○渡部
説明員 簡単にお答え申し上げたいと思いますが、まだ概算要求を大蔵省のほうに出しておりません。大体事務的には今月の末に出す予定でございます。そういうことで最終的には固まっておりませんが、概況について申し上げたいと思います。
四十四
年度の
考え方としまして柱が三つございまして、
一つは治安警備力の強化の問題、第二の問題は市民生活を守る警察体制の確立の問題、それから第三番目に専門的技術水準の
向上と犯罪と警察に関する
基礎的
調査の問題、いま申し上げた三本の柱で組んでございます。その三本の柱にいろいろなものを入れておりますが、これはあくまでも重点でございますので、これからはみ出す
基礎的な経費がこのほかにございます。それを全部突っ込んで先ほど
お話のありました四百二十八億見当になる予定でございますが、最初の治安警備力の強化が、百九十億が欠けまして百八十九億ほどございます。それから次の生命、財産の保護、市民生活を守る警察体制の問題が約六十五億ほどございます。三番目の専門的技術水準の
向上その他というのが十五億ほどございますが、御
承知のとおり警察の予算は非常に複雑でございまして、国庫をもって支弁する費用もございますし、都道府県の支弁にかかわるものもございます。補助金のあるものもございます。この四百二十数億の概算要求というのは補助金を含めまして国庫で支弁するものだけでございますから、この予算をもって警察の予算の姿というものをこの概算要求の形からだけ想像していただきますと違ってくるわけでございますが、いずれにしましても、いま申し上げましたような三本の柱にいま申し上げましたような
数字を組んでございます。
で、
お話のございました件でございますが、特にこれといった新しいものはございません。ただ去年と
比較いたしまして違うという点は、いろいろあるわけでございますが、三つの重点項目それぞれにあるわけでございまして、
一つは、第一番目の治安警備力につきましては、最近投石等の事案が非常に多くてけが人が出る情勢になってまいりましたのて、それを完全に防護するものでございます。個人装備と呼んでおりますが、たて、出動服でございますとか、あるいは特殊な、石を投げられてもけがをしないような装置をしたものでございますとか、すね、けがをしやすいひざなんかに当てるものでございますとか、いろいろそういう防護の装備、これは単価として安いのでございますけれ
ども、どこにどういうことが起こるかわかりませんので、ある
程度の数をそろえておきませんと対応ができません。その額が相当ふえております。
それから、もう
一つちょっとふえておりますのは、これは警察官は普通派出駐在所に勤務しておりまして、それを集めて現場に持っていかなければなりませんので、車両が少しふえております。そのほか警備では変わったものはございません。
それから、もう
一つ申し上げると、現場でけが人が出ます。そのときに一一〇番の車で運んでもらっているわけでございますけれ
ども、それだけではなかなかうまくいかないという場合もございますので、特殊な救護車というようなものも
考えまして、これは十台ほど要求してございます。その
程度が新しいところでございます。
第二の項目につきましては、最近の都市化、人口移動に対応いたしまして、非常に伝統的な派出駐在所と社会生活との関連性というものが少しゆがんできております。それを何とか直していきたいということで、
一つは派出駐在所の
合理化の問題ですとか、それから動く交番というとおわかりいただけるかと思いますが、そういう巡回しながらサービスしていくような新しい車を
考えて要求してみようというのが去年までにはなかった新しい
考え方でございます。
三番目の、専門的な技術水準の
向上でございますが、いろいろな問題がございますが、額はあまりありませんけれ
ども、目新しいものとしては、現在刑法犯として百五十万件前後が認知されているわけでございますけれ
ども、もっと届け出られない犯罪があって、市民の方が困っていられるということがあるのじゃないかということで、犯罪の暗数と申しますか、それに対する
基礎的な
調査をして、その対策を
考えてみようというようなことが従来にない
一つの形として出てきております。いずれもまだ最終段階の整ったものではございません。