運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1968-08-06 第59回国会 衆議院 商工委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
国会召集日
(
昭和
四十三年八月一日)(木曜 日)(午前零時現在)における本
委員
は、次の通 りである。
委員長
小峯
柳多君
理事
天野 公義君
理事
宇野
宗佑
君
理事
海部
俊樹
君
理事
鴨田
宗一
君
理事
中川
俊思君
理事
中村
重光
君
理事
堀
昌雄
君
理事
玉置
一徳
君 内田 常雄君 遠藤
三郎
君
小笠
公韶君
大橋
武夫
君
岡本
茂君
神田
博君 木野 晴夫君
小宮山重四郎
君
坂本
三十次君 櫻内 義雄君
始関
伊平君
塩谷
一夫
君 島村 一郎君
田中
六助君
丹羽
久章
君
橋口
隆君
武藤
嘉文
君
岡田
利春
君
久保田鶴松
君
佐野
進君 多
賀谷真稔
君 楯 兼次郎君
千葉
佳男
君
中谷
鉄也
君
永井勝次郎
君
古川
喜一
君 三宅 正一君
塚本
三郎
君
吉田
泰造
君
近江巳記夫
君
岡本
富夫
君
——
——
——
——
—————————————
昭和
四十三年八月六日(火曜日) 午前十時三十二分
開議
出席委員
委員長
小峯
柳多君
理事
宇野
宗佑
君
理事
海部
俊樹
君
理事
鴨田
宗一
君
理事
中村
重光
君
理事
堀
昌雄
君
理事
玉置
一徳
君
小笠
公韶君
大橋
武夫
君
岡本
茂君
神田
博君
小宮山重四郎
君
坂本
三十次君
塩谷
一夫
君
丹羽
久章
君
橋口
隆君
武藤
嘉文
君
岡田
利春
君
佐野
進君 多
賀谷真稔
君
千葉
佳男
君
中谷
鉄也
君
永井勝次郎
君
古川
喜一
君
塚本
三郎
君
吉田
泰造
君
近江巳記夫
君
岡本
富夫
君
出席国務大臣
通商産業大臣
椎名悦三郎
君
出席政府委員
通商産業政務次
官 藤井 勝志君
委員外
の
出席者
警察庁交通局交
通指導課長
綾田 文義君
大蔵大臣官房審
議官
田代 一正君
大蔵省主計局主
計官 亘理 彰君
通商産業省重工
業局自動車課長
田中
芳秋君
中小企業庁長官
乙竹
虔三君
自治省税務局長
松島 五郎君 専 門 員 椎野 幸雄君
—————————————
八月五日
委員中谷鉄也
君
辞任
につき、その
補欠
として佐 々木更三君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 同日
委員
佐々木更三君
辞任
につき、その
補欠
として
中谷鉄也
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
国政調査承認要求
に関する件 小
委員会設置
に関する件
中小企業
に関する件
小峯柳多
1
○
小峯委員長
これより
会議
を開きます。
国政調査承認要求
に関する件についておはかりいたします。 すなわち、
日本経済
の
総合的基本施策
の
樹立
及び
総合調整
並びに
通商産業行政
の実情を
調査
し、その
合理化
及び振興に関する
対策樹立
のため、 一、
通商産業
の
基本施策
に関する
事項
二、
経済総合計画
に関する
事項
三、
公益事業
に関する
事項
四、鉱工業に関する
事項
五、
商業
に関する
事項
六、
通商
に関する
事項
七、
中小企業
に関する
事項
八、特許に関する
事項
九、
私的独占
の禁止及び
公正取引
に関する
事項
十、
鉱業
と
一般公益
との
調整等
に関する
事項
以上各項について、小
委員会
の
設置
、
関係方面
からの
説明聴取
及び資料の
要求等
の方法により、
本会期
中に
国政
に関する
調査
を行なうため、
議長
に対し、
国政調査承認要求
を行なうこととし、その
手続
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小峯柳多
2
○
小峯委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決しました。
——
——
◇—
——
——
小峯柳多
3
○
小峯委員長
この際、小
委員会設置
の件についておはかりいたします。 すなわち、先ほどの
理事会
で協議いたしましたとおり、小
委員
十一名よりなる、
産業構造
並びに
貿易対策
に関する小
委員会
、
産業金融
に関する小
委員会
及び
鉱業政策
に関する小
委員会
をそれぞれ
設置
することといたしたいと存じます。これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小峯柳多
4
○
小峯委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、各小
委員
及び小
委員長
の
選任
につきましては、
委員長
において
指名
いたしたいと存じますが、これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小峯柳多
5
○
小峯委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決しました。 小
委員
並びに小
委員長
は追って
指名
いたします。 次に、小
委員会
において
参考人
より意見を聴取する必要が生じた場合の
参考人
の
出席
を求める日時、人選、
手続等
、並びに小
委員
及び小
委員長
の
辞任
、
補欠選任等
に関しましては、あらかじめ
委員長
に御一任を願いたいと存じますが、これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小峯柳多
6
○
小峯委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決しました。
——
——
◇—
——
——
小峯柳多
7
○
小峯委員長
中小企業
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
乙竹中小企業庁長官
から発言を求められておりますので、これを許します。
乙竹中小企業庁長官
。
乙竹虔三
8
○
乙竹説明員
中小企業
が
環境条件
の激変を迎えておりまして、今後いかなる
ビジョン
を描くべきであるかということを示すのは、
中小企業業界
に対しまして、また
政府関係方面
に対しまして、あるいは
学識経験者等
に対しましてぜひ必要なことであると考えたわけであります。したがいまして、それによりまして
中小企業政策審議会
が内閣に
設置
されておりまするが、その
政策審議会
の
企画小委員会
にさらに
専門委員会
を
設置
いたしまして、昨年の
秋報告
を求めましたところ、七月の十九日付をもちまして、今後の
中小企業政策
のあり方につきまして
中間報告
がございましたので、
報告
をいたしたいと存じます。
中間報告
について、お手元に配付いたしましたものでございまするが、概略をかいつまんで御
説明
を申し上げます。 目次のところをお開きいただきますと、第一章から第六章までになっておりまするけれども、この
報告書
のねらいましたところは、先ほど御
説明
申し上げましたように、今後
中小企業
が
日本経済
の
成長
とともにいかにその
役割り
を果たしていくか、世上一部で伝えられておりまするように、
中小企業
は次第に分解をして
勤労者
になっていく運命になるのであろうかどうであろうか、この辺のところが非常に問題であるということで、第三章の「今後の
経済成長
と
中小企業
の役割」というのがこの
報告
の核心になるわけでございます。 この将来の
ビジョン
を第三章で描きます前
段階
といたしまして、三十年代の
経済成長
の
段階
において
中小企業
がどのように
発展
し、
変貌
をしてきたかが第一章に掲げられ、この
発展
し
変貌
してきた
中小企業
に対しまして、
労働力
の
不足
、
賃金
の
上昇
、
後進国
の追い上げ、
資本自由化
等々の内外の
環境
の
変化
がどのように大きな
影響
を及ぼすかが第二章に掲げられ、そして第三章が導き出されたわけでございまするが、この第三章の将来の
日本経済
の中におきます
中小企業
の
役割り
を踏んまえまして、このような
役割り
を十分に達成させますために、
中小企業政策
の
基本的方向
はいかにあるべきかというのが第四章に掲げられ、この第四章の
基本方向
に従いまして、「
現行施策
の
問題点
と
改善
の
方向
」が第五章に掲げられ、さらに緊急に
中小企業施策
を施すべき
方向
といたしまして第六章があるわけでございます。したがいまして、
ポイント
は第三章でございまするから、第三章につきましてやや詳しく、他の章につきましてははしょって、簡単に御
説明
申し上げます。 まず第一章でございます。四ページでございまするが、「
成長過程
における
中小企業
の
発展
と
変貌
」ということで、
成長過程
での
中小企業
、これは非常に重要な
役割り
をしたけれども、このページの下から五、六行目にございまするように、
重化学工業
が先導的な
役割り
をしてきて
成長
した、それに対する
補完部門
としての機能を果たしてきたということを
中小企業分野
で
指摘
し、また軽
工業分野
につきましては、新
製品
を衣料、
家庭用品等
で
開発
し、バラエティーのある
商品
をつくることによりまして、
豊察
な
消費生活
に貢献をした。また、
流通部門
においては、
近代化
がおくれているけれども、
生産
と
消費
をつなぐパイプの役を果たしたということを書きまして、六ページは
自動車産業
の例をとりまして、現在アセンブラーであります大
自動車メーカー
は一応
世界水準
に達しておるけれども、このまん中の
完成車
ということでございますが、ここの
工場
でできますのは
付加価値
で四割弱、他は購入をしておる、
下請
に出しておるということでございまして、右側の
関連部品
なり左側の
完成品
の
部品
工業なり、これにいずれも二次、三次の
下請
が非常に大量にありまして、そして現在
世界
で非常に大きな
シェア
を占めるに至った
自動車工業
が成り立っておるわけでございますが、問題はその
下請工業
の
近代化
がおくれておる、これによりまして
日本
の
自動車工業
がいまもって体質的に
脆弱性
を持っておる、こういうことを示しておるわけでございます。 なお、
中小企業
の地位が七ページに書いてございますが、これは御高承のとおり、
就業者数
では二千四百万人、
就業人口
では七七%、非常に大きな比率を占めておるということで、八ページに参りまして、これの数字が掲げてございます。
成長過程
でこれが
変化
をしてきたわけでございますが、
重工業分野
においては主として
部品
なり部分の
下請
加工なり、こういう面、また
繊維
、雑貨の面では
商品
の
高級化
、
多様化
、こういう面、あるいは
合成繊維
、
プラスチック製品等
が発生をすることによります
適応
をして、
中小企業
は
成長経済
とともに
成長
をしてきたということを書いてございます。 一一ページは
流通分野
についてでありますが、一二ページになって、このように一応順調に表面的には
成長
してきたけれども、実は
成長
の
過程
でいろいろ非常に多くの問題をはらんできたという
指摘
をいたしまして、まず
企業
間の
格差
が
拡大
をした。これは大
企業
との
格差
が
拡大
をしたことよりもむしろ
中小企業
の内部における
格差
が
拡大
をしたということでございまして、この点につきましては、後ほど図でもって示してございますが、特に一二ページの下の六、七行目にございますように、
収益
の面で
中小企業
の総
資本利益率
、これは実は大
企業
よりも高いということが、
調査
の結果わかったのでございますけれども、しかし
小規模層
、五十人から九十九人、この層におきます
企業間格差
が非常に大きく、しかもこれが
拡大
をしておる。したがって、
小規模層
の
底辺部門
の
限界企業
では
適応
ができないで
倒産
をしておるという例が多い。この
報告書
には省きましたが、最近
倒産
の
調査
を一応まとめましたところによりますと、数字的にこの辺が立証されております。 この
企業
間の
格差
が開いたというのが一四ページにございまして、この表はまず線が三本書いてございますが、五十人から九十九人の
中小企業
の中の小というものと、それから
中小企業
の中である百人−百九十九人、
中小企業
の大である二百九十九人までと
三つ
の
企業
につきまして、
一つ
の
グループ
の中にどの
程度企業間格差
があるかということを調べた表でございまして、このグラフの
格差
の
拡大
、上のほうにいっておりますのが
格差
が開いた、すなわち五十人−九十九人の層におきましては、三十五年のときにもうすでに二百人−二百九十九人よりも
格差
は開いておるけれども、時が進むに従いまして、四十年、四十一年には非常にこの五十人−九十九人層は、順調にいっているものとそうでないものとの
格差
が開いた。しかしこれに比べますと、百人−百九十九人等の中ないし大の層は
企業間格差
が少ない、こういう表でございます。 それから一六ページに参りまして、
物的生産性
と
賃金
、申すまでもなく
賃金
の
上昇
に比例して
物的生産
が増大すれば、
企業
の
収益
は順調であるわけでありますが、
中小企業
におきましては、
賃金
ののぼり方のほうが
生産性
ののぼり方よりも激しいということでございまして、その結果は、
収益
が減少するか欠損になるか、あるいはやむを得ず
製品
の値段に転嫁をして
価格上昇
を来たすか、こういうことになるわけでございますが、大
企業
は大体
生産性
と
賃金
の
上昇
がパラレルになってきている。それで一体
中小企業
の
もうけ
はどうかというのが第八図にございまして、
マージン率
は三十五年から四十一年に次第に
増加
をしておる、これが
マージン
でございまして、大体一五%弱であった
マージン
が一七%くらいまでふえてきておりますが、この
マージン
が配分されたのは純
利益
としては大体横すべりにすべっておりまして、
資本費
が若干増大をしたというほかに、非常に顕著なものに
人件費
が三二%から四二%ということになっておる、これを
指摘
いたしております。さらに
企業
間の
格差
のみならず、
業種
間の消長が非常に大きいということで、同じ
中小企業
の中でも金属工作
機械
等伸びたものも非常に多うございますが、
人絹スフ織物
、竹すだれ等停滞したものもあり、あるいは
家庭用ミシン
、
電球等
のあまり伸びなかったものもある。中には
プラスチック造花
、ゴムはきもののように、
発展途上国
からすでに侵食されたというものもございまして、
業種
間の
格差
が非常に広くなった。 それから
賃金
及び
生産性格差
の解消上の問題ということで、これが
生産性
で
賃金上昇
が吸収されませんと、一九ページに参りまして、
物価
にやむを得ずはね返ったというものもある。 それから
流通機構
の
近代化
のおくれと
物価上昇
で、
日本
の
流通機構
が特に
近代化
がおくれているということが二一ページの表で、
小売り商業
の
国際比較
で、
アメリカ
に対しまして、
日本
はこのように五分の一以下の
売り上げ高
ということでありまして、特に
流通部門
の
近代化
のおくれておることを示しております。 以上のような過去の回顧に立ちまして、第二章によって
中小企業
の
経済環境
は大きく
変化
をしてきておる。 第一は
労働力
不足
の
深刻化
と
賃金上昇
であります。しかし二三ページに参りまして、
労働力
不足
はまだいわば序の口と言ったら言い過ぎかもしれませんが、
先進国
に比べますと、まだゆるいものでございまして、ほんとうの欧米型の
労働力不足経済
は今後やってくる、その覚悟をせねばならない、したがいまして、
機械設備
の
導入
、
技術開発
など、積極的に省力的な
経営
をせねばならないということで、二四ページに逼迫の状況がございますか、二五ページに非
農林漁業従業者増加
の
産業別寄与率
という表が出ておりまして、これは新たに
農林漁業
以外の
産業
に追加投入されたと申しますか、
増加
された
労働力
がどのように分配されたかということてございまして、この三十八年
——
四十一年をごらんいただきますと、
製造業
に分配されたのが非常に少ない、第三次
産業
には比較的多い、こういうことでございまして、この結果、二六ページに参りまして、
経営者
としては、
製造業
の
経営者
は
——
この白い棒が
労働力
不足
、それから斜めはちょうどいいという感じでありますが、
製造業
のまず
中小企業
、次に大
企業
、これが
不足
に悩んでおりまして、これは
意識調査
でございますが、これに比べると、
サービス業
が比較的ゆるい、こういうことになったおります。 それからついでに、この二七ページの表は二九ページ、この次の項目に関係するわけでございますが、
三つ
に分かれておりまして、
アメリカ市場
におきます、上のほうが
輸出
がふえる、それから右のほうにいくと
シェア
がふえる、逆に左にいくと
シェア
が減り、下にくると
輸出
が減るということでございますので、この右の上のほうの
ワングループ
は、
アメリカ
において
輸出
もふえたし、
シェア
もふえた、それから逆に左の下のほうは
輸出
も
シェア
も減った、完全にこれは追い上げられた、こういう表でございます。 二九ページ、
国際環境
の
変化
でございまして、これは低
賃金
の
後進国
に追い上げられ、したがって
下級品
をつくっておる産地が非常に大きな
影響
を受けて、さらに一九七〇年から
特恵制度
になるということ。 三〇ページに参りまして、
資本自由化
の
影響
を受けまして、特に
資本
の
自由化
は、
外資
は需要の
成長
が大きい
産業
、要するに
もうけ
のあるとこにに出てくるという
指摘
をいたしますとともに、三一ページに
下請部門
に非常に大きな
影響
、これは
国内
の
産業
再
編成
と相携えて大きな
影響
を来たすであろう。さらに
流通部門
におきましては、強力な
販売力
と合理的な
行動様式
、豊富な
資金
を持つ
外資
が非常に大きな
影響
を及ぼすであろうという
指摘
をいたしまして、
中小企業
を取り巻く
国内
の
経済
諸
条件
ということで、
技術革新
が
進展
をしておるということと、三三ページで
消費構造
が大きく
変化
をしておる。それから
流通構造
が変動しまして、都市においては
過密化
の
現象
、それから
僻遠地
におきましては
過疎化
の
現象
、したがって
商圏
が非常に大きく動いて、そのために
商圏
に
適応
する
商業流通部門
の再
編成
が急速に進められつつある。 三四ページにおきまして、近代的な
経営管理方式
の
導入
で、コンピュータは、
企業別
に三五ページの表にございますように、百人以下にはほとんど入っておらぬ、五千人以上の
工場
によけい入っておる。それから
産業
再
編成
が
進展
をしてくるということが三四ページの(5)にございます。 以上、はしょりましたが、第三章が、今後の
経済成長
と
中小企業
の
役割り
ということでございまするが、これの言わんと欲するところは三六ページ、今後の
経済成長
における
中小企業
の
役割り
ということに書いてございますように、まず三十年代の
中小企業
は
重工業
を
補完
したけれども、三七ページに参りまして、これからの
日本経済
はむしろ
中小企業
が
ボトルネック
になるということを書いてございます。すなわち、大
企業
と
中小企業
と相携えて
国民経済
を持っておるのだが、大
企業
の
生産性
は向上したのにかかわらず、
中小企業
は低
生産性
にとどまっておりまするので、
中小企業
の
ボトルネック
を解消することが、わが国の
経済
の
成長力
をこのまま維持することのために必要であるということを強調して、これが
ポイント
の
考え方
になっております。 三八ページに、
自動車産業
の親
工場
と
子工場
がどのように違うかというふうなことを書いてございます。 今後の
産業構造
と
中小企業
ということで、
一つ
の示唆として、三九ページに高
加工度産業
という
考え方
が出ておりまして、
中小企業
は
加工度
の高い
産業
で栄えていくべきである。また
日本経済
は、単に
重工業化率
の
上昇
を求めるのではなくして、
加工度
を高めていく。それから
技術
が濃縮された
産業
、ここにいかなければいけないという
指摘
をいたしまして、
中小企業
はそこに行き得る
可能性
が十分あるということを繰り返し強調しておるわけであります。 四三ページに参りまして、したがって、それではどういう
分野
に栄えるのかということでございまするが、まず第一は
重工業分野
、その中で
三つ
ございまして、第一は
量産部門
、これは、
部品部門
あるいは
加工部門
として、
専門化
が進むに従って、次々に
中小企業
がそこの
部品部門
、
加工部門
に誕生をし、または他から移駐をしてまいりまして、
親企業
、
アッセンブラー企業
の
発展
とともに誕生し、ないしは移駐した
中小企業
が
中堅企業
に、さらに大
企業
に
発展
をしていく、こういう
方向
が
一つ
。それから四四ページ、第二は、
先端産業
の
部門
では
部品
が非常に多数要る。この
部品
の
部門
で生きていくということと、第三に、包装とか、新しい
製品
を製造する
機械
や
労働力
を節約するための
機械
をくふうして、その
部門
で生きていく。 こういう
三つ
の点を
指摘
しそれからあとは、四八ページ、軽工業の
部門
におきまして、
消費
の
多様化
、
高度化
、それから
石油化学工業
の
技術革新等
、原材料が新たに生まれた場合に発達をしていく、こういうふうな
指摘
をいたしております。四八ページから四九ページ、
輸出市場
でもこういうふうな
高級品
の競争で十分にやっていけるのであって、四八ページの最後にありますように、いままではむしろ
労働力
が豊富低廉であったから
知恵
が回らなくなったのだ、
労働力
がたりなくなれば
知恵
で生きていくよりしようがなく、それで生きていく
可能性
があるという
指摘
をいたしております。 四九ページが第三次
産業分野
で、飛ばしまして、このようなものが第三章でございます。 右のような将来の
中小企業
、
日本経済
の中におきます
中小企業
は、一言で申しますと、
日本経済
の
成長
をささえていく、リードしていく重要な
部門
である、こういう
考え方
で、決して
中小企業
は斜陽でもなければ、滅びてもいくものではない、したがってそういう
方向
で
政策
を考えるべきであるというのが第四章の
考え方
でございます。したがって、これによりまして、
政府
は、五四ページの下から六、七行目に書いてございますように、新しい
環境
への
適応努力
を払うために必要な
手段
、すなわち
資金調達力
、
販売力
、
技術力
、この辺を
補完
をすることは国の
責任
である、
中小企業
を
強化
することは
国民経済
を富ますことであるから、これに対する援助をするのは国の
責任
であるという
考え方
をとっております。 五五ページ、
政策
の視点ということで、右のような
政策
の
基本方向
で
中小企業
が新しい
方向
に脱皮していくことが必要だが、それは
中小企業
が独立して
中小企業
として
日本経済
から孤立したかっこうで考えるのでなくして、
日本経済
の全体との
関連
で考えていかなれればいけないということを特に強調し、五六ページで、しかし
自助努力
、まず
自分
で助けるという力を
政府
は涵養してやる必要がある。
自助努力
と申しても、力が弱い
中小企業
でございますから、
自分
で助ける
努力
を引き出すような
政策
をとるということが
一つ
。それから
政策
を受け入れる能力を
強化
してやる。したがって、組合の
強化
なりリーダーの
強化
なりを考えるべきであるということ。 五七ページに至りましてから、
施策
は効率的に考えなければいけない。従来の
中小企業政策
は数が多く、体系は整っておるけれども、一本一本の柱は弱く、かつ
斉合性
に欠けておるので、
施策
の
効率化
を考えるべきであるということ、それから五八ページに参りまして、特に
配慮
すべき
事項
として協業化問題をあげておりますが、協業化は目的ではなくして、何でも協業化すればいいのではなくして
手段
であるという点を主張し、それから五九ページで
販売力
の
強化
、従来反省いたしますと、
生産力
の
強化
を強調し過ぎておるのだが、
販売力
はこれはぜひ必要だ。特に
高級品
に
転換
をしていかなければならないという場合には、新しい
市場
を
開発
をしていかなければいけないということと、それから
販売力
と同様な
下請
からいえば
親企業
に対する
交渉力
を強める、これによって
下請
の
体質改善
をはかっていくべきである。なお世の中は大きく移り変わっていくので、積極的に
転換
を考えていくべきであり、
政府
はこれのために必要な
情報提供
、
金融等
の措置を考えるべきである。 六一ページに参りまして
小規模企業
に対します特段の
配慮
、これは
基本法
においても特にうたわれておるわけでありますが、
経済合理性
の差し示す
方向
と申しましても、
小規模企業
は数が多く、また
資金調達力
が弱く、また
経営者
みずからの力も弱いということでございますので、
小規模企業
に対し特段の
配慮
をすべきであるというふうなこと。 以上をもちまして第四章を終わりまして、第五章に
現行施策
の
問題点
と
改善
の
方向
を書き、それから第六章に
中小企業政策
として特に重点を向ける
方向
、
ポイント
をきめております。その
ポイント
は八三ページでございますが、まず第一の
方向
は、
発展途上国
から追い上げられている、一番典型は綿スフ織物でございますが、そのほかに陶磁器であるとか洋食器等々のいわゆる産地
産業
、この
発展途上国
から追い上げられているものが第一
グループ
、それから第二はむしろ
成長
部門
の底辺、
機械
産業
の
部品
なり加工なりを分担しております
関連
中小企業
、これは先ほどくどく申し上げましたように、これの
生産性
を向上することが
日本経済
の
成長
性をこれから確保するゆえんであるという認識に立ちましての
成長
部門
に対する
中小企業分野
、建設なり、運輸なりもこの中に入るかと思います。それから第三の
グループ
は、食品に多く見られる大
企業
といま食い合っている
部門
、それから第四は
物価上昇
の見地から大事である
商業
部門
、それから第五として
小規模企業
の
分野
、この辺に重点を向けるべきであるということを第六章で
指摘
し、最後に、なお、この
委員会
は一応
中間報告
というかっこうであるが、今後検討すべき問題は非常に多いのでありまして、まず
中小企業
の対象、これはことばをかえますと
中小企業
の定義の問題でございますが、この問題は
中小企業政策
をどこに重点的に施せば
国民経済
上プラスかという問題でございますので、この問題を検討すべきである。
基本法
の成立当時といまの
経済
は一回り大きくなってはおるけれども、もし国の
中小企業
に対する援助の額が大して変わらなければ、
中小企業
の範囲を広げるということはすそが薄くなるという問題にもなる。この辺をまず勉強しなければならない。 それから第二に、一〇四ページに参りまして、建設や運輸や
サービス業
、それから
成長
部門
の
関連
中小企業
、
小売り商業
についても勉強はまだまだできてはおらぬ。それから労働対策も勉強せねばいかぬ。それから
施策
の
斉合性
というところで、
現行施策
が国の
経済
政策
のみならず農業
施策
、社会保障
政策
等とのからみ合わせも考えまして、
斉合性
について勉強せなければならない。以上をもって結んでおるわけであります。 私たちはこの
報告
を受けまして、この
報告
によりまして
中小企業政策
の運用並びに必要な場合には新しい
政策
の立案を考えていきたい、こう思っておるわけでありますが、なおこの
企業
小
委員会
はさしあたり
中間報告
をいたしましたものの、秋からさらに活動を開始いたしまして、相当長期間腰を据えて
中小企業
問題に取っ組んで、いきたい、こういう
考え方
でございます。
小峯柳多
9
○
小峯委員長
長官の
中間報告
に関する陳述は終わりました。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
丹羽
久章
君。
丹羽久章
10
○
丹羽
(久)
委員
中小企業政策審議会
企画小委員会
の「今後の
中小企業政策
のあり方について」の
中間報告
、
乙竹中小企業庁長官
のまことに微に入り細にわたる御
説明
を聞きました。通産省の熱心な、
中小企業
のあり方について
中間報告
といえども
説明
をお聞きし、それに伴って読んいきますると、全くそのとおりと私は深く敬意を表するものである。 そこで、まだお見えになっていない方がありますので、私の質問に対して答弁のでき得ない面があるかもしれませんけれども、答弁のでき得ない点がありましたら、おいでをいただくようにしてありますから、おいでいただいてから御答弁をしていただくことにしまして、私は自動車
生産
に対する問題をひとつ全体的
責任
者である
乙竹
長官にお尋ねいたしたい。 まず第一に、いままで
先進国
といわれてきました
アメリカ
、イギリス、フランス、ドイツ、ソ連等々の国は、現在どの程度の自動車の
生産
をいたしておるか、まずこの一点をひとつ聞きたい。 それから第二の問題は、
日本
におけるところの自動車でありますが、これは通産省がもっとでかせ、もっとでかせ、増産しろ、増産しろということで奨励をせられておる。そうして
生産
が多くなればコストが安くなる、安くなれば、海外のマーケットに出したときに、これに対する他国とのつり合い、そうしたものに対する対抗ができるがために、そのような方針を進められておるかどうか。 それから
日本
の自動車の
生産
量の何%までが海外に売られており、そして自動車の性能というものに対してはどんなような海外では評価を得ておるか。新聞紙上なんかで見ますると、
日本
の大メーカーと称するトヨタあるいは日産あるいは東洋工業のでかしているマツダ等々は、
世界
に劣らない車だと盛んに宣伝いたしておる。私どもは、
日本
人として国産品を愛するゆえに、外車を求めなく、真に
日本
の道路に沿う車としてそういうふうな車を愛用いたしておるのでありますけれども、最近の新聞紙上で見ると、外車が
日本
に対して売り込みをいたしたいという強い要望がある。それに対して相当自動車界、
生産
者は反対をいたしておる。その原因は一体どこにあるか。はたして性能が劣っているのか。そういうものが入られると
日本
自体の自動車界というものはどのような困難になるのか、あるいは困難でなくて
経済
的に負けるのか。一体どういうところにその原因があるのか。こういう点をひとつ明細に聞かなければ、国民自体も首をかしげて、
日本
の車はこんなに性能がよくなったというならば、何もよその車が入ってきたって負けなければそれでいいじゃないか。同時に、どんどんでかすならばその車を海外へどんどん売り出したらいいじゃないか。なぜでかした車が、こんな、頭金は要りません、どうぞ月賦で買ってくださいというような売り方をしなければならないのか。こういう点に対して最近は一まつの疑惑を持つようになってきた。こういう点を通産省はどのように指導していらっしゃるのか、どのようにこの点についてお考えを持っていらっしゃるのか、ひとつ詳しく御
説明
を願いたいと思います。
乙竹虔三
11
○
乙竹説明員
事、自動車
政策
に関しましては、自動車課長が来ておりますので、重工
業局自動車課長
からお答えいたします。
田中芳秋
12
○
田中
説明
員 まず御質問の第一点でございますが、
世界
の主要
先進国
におきます自動車
生産
の状況でございます。一応一九六七年で申し上げます。 まず
アメリカ
でございますが、総
生産
台数は約九百万台でございます。その内訳を申しますと、乗用車が七百四十万台、トラック、バス等が百六十万台、合計九百万台でございます。これは
生産
高におきまして
世界
第一位でございます。続きまして、
生産
高が
世界
第二位になりましたのが
日本
でございます。これは乗用車が百三十七万台、トラック、バスが約百七十万台で、合計いたしますと、ちょっと数字はあれでございますが、三百十五万台ということでございます。続きまして
世界
第三位は西ドイツでありまして、乗用車は約二百三十万台、トラック、バスが、これは非常に少なくて約二十万台、合計いたしまして二百五十万台という
生産
でございます。第四位がフランスで、乗用車が百八十万台、トラック、バスが二十三万台、合計いたしまして約二百万台。第五位がイギリスでございまして、乗用車百五十五万台、トラック、バスが約四十万台、合計百九十五万台。それから第六位はイタリアでございますが、乗用車が百四十四万台、トラック、バスが十万台、合計いたしまして百五十四万台。一応この六カ国が
世界
の主要国となっております。 これで見ますと、
日本
が総
生産
台数では
世界
二位でございますが、乗用車の
生産
台数ではイタリアよりも落ちまして
世界
第六位、こういう形になっております。 以上が
先進国
の
生産
状況でございますが、今後の国際競争に耐えていくために、やはり自動車といたしましては規模の
拡大
、スケールメリットの享受という点が一番重要であると考えておるわけであります。わが国は、いま申し上げましたように乗用車の
生産
台数が
世界
六位でございますが、実はこれを
生産
しておりますのが約十社でございます。月産一万台ないし二万台をこえる国際水準にかなり達しております車種は
三つ
、四つは見受けられますものの、大半の車種が三千台ないし五千台程度の規模で
生産
されておりますために、この辺に今後の国際競争力上非常に問題があるというふうに考えておるわけでございます。 このような見地から、私どもといたしまして、やはり
企業
の再
編成
ということを今後強力に推進いたしまして、そして車の大量
生産
方式を確立すること、それと同時に
企業
のスケール、この
拡大
をはかっていく。
世界
第一にございますGMに比べまして、
日本
のトップメーカーでございますトヨタの
生産
高、これが実に二十二分の一という程度にとどまっておるわけでございます。西欧におきますトップメーカーのフォルクスワーゲンに比較いたしましても半分以下という形でございます。大体
生産
台数におきまして、トヨタの
生産
台数は、フランスの
生産
台数におきまして三位のメーカーとほぼ肩を並べるに至ったという形でございますから、
日本
の
企業
のスケールはヨーロッパのやや
中堅企業
の程度にやっと達した
段階
である、こういう状況でございます。今後引き続きこうした
方向
で強力な再
編成
を進めてまりいたいと思っているわけでございます。 御質問の第三点の
生産
量の何%程度を
輸出
しているかということでございますが、総
生産
量に対しまして、現在の
輸出
は大体一一%程度でございます。ただし乗用車につきましてはやや高うございまして一六%程度でございます。四十三年度はこれをもう少し高めたいというふうに私どもは思っております。ちなみに、ヨーロッパ諸国におきましてはドイツが五割をこえておりますし、イギリス、フランス等におきましても大体三割程度の
輸出
をやっております。したがいまして、わが国は西欧諸国の半分以下の
輸出
比率、こういう形になっております。
丹羽久章
13
○
丹羽
(久)
委員
いま
関連
で聞きたいという話でありますから、もう一ぺんちょっと言ってくれますか。
生産
の一六%が乗用車においては出ている。それはいい。その次を言ってください。
田中芳秋
14
○
田中
説明
員 ヨーロッパ諸国、特に西ドイツでございますが、五割をこえた
輸出
比率を持っているわけでございます。それからイギリス、フランス等におきましては大体三割前後の
輸出
比率になっておるわけでございます。わが国におきましては、まだ
輸出
産業
としてのウエートは小さい、これから伸ばしていきたい、かように考えているわけでございます。 第四点の海外における
日本
車の評判はどうかということでございますが、この点につきましては、特に最近乗用車の
輸出
が目ざましいことは御承知のとおりでございます。その主たる
市場
は
アメリカ
向けでございますが、実は
アメリカ
にはセカンドカーとして出ておるわけでございます。ただエンジン等々の諸性能を比較いたしますと、
日本
車はかなりいい線に達しておると思われます。問題は
日本
の車の総合性能におきまして、若干諸外国にまだ至らざるところがあるのではないかという点が
指摘
されておるわけでございますが、むしろ
日本
車と同じような形のもの、クラスのものをつくっておりますヨーロッパでの評価というものが、まだ十分なされておりません。これからこの辺が
一つ
問題になるのではないか。ただ私どもといたしましては、自動車の
商品
としての競争力は相当高い数字になるというふうに考えておるわけでございます。 以上の点から、五番目の
外資
の進出等に対します
考え方
についてどうかという御質問とも
関連
してくるわけでございますが、私ども、自動車の
商品
としての競争力は、いま申し上げましたように
技術
水準で総合性能に若干のまだ差があるとはいいながら、かなり強い競争力を持つに至ったということから、御承知のとおり
昭和
四十年の十月に
完成車
の輸入を
自由化
をいたしました。いまは、いつでも外車を自由に輸入することができる体制になっておるわけであります。しかしながら、現在日米間で交渉が続けられております主たる論点は、こういうでき上がりました
商品
を
日本
に持ってくるということでなく、
日本
で組み立てあるいは
生産
をするという
アメリカ
側の要請でございます。すなわち
日本
へ
資本
を持ってまいりまして
日本
で車をつくっていきたい、こういう形でございます。この点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、業界の再
編成
、これが現在進行中でございます。しかも個々の
企業
単位という
企業
力から見ますと、
日本
の
自動車メーカー
の体質はまだ非常に弱いということがいえると思います。したがいまして、こうした再
編成
を今後は強力に進め、その間の時期は、いま急激な
外資
の進出を迎ふますことは、
自動車産業
の
産業
秩序に相当の混乱をもたらすと考えられますので、この点につきましては、
影響
をできるだけ受けない形で
外資
を受け入れていく、こういう
考え方
のもとにいま交渉を進めておる状況でございます。 以上でございます。
丹羽久章
15
○
丹羽
(久)
委員
お話を聞いておりますと、
日本
の
自動車工業
とというのも、戦後二十数年の間に非常に目ざましい
発展
をいたしてきたことは、私ども喜びにたえないわけであります。その間に
中小企業
の潤いも相当あったことだと思う。 しかし、私はここでもう二、三点質問いたしたいと思いますことは、いまおっしゃった
生産
に対して一六%まで上がってきた。しかしドイツにおいては五割の
輸出
をしておる。五割は
国内
で一応使用している。
日本
でいうと、まだ日に浅いといえども、一六%海外へ
輸出
して、八四%というものは
国内
で使っておるということなんです。その一番よく買ってもらえるところのお客さんはどこかというと、
アメリカ
で、セカンドカーとして買ってくれる、こういう
説明
です。そこで、
日本
の車がまだ若干おくれているところがあるのだという
説明
ですけれども、私はそう思っていないのです。かつて私がドイツへ行きまして、ベンツ会社の副社長か重彼に会ったのです。いろいろの話をいたしておりましたときに、
日本
はずいぶん
自動車工業
が発達し、そしてそれぞれが研究せられて相当いい車ができておるそうだ、こういうことを言うことは非常に失礼だけれども、
日本
の車にわが国のでかしておる、このベンツ会社のでかしておる車を五十キロのスピードを出して正面衝突をさせたとするならば、一体どういう
現象
が起きるか、事実がおそらくあらわれてくるだろう、こういう表現で通訳を通じて私に話してくれました。それは何を意味するかというと、わが社のでかしておるものは、
生産
をただ単に多くするということでなくて、堅牢なものをつくるということに中心を置いてきておる、私はそういう意味の解釈をしてきた。これは私の
自分
かっての解釈であるかどうかは別として、
工場
内の
一つ
一つ
の組み立てにおいて、あるいは
製品
の監査において非常にきびしいものがある。同時に外車を好む一部の
日本
人にベンツの車はどうなんだといって聞いてみると、もう六年も七年も乗っているのだけれども、ボデーがまだがたんともいわないほどじょうぶですよ、こう言っている。私は
日本
の車をけなしたりこなしたりするものじゃないのです。ほんとうにこれからの
中小企業
——
なるほど
自動車工業
自体、自動車
生産
会社というものは大メーカーであり大
企業
であるかもしらぬけれども、それに伴っていくところの
部品
をでかす人たちは零細
企業
であり、
中小企業
である。そういう人たちは、値を下げられるたびに苦しんで、そうして手形をもらい、あるいは難儀をしていかなければならない。そうして
国内
向けの車は、頭金は要らないから買えというところに少々の無理が生まれ出ているのじゃないか。そうまでして車を押しつけに売らなければならぬというようなことはどうかと私は思う。それがしいて言うならば、きょうの新聞紙上に出ておるように、もうすでに七千六百有余人という人が四日までになくなっておる。史上最高の死者を出したという四十一年に七千七百四十九人を死なしておる。この差はわずかに五十六人である。このままの状態でいくならば、今年の死亡者というものはどれだけになるかわからないというようなことが言われておる。これはあなたのほうの所管でない、警察庁のほうで交通指導の取り締まりということ、安全という問題、いろいろ御研究を願っておるのですけれども、私は
生産
に対する制限を加えよとは言うのじゃないのです。いい品物をでかして、一六%を三〇%にも四〇%にもすることが通産省の指導の方針ではないかと思う。
中間報告
によっても、協業化していけ、そうして大
資本
に対抗できるような体制を整えていかなければ、
日本
というものは将来が危ぶまれるということがこの
中小企業
中間報告
にもあるじゃないですか。 そういう点を考えてくるときに、それぞれの自動車がよその国よりもすぐれた性能のいい面がありましょう。それを秘密にして、隠して、そしてわが社独占としてそれを他に公表しない、そういうようなことがあるとするならば、そういうことを総合的にいい面を全部集めて、そうして指導していって初めて
日本
の自動車というものが海外にどんどん売れてもいこう、あるいは
日本
の自動車をどこでも求めてくれるではないかということを私は考えるのです。そういうようなことについてどういうお考えを持っていらっしゃるか、この点をひとつもう一ぺん聞きたい。 ということは、トヨタはトヨタでかってに研究をしていくのだ、日産は日産でかってに研究をしていくのだ、マツダはマツダでかってに研究をしていくのだ、そういうようなことで、通産省は、ただでかすということだけに目標を置いて、それをうまく売ってくれるようにということをその会社にまかしきりでやっていくのか、もっと大乗的な立場に立って、国の方針としてもっとこれを協業化するというような
方向
へ持っていくようにし、そうしていい車をつくらせるように指導していくという研究
部門
を持つような考えはあるのかないのか、それを一ぺん自動車課長、あなたのお考えを忌憚なく伺いたい。
生産
会社に遠慮することはないのです。私は愛知県の出身であるから、私の土地にはトヨタという自動車会社がある。二十数年もたった今日、
日本
のトヨタといって豪語していらっしゃる。実際そのとおりたくさんの車ができるようになってきた。私はその車を愛好している一人である。けれども、海外へ出ていく面を見ると一六%だ。そうして
国内
放送向けの新聞には百何十キロ出ますといって、制限外のスピードが出るようなことが平気で書かれるような場合がある。そういうようなこまかい点についての指導というものに対して、ばく然とお考えになっているのか、こまかい点についてでも注意に注意を重ねて、いいものをつくろうとお考えになっているのか、一体どういうふうにお考えか。私は、まだここで言いたいことは
——
聞いてきた話でありますから、相手の言うことを信用いたしません。しかしドイツは五割出しておりますというけれど、彼らは五割と言っていない。ベンツにおいては六割、ワーゲンにおいては六割以上も海外へ出しておりますと言っておる。これは向こうのことばを信用すればそういうことになるけれども、私はあえて向こうのことばを、どこまでがほんとかどこまでがうそかということは、それはあくまで相手のことばを信用しようとはしない。あなたの言うことばを信用いたしましょう。そういう意味からいっても、これからの自動車というものは非常にむずかしい
段階
にきている。すでに
日本
に対しては、こちらで組み立てをさせろといって、ずいぶんやかましくいっている。そういうことが今後すべての、
繊維
においても何においても、問題が
関連
性を持ってくるんじゃないかしらんと私は思っておる。その点についてひとつ御答弁を願いたい。
田中芳秋
16
○
田中
説明
員 自動車の非常な需要の
増加
、モータリゼーションの急激な
発展
がございましたために、先生から御
指摘
がございましたように、交通事故の
増加
、かなり昨年を上回ろうという現在の死傷者の発生を見ておりますことは、まことに申しわけないことでございます。この点につきましては、運輸省あるいは警察庁等々といろいろ連絡をとりながら、私どもも常にこうしたことのいろいろ起こらないようにやってまいりたいと思っておるわけでございますが、いま御
指摘
のございました安全あるいは公害等に関します研究
開発
の体制につきまして、各社ばらばらでやっておるのじゃないかという御
指摘
、実はこの点は、四十二年度から、私どもこういう形ではいかぬということで、谷田部にございます自動車の試験場、あそこを自動車の総合研究所という形に改組することにいたしました。そして、これらの研究
開発
に関します事業をここで行なわせる。その場合に、やはり官民一体となってこうした仕事をしようということで、大体四十二、四十三、それから来年度におきまして、
政府
側といたしましては十億円程度の投資をそこにしたい、それから民間側といたしましては同じくその隣接した個所に二十億円程度の投資をいたしまして、そこで衝突実験場あるいは公害関係の研究等々の各種施設を総合的につくり上げまして、各メーカーがやっております、現在の、あすの
生産
のための
技術
研究をさらにもっと長期的、根本的に考え直してみる、そして総合的な安全、公害の研究をここでやっていこう、こういう体制に現在集約をいたしまして仕事を進めておる
段階
でございます。
丹羽久章
17
○
丹羽
(久)
委員
いまの課長さんのお話を聞くと、官民一体の総合研究所をでかし、よりよきものをつくっていこうという
考え方
をしておる、そういう話でありますから、私はそれでまず一応その点は満足いたしますから、いい品物をでかしてもらって、くどいようでありますけれども、一六%を五〇%に、あるいは六〇%にするように
努力
を願いたいと思うのです。 そこでお尋ねいたしたいと思うことは、現在
日本
で走っておる車というものは、私は一千万台を突破したと聞いておる。しかしそれは事実であるかどうか。通産省に統計が出てきておるはずであると思うが、一千万台を突破したとするならば、
昭和
五十年という年
——
いまから七年先の話で少し長いけれども、
昭和
五十年という年には、大体どのくらいの車が
国内
を走るという見通しであるか。そしてどのくらいの数が
日本
で
生産
せらるか。そんな先の長いところまでは計画が立ててないというならば、両三年ぐらいのうちでもいいでしょう。一応
説明
を願いたい。
田中芳秋
18
○
田中
説明
員 ただいま御質問の第一点でございますが、現在の保有台数でありますけれども、これは運輸省のほうの登録という形になります。したがいまして、実際の正確な数字はちょっと私どものほうは把握していないわけでございますが、現在大体一千二百万台程度に達しているのだろうというふうに考えております。 それで、
昭和
五十年時点におきます保有台数という御質問でございますが、実は私どもまだこの辺の数字をちょっとはっきりつかんでいないわけでございます。諸外国のモータリゼーション等々から見まして、大体いまヨーロッパは六人に一人、
アメリカ
は約三人弱に一人という台数でございますが、
昭和
五十年の国民所得等々から考えまして、どの程度になるかというところは
一つ
の大きな問題でございますし、同時にまた道路
環境
等々の制約
条件
もございますので、この点につきましては私ども正確な数字を申し上げる前に、もう少し勉強をさせていただきたいと、かように考えておるわけでございますが、大体
経済
社会
発展
計画の
生産
見通しでございますが、四十六年度で、この時点では約四百八十万台という
生産
見通しになっているわけでございます。ただ最近の実勢から見ますと、私どもは五百万台をもう少しこえるのではないかというふうに一応見通しておる状況でございます。
丹羽久章
19
○
丹羽
(久)
委員
三年先に五百万台からの車ができる。そのときに三〇%や、あるいは二五%の
輸出
であったら、一体
国内
は現在の状態でさえもう収拾つかないのに、そうして通産省はそれに対してでかすことをあえて食いとめもしなければ、そのままのあり方で施設は次から次へ認めていくというようなことになってきたら、一体どういうような状態に交通量というものはなっていくかということは、言わずと想像できるだろうと私は思う。しかもこれほど自動車問題がやかましくなってきたときに、通産省の自動車課長が三年先にはあくまでどの程度の
輸出
をする、どの程度の内地向き車を使用する、そういうことを考えていかなければ
——
道路の問題なんということは第二の問題である。
生産
そのものに対する
考え方
、これは通産省の
責任
であると私は思う。同時に運用面においては運輸省の関係があろうと思う。この運輸省と通産省との話し合いというものは、そのつど十分にしておられるかどうか。横の線というものの連絡が緊密にできておるかどうか、この点どうですか。
田中芳秋
20
○
田中
説明
員 私どもその辺の連絡については、大体原則として一カ月に一回程度、課長レベルでございますが、そういうものの連絡をやるという体制をとってきているわけでございます。
丹羽久章
21
○
丹羽
(久)
委員
きょうは特別に綾田交
通指導課長
においでいただきましたから、ちょっとお尋ねいたします。 交
通指導課長
さん、あなた方非常に御苦労せられて、交通指導に対して、事故のないようにやっていらっしゃる。車はますますふえていくばかり、死亡者はふえていく、けが人はふえていく。そうしてけが人に対する補償というものは、お医者さんは、どんな傷でも入院をしてくれなければ、それに対して労災というのか保険は払えないというような幾多の問題がまだ残されているのです。たとえば、それがために少しの傷でも入院
手続
をとらなければ補償費がもらえないというようなことで、働けないほどの傷でなくても一応そういう
手続
をするというような場面もある。そういうようなことから、このままの状態で車がぐんぐんふえていくということになってくると、あなた方がいかに交通整理の署員をふやされようとも、あるいは歩道橋をどんどんつくられようとも、至るところで事故が起きている。その事実は、なくなっていった人の頭数というものから明らかになっている。そこで、通産省とあなたのほうで話し合ってもらって、大都市だけが車庫を持つというような
考え方
でなくて、人口二十万以上のところは車庫を持つということが最初にあって、それからだんだん減ってきて五万になったか八万になったか十万になったか、そのころ休んでいたから私は知りません。いまでは大体十万だと私は記憶する。これをさらに
——
車庫を持たないようなあり方で車が買えるというような行き方というものは、私は実際妥当でないと思う。たとえば車庫の必要のないところで車検を受けておいて、都市へその車を持ってきて都市で働いて、しかも路上に放置しておく、駐車禁止以外のところに放置をしておく。そうなってくると救急車が入るときにも入り切れない、あるいは消防車が入るときにも入り切れない、そういう事態があちらこちらに起きるのです。だから車を買う人は何にしても全国的に車庫を持つ必要があると私は思う。こういうような点は通産省、運輸省、警察庁、この三者でお互いに話し合って検討してもらう必要があると私は思う。 同時に、
生産
する側においても、頭金というものは
——
これは交
通指導課長
に聞くべきことでない、大蔵省に聞くべきことか、あるいは通産省の規定にあるのかどうかしらぬけれども、車を買うときには頭金を納めて買うというのか、最初から月賦でもけっこうですという買い方をするのか、どちらがほんとうであるか、この点をひとつ、もし通産省の所管とするならば自動車課長から一応聞きたいと思う。それから、交
通指導課長
はどういうお考えを持っていらっしゃるか明らかにしてほしいと思う。
綾田文義
22
○綾田
説明
員 ただいま
丹羽
先生のお話のように、私も現在のような交通の情勢下におきましては、車を持つ者はやはり車庫を持つべきであると考えます。と同時に、安全運転をする能力、それから損害賠償を支払う能力、そういうものも備えるべきだと考えております。 それで車庫規制法の地域の
拡大
の問題でございますが、そういう観点から私どもも現在よりもさらにこれを
拡大
すべきではないかということで、現在府県警察なんかに意見を聞きまして検討中でございます。
田中芳秋
23
○
田中
説明
員 頭金の問題でございますが、現在自動車の販売状況でございますがおおむねキャッシュで買いますときは頭金は要らないという形になっております。大体全体の二割くらいがキャッシュベースと記憶しております。残りがいわゆる割賦販売でございますが、これは割賦販売法に基づきまして標準
条件
が設定されております。それはたとえば乗用車につきましては、頭金の比率が二五%、残りの割賦の期間は二十カ月、こういうような標準
条件
を設定しておる状況でございます。
丹羽久章
24
○
丹羽
(久)
委員
わかりました。 そこで二五%というのが守られておるかどうかということは、一体だれがそれを監督するのです。
田中芳秋
25
○
田中
説明
員 割賦販売法に基づきまして、このような点について順守状況の
調査
をし、それが守られておりませんときは通産大臣が勧告をし得るという形になっております。現在私ども、
調査
を今月いたすことにしております。過去におきまして二回ほど、若干問題のありますものにつきまして
調査
をいたしたわけでございます。府県の数が非常に少のうございますが、頭金につきましては大体三割弱が逸脱しておる、割賦の期間につきましては一割七、八分がちょっと
条件
からはずれておる、こういう状況になっております。全国的な
調査
は今月いたしたい、かように考えております。
丹羽久章
26
○
丹羽
(久)
委員
課長さん、あなたはいま
調査
をせられたことを申されたが、全国的ではありません、一部的を
調査
にすぎません、こういうお話です。私は全国的なことを調べたわけではないが、至るところで聞いてみますと、どうぞひとつ車を買ってください、頭金は要りませんという声のほうが多いということを知ってもらいたい。それでは幾らでも車はふえていくばかりである。そして交通事故はどんどんふえていき、とうとい人命がなくなっていくという事態が起きる。 そこでもう一点お尋ねいたしたいと思いますが、たとえば沖繩で車を買う場合、これは
日本
領土でないといえばそれだけのものであるけれども、沖繩で買う場合の車の値段とここで買う値段とは相当な開きがあるのです。また外国で
日本
の車を買う金額と私どもが買う金額とは、これまた相当の開きがある。それは税関の問題であるか、あるいは
商品
税の問題であるか、どういうところに
——
きのうの質問でないが、テレビと一緒にそういうようなことが行なわれておるのか私どもにはわからぬ点がある。この点ひとつお聞かせいただきたい。
田中芳秋
27
○
田中
説明
員
輸出
車と
国内
単の価格の問題でございますが、
輸出
車につきましては、
国内
で現在かけられております物品税等のあれがかからないということは御承知かと思います。そこで、現在
輸出
しております価格と
国内
の価格
——
外国で買いますときは、
日本
から向こうへ送ります船賃、それから向こうに行きますディーラーの
マージン
、これが加わるわけでございます。それから若干、たとえば
アメリカ
向けの仕様のものでございますと、特定の会社のあれをあげてちょっと問題があるかもしれませんが、たとえばコロナという車でございますと、
国内
で買われます場合、千五百CCのエンジンが載っているわけでございます。
アメリカ
で買われます際は千九百のエンジンが載っておるということで、
国内
車と
輸出
車と仕様が違うというような点がございます。こうした点に問題があるわけです。同時に
国内
の販売につきまして、たとえば広告宣伝費あるいは販売の目標に達した場合のいわゆる商慣習といたしまして、リベート等があるわけでございます。こうした点を一応洗い直しまして、
国内
価格と
輸出
価格とを比較してみますと、そうした二重価格構造というものは自動車につきましてはほとんどない、私どもはこういうように考えておるわけでございます。
小峯柳多
28
○
小峯委員長
丹羽
君、ひとつそろそろ結論に入ってください。
丹羽久章
29
○
丹羽
(久)
委員
もう結論に入りましょう。それじゃもう一点だけ聞いておきますが、同じ車の価格というものは、通産省は一応
生産
者の要求に応じてというか、あるいはよく協議をして、そして一定価格というものがきめられておるのかどうであるか。あるときにはセールスが相当大幅にまける場合もあるし、あるときにはまけっこなしに売っていくというような場合もある。そういうようなことに対しては
公正取引
委員会
が処理するものであるのか、それとも安いことなら幾らでも安く自由に売ってくださいという指導をしていらっしゃるのか、その点はどうですか、それをひとつお尋ねしておきます。
田中芳秋
30
○
田中
説明
員 先ほどちょっと割賦の点でも申し上げましたように、自動車の買い手によりましてかなり価
格差
が実際の問題として生じておるわけです。これは私どもはなはだ遺憾なことであるというふうに考えております。むしろこのような状況が生じておりますのは、自動車の価格につきまして、管理価格というものがあるのではなく、むしろ末端で非常な過当競争の結果、相手側の
シェア
を奪いたいというディーラーの
一つ
のビヘービアー、そうしたことからお客さんに対して非常に価格の差をつけるというような状況を生じておるわけです。これはユーザーをばかