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華山委員 私はここで言いますけれ
ども、
一つの県庁に三千人か四千人か五千人の人がおる。それらの人にすべて出張命令を出すわけにもいかない。その中の二百人なり三百人はあるいは参加しないかもしらぬ。しかしそのことのために
ストライキはやめられない。あなたのようなやり方によって
ストライキが中止になるならば、これはまた
一つの方法かもしらぬけれ
ども、やめられないのです。そして残るのは何か。むだな出張をさせて県庁の経費を使うことと、組合と県庁との、あるいは市町村との間に悪感情を残すだけのものである。そういう愚かなやり方というものは、私はやめてしかるべきだと思う。警告を発するというようなことは、これはやめたほうがいい。それはいいでしょう。いいでしょうけれ
ども、そういう皮肉な方法は私はとるべきじゃない、こういうことを申し上げて、なお私今度のいろいろなことにつきまして実態を見てまいりまして、十一日は地方行政
委員会があるそうですからもう一度お尋ねしますので、きょうはこの程度にしておきます。
それからお聞きいたしますが、明日
ストライキが行なわれることについて、いろいろな理論はあります。非常に重要な理論でありますし、いままで
論議をされたところでありますけれ
ども、あの人たちがやむを得ず
ストライキをするということは、やはり
生活の
関係なんですね。
生活が苦しいからなんです。簡単に一例を申し上げますけれ
ども、中級の幹部、中級の官吏の人たちですね、この人たちは、むすこさんを二人くらい大学に
出している。しかも地方から
出している。今日大学の学生の数は、割合において昔の中学生と同じだという。大学を出さなければ、父と同じような人生を送れないかもしれない。二人のむすこを大学に入れて東京に
出しておるということは、これは容易なものじゃない。みな奥さん方は子供を預かって私設保育所をやったり、自分のうちに下宿人を置いたりして家事のやりくりをやっているような実態なんです。
生活に
関係があるのです。その
生活実感が明日のような
ストライキになると私は思うのでございますけれ
ども、それで今年
人事院は八%の
勧告をされた。しかし、これを八月で値切った。八月で値切ったために、実質的にはどれだけのことになるか。この点は四分の一減ったわけですから六%ともいえますけれ
ども、二面において交通費も五月から出すことにした。しかし、六月の昇給はない。こういうふうなことはいろいろ計算も困難でございますけれ
ども、たとえば
完全実施をした場合と八月から
実施する場合との見込みの所要経費、そういう経費から要素として計算いたしますと、ことしの昇給は六%にも一足りない五・八五%になる、こういう実態。しかし、その後八月以降、内閣で
閣議決定をされた以後の物価騰貴というものは、非常に顕著なものがある。九月の前月比、これは全国からは出ておりません、東京でございますけれ
ども、八月に比べて九月は三・九%の上昇。これは十五年ぶりの上昇だといわれている。しかも十月以降はもっともっと上昇するであろうと
政府みずからもことばの間にほのめかしている。このような実態が八月の
決定以後に起きている。私
考えますのに、いままであまり例のなかったことでございますけれ
ども、今年の物価の上昇率は、
政府は初め四・八%といった。しかも、その際には、米の値上がりは
考えないといっていた。それを加えないで四・八%といっていた。こんなものでおさまるものではない。東京だけでございますけれ
ども、すでに前年同月比七・四%の上昇率を示している。年平均を
考えますと、九月、十月でございますから、十月の実態を見たならば、十月がちょうど中央に
あたりますから、それが平均と
考えてもいいと思うのでありますが、七・四%以上こすだろうと思う。そうすれば、先ほどの五・八五%と七・四%、これを
考えますと、官公吏の実質賃金は低下する、こういうふうな実態が八月以降の物価上昇によっていよいよ明白になってきたわけです。こういう点につきまして、長官のおられないこと、はなはだ残念でございますけれ
ども、役人の
立場を守っていかれようとする人事局は、どうお
考えになりますか。八月以降に起きた物価上昇の状態、こういうものを勘案して、なお今後考慮すべき点があるんじゃないか、お答えを願いたいと思います。