置はしますけれ
ども、爆弾の装着はするがいわゆる爆撃装置はしないということで、国民の皆さまもその点がよくおわかりにならぬかもしれませんけれ
ども、この際受田さんはよくおわかりなのですから明瞭にしておきまするが、やはり攻撃的性質を除去することが必要であると
国会に私が答弁したことに対して責任を持つ必要がある。これは論者によっては受田先生のようなお説もございます。部内にもありますけれ
ども、私は
国会に対して説明したことに対して責任を負うということと、また
日本の自衛力はその範囲でよろしいという私の確信もございます。その確信のもとに、攻撃的の性質があればそれを除去するということで、爆撃装置を施さないわけでございます。
それから先ほど
大出さんにもお答えいたしましたが、受田さんに特に御理解を願うために申し上げますが、メーカーをきめた線は客観的にきわめて妥当である。黒い霧も白い霧も何にもない。このことだけは国民の皆さまに
国会を通じて明言し得ることでございます。
そのメーカーにも調べさせましたところが、
アメリカにおける他の飛行機、これは具体的には申し上げかねますが、自分でつくるつもりはないのだ、
日本で設計をしろということでございますから、ちょうどTXやCXと同じになります。
日本でCX、TXは
開発しているわけでございますから、それと同じになって、いつのことやらわかりません。これは
向こうに当たってみてたいへんなまずい収穫でございましたということを、プライムメーカーに指定しましたものが責任を持って私のところに言うてきております。すなわち
日本でデザインをしてくれ、設計をしてくれというのですから、これはもう間尺に合いません。
昭和五十年でもできるかどうかわからないという、
日本のメーカーが
向こうで十日間ばかり当たった結果の、十月二十八日の私に対する復命でございます。
日本でつくってくれというものを
幾らあとを追っかけたってしようがないと思うのです。おれはやれないのだから
日本でつくってくれ、こういうことが事実でございまして、私自身がびっくりいたしまして、ある程度心証を固めたゆえんもそこにございます。
それからイスラエルと
日本とは必ずしも国情が同じではございませんけれ
ども、
ミラージュのことをあまり言うことは差し控えたいのでありますが、他の有力なる要撃能力を持った
戦闘機がほしいということで五十機以上を発注する、これは
アメリカの
援助もございますから安いわけでございますが、しかし当面の額は新聞に報ぜられたところは二億ドルで五十機でございます。すなわち十四億四千万円で、それにまた
援助が入っているわけでございます。でございますから相当高いものである。しかしながらそれでも、
ミラージュのことは具体的にはあまり言いたくございませんけれ
ども、それではちょっと不満足であるから
F4Eを自分
たちは購入するのである、しかしパーツ等は自分でつくるということをイスラエルの
技術専門家が私のところに来て話をしておりました。そういうようなことをかれこれ勘案いたしました。
それからなお提示されました、
ミラージュにいたしましても、
CL1010にいたしましても
——CL1010は
日本でつくってくれ、こう言うものですからとんでもない話でございますが、それにいたしましても提示された金額というものはいずれも十数億でございまして、結局たいして変わりがないのです。安いものならばうんと買えばいいじゃないかという受田先生の御説は一応ごもっともでございますが、安もの買いの銭失いということもございますから、やはり二億や三億は違ってもしっかりしたものをつくることが結局は予算上もためになるという話を
——機種のことは別でございますが、機数のことについては
国防会議があるわけでございますから、その際にも、それからまた
国防会議を離れてでも、財政当局によく話をいたしたい、こう考えております。
防衛局長が
費用対
効果ということを相当強調されましたから、密接不離の
関係があるというふうに受田先生とった点があるかもしれませんが、それは一応の
費用対
効果を検討したわけでございまして、やはり財政当局が
費用対
効果の
関係を主として検討する責任と権限を持っておるということは認めるものでございます。また
国防会議等においても、受田さんのおっしゃったとおりの検討をした結果機数がきまるべきものである。これはあくまで一応のことでございますから、どうぞ御
了承いただきたいと思います。