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1968-11-12 第59回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十一月十二日(火曜日)     午前十時九分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 志賀健次郎君 理事 田澤 吉郎君    理事 坪川 信三君 理事 金丸 徳重君    理事 小沢 貞孝君       小渕 恵三君    金丸  信君       根本龍太郎君    水野  清君       大柴 滋夫君    中井徳次郎君       松前 重義君    森本  靖君       八百板 正君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  委員外出席者         郵政政務次官  高橋清一郎君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政省貯金局長 鶴岡  寛君         郵政省簡易保険         局次長     東城真佐男君         郵政省電波監理         局長      石川 忠夫君         郵政省電波監理         局放送部長   左藤  恵君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   黒川 広二君         日本電信電話公         社総務理事   井田 勝造君         日本電信電話公         社理事         (計画局長)  井上 俊雄君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  北原 安定君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  中山 公平君         日本電信電話公         社営業局長   武田 輝雄君         専  門  員 水田  誠君     ───────────── 九月十七日  委員佐藤孝行辞任につき、その補欠として篠  田弘作君が議長指名委員に選任された。 同日  委員篠田弘作辞任につき、その補欠として佐  藤孝行君が議長指名委員に選任された。 十月十八日  委員水野清辞任につき、その補欠として桜内  義雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員桜内義雄辞任につき、その補欠として水  野清君が議長指名委員に選任された。 十一月十一日  委員安宅常彦辞任につき、その補欠として河  上民雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員河上民雄辞任につき、その補欠として安  宅常彦君が議長指名委員に選任された。     ───────────── 八月十日  一、逓信行政に関する件  二、郵政事業に関する件  三、郵政監察に関する件  四、電気通信に関する件  五、電波監理及び放送に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件      ────◇─────
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  当委員会におきましては、今閉会中、逓信行政等実情調査のため、各地に委員派遣を行なったのでありますが、その報告書委員長の手元に提出されております。  これを参考のため会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書本号末尾に掲載〕      ────◇─────
  4. 古川丈吉

    古川委員長 逓信行政に関する件について調査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。小沢貞孝君。
  5. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 電電公社にお尋ねをいたしますが、総裁の談話等あって、電話料金値上げが具体的な日程に入っているようでありますが、片方、物価の問題等ともからめて、この問題は非常に国民の注視の的であるわけです。  そこで、新聞等では自民党の逓信部会了承を得た、あるいは郵政省了承を得たというような状況を聞いておるわけですが、その経過について、差しつかえない範囲で御説明をいただきたいと思うわけです。
  6. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  電電公社といたしましては、ことしの八月の時点におきまして、経営委員会を開いて昭和四十四年度概算要求郵政大臣に出すことをきめまして、八月末に昭和四十四年度損益勘定並びに建設勘定概算要求郵政大臣のところに提出いたしました。  ところで、公社といたしましては、前々から佐藤喜一郎氏を会長といたします電信電話調査会答申を受けております。また、政府経済審議会において決定されております経済社会発展計画、これが昨年の八月の時点でございますが、それを受けまして公社経営というものを考えた場合に、どうしてもこの際料金修正をする必要があるということで、経営委員会におきましても料金体系合理化と、それから一二・五%になります料金修正の案を含めまして郵政大臣のところに提出いたしました。  先ほどその他のところとどういう関係があるかというお話でありますが、事務的にはいろいろ関係方面と折衝いたしましたけれども、まだ最終的なところまではいっていないわけであります。その問題につきましては、郵政省との関係郵政省のほうからお答え願ったほうがいいのじゃないかと思います。事務的には、郵政省、大蔵省、経企庁、そういうところでございますから、最終的に電電公社料金修正政府としてどういうふうに扱うかということについてはまだ結論が出ていないというふうに感じております。
  7. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 郵政省はどうですか。
  8. 柏木輝彦

    柏木説明員 郵政省の扱いの状況につきまして、概略御説明申し上げます。  ただいま電信電話公社総裁からお話がありましたように、明年度予算概計といたしまして、八月の末日でございますが、郵政省に提出がございました。もちろん、この内容といたしましては、明年度中に予定されます電信電話料金合理化を含めましたそれぞれ具体的な修正要求項目に従います予算見積もり等を行ないましたものでございまして、この内容をいま郵政省としては検討を進めているわけでございます。ただ、この問題は明年度予算一般の基本的な編成方針なり、財政の見通しなり、あるいは公社経営推移等を考えまして、全体的にこの問題を検討しなければならぬと考えております。  もちろん、御指摘のように、物価問題としての中での関係もございますので、この問題につきましては、単に郵政省だけでございませんで、政府全体の問題として明年度予算編成という時期におきまして結論が出るように、目下種々の点から検討を進めている段階でございます。
  9. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 去年だかおととしは二二%の値上げという案が出されたように記憶しておりますが、今度は一二・五%だというふうに、大きく一、二年の間に変わったおもな理由はどういうところにあるんでしょうか。
  10. 米澤滋

    米澤説明員 電信電話調査会、いわゆる佐藤調査会と略称しておりますが、それから答申を受けましたのがちょうどいまから三年四カ月くらい前の昭和四十年の九月の時点であります。その当時の資料というものは、結局その一年前の決算状態を主体にしております。  ところで、その際、先ほど申し上げましたように、八月の経営委員会料金体系合理化並びに料金修正をきめる時点におきましては、その後三年たっておりまして、その三年間におきます決算状態等をまず見てみますと、これは国の経済成長状態、たとえば八%程度と予想されておりましたものが一二%近い実質成長を示したこと、それからまた、公社におきましても、いろいろ建設の新しくつく電話稼働月数を高めるとか、あるいは節約をするとかいうことによりまして、五カ年間に対します全体の収入見通しにつきまして約五%収入をよけい見積もることができるということを明らかにしましたので、二二%というものにつきまして、結局一七%でいいということになってまいりました。  その次に、これは昨年からことしにかけまして、国会設備料の一万円を三万円に改定するという法律案を通していただきましたおりにも、公社といたしまして、建設面におきましてもあるいは経費面においても、もっといろいろ節約を考えるべきであるという御意見もございました。われわれといたしましても、もちろんこの節約については十分考えなければならないのでありまして、その点をいろいろ検討いたしました。いわゆる最近の新技術といたしまして、たとえばパルス・モード・モジュレーションを使って短距離の伝送関係経費節減するということ、あるいはまたクロスバー等におきまして四〇〇型クロスバーというような新しいものを積極的に入れるということにおきまして、建設勘定において節約ができた。並びに損益のほうにおきましても、人員節減あるいはその他物件費節減等を可能とすることによりまして、結局一二・五%において仕事ができるということが明らかになってまいりました。実はその際に、二二%が一二・五%になったということで、佐藤調査会の旧メンバーを集めましてその間の経緯をいろいろ説明したのでありますが、その際にも、たとえば公社経営努力をするということは非常に望ましいことであるし、それからまた、収入につきましても当初より少しよくなって、その結果五%の節約ができ、結果として一七%になったということで、結局、かえって望ましいことであるというような意見を旧佐藤調査会メンバーにも話したわけであります。  そのようなわけで、いわゆる収入増加が見込まれたことと、それから経費節減建設費節減をやったという、この二つやれるという見通しをつけたというこの二つによりまして二二%を一二・五%に節減できるということであります。
  11. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 こまかいことは提案されてから審議するとして、アウトラインだけお聞きしたいのですが、今度の料金修正値上げの焦点というか、柱というか、特徴——たとえばその需要構造がだいぶ業務用から住宅用というか、個人用に変わっていくとか、地方都市のほうでだんだん需要が旺盛になっていくとか、いろいろ問題があるだろうと思うのです。だから、その特徴はどういうところにあるわけでしょうか。
  12. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  まず、現在の公社経営状態でございますが、先ほど申し上げました郵政大臣に提出いたしました概算要求で見ますと昭和四十四年度におきましては約三百億円以上の赤字になるというふうに考えております。そして、これが五カ年間を通じまして累積赤字を見ますと、約三千億円の赤字になってくる。  そこで、公社企業努力なり、あるいは合理化一体どの程度やったかということが問題になるわけでありますが、たとえば全国の直轄の公社の局が約二千カ所ございますが、それらにつきましては、現在建設中のものを一部除きまして全部自動にいたしました。それからまた、市外通話等におきましてもおもな都市をほとんど直接ダイヤルでつなげるというふうにいたしまして、いわゆる生産性向上というものにつきましてもこの数年間毎年一二から一三%向上させておるわけであります。いわゆる増加分に対して生産性が一二から一三%上がったということならばそう珍しくないのでありますけれども、公社の全体の職員に対しましてその負担加入数というものを出してみますと、毎年、その増加分ではなくて、基本になる全体を通じて一二から一三%上がっておるというふうにいたしまして生産性向上をはかってまいりました。そのほか、新技術採用等も入れまして、合理化、特にまた配置転換等につきましても、電信等を含めて約七万人の配置転換あるいは職種転換というものをやってまいったところであります。  そういうふうにいたしまして企業努力をしたのでありますけれども、先ほど言いましたような赤字が出てきた。並びに、現在の料金体系というものは大正時代料金体系を主として倍率を修正するということでやってまいりまして、現在の投資実態、たとえば、いま収入の半分が市外通話になっておりますけれども、一方、市内電話投資というものは市外の倍になっております。したがって、市内通話におきましてはすでに赤字である、こういう状態であります。しかも、現在の状態で申し上げますと、電話というものはいままで大体非常に収入の多い場所につけられてまいったのでありますが、最近の電話の布設の状態を見ますと、大都市等におきましてはほとんど大部分が住宅電話になってきている。それからまた、農村等においても、やはり電話が普及してまいりますと、現在大体月に平均五千円で成り立っておるのでありますが、住宅電話あるいは農村等におきましては二千円を割るような状態でありまして、これは資本費用だけでも月二千六百円かかる。いわゆる人件費とかあるいは保守運用等オペレーティングコストをゼロといたしましても、現在の収入から見まして資本費用すらまかなえない状態になりました。ところが、電話公社が独占してやらなければいけないので、いわゆるもうかるところだけに電話をつけるというわけにはいかないのでありまして、やはり国民の皆さんの要望される場所にはつけなければならない。したがって、そういう企業努力をいたしました上で、なお現在の状態を見ますと、この際、料金体系合理化を含めて料金修正をお願いして、いわゆる経済社会発展計画の中に述べられておりますような受益者負担の原則、それから料金体系合理化というものを実現したいというふうに考えておる次第であります。
  13. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 大まかなことがわかりました。  それで、私は昨年来電電公社決算等を見て、これは値上げを必要とするような要因があるだろうということを始終考えてまいりました。今度の料金体系も、受益者負担とか体系合理化ということは時代に沿うた方向ではなかろうかということで、私は、大体目ざす方向やその値上げそのものの率は別として、そういう方向に行かざるを得ないだろうと始終考えているわけです。  ただ問題は、企業努力というのですか、それをいま総裁はるる述べられているように感じましたが、私はその企業努力というのがはたして十分であるかどうかということに始終疑問を持っているわけです。これはまあ今後国会に提案されてからも論議をしたいところで、今後何%の値上げとして提案されるかは別なんですが、いま一人当たりの電話が毎年一二ないし一三%ふえていく、そういうことをもって生産性向上努力したんだ、こういうふうに言われますが、私は電電公社経営を見て、一般民間国際競争の激しい中でやっているような企業努力と比べてたいへんまだお殿さま経営のようにしか見えないわけです。これはほかの専売やあるいは国鉄と比べればやはりはるかに経営近代化等努力されているように感じますが、しかし、日本経済成長をこれだけに持ってきた、それは民間企業がすばらしい努力をやった、そういうことでまた料金値上げも少なくて済むのだ、こういうような因果関係があると思いますが、その民間でやっているような努力と比べてみるとまだたいへんお殿さま経営ではないか、こういうように私は感ずるわけです。  そこで、きょうはそれを論議するのが本筋じゃありませんが、まだ時間の余裕がありましたら、私はここで三、四点申し上げますが、そういう点について、質問かたがたわれわれの意見をひとつ聞いていただきたい、こう思うわけです。  私は予算審議のときにも申し上げましたが、一つは、人員を安易にふやしていないか、こういうことです。私は何回もここで言っているけれども、一般民間は、売り上げ高は二倍、三倍にしました、人は減らしました。——どうしてそうなるかというと、資本費がはるかにかかっているわけです。労働装備率といいますか、資本をたくさんかけてあるから労働関係人件費等は少なくて済む、簡単にいえばそうだと思います。電電公社経営内容資本費用コストの四割五分から五割近くを占めている傾向ですから、これは時代傾向だと思います。それがまた値上げをせざるを得ないような要因だと思いますが、それに対応して人を減らしていかなければいけない、私は概括的に考えてどうしてもそういうように考えるわけです。ところがどうもその実態とは違うように私は考えるわけです。  これはひとつあとで資料を出していただきたいと思いますが、いま一二・五%で新しく五カ年計画を四十七年度までやる、こういう予定の中で一体従業員職員はどういうようにふえていくだろうか、こういう見通し予定、これをひとつ資料として出していただきたいと思います。それが一つです。  そこで私、ちょっときのうお聞きしましたが、たとえば来年度予算要求の中の人件費をちょっと拝見をしますと、私の言っていることとはまるで逆のような方向が出ているんじゃないか、こういうように考えるわけです。去年の予算審議のときに、四十三年度予算は対前年比、四十二年度と比べまして人件費が、これは二五、六%に相当すると思いましたが、四十二年度が千八百三十二億円、四十三年度予算は二千八十六億円、こういうようになっていると思います。だから人件費増は二百五十四億円だったと思います。二百五十四億円が本年度の対前年費の人件費の増であったと思います。その説明を内訳で見てみますと、二百五十四億円のうちにはベースアップもあります、何もあります、こういうようになっておりましたが、その中で人員増による増は、増加人員で大体八千何百人から一万人近くあったと思いますが、人員増による増加を四十九億円、こういうように説明に出されておりました。ところが、最近政府に出された予算書を見ると、四十四年度人件費は二千四百五十二億円で、四十三年度の二千八十六億円と比較すると三百六十六億円の増と、こうなっております。その中にはやはりべースアップやその他が含まれておりますが、人員増による増加というものが九十六億円、約百億円になっているわけです。四十二年対四十三年においては人員増による増加が五十億円でありました。四十四年対四十三年で比べると、それが倍増して百億円になっているわけです。私は、これで企業努力をほんとうにしているだろうか、いつも疑問に思うのはこういう点であるわけです。百億円、去年の倍——人員増加による増加ですよ。人員増による増加が倍になる。伸び率が倍になったということです。去年一万人のものは、もし給与ベースが同じなら二万人ふやす、こういうことになっている。若干給与ベースが違うから人件費ではそういっていないと思いますが、去年一万人で五十億円だったのが来年は百億円ですから、二万人ふやす。予算面からいえば、人員的には増加する人間が倍増されていると思うわけです。一体こういうことがいまの社会通念やこの労働力不足経済時代——労働力節約することが日本経済成長させる国家的なこれはポリシーだと思うのです。そして、最も技術革新の激しい、しかも資本費をたくさんかけている電電公社の中でこういうことが一体いいだろうか、こういうように考えるわけですが、来年の人員増一体どのくらいか、いまの私の質問は合っておるかどうか。どうでしょうか。
  14. 中山公平

    中山説明員 お答えいたします。  最初に、四十四年度概計におきます予算要求でございますけれども、損益勘定におきましては一万一千三百四十二名の要求を出しております。四十三年度予算におきましては、御指摘のように八千五百二十二名の増員でございました。四十四年度といたしましては、いま申し上げましたような数字要求をいたしております。  なお、人員増に伴う費用につきまして数字の御説明がございましたが、私、いまちょっと計数的に当たっておりますので、若干御猶予をいただきまして、後刻御説明を申し上げたいと思います。
  15. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 四十四年度が四十三年度より人員増加するのは一万一千三百四十二人ですね。——わかりました。  この是非については、内容等を見なければいけないが、われわれが経理全体を見るときに、こういうように人をふやしていかなければ一体経営はできぬのかどうか、こういうことに非常に疑問を持ちますので、これはひとつ具体的に国会へ提案になったときに徹底的に論議をしたいと思いますし、まだ時間的に余裕があれば、特に郵政省とはその中身について審議をする必要があると思う。私は、こういうことは許されないのじゃないか、こういうように考えます。  それをさらに第二点として申し上げるならば、どうしてこういうことが行なわれているかということについてです。今日においても、電電公社においては、その電話機の補修の工作所を持っている。あるいは、お聞きすると自動車修理工場すら持っている。こういうことは、私は去年の予算のときから申し上げました。一体、こんな企業日本じゅうにいまありますか。私は一般民間企業の中につとめておったことがありますが、戦時中においては、機械部品がこわれたからといって、それを外に注文してもそれは修理ができません。したがって、自分工場機械工作所を持って鋳物をやったり旋盤をかけたりして、しかたなしに自分のところで部品をつくったり、直したりした。これは、戦争中で、外に幾ら頼んでもできない、自分工場自分で守っていかなければいけないという時代にはそういうことでありましたが、いまはそういうものは民間企業の中にはおそらくゼロだと思います。電電公社にだけ残っている遺物じゃないか、こういうように考えるわけです。  一体工作所とか自動車修理、そういう関係に携わる者はどのくらいですか。それが一つと、もう一つは、こういうものの廃止について具体的な研究や取り組みや、現在の過程、こういうものについてお尋ねしたいと思います。
  16. 黒川広二

    黒川説明員 お答えいたします。  工作所につきましては、ただいまお話がありましたように、戦時資材等が不足いたしまして、修繕等に困りましてつくりました経緯、及び各電話局等機械を調整するよりも集合したほうがいいという経緯等もございまして、戦争中から戦後にかけてつくったものでございますが、御承知のように、戦後も機材が不足いたしまして、その取りかえ、修理等を実施しておったわけでございます。自動車も当時はそういう状態でございました。しかし、いまお話しのございますように、民間工場等も整備されてまいりましたし、人員等は当時の人員からは一つもふやさず、電信電話設備がこれだけふえてまいりますと、必要な修繕量というものはふえてまいりますけれども、民間修理能力というものを極力利用いたしまして、それに必要な、どこを修理するか、あるいは修理したものがどれだけできておるかどうか検査するということ、及び公社の必要な最小限度技術維持向上というもの等のために主として工作をいたしております。また、公社が使っておりますところの設備は、自動車等を除きまして、電話機であるとか交換機であるとか、あるいは測定機であるとか搬送無線設備等は特殊のものでございまして、一般にどこでも修理できるというものではございませんので、われわれの技術維持向上するということ、及びそれをつくりましたメーカー等に頼んで修理をいたしております。  人員は、ただいま約二千人がこれに従事いたしております。
  17. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そんな説明、全然私納得しないのです。私はもっと、電電公社の本社の機構の中にある保全局すら独立の会社にやらすべきだというように積極的に考えるわけです。ましてや、電話機修理なんて全然問題にならぬ。  民間の例を申し上げますが、たとえば東洋高圧という世界に冠たるような化学会社があります。その中にいる従業員というものは、東洋高圧従業員以外に東洋エンジニアリングの従業員がいて、その基幹になる人しか自分のところの従業員はいないのです。ですから、運転をしている機械の保守をする人は別な会社の人がやっているわけです。だから私は、電報電話局の中の運転に携わるほんとうの基幹的な人だけは電電公社従業員でいいが、その保守自身すら、私は別会社の人に保守させてしかるべきだ、したがって、保全局以下、その系統というものは電電エンジニアリングでもいいと思いますが、そういうものでやるのが一番合理的だ、こういうようにすら考えるわけです。これは来年、再来年あたりまた積極的に提言したいと思います。そういうことはすぐできませんが、民間はそういうようにやっているのです。ましてや、こんな電話機修理、いまいろいろ言っていたけれども、これは全然理屈にはならぬと思います。そういうところはすみやかに廃止して、二千名なり三千名の者をやはり大きく配置転換をする、そうして人員増を防ぐ、これはもういまの経営としてあたりまえだ。イロハのイの字だと思う。こんなことさえできなければ——私は、値上げについては積極的に同情をしているわけです。無理ないと思うのです。それならば、それだけの努力をしたかどうかという成果さえあれば私は賛成しますよ、この値上げは。そんなことすらやっていなければ、われわれは反対せざるを得ないと、こういうことになる。こんなことはまだ来年三月だか四月までに十分できることですから、そうして、いま配置転換などということは朝めし前ですから、そういうことにちゅうちょしてはならないと思います。私はこういうものは提言だけをしておきます。いま言ったことは全然答弁になつちゃいないのじゃないか、こういうように思います。  もう一つ、第三としては、この前も申し上げましたけれども、逓信病院等の職員というものは電電公社職員ではないか、こう思いますが、こういうものも、民間においては、民間の保険組合なら保険組合の従業員になっていると思います。中核になるような事務局長とかそういう人は電電からの出向した人、こういうことになる。民間であるならば、出向した人がその病院なら病院の事務局長みたいな人で、あとの大部分はその保険組合の従業員、こういうことになっているのじゃないか、こういうように考えます。したがって、逓信病院における人も、やはりそこはそこでやるのだ、やはりこういうけじめをきちっとつけて基本的に分離する、これは経営の立場としてそういうようにやっていくのが正しい方向ではないか、こういうように考える点が第三点です。これはきょうは特別御答弁は要りませんが、研究課題として取り組まなければならない問題だ、こういうように考えます。  それから第四点としては、私はもう何回も申し上げましたのでここでくどくど申し上げませんが、やはり今度の値上げの趣旨というものは、応益者、受益者が負担をする、こういう方向が私は正しいと思います。そういうことによって需要の抑制もできると思いますし、そういうことによって、料金コストが高くかかるところから高い料金——全くそれにふさわしくないわけですから、社会政策的な意味が十分加味されていると思いますが、一歩でもそこへ近づけていこう、こういう体系は私は正しいと思います。  そこで、私はここでも四、五回申し上げましたが、例の農村集団自動電話、これをこの計画の中で百三十万個も建設しよう、来年三十万個もやろう。そういうものは建設費は高くて料金は少ないから、住宅あるいはこういうものが赤字の大きな要因になっている。これはもうだれが考えてもそういうことです。そういう赤字要因を承知しながら、どうしてこれを積極的に進めなければならないか。この点が私は理解ができないわけです。それについて、たとえば一個の農集について幾らの設備——大体、一般加入電話は三十六万円くらいだ、こういうのですが、これは大体三十万円くらいかかっているのじゃないかと思います。それで、いま総裁が言われたように、一個の電話について、資本費用だけで月に一台二千六百円かかる、こういうことですから、ペイするためには四千円も五千円も取らなければペイしないと思う。そのときに農集は一体幾らの平均料金——いままでの実績でいいが、試験期間中で幾らの料金を取っているか。大体のところ、目見当ところでけっこうです。
  18. 武田輝雄

    ○武田説明員 農集についての収入でございますが、私いま手元に資料を持っておりませんので正確にお答えできませんが、基本料としては、月平均いたしまして大体五、六百円のものが入っておるのでございます。それからあとは市外通話料でございますが、これは加入者によって違いますが、全体を含めまして、平均して千円をちょっとこしておる程度だと思います。  それで、収支率でございますが、いま御指摘のように、確かに農集の収支率は必ずしもよくございません。大体二一〇%くらいの収支率でございます。しかしながら、同地域におきます単独電話あるいは二共同電話の収支率と比較いたしますと、合理的な設計をいたしております関係上、これでも非常によくなっております。そういうところにおきます一般の単独電話の収支率は四〇〇ないし六〇〇%であります。あるいは二共同電話でもそういう収支率になっておりますので、農集の収支率は同じ地方におきます一般電話の収支率よりも非常によくなっております。料金につきましては、一般電話との均衡を考慮してきめております。そういうわけでございますが、できるだけ設計の合理化あるいは集団的利用に対応するようなことで農集の持ち出しを少なくして需要に応じていこうということで、努力いたしておるわけであります。
  19. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 これも深くは論争しようとはしませんが、今度の料金値上げする大きな柱としては、やはり応益者がそれ相当の負担をするということだったと思います。だから、この間の設備料のときにも申し上げたが、一般電話は三万円の設備料を取ったときに、この赤字になるもあだけはやはり一万円据え置き、こういうことで年間三十万やろうとすると六十億円くらいの収入減じゃないか、こう思います。いま聞いてみれば、料金は千円くらい、資本費用だけで二千六百円もかかっておる、そういうことをやっておる。こういう赤字要因については、もっと入れるについて消極的であっていい、こういうように抽象的に考えるわけです。これも一つの提言ですが、しておきます。  それから第五番目になりますが、いつかも私申し上げましたが、さっそくというわけにはいかぬと旧心いますが、これだけの値上げをするからには、やはり機構の問題についても再検討する必要がありはしないか。いつも私は思うのですが、これだけの通信革命ができて、これだけ時代が変わった中で、どうして通信局と通信部という重複した二重の組織がなければならぬか。私は、機能的に明確に分かれておるからという説明があればそれで納得せざるを得ないのですが、必ずしもそうではないと思うわけです。局と部でもって重複した機能をやっているんだ。これについて検討を加えようとする意思があったかどうか、現在あるかどうか、この問題です。
  20. 井田勝造

    ○井田説明員 通信部の問題でございますが、御存じのとおり、現在公社の事業所は約千五百という屯営局が全国津々浦々に散在しておるわけでございますが、そのほかに郵政のほうに委託をしてお順いしておる委託局、これが四十二年度末で約四千六百局ございます。郵政のほうにお願いしておる四千六百局につきましては、これは全部郵政さんにお願いしつばなしでいいというわけではございませんので、保全関係は全面的に公社がやります。また営業関係、それから御存じのように、市外通話も近所の公社局に集中して扱っておるというところが非常にふえてまいりました。  したがいまして、これは通信部単位でやりますと、平均的にどういうことになるかと申しますと、通信部の数は一般の通信部が約五十、それから大都市にあります地区管理部、都市管理部が二十でございまして、合わせまして七十、これでいまの事業を分担してやっておるわけでございます。
  21. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私の聞くことは、機構を検討していくことを考えておるかどうか、その要点だけでいい。重複していると私は考えるが、重複していないならいないでいい。それをやはり少し検討しなければならぬ、私はそう確信するわけだが、それをやっておるかどうか、こういうことです。
  22. 井田勝造

    ○井田説明員 結論を端的に申し上げますと、現在のところ、重複はしていないと考えております。  先ほどの説明の継続を申し上げることになりますが、一通信部の陣容と申しますと、二十近くの直営局、職員の数は三千、それに数十の委託郵便局というものを扱っておるわけでありまして、しかも、それぞれ加入者はどんどんふえていきますし、これからは委託局の自動改式を平均的に数局毎年続けていく、こういうことのセンターになるのが通信部でございまして、現在非常に忙しく立ち働いて有効な活動をやっておる、こういうふうに考えております。
  23. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 機能的に重複していないということは、パラレルであるということですよ。通信局と通信部がパラレルなものであるかどうかということですよ。私は局があって部があって、というシリーズだと考えるから、私は中をよく見ないけれども、重複しておると思うわけです。人事問題電話の割り当て一つ、申請一つについても私はシリーズだと思う。シリーズにしなければならない積極的な理由が時代の変遷とともになくなったんだ。パラレルにするなら私は意味があると思うのです。だから、この問題はまだ私の質問の要点を得ていない。おそらくまだ研究もしていないようです。この問題に取り組まなければ、企業努力をしました、合理化について積極的に取り組みましたということは、社会に対しては言えないのじゃないか、私はこういうように考えます。これも一つの提言だけにとどめておきます。  最後にもう一つ、この値上げの問題について私は非常に重要な問題を感ずるわけです。  電電公社におっとめの、要するに労働組合全電通というところでは、この四、五日前の朝日新聞を見ると値上げに反対だというわけです。私は抽象的に申し上げます。自分従業員に説得できないようなものをどうして一億の国民に説得することができるか。私はこれは非常に重要な問題だと思います。いままで対労働組合というと、まるで異質なものだ、こういう感覚しか持っておらなかったのではないかと思います。いまこの物価値上がりが国民の非常に重要な問題のときに、末端の一課長、末端の非組合員である一係長、こういう人にまで電電公社経営内容経理内容というものがよくわかっておって、毎日毎日国民に対する奉仕のために企業努力をやっておったとするならば——ここが大事なんだ。やっておったとするならば、そのことはその部下に必ず影響をしていくのだ。私はこれは民間労働組合、労使関係を見ても、信念を持っております。民間においては、賃上げはこれしかできませんというときに、末端の非組合員である課長、係長、工場長、そういう人は夜勤だったら夜勤をしているところまで出ていって、わが社の経理状況はこういうことだ、いまこういう状況だということが末端の人までみんなわかるようになっている。償却率がどうだということは、末端のスコップを持つ小学校しか出ていない労働者すら、何だ定額償却でなくて定率償却でそうろうの、同じような企業との差はどうだのと言っている。ということは、末端における経営に携わる人、これはいわば電報電話局の一線の課長とか、非組合員である係長とか、そういうものに当たる人まで経営実態が明らかになっているということだ、こう思います。ところが、おたくの二十何万かの従業員は、経営者の考えることとはまるで逆に、これに反対だということを言っているわけです。このことの意味は非常に重要だと私は思うのです。皆さん方の末端の課長とか、そういう人まで電電の企業実態がわかっていない、そういうことと同時に、毎日毎日値上げをしないで済むような企業努力というものが経営の中に入っていない、こういうように私は考えるわけです。これは組合は異質のものだから、向こうの言っているものは違うのだ、こういうような理解ではないか。末端の課長はそういう気持ちで日ごろ組合員に接触しているならば、組合員の中にそういう影響というものが推し及ぼされて、組合の結論は別の結論が出るのであります。したがって、この電電公社値上げは、ここにお集まりのような経営幹部だけがそっと自民党に話したり——そっとだか堂々だか知らないが、自星党に話したり政府に話したりして、何とかかんとかその場をごまかして値上げに持っていきさえすれば、それが最高の使命だ、こういうような経営の感覚ではないかということを、おたくの従業員の反対するところを見て私痛感をするわけです。  私は、一つ労働観を持っておって、労使のあり方というものは鏡だと思います。経営者の姿勢というものは、日本じゅうの大部分の組合は企業内組合、したがって御用組合ですから、必ず労働者に反映する、また、労働組合のあり方は経営に反映するということで、労使は鏡だというように考えます。ほんとうに総裁以下、物価の値上がりの最中に電話料金を上げようとするならば、上げなければならない宿命、必然性というものが従業員あるいは職制の末端にある課長、係長にまでぴしっと通じていなければならないが、それが通じていないように思うわけです。通じていないということは、私がいま三つも四つもあげたような企業努力、これが末端から経営まですべての意思として出ていないのだ、こういうように私には理解できるわけです。これは労使関係だから、労働組合担当の理事さんかだれかおりましたら、私の言っていることは間違いないと思うが、御答弁いただきたいと思います。
  24. 井田勝造

    ○井田説明員 まことに痛いところでございますが、私どもも先生のおっしゃいますように、今回私どもの考えております料金体系労働組合が全面的に支持するというところまで持っていくように、いろいろ説明もし、質問にも答えて現在まできたわけでございますが、組合の立場といたしましては、全般的な物価値上げの反対の一環として取り上げざるを得ない、こういうことで現在に立ち至っておる次第でございます。
  25. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そういうことは答弁にならないんだ。私は、産業民主主義というものは、そこの企業に従事する者の意思をわずかずつでもいいから企業にできるだけ反映しようということだと思うのです。民間においてはそういうことはあたりまえになっています。だから、景気、不景気の波をいろいろ越えて苦労してきた民間労働組合においては、労働組合のほうが、社長、こんなに人をふやしてもいいのか、また二、三年して不景気になったときにロートルを首切るということになりはしないか、だから人をふやすことには反対だからやめてくれと提言をして、会社のほうは、労務の構成がそうなってくると、ちょうちん型か何かになるから底辺を入れなければいけないというようなことで、けんけんがくがくの労使の論議になるわけです。  私は、そういうように従業員経営に参画する、あるいは経営実態というものを従業員によく知らせる、こういうことを通じて産業民主主義というものは成り立っていくと思う。いまの答弁は全然はずれているのじゃないかと思います。民間はそういうようにさえなっているときに、電電企業実態がこのくらいピンチだと総裁が口角あわを飛ばして演説をしたいというときに、そこにいる八割、九割の従業員が、そんなばかなことはない、そんなことはうそだ、これで総裁、世の中に対して料金値上げしてくれと言えるかどうか、こういうことです。
  26. 米澤滋

    米澤説明員 ただいま御指摘の点は、確かに問題点であると思います。  最初の御質問の末端の管理者がどう考えているかという点でありますが、その点につきましては、末端の管理者は公社経営問題について非常に心配いたしておるわけでありまして、私も最近、国会のあるときは別といたしまして、ないときには極力現場を回りまして、現場の機関長と会っているわけでございます。そういう場合に公社経営問題が非常に心配だということを言うわけであります。私はそういうときに、この料金修正の問題はいろいろ関係する方面が多々である、たとえば公共料金という立場においては、電電の料金以外にもっと物価に影響の大きい、たとえば米価であるとかあるいは国鉄運賃とか、いろいろあるわけでありまして、そういう問題との関連において問題は処理されるであろう、したがって、現場にいる人々は、国民にサービスを提供する、いわゆるサービス精神を浸透して、現場において国民にサービスを改善、維持することが一番大事だ、もう一つは、膨大な建設工事をやるので、これを最も経済的にやって完全な設備をつくれ、いわゆるサービス精神の高揚浸透と完全な設備をつくれということを強く要請しているのでありまして、末端の管理者は確かにそういう公社実態についていろいろ心配しているのであります。特に電報のような職場におきましては、累積赤字がすでに五百億円近くになっておるわけでありますが、しかし、仕事は非常に一生懸命やっておるということで、私は管理者の問題についてはいま御指摘の点は全然ないと考えます。  ところで、全電通の労働組合は今後どういうふうな立場をとるか、私どもも慎重に考え、様子を見ておるわけであります。また、先ほど総務理事も言いましたように、組合の幹部にはしばしば内容説明し、理解を深めさせておりますが、現在のところ組合がどういう態度をとるのか、国鉄なりあるいは郵政の値上げの場合にも、やはり組合がある程度の反対ということを表明した例はあるわけでございます。しかし、私たちはいまこの問題については慎重に様子を見ておる、こういう状態でございます。
  27. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 そういう論議をすることをきょうの目的としておりませんが、とにかく労使関係においては、もっと末端管理者までが企業実態というものをわかっているならば、そういうことがそこの従業員に浸透する一わかっていないから浸透していないのだ、こういうように簡単に理解をするわけです。だから、産業民主主義というものは労働組合が積極的に経営に参加する、経営に発言をしていこうということだと思うが、それ以前の末端の管理者という経営側の人は参加していないのだ、こういうように私はこれを見て理解せざるを得ないわけなんです。  その問題はまた機会をあらためて御質問したいと思いますが、組合問題が出たついでに若干私質問をしておきたいと思います。これは、こんなに大きく新聞記事が出ておるわけであります。これはいまの企業合理化とか値上げとは関係ありません。労使問題についてです。最初だけ読んでみますと、「電話の自動化による交換手の配置転換郵政省から電電公社へ移った職員が、全郵政労組(同盟)から全電通労組(総評)へ加盟変更をするさい、全電通の兵庫県三支部で”自己批判書”とスト資金名目の入会金一万円を取っていることがわかった。ところが同じ総評の全逓労組合員だった者からは取っておらず「組合の団結と強化のためで強制はしていない」といっているが「労働者団結の権利と自由を保障している憲法に違反する」ときめつける労働法学者もある。」云云、こういうことがある。これは簡単にいえば郵政省から電電公社に移る人間に、労働組合員に、おれのところはスト資金や何かいままでためておったし、使っておったから、おまえ入会金を一万円よこせ、しかし、総評のほうから来た者からは取らない。簡単にいえば、そういうことが電電公社の末端の組合のところでは行なわれている、こういうことです。  私は、組合問題ですから、経営側にいろいろ言う必要はないし、また、このこと自体からはお尋ねをしたいという点はないのですが、こういう事実を見て私が感ずることは、組合員でなくて、おたくの従業員に対する教育というものが一体行なわれているだろうかどうか、こういうことを疑うわけです。いまの値上げ問題についてだってそうです。電電公社はこれだけかけたぞということが末端の課長まで浸透していないのだ。いないから、組合はまるで上役の課長や係長の様子を見ていると、どうもそうでないらしい。そういうことから反対に回る。それと同じことで、一体従業員教育というものがきちっとおたくの上から下まで脈絡一貫行なわれているかどうか、こういうことについて疑問を持つわけです。そういうことから私はこの問題を提起をしたいと思うわけです。  これを具体的に聞くならば、たとえば電電公社に新しく入る人は公共企業体等労働関係法第四条なら第四条——第四条ばかりでなくてもいいのですが、こういうようなものについて、一体教育というものをやっているかどうか、あるいは郵政省から電電公社に移ってくる新しい加入者、新しい転勤者、そういう者に従業員教育というものを一体やっているかどうか。新しく入ってくる者、そういう者ばかりでなくて、常日ごろその従業員教育というものを経営者としてやっているかどうか、こういう三つの点についてお尋ねをしたいわけです。
  28. 井田勝造

    ○井田説明員 ただいまの御指摘の点は、もう御存じかと思いますが、一応経緯を申し上げますと、この支部におきましては、これを自分のところばかりではなしに、ほかの支部にも呼びかけまして、広くこういうことをやろうということを考えておったようでございますが、ほかの支部は全部そういうことを拒否いたしまして、この支部だけが現在までいま御指摘のようなことをやっておるということでございまして、まことに好ましくないことだと考えますので、善処方を要望しておるわけでございます。  それから、従業員の訓練をしっかりやっているかという点でございますが、これはもちろん入社の際あるいは再訓練の際、その他いろいろ訓練の場を設けまして、他の企業には劣らないようにやっているつもりでございますが、何ぶんにもまだ努力が十分実り喜んで、このよう事態を起こしたことは遺憾と存じておる次第でございます。
  29. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は具体的に、新しく入ってくる者に教育しているか、転入者に教育しているか、あるいは日ごろ従業員教育をやっているか、この三点をお尋ねしたわけです。  これは非常に左翼的なことを言うけれども、閉ざされた社会、封鎖社会の中にいると思うのです。特に若い女の子や何かが入ってくるわけです。そうしてこういう誓約書、これはひどいですよ。「私は今回全国電気通信労働組合に加盟するにあたり、過去同盟会議に所属する全郵政労働組合に加盟し、結果的に労働者の連帯を破壊することに寄与していたことを厳しく自己批判し、今後は全電通労働組合の綱領、規約を守り、組織決定を進んで実践することを誓います。」こういうものをやって、そして女の子たちは一つの組合しかだめだぞという中で、封鎖された中にみんな入れられているわけです。そうすると、この人は人権をまるで侵害されたみたいなものだと思う。だから、もっと解放思想、労働組合を結成し、または結成せず、または加入し、加入せず、そういう個人個人の自覚というものを高める、これが企業を近代化するゆえんだと思います。封鎖された社会の中においては、私は企業の近代化はできぬと思う。それはやはり経営側の教育だと思う。もっと解放思想を与える、そういう教育をやっていないがために、これは結果的にいえば、電電公社郵政省から来た者は一万円ずつ取るぞ、こういうようにさえ見えるわけです。だから、教育というものをちゃんとやっているかどうか、こういうことを言っているのです。
  30. 井田勝造

    ○井田説明員 全国的に見まして、ごく一部のところで非常に遺憾な事態が発生しておるわけでございますが、先生のおっしゃったような教育は入社時に十分やっているつもりでございまして、もうほんとど全職員に十分徹底しておるというふうに考えておりますし、今度も一そうその努力を継続いたします。
  31. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 やっていないからこういう結果になるということを私は言っているのです。たとえば料金値上げの問題についてもしかり、この問題についても、やはり経営者は自分のところの従業員というものを教育する義務があるのです。こういうことをやっていないから——何も不当労働行為にわたるようなことをしろとは言っていない。封鎖された社会にいる者を、結成しようが、結成しまいが、加入しょうが、加入しまいが、そういう個人個人というものをやはり築き上げていかなければ、近代企業を構成する近代的な労働者にならぬということを私は言っている。近代的な企業をつくるには、やはり近代的な労働者教育、職業訓練から始まり、そういうことをやらなければいかぬ、そういうことだけをつけ加えてこの問題を終わりたいと思います。  電電公社については、私、企業努力について四つ、五つ提言をいたしましたが、それは個々にわたってはまだ舌足らずで、質問も十分ではなかったと思いますが、私が考えているようなこういうことに対して、やはり企業努力というものをしていなければ、国民大衆に対して、さあ値上げさせてください、こういうようには言えないのではないか、こういうことだけを最後に申し上げて、電電公社に対する私の質問を終わります。
  32. 古川丈吉

    古川委員長 中野明君。
  33. 中野明

    ○中野(明)委員 公社が出ておられますので、大臣が来るまで私のほうから質問いたします。  いま小沢さんから基本的な問題についてるるお話がありました。この二十何%かの値上げを一応今回の発表では一二・五%、このようになっておりますが、その間の事情をもう一度総裁のほうからお願いしたいと思います。
  34. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  電信電話調査会、これは佐藤喜一郎氏が会長でありましたが、その電信電話調査会から答申がありましたのが昭和四十年の九月でございます。したがって、そのときの答申の基本となった数字は、その前年の三十九年度あるいは三十八年度決算なりでそういう時点における見通しが立てられたわけでございます。現在の状態から見ますと、約三年以上前の数字になります。  ところで、いま申し上げましたような、公社経営基盤を充実すると同時に、電信電話料金体系合理化するということを必要と認めまして、ことしの八月の時点におきまして経営委員会を開いて、料金体系合理化の案と、それから料金修正、一二・五%になる修正等をきめまして、昭和四十四年度概算要求と同時に郵政大臣のところにその要望を出しておるわけでございます。  ところで、その後の三年間の状態を見てみますと、日本経済というものが予想以上に伸びた。たとえば八%程度の実質成長と考えられたものが実質一三%にもなったということ、それからまた、公社におきましても、特に末端に対しまして、取り扱い局その他にいわゆる収支率制度というものを強く適用いたしまして増収をはからした、あるいは電話の稼働に対しまして稼働月数を上げた、そういうことにおいて収入の確保ということを非常にうるさく言った。それから支出の実際の節約につきましてもいろいろ具体的なことをやったために、収入見通しというもの自体非常に上がってまいりました。     〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕 そうして、五カ年間を通じまして、ことしの八月の時点で予測いたしますと、従来の予測額に対しまして二千三百億円の増収が期待できるということになりました。したがって、二二%といった数字がそこで五%ダウンいたしまして、一七%でやれるということになったわけでございます。  ところで、もう一つ経費節減ということ、特にそれはどういうことが対象になるかといいますと、具体的には要員というものに対してでありまして、第四次五カ年計画の大綱というものを昨年つくったのでありますが、それをもう一回よく見直してみますと、収入は先ほど申し上げましたが、支出につきましてもこれが節減できるということがはっきりいたしましたので、営業費の節減と、それから定員の節減というものを予定いたしました。それらによる経費節減、それからもう一つは、建設投資につきまして、従来新技術の採用をやっておったのでございますが、それをこの第四次五カ年計画の三兆五千億円の投資に対しまして約五%の節減ができるということ、これを新技術の採用と、それからまたいろいろくふうをこらすことによって、事務当局にもかなり無理を言ったわけでありますけれども、五%節減できるということを立てました。それらによりまして、結局一二・五%でやれる。なお、この節減につきましては、ことしの五月に設備料の改定をしていただきましたけれども、その設備料の改定の法律の審議の過程におきましても、全体の節約については特にやれというような御意見、御質問がございました。それらの御意見、御質問に出てくる内容に沿いましていろいろ検討いたしました結果、節減ということを考えた次第でございます。結局、収入増加見通しによる五%ということ、残りの四・五%は節約節減によって達成する、こういうことで一二・五%に変わった次第でございます。
  35. 中野明

    ○中野(明)委員 御承知のとおり、先ほども話が出ておりましたが、設備料も一万円から一躍三万円に上がったわけであります。そのときも私は議論をしましたですけれども、かねがね積滞されている人たちに対しても何ら配慮も払われずに、同じ条件のもとに値上げをされている、そういう一事を見ましても、非常に大ざっぱな、どうしてもこれだけは値上げをしなければならぬのだというような、そういう考え方から値上げが出ているような気がするわけです。どこまでもやはり値上げをする以上は、加入している人たち、この人たちにも説得するだけの力、内容というものを持っていなければいけない、これはもう先ほども議論があったところであります。  そういうようなことで、物価も御承知のとおりですし、政府筋もこの問題については、来年度は公共料金値上げは押えるべきであるというような発言を新聞紙上でもたびたび見ます。そういうような時期、こういうときに、ほんとうにこの値上げによらなければほかに方法がないのだろうか、この点はいま小沢さんも相当意見を述べておられたわけですけれども、私も非常に大きな疑問を持つわけです。この値上げをしないでほかにこの危急を切り抜ける方法をどこまでお考えになったのか、検討なさったのか、この点について、いま一度、どうしてもこれは来年から値上げをしなければならぬものなのか、この点について検討の余地はあるのかないのか、総裁のほうにお尋ねしたいと思います。
  36. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  まず、こういう公社のような電信電話を独占的に経営する場合には、企業努力が十分行なわれているかどうかということが問題になるわけであります。それに対しましては、まず第一に、公社が全国の方々に持っております約二千カ所の局につきまして、手動局を全部、建設中のものを一、二除きまして自動にいたしました。したがって、現在九三%ぐらいの電話がすでに自動になっておるわけであります。また、その局間の市外通話も、過去においては人手が入って市外通話をやっておったのでありますけれども、現在はほとんど大部分のところがダイヤルでかかるようになりました。もちろん、これはサービスの改善も同時に目的にいたしたのでありますけれども、経営合理化ということで、その自動化あるいは自動即時化ということを実現いたしました。したがって、毎年の生産性向上、すなわち公社職員一人が電話を幾つ持っておるかという数字を見てみますと、それは増加分が、生産性が一二、三%上がっているのではなくて、公社の全従業員に対しましてそれが一二、三%上がってきた。それからまた、配置転換等におきまして約七万人の配置転換職種転換というものをやってまいったわけであります。それからまた、新技術につきましては、特に伝送関係の新技術を、過去においてマイクロウエーブとかの導入をいたしましたが、さらにまた電報の中継機械化等をやりまして、いろいろそういう新技術の採用による合理化をやってまいりました。  ところで、現在電話をつけてまいります場合に、一般の加入電話は大体資本費用だけで月に約二千六百円かかります。これはオペレーティングコストがゼロで、いわゆる人件費とかあるいは保守運用費というようなものを全然ゼロにいたしましてもそういうようなことであります。したがって、いろいろ合理化につとめてまいりましたけれども、昭和四十四年度におきましての時点においては大体三百億円以上の赤字になっておるということであります。四十二年度におきましても、最初は約六十億円ぐらいの収支差額があるはずでありましたけれども、二百二十億円の仲裁裁定による人件費の増が見込まれますので、四十三年度においても赤字になる。第四次五カ年計画の全体における累積赤字は約三千億円くらいになるという見通しであります。したがって、公社といたしまして、経済社会発展計画の中にも述べられておりますように、電話の需給を改善するということ、それから料金体系合理化するということ、並びに独立採算、こういう企業においては独立採算をもって受益者負担でやれということを考えに入れまして、この際料金修正は、料金体系合理化を同時に行なってやる必要があるという見解になったわけであります。  その他の方法といいますと、赤字を、たとえば一般会計で補てんする、あるいは利子補給するという国鉄のようなやり方もあるわけでありますが、公社の場合には過去において十五年間全然料金をいじっていない、料金値上げをやっていないというようなこと、並びに現在の電信電話料金の水準自体におきましても、たとえば市内通話市外通話の割合というようなものを見てみた場合に、全料金の半分が市外通話である、残りのものが度数料であり、基本料であり、あるいは公衆電話料であり、専用料であるというような体系自体を見た場合に、これは昔の、大正時代のものを倍率的に上げたものでありまして、投資という点から見ましても大体市内は二であって市外が一である。ところが、市外が全体の収入の半分を占めておるということ自体における不合理性もあるわけであります。これは昔、市外というものが裸線でありあるいはロードケーブルであったという時代でありまして、いまのように搬送が行なわれ、マイクロが出てくるということを全然予想しないときの時点であります。そういう意味におきます合理化を同時にやることによりまして、結局電信電話料金体系合理化ということがやはり国民のためになるのではないかという見解に達したわけでございます。
  37. 中野明

    ○中野(明)委員 いまのお話の中にも出ておりましたが、過去何年か料金を上げてない、そういうことをすぐ言われるわけですけれども、料金を上げてないということを、むしろ私は誇りにされるべきじゃないか、そのように思うわけであります。過去上げてないから上げるんだということを理由の一つにあげられるのはどうかと私は思うわけであります。  それ以外にでも、一つの例をあげてみましても、かねがね問題になっております減価償却の問題、これにしましても、支出の中に占めている比重が年々膨大なものになっております。四十二年度の監査報告を見ましても、付加価値額の推移を人件費と比べてみたときに、人件費はほとんど横ばいで変動がありません。ところが、減価償却費の割合が三十八年の二九%から四十二年は四一%と、このように大幅な増加を示しております。こういう辺、前回も議論になったところでありますが、減価償却について再検討をなさるお考えはないのか。これを検討すれば、値上げにつきましても、まだまだ検討の余地が出てくるのではないかということであります。
  38. 中山公平

    中山説明員 ただいま減価償却のことについて御質問ございましたが、減価償却については、耐用年数というものが正確でなければならぬということを基本にいたしまして、私どもは過去の実績データを十分に集めて、個々の物品についての配備総数、削除の実績から耐用年数をきめてまいっております。  その削除の原因ということになりますと、物理的な寿命もございますし、あるいはサービスの改善、技術の革新に伴う取りかえが行なわれることによる原因もございますし、あるいは都市計画、道路計画というようなものからくる社会的な、他動的な要因もあるわけでありますけれども、それらが総合されておりますのが過去の実績データでございまして、それによって適正に耐用年数を定めてまいっておりますので、償却そのものについて私どもは過大なものであるとは考えておりません。     〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕  ただ、御指摘のように、たとえば総支出の中における減価償却費の割合あるいは総付加価値の中に占める減価償却費の割合、こういう点においてはほかの企業に比較して若干率が漸くなっておりますが、これは何と申しましても、第二次五カ年計画までに架設されておった電話の数より上回るほどの設備を第三次五カ年計画が行なっております。そういう関係で、設備投資の伸びが大きいということから固定資産の額も飛躍的に増大してまいりますので、したがって、これの再生産のための準備に蓄積される償却費もふえてまいらざるを得ないということが一つ。さらに、電話事業の特徴として、他企業と比べて材料費とかこういったものが少ないのであります。あるいは、先ほどもお話に出ました人件費の率でございますが、これも合理化によって生産性向上をはかります関係で、人件費率が総支出の三〇%程度というような、他企業に比べて非常に低い率になっております。こういった関係もございまして、いま御指摘のような総付加価値に占める割合というようなものは、他の経費との関係から構成比がきまってくるわけでございますので、高い数値にはなっておりますけれども、これは事業の特質でございまして、これをもって償却費が高いというふうには言えないのじゃないかと私どもは考えております。  要は、耐用年数が正確にきまっておるということで適正な償却を私どもはいたしておる、こういうふうに考えておりますし、現に、固定資産に関する償却率を他企業と比較してみますと、電電公社の四十二年度の償却率は一一・五八%ということになっておりますが、他の通信事業の国際電電と比較してみましても、国際電電は税法で定められました個々の物品に対する耐用年数に大体準拠いたしておるのでございますけれども、一三・六七%というような率になっております。全産業と比較いたしましても、全産業は一四・〇五%、こういうふうなことでございまして、こういう面から見ると、むしろ低い数値を示しておるわけでございます。
  39. 中野明

    ○中野(明)委員 いずれ提案なさいましたときに本質的にいろいろ議論してみたいと思いますが、大臣もおいでになったようでありますので、最後に一点だけ今回の値上げの発表されております内容について触れておきたいと思いますけれども、今回のこの値上げがもしこのままで通過しますと、一番痛手をこうむるのは一般家庭、このようなことが言えると思います。それに反して、全国的に組織を持っている大企業、これは非常に有利になる。このように大ざっぱに言えるのじゃないか。そこで、基本料金にしましても、住宅用と営業用とを一律にされて、住宅用が一斉に値上げのしわ寄せをこうむっている。そういうことになりますと、平均は一二・五%ですけれども、住宅用の市街地でおもに使用する大多数の加入者は、三 ○ないし四〇%、あるいはそれ以上の値上がりになるんじゃないか、このように私どもも推定をするわけであります。こういう点、度数料のことにつきましても、一考を要する必要があるのではないか。  現在相当進んではおられるのでしょうけれども、この点についても私たちは納得できないわけでありまして、こういう点をあわせて——私もいま申し上げましたように、過去値上げをしておらぬからやはりここらでという考え方も、これは基本の中には捨てていただきたい。過去値上げをしておらぬから、ずっと公社値上げをしないででもこのように努力をしてやっていけたんだという実績と誇りを持つような考え方になってもらいたいということ、これが一つであります。  それから、いまの大多数の一般家庭に多大の影響を及ぼす、これをどこまで説得できるかということでございますけれども、この二点について、総裁からも話をしていただき、なお大臣には、今回の公社から出ている一二・五%のこの値上げ案についてどのようにお考えになっておるか、その点を御一緒にお尋ねして終わりたいと思います。
  40. 小林武治

    ○小林国務大臣 ただいまのお話はごもっともな点もありまして、いま出ておるのは、これは公社郵政省側から出ておるので、政府の案ではありません。したがって、これから政府の案をどうするかきめるのでありますから、この機会においても十分な御批判をいただいて、御意見もお聞きして、そして政府案をきめたい、こういう段階にありますから、御意見のほどは十分にひとつわれわれもしんしゃくをいたす、こういうふうに考えております。  また、いまの住宅あるいは事務の問題も、これは公社、われわれの案も出ておるが、政府も、これは世論もお聞きし、国会の御意見も十分参考にしてきめる、こういう段階にありますので、あのものがあのままでいく、こういうわけではありません。どういうふうに変わるか、今後の検討によるということでありますが、重ねてひとつ御意見のほどは十分に参考にいたしたい、かように考えております。
  41. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  最初に、十五年間料金値上げが行なわれなかったということは、これは事実を申し上げたのでありまして、昭和二十八年に、当時二〇%の電話料金値上げが行なわれた時点におきまして、政府は当時一度数五円であったものを十円にするという案を国会に出したのでありますが、国会修正で五円が七円になったのであります。その当時も、大体そのときはまだ自動即時のようなことが全然行なわれてない時代でありましたし、またエレクトロニクスの進歩もまだあまり現在ほど顕著でなかったために、五円が七円になったけれども数年しかもたないだろうというふうに予測されておったのであります。しかし、十五年間持ちこたえたというのは、やはり技術の世界的な進歩というものがあったことと、それからいわゆる自動化、即時化を実施したということ、この二つだということ、事実を申し上げたのであります。  それからその次に、ただいまの体系合理化の中身でございますが、大体、現在の料金体系一つの基本になっておりますものは、過去において定額制というものが大体問題になっておったのでありまして、いわゆる住宅用と事務用というものが、度数料も含めて定額料金制度で差がつけてあった。ところが、大正時代のある時点で、いわゆる度数料というものをその中から抜き出しました。外国、たとえばアメリカあたりを見ますと、大部分の都市は定額制になっておりまして、定額制という時点においては、いわゆる基本料それから度数料のあるパーセンテージを含めてなっておって、では住宅と事務が何%という形がよくある形なのでありますが、度数料というものがそれから抜き出されてまいりましたので、結局使う方は度数料を別にいただくということで、いまの基本料というものは、定額制の場合とだいぶ性格が違ってきたわけであります。  ところで、この基本料については、電話局の末端から加入者の宅に引いてあります電話機までの経費というものは、これは住宅であろうが事務用であろうが、同じ経費がかかるわけでありまして、そういうものを主体にすることを考えた場合に、やはりこの際、基本料については同じく合わせたほうが合理的ではないかという考えからこれが一本化されておりまして、よけい使う方は度数料をよけいいただきます。したがって、定額料金との関係を考えた場合には、この基本料が一致しているということが説明ができるというふうに考えておるわけであります。
  42. 中野明

    ○中野(明)委員 では、時間もありませんので、大臣が見えたようですから、一応公社に対しての質問はこれで終わりたいと思いますが、私どもが考えておりますことをよくしんしゃくされまして、今後この値上げの問題についてよく検討をお願いしたい、このように要望して、終わりたいと思います。
  43. 古川丈吉

    古川委員長 森本君。
  44. 森本靖

    ○森本委員 久しぶりに開かれた委員会でありますので、本来ならば、電気通信におきましても、いま問題になっております電信電話料金の問題、さらにまた郵政においても、公社化の問題あるいはまた電波行政というふうに、いろいろお聞きしたいことがたくさんあるわけでありますけれども、きょうは時間もありませんので、緊急に聞いておきたいということを私は二件だけしぼって大臣にお聞きしておきたいと思います。  その前に、郵政省の簡易保険の事務当局にお聞きしたいわけでありますが、本年の郵便年金の加入は大体どの程度になっておりますか。
  45. 東城真佐男

    ○東城説明員 お答えいたします。  四十二年度の郵便年金の契約状況でございますが、四月に百七十三件、五月に百三十六件、六月に百四件、七月に百十件、八月に百四件、九月に十一件、かようになっております。
  46. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、全部で幾らになりますか。
  47. 東城真佐男

    ○東城説明員 合計いたしまして六百二十九件でございます。
  48. 森本靖

    ○森本委員 この郵便年金について、いま事務当局としては、各郵政局それから現業当局に対してどういう指導をしておりますか。
  49. 東城真佐男

    ○東城説明員 ただいま新契約を移しかえるように指導いたしております。
  50. 森本靖

    ○森本委員 これは大臣に私は申し上げておきたいと思いますが、この郵便年金については非常に問題になっておるわけでありますが、たまたま行政管理庁の勧告もあり、それからまた、いま国民年金も厚生年金もかなり発達をしてきた。それから物価に対するスライド制、こういう観点から郵便年金が当初の目的を果たさないという形にだんだんなってきた。そこで、郵政省の来年度概算要求を見ましても、郵便年金については全然募集をしない、こういう形になっておるわけであります。  いま六百二十九件あるというふうに簡易保険局の次長から説明がありましたけれども、本年におきましても、郵政当局から各現場に対しましては、郵便年金についてはもう従来のような募集はするな、それからさらに、現業の窓口に年金に入りたいと言ってきても、これはもうあまり効果がありませんから、年金にはなるべくお入りにならないように、こういうことで、丁重にお断わりを申し上げる、これがいまの郵政省の方針になっておるわけであります。おそらく来年度もこの方針でいかれる、こういうように考えるわけでありますが、しかし、こういうことで郵便年金というものをなしくずしにやめていくということについては、これはいささか立法府に対して行政府がその権限を誤っておるのではないか。ほんとうに郵便年金に終止符を打つということであるとするならば、現在の郵便年金法に対して、整理法案なり、あるいは廃止法案なり、暫定法案なり、そういう一つの法律を出して、そしていまやっておるようなことをやっていくのが順当な筋ではないかというふうに考えるわけであります。現業当局としては、実際に入りたいと言ってきましても、現実には丁重にお断わりを申し上げる、こういう形になっておるわけでありますが、この郵便年金についてほおかぶりをしながら募集をやめて、そして昭和二十三年以降に加入した年金については何とか片をつけていきたい、こういういわばへっぴり腰のひきょうな郵政当局の考え方というものは、これは郵便年金の加入者に対して申しわけがない。  それから本年六百二十九件入ったといいますけれども、この六百二十九件の内訳を聞けばわかると思いますが、おそらくこれは全部一時払い込みじゃないかと思います。そういうことで、郵便年金について郵政省が意図しておるところはわかりますけれども、それならそれで、法律的にきちんと解釈をしてできるような準備をして、そういうふうにやっていくのがほんとうのやり方ではないか、こう思うわけでありますが、これはひとつ大臣に聞いておきたい、こう思います。
  51. 小林武治

    ○小林国務大臣 お話のとおりでございます。やめるということになれば立法措置をしよう、こういうことになりますが、ただいま積極的の募集はしない、こういうことで、窓口へ来た者まで断わっておるということは、私いままで知らなかったのであります。積極的に募集しない、こういうことでございまして、実は私ども、当然これは昭和四十五年までには必要の立法措置をとらざるを得ない、こういうふうに考えておるものであります。郵便年金自体がもう目的を達成することがきわめて困難である、また労が多くして効が少ない、こういうことからいたしまして、私が申したのは、積極的に募集することはどうか、こういうことでございまして、消極的にお断わりするというようなことまでは私は考えておらなかった。いまのようなことは、また私もよく事情を聞いてみますが、お話のとおりの措置を当然とるべきでございまして、そういう用意を考えております。
  52. 森本靖

    ○森本委員 これは下部の各郵政局においては、消極的にというよりも、もうほとんど丁重にお断わりを申し上げるというふうに、現業当局に対しては、通達というよりもそういう指導がなされておるわけであります。  そこで、各現業においては、いまこの郵便年金については一時払い込みをやって、かりに倒産をしたときに掛け金を全部戻してもらうという人しか、実際に加入する者はないのですが、そういう人でも本来丁重にお断わりを申し上げるという形になっておるわけであります。しかし、法律できまっておるわけでありますから、どうしてもということになれば、これは加入させざるを得ない。どうしてもと言ってきたのがこの六百二十九件だろうと思いますが、その六百二十九件というのは、おそらく一時払い込みばかりではないかというふうに私は考えるのです。  いずれにいたしましても、いまのようなやり方は法律をなしくずしにやめていくという形になるわけであって、そしてこの一年間に六百二十九件なんということも、いままでから見ますと、きわめて不合理な内容になるわけです。それから、大蔵省に対する郵政省の来年度予算概算要求においては、郵便年金の募集はゼロになっておるわけであります。来年度予算要求がゼロだとするならば、これはもう郵政省としては募集するという考え方を毛頭持っておらぬ。それからまた、いま言ったように、もう来年からはほんとうに丁重にお断わりを申し上げる、こういう方針であるということも間違いないわけであります。だから、そういうふうなごまかしをやらずに、ひとつはっきりとした法律を出していただいて、そうしてその出された法律によってわれわれとしてはよしあしを論議をしよう、そうしないと、いまの年金加入者に対しても申しわけがない、私はこういうふうに考えるわけであります。  それから、かりにいまの郵便年金の積み立て金についても、それではこれをどういうふうにお返しをするのか、あるいはまたどういうふうに利子を計算をするのか。とにかく郵便年金の剰余金がこの間の二十三年までの小額契約の問題で、もう大体なくなっておるということでありますので、とにかく整理をするなら、きちんと整理をするという方針を明確にしていかなければならぬ。それが実際は、はっきり言いますと、財政的に明確な見通しが立たぬわけです。これは大蔵省あたりからでも金をもらうか何かしないと見通しが立たぬわけです。  要するに、郵便年金というものはいままで自転車操業みたいなことをやっておったのをここでぴしゃっととめるということにするならば、加入者に相当迷惑をかけることになるわけであります。そういう点で、やめるならやめるで、大蔵省なら大蔵省から金をもらってきて、そして年金の加入者に対しては損をかけない、こういう形で、やはりピリオドを打つならきちんと打つ、あるいは、やっていくならば物価にスライドできるような形における運用というものを考えてやっていく。いずれにいたしましても、立法府がきめたところの法律を、ある程度実質的に犯しながらこれをなしくずしにやめていくというようなやり方は、これはきわめてひきょうなやり方であるというふうに私は考えておりますので、ひとつ大臣、これはまだ任期もあることでありますので、事務当局を呼んで早急に立法措置を検討願いたい、こう思うわけであります。その立法措置ができましたならば、郵便年金をやめるのがよいならよい、あるいはやめてはいかぬ、もっと積極的に郵便年金をこういう方向で立て直すならば立て直す、こういう論議が出てくると思う。しかし、いまのような幽霊みたいにだんだんだんだん消えていくやり方では論議のしょうがない、こういうふうに考えるわけです。
  53. 小林武治

    ○小林国務大臣 いまのお話は非常にごもっともと思いますので、私どもは、いま一応の将来の目標としては四十五年度からは整理をしたいというふうに行政当局としては考えておりますから、いまからでも、もうその善後措置というものは十分検討する必要がありますので、お話しのように、今後の問題について大蔵省その他ともさっそく検討させる、そして法律の用意等もさせたい、かように考えます。
  54. 森本靖

    ○森本委員 それから、電波の関係についてちょっと聞いておきたいと思いますが、いまUHFのテレビ関係についての予備免許がだんだんおろされておるわけであります。この予備免許と本免許との関係でありますが、かりに予備免許をおろしたにいたしましても、その予備免許と著しく違った形に条件がなってきた場合、本免許はおろすわけにはまいらぬ、こういうふうに考えます。特に資本構成あるいは役員構成等の問題について、例の仙台放送が東北のほうでもめまして、ここの委員会でもかなり問題になったわけでありますが、そういった点で今後もそういう紛争が起こりかねないというふうに私は考えておりますので、この点、特に聞いておきたいと思いますことは、予備免許の条件とはずれた場合には本免許はおろすわけにはいかぬというふうに考えるわけでありますが、その点どうですか。
  55. 小林武治

    ○小林国務大臣 お話のような場合には本免許は拒否する、こういうことは十分考えておかなきゃならぬ。ただし、もしこれらの条件変更というものが、郵政当局が検討した結果、やむを得ないとかあるいは適当である、こういうような場合には、特にそういう変更の許可というふうなものがまたあり得るわけでありますが、お話のような場合には、一応とにかく条件、資本構成、役員等の著しく異なるものは本免許しないということは当然な措置であろう、かように考えます。
  56. 森本靖

    ○森本委員 それからUは、大臣がずっとやってきておりますので、いまさらここで批判してもしかたないわけでありますが、ただ、ラジオの問題について、今回FMの一応のチャンネルプランというものが発表になっておりますが、しかし、具体的にFMのチャンネルプランが発表になっておりますのは、東京と名古屋と大阪と北九州、こういうことであって、具体的に各地方における県域放送のものをFMに変えた場合にどういうチャンネルになるのか、あるいはまた、中波を広域圏放送にする、この構想については、少なくとも現在の段階においては、これは私は前から主張しておったことでありますので、こういうやり方については、いまのラジオ放送日本のラジオ形態というものをどう変えていくかということになるとするならば、やはり中波の混信状態が非常に大きいところのものを救うという観点から、いまの県域放送についてはこれをFMに変えていく、しかしながら実際にいま中波の受信機が相当普及しておる関係において、また、中波の特殊性、こういうものを考えた場合に、これを全然なくするということではなくして、広域圏におけるいわゆる高電力による中波に再編成をしていく、こういう方針は、私はいいと思います。しかし、実際にこの方針を発表するとするならば、やはりそこまで全部のプランを発表してからやっていくのがほんとうではないか。  たとえば、現在の県域放送に対しては、FMのチャンネルプランについてはこういうふうに与えていくんだ、広域圏の中波放送については、こことこことここのブロックに対して広域圏の中波放送を与えていくんだ、大体どことどこにどういうふうに置くのだ、こういうような全体的なプログラムというものは明らかにして、そして一つ一つ免許をおろしていくということなら一応筋がわかるわけでありますけれども、とりあえず東京と大阪と名古屋と北九州だけ一つ数字を与えて、あとはまあ私がしょっちゅう言っておったことをそのままこれは出しておるわけであります。あのプランであるとするならば、私でも作文で書けるわけであります。そうでなしに、やはり具体的にそれぞれのチャンネルプランを与えて、中波の広域圏というものに対してもこうだということを明示してこそ、初めて一つ日本のラジオの形態というものは明らかになる。こういう点について、大臣もだんだん任期が迫ってきたのであわててやったのかというような気もしないわけではない。私は、その根本的な方針というものについてはいま言ったとおりでありますが、具体的に私がいま言ったようなやり方において免許をおろしていくというのが正規のやり方ではないか、こう思うわけでありますが、この点、大臣どうですか。
  57. 小林武治

    ○小林国務大臣 これはもうごもっともな御意見でありますが、私は、要するにFMの実用化というものをできるだけ早くにやりたいということのために、将来FMが全般的に配当されるようになっても、いまの東京、大阪その他のものはその障害にならない。障害にならないものを選んで、とにかく、変なことばで言えば、FMの口あけとして、早いことひとつ実施に移したい、こういうことで、ああいうふうな暫定的と申せば暫定的な案ができた、こういうことになりまするが、あれにつきましても、全体のFMの割り当てというものは、みな頭の上なり紙の上へ書かなければやはりできておらない、こういうことであって、これはいつも御意見が違うので、あったら出せというのと、これは実際に免許するまで待ってもらいたい、こういうのと違うのでありますが、そういう計画はむろん全体的な構想を立てた上で進めている。とりあえずこの四カ所をやりますが、私はやはり続いてできるだけ早く、ことに混信対策などの必要なものは早くに免許してもらいたいというふうに考えております。御意見は私はそのとおりだろう、かように思います。
  58. 森本靖

    ○森本委員 だから私は、基本的にいわゆるラジオ形態というものをどうするかということについて、過日郵政省が発表したことについての内容についていまとやかくこれを言っておるわけではありません。ただ、具体的にこの計画がないということで言ったわけでありますが、大臣は、しかし具体的な計画は事務当局としては持っておるだろう、それは当然ある程度なければならぬと思いますが、ただ、そこで問題になるのはやはり東京と大阪になろうと思います。それ以外は、大体これは県域放送についてはFMでやり、さらに中波を広域圏に残していくということであるとするならば、たとえば九州が広域圏になれば、二カ所になるか一カ所になるかは問題であるといたしましても、それで大体片がついていくと思います。ただ問題になるのは東京と関東の近辺と、それからさらに近畿と、これはテレビのときと同じようにやはり問題になってくるわけですね。一体それじゃ、いま言ったような基本的な考え方以外に特殊な考え方を東京と大阪については持っておるのかどうか、これをどう解決をつけていこうとせられるのか、この方針をひとつ大臣からお聞きをしておきたい、こう思うわけです。
  59. 小林武治

    ○小林国務大臣 まだはっきりしたことを申し上げられませんが、いまのお話のように、県域放送などについては大体の見当はついておる、こういうことを言わざるを得ません。ただ、いまの東京、大阪の問題は、いわゆる県域放送と違うからかなり複数的な割り当てがあるであろう。ただ、さしむき東京についてはそういう複数のものは技術的にいまは不可能であろうから、しばらく時期を重ねなければならぬといいますか、結局において、いわゆる県域のように一つ、二つというわけにはまいらない、かように考えております。
  60. 森本靖

    ○森本委員 ばく然とした回答ではありますが、一応一つの大体大臣の考えておるような輪郭が出ておるとは思いますけれども、しかし東京の解決はラジオにおいても相当むずかしい。これは近畿におけるテレビの問題を解決をつけたよりも東京におけるFMと中波の問題の解決をつけるということはなかなか私はむずかしい問題になるというふうに考えておるわけであります。  そういう点を考えてみると、かりに今度東京に対してFMが許可せられるということになるとするならば、その将来の構想を明確にしながら今回の東京におけるFMの許可をしていかないと、これはデッドロックに乗り上げるということがあるわけでありますが、これはかりに大臣がおやめになっても、次がどなたの大臣がやってもこれはずっと引き継いでいかれるような一つのラインというものを敷いた形において免許をおろしていかないと、これは非常な電波の混乱になるということで、私はこれは非常に心配しておるわけであります。  そういう点から、特にそれ以外の地域については先ほどの大方針でこれはやれると思いますが、いわゆる東京と大阪における問題については、免許をかりにおろすということになったとするならば、そのあとの形態は、一体これは何年後になるか知りませんけれども、どういう形態になろうと、なお最終的にはラジオ形態というものの一つの構想というものを明らかにして東京なりあるいは大阪のFMの免許をおろすということを、ぜひひとつ大臣、これは明らかにしてもらいたい。その免許をおろす際にはそこの、いわゆる東京、関東あるいは近畿におけるラジオというものはこうなりますよということを一応明確にして、とりあえずFMについてのものを発達さすために免許をおろすということであるとするならば、それはおろさざるを得ないでございましょうが、しかし、おろす場合には、いま言ったように、一つの将来の展望と構想を明らかにしてやっていただきたいということを考えておるわけでありますが、この点については、大臣はどうですか。
  61. 小林武治

    ○小林国務大臣 東京、大阪等についても一応の考え方は持っておりますが、しかし、今度FMを出すということは、いま出しても将来の計画を実施する際にじゃまにならぬ、これはそのまま存続できる、こういう見当、いわば消極的——これを出してもわれわれの次の計画には障害にならぬ、こういうことでやるのでございまして、将来計画についても一応の輪郭といいますか、そういうものは持っておりまするが、これは非常に複雑な問題を含んでおりますので、具体的にここでどうこうというものを出すまでにまだ至っておらぬ、こういうことでございます。
  62. 森本靖

    ○森本委員 だから、私はここでいますぐ回答を求めておるわけではございません。しかし、今回のいわゆる総合的なチャンネルプランというものの中に、考え方だけのチャンネルプランと具体的な数字のチャンネルブランとが出てきたわけであります。そこで、具体的にはいま言ったような四つが出てきておるわけであります。そこで東京と近畿以外には、いわゆる考え方のチャンネルプランによるものが、大体もうこれは常識的に進めていこうと思えばいけるということはうなずけるわけであります。ところが、問題になるのは、やはり東京と近畿その他——東京と近畿については、実際にあそこにFMをおろす場合には、いま明らかにできぬにしても、東京と近畿にFMのラジオを免許するということであるとするならば、その際には東京と大阪付近のラジオは将来はこういうふうになりますよということを明確にして、それから免許をおろすのがほんとうではないか、こういうことなんです。それがやはり一番筋の通ったやり方である。私のほうの考え方ではもうちゃんときまっておるけれども、いま東京にFMの免許をおろす、将来はじゃまにはなりません、こう言いましても、その内容が明らかでない以上は、これはラジオ界にとっては大きな問題です。だから、ほんとうに免許をおろすということであるとするならば、東京も大阪もラジオについてはこうなりますということを明らかにして免許をおろすならおろすべきである、私はこう考えるのですが、その点どうですか。
  63. 小林武治

    ○小林国務大臣 これはもうおっしゃることが一番いいと思います。ことに、FMの性格からいって、近畿、東京、関東には県域放送というものがいまの中波より以上に必要になってくる、割り当てなければならぬ、こういう問題が別に中波と違ってありますから、こういうことも一緒によく考えなければなりませんので、したがって、県域放送などということも頭に置いてみんな考えておる、この程度にしかいまは申し上げられないのであります。
  64. 森本靖

    ○森本委員 私が言っているのは、いまはその回答でけっこうですけれども、具体的に東京になり大阪にFMの免許をおろすということになるとするならば、東京と大阪の中波はこうなります、それから関東におけるところの県域放送のFMはこうなります、広域圏放送の中波はこうなります、だから、場合によってはいまやっておる中波がやまるところも出てくるかもしれぬというふうな具体的な内容を明らかにしておいて免許をおろさないと、もうこれは非常に混乱をする、一体どうなるだろうということで混乱をすることは明らかである。だから、私はいまここで大臣にその回答を求めようということを言っているわけじゃありません。だけれども、かりに東京なり大阪にFMの免許をおろすとするならば、その内容をひとつ、今後はこうなりますというアウトラインだけは明らかにしてから免許はおろさないと大混乱におちいるということを言っておるわけであります。だから、そういう措置をとっていただくことが、大臣としては一番有終の美というのはおかしいのですが、一つのラインをずっと置いていった、しかもこれがきちんとしたラインであったということになると思います。その点を言っておるわけであります。
  65. 小林武治

    ○小林国務大臣 これはお話はよくわかります。したがって、今度東京にやるについても、東京の関東地域の県域放送との関連というものは十分考えていたしておる、こういうことを申し上げておきます。また、お話しのようなことは、われわれ当局としては十分持たなければならぬし、また、その用意もしておる、こういうことでございます。
  66. 森本靖

    ○森本委員 その関東の場合は、関東近県におけるFMの県域放送ということは、これはもういいわけですね。問題は、中波の現在のラジオを一体どうするかということに対する回答を与えてやらずしてFMだけやれば、全国的な一つのチャンネルプランの考え方からして、一体東京と近畿はどうなるだろうということで、また次になった大臣が頭を悩ます、だから、やりっぱなし、やりっぱなしということでやられたのではかなわぬので、その将来の構想についても明らかにしておいて、免許をおろすということについては相当慎重に考えてもらいたい、こういうことでありまして、これ以上ここで大臣の回答を求めてもなかなかむずかしいと思いますが、私の質問の意のあるところはわかると思います。だから、そういう点についてはひとつ慎重にやっていただきたいということを言いまして、私の質問を終わります。
  67. 小林武治

    ○小林国務大臣 いまの森本さんのお話ですが、中波の大電力などの問題の調整も十分考えてやっておりますということを申し上、げておきます。
  68. 古川丈吉

  69. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 時間もありませんから、大臣に二、三点要望やら質問をしておきたいと思います。  伝えられるところによると、次の通常国会に簡易生命保険法の一部を改正して新種保険を実施したい、傷害保険と、もう一つは学資保険、こういうように伝えられておるわけです。私はこれは非常に重要な問題があろうかと思いますが、大体そういう構想ですか。
  70. 小林武治

    ○小林国務大臣 いまの問題はやはりなかなか重要な問題で、民間にもそれぞれ御意見もございますし、政府としてもいろいろ意見があるのでありますが、郵政当局ではいまお話しのような構想を実現したい、かように考えております。
  71. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 私は、考え方としては、もう国営や政府でやるこういう保険の使命というものはだんだん薄らいできている、すぐというわけにはいかぬが、遠い将来はお役所がそういうことをやることは、さっきの年金ではないけれども一、もうだんだん廃止の方向にいくべきではないか、こういうように基本的には考えるわけです。これは一気にとは私は申しませんが、そういう方向ではなかろうか、こういうふうに考えます。  どうしてかというと、この簡易保険法ができたいきさつから考えると、この法律の第一条にもあるように、簡易に利用できる、それから確実な経営、こういうようなことが私は国営の保険のスタートするときの目的であった、こういうように考えるわけです。ところが、その目的はいまやだんだんなくなってきたのだ、こう思います。新しいものをつくれといって勧告だか何かした「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」郵政審議会、この答申の前書きにもあるように「わが国生命保険の実態をみるに、大衆の保険需要の増大に伴い、都市における民間生命保険、農村における農協生命共済のいずれも、いわゆる「簡易保険化」の現象が著しく、国営の簡易保険との間に競合関係が生じて来ており、他方、わが国経済力の充実によって、社会保障制度の整備拡充も着着と進行している。」云々、こういうようにあります。まさに、やったほうがよかろうという答申をした郵政審議会すらも、一般民間が過当競争のような状態にあって、都市においてはもう必要はない、農村においては農業協同組合の生命共済、こういうものがあるから、そういうものによって簡易保険化してきたからやる必要はないのじゃないか、前提としてそういうような分析をしておるわけです。私もまたそうだと思います。これは最初の簡易保険のできた使命というものは終わってきたのだ、こう思います。それを、国家によって保護されながら民間企業を圧迫するようなこと、こういうことをいま国営によってどしどしと割り込んでいってやらなければいけないかどうか、こういうことに私は非常に疑問を感ずるわけです。  たとえば、国民の要望を見ればすぐわかると思います。この数字が間違っているかどうかわかりませんが、生命保険においては、民間が四十二年は十一兆、国営においては一兆、十一分の一という一兆しか契約していない、こういう実態を見るならば、国民の目というものは、やはりだんだん民間や農協やそういうものが簡易保険化してきたので、そういうことで実際はまかなっていくのだ、こういう動向を示しているのじゃないか、これは国民の要望ですから、明確にその動向が示されておると思います。こういう中で、とにかくお役所がそういうことをどうしても割り込んでやらなければいけないという積極的な理由が私はわからないわけです。どうでしょう。
  72. 小林武治

    ○小林国務大臣 保険などというものは、われわれも何も割り込みを考えているわけじゃありませんが、要するに、これは募集の上において成り立っておるというのが保険の特徴であろうと私は思います。そういう意味におきまして、いわば競争が多ければ多いほど保険も発展をする、こういうことでありますし、ことに、これが始まった時分には、都市そのものよりか、一番こういうものが困る農山村というようなところにこの保険を普及させなければならぬ、こういうことから出ているのでありまして、そういう要望から、もう目的を達した、まだこういうふうにはいまわれわれは考えておりません。  ことに、今度始めようと思う交通傷害などに対する民間保険の対応のしかたがまだ非常に足りない、こういうことであって、そういう方面にまだ需要が多いのじゃないかというふうに私は考えておるのであります。都市内においても、たとえば銀行とタイアップをするというようなことをやっておりますが、タイアップをするには銀行利用者というのはおのずから限度があって、われわれ郵便局利用者とはある程度違う、こういうことから見ましても、やっぱり傷害保険などについていま一番日本においては欠陥があるのじゃないか、こういうものをほんとうに日本の津々浦々まで簡易な方法でやらせるということは、私は時勢の要求に合うのじゃないかというふうに考えております。議論としてはお話しのような議論はあり得ることではありますが、われわれはまだそこまでは考えておらない、こういうことであります。
  73. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 考え方の違いなんかはわかるわけですが、私がこういうことを言う理由は、一つは、いま言ったように、民間企業を圧迫するのじゃないか、もう一つは、労働力の問題だと思います。午前中も電電公社にさんざん申し上げましたけれども、日本経済成長のボトルネックになるものは何だろうかというと、やっぱり労働力不足という問題がネックになるんだ。日本経済成長がなければ、われわれは国民生活を向上することができないという絶対の条件があると私は思いますから、労働力をいかに節約するかということは、政府民間を問わず国家の目標でなければならぬ、こういうように考えます。だから、大臣の言うように、もし実施しなければいけないにしても、そういうものを考えるならば、たとえば民間であったならば、遊休労働力のパートタイマーなり何なりというものを活用して、そういうことによってやっているのだから、これは潜在労働力の活用という国家的な使命をちゃんと果たしていると思う。片方はどうでしょう。昭和四十一年九月の「簡易生命保険郵便年金事業に関する行政監察結果にもとづく勧告」、これにもあるように、片方においては労働条件をめぐってなかなか困難な状況にあるわけです。だから、民間にまかせればそれだけの効果をあげるというならば、民間のほうは遊休労働力を活用してやっているんだ、こういう国家的な使命も成り立ってくるのではないか。私はそういうところに考え方の違いがあると思います。  そこで、もし政府が実施するにしても、たとえば、いままでやってきた地方簡易保険局——私、この間京都なんか視察に行ったら、あそこだけはコンピューターを入れて近代化をやっている、こういうことをしております。ですから、そういうことをもっと進めて効率をあげることが一つ、もう一つは、やはり企業性を発揮する、こういう二つのことをやっていかなければならないのじゃないか、こういうように考えます。  そこで、質問の第一点は、これは事務当局でけっこうです。ひとつあとで資料で出していただきたいと思いますが、京都で実施したEDPSの経済効果——どのくらい投資して、一体人件費はどういうように節約できて、という経済効果について資料を出していただきたいと思うわけです。それからもう一つは、今後どういう計画でこれを推し進めていくか、今後地方簡易保険局をどういう計画で推し進めていくか、こういうこともひとつ資料として出していただきたい、こういうように考えます。それから、今後推し進めていく計画があるならば、投資の効率、経済効果、簡単にいえば、もし百万円投資したとします。そうすると、金利その他で資本費は年間十万なら十万要るとします。そうすると、労働力は一体一人節約になるのか二人節約になるのか、そういう経済効果をどういう目標を立てて今後計画を立てていかんとしているか、こういうことについて、これもひとつ資料を出していただきたい、こういうように事務当局にお願いしておきたいと思います。  そこで大臣、これはもう地方簡易保険局だけでなくて、地方貯金局についても全く同じ現象ではないか。これは私、京都に見にいってきたのですが、ちょっと倉庫を見せてもらいたいと言ったら、こういうカード、これは何千何万という人のをやっていると思うわけです。われわれ民間のいろいろな企業経営を見てこれを見たときに、これはもうお月さま旅行、宇宙旅行、原子力時代にわらじがけで仕事をしているのだ、こういうようにしか見えない。これは実はわれわれにはショックです。そして調べてみると、全国に貯金局が二十八もあって、二万何千人もの人で原子力、コンピューター時代にわらじがけで仕事をしている、こういうかっこうではないかと思うのです。これはこれなりの理由があると思います。お役所というものは、経営側に立つ者も労働組合側に立つ者も非常に保守的です。現状維持的です。事なかれ主義です。こういうところに原因があると思いますが、われわれ民間に携わった者には、これを見せてもらったときに実にショッキングなことです。これは資本をわずか投下して磁気テープに入れれば簡単にできることです。これを何で一いまわれわれが未来学か何かでいろいろ聞くと、あと六、七年たてば一般家庭にコンピューターが入る。明らかなことなんです。ラジオ、テレビが普及したと同じ勢いで一般家庭にコンピューターが入ろうというのに、お役所において二万人も三万人もの人がこういうことをやっていなければならない、こういう現状を見たときに、いかにお役所が日本経済成長にブレーキをかけているか、こういうふうにしか私は理解できないと思うのです。地方簡易保険局しかり、地方の貯金局しかり、こういうものの近代化についてどういうように取り組まんとしているか。これは勧告もそういうように出ておったと思う。大臣、その辺をひとつ御答弁いただきたい。
  74. 小林武治

    ○小林国務大臣 これは全くお話しのとおりで、私も非常なショックを受けておるのでございます。ことに保険局は数少ないからいいのですが、貯金局などは戦争中に原簿の安全をはかるということで、当時八局くらい疎開した。その局が戦後そのまま居すわってしまったから、いまお話しのように非常にこまかく配置されておる、こういうことでありまして、およそ前近代的の経営をしておるのは貯金局に及ぶものはないというふうに私も考えております。あれなどは、もう銀行の業務を見てもみなコンピューターを入れてやっておる。したがって私どもも五カ年計画でぜひ達成をしたい、そしてコンピューターを入れるためには、ある程度局も集約しなければいかぬ、したがって、われわれ机上の計画では、やはり八局くらいはどうしても集約をしなければならぬ、そこにコンピューターを入れて近代的経営をしたい、そういう準備をいま着々進めております。もう長い間そういう声があったが、やはり人員の整理とかなんとかいうことの障害もあってひとつも進んでおらなかったということは事実でございまして、来年度は貯金局の中にも二局今度はコンピューターを入れる、こういうことを考えておりますし、簡易保険局にも全部コンピューターを入れてやっていく——机上の計画ではコンピューターを入れれば人もどうしても三割くらいは節約できるのじゃないかなどともいわれております。  一番問題としては、人をどうするか、こういう問題で、これは特別の立法その他もまた今後考えていかなければならぬ。要するに、電話局が共電式から自動改式になる場合にいろいろな特別立法をお願いしましたが、あの種類のようなことも考えなければならぬ。人の問題もあるが、しかし、何としても合理化機械化をしなければいかぬということで、一大決心をもって郵政省がいま出発をしておる、こういうことでありまして、まことにお説のとおり、これくらいおくれておるところは日本広しといえどもないということを私もはっきり考えております。
  75. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 前向きの御答弁があったので、また計画を詳しく聞いて具体的には御質問したいと思いますので、これでやめます。
  76. 古川丈吉

    古川委員長 中野明君。
  77. 中野明

    ○中野(明)委員 時間がないようですから、一言だけ大臣に要望を含めて質問しておきたいのですが、先日、九月六日の閣議後の記者会見でテレビをUHFに移行される十年計画お話が明らかになったわけですけれども、こういうように非常に重要な電波行政を変更するような問題につきまして、電波監理の問題についてこれは相当議論のあるところだと思うわけですが、将来このことについて電波法を改正して、監理のあり方をだれもが納得できるような方向に持っていこう、こういうお考えを持っておられるかどうか。結局、いままでの現状は、もちろん方向方向として私どももある意味からわからぬではございませんが、大臣が監理されて、そして大臣の発表によって次々変更されて、あとでまた相当これが大きな議論を呼ぶ、こういうようなことを繰り返しているように思うわけであります。  御承知のとおり、電波は国民全体が享有している、こういうふうにいうべき非常に重要なものでございますので、この発表によりまして放送界も非常な影響を受けると思います。こういうことについてのお考えを一点だけお聞きしておきたい。なお、UHF帯に移行するそのお考えをあらためて当委員会で大臣の腹案だけを発表しておいてもらいたいと思います。
  78. 小林武治

    ○小林国務大臣 これは電波の需要あるいは供給の関係からいって、もういま普通の無線局だけでも四十万局もできておる。将来十年もたてばもう五十万局もふえるのではないか。これは主として生命とか財産とか、そういうものの安全に関する放送が非常に多くなる。たとえば航空機あるいは船舶あるいは自動車、こういうものの需要を満たすためにはいまのUHF帯を使用せざるを得ない技術的な至上命令になっておるのであります。これはどこでもそういう傾向を持っておりますが、それにはどうしてもVHF帯をそういう公共通信のほうに回さざるを得ないということから、これを急にやるということはどうか。したがって、ある程度の余裕を持って関係者に予告をすると申すか、警告をする、こういうことでありまして、そういう方向をあの談話で示した、こういうことであります。その後、あれによっていろいろの検当あるいは批判が加えられておりますが、結局これはやむを得ないというふうなところに落ちついてきたように私はいま見ております。これにはむろんいろいろの犠牲もあり、障害もあるのでありますが、しかし、無線電波の使用上はやむを得ないということでございます。  これに移行するについても、急に何年以内というとたいへんやっかいな問題が起きますから、これを十年とすると、いま電波の再免許は大体三年に一ぺんずつやっておる。十年やれば三回免許がある、その免許にあたって、どうせどこの放送局にしてもあるいは聴視者にしても受像機を買いかえる時期が来る、また送信機の寿命も来る、こういうことになるから、その機会をとらえて自然に移行させたい、こういうふうな考え方を持っておるのでありまして、私どもはいま全国の放送局の実態調査をしておりますから、どこの放送局はいつ送信機をかえなければならぬという大体の見当がつくから、それと免許の期日等を合わせれば無理がなくやっていけるんじゃないか、かような考え方で、むしろ早目にやっておくと、償却あるいは積み立て、その用意もできるというふうなことでもってああいうものを発表したのでありますが、あれは、実は相談しておっては容易なことで出せる問題でもありませんし、あれは法律的な効果は別にないので、郵政省政府当局の方針というものをあれで示して、そして協力していただけないか、こういうことでございます。  したがって、あれは費用が相当かかる、こういう説もありまするが、それは波が短いから中継局も余分に要るというような問題も起きてきて、そういう方面においては費用がよけいにかかるという問題も起きますが、送信機の取りかえについても、いま言うように、償却ができたものをひとつ順次にやっていけばいいじゃないか、それから聴視者のほうにしても、大体四、五年で買いかえる、その際にはオールチャンネルを買っていただければ漸次値段の差異はなくなる、こういうことで、どうせ両方見えるからオールチャンネルを買ってもらえるんじゃないか。したがって、アメリカのように法律の強制力によらぬでも、そういう方々の協力でかなり円滑に進むんではないかということで、少し早目にああいうものを出した。それではいつからするか、それは来年から考えてもいいし、大体三年に一ぺん再免許期が来ますから、そのとき全部円満に調整できるのではないか、私はこういうふうな考え方を持っております。
  79. 中野明

    ○中野(明)委員 いま私が申し上げておるのは、結局、大臣の言われる方向はわかるわけですけれども、手続の上において、はたしてこういうやり方でいいかどうかということなんで、将来の電波を監理する上において電波法を改正するなり何なりして一いま一番好ましい方向じゃないと思うわけです。混乱が起こるからといって、じゃ先に独断専行するという行き方が必ずしもいいとは私は思いませんので、将来電波を監理する上において行政委員会とかなんとか、そういうものをつくるなり何なりして、電波法を基本的にそういうところも改めていくというようなお考えをお持ちかどうか、こういうことです。
  80. 小林武治

    ○小林国務大臣 電波法の改正を近くお願いをしたい、これはおっしゃるとおりでございまして、そういうものが整備すればなお一そうよいと思うから、そういうことも考えていきたいと思います。
  81. 古川丈吉

    古川委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十八分散会      ────◇─────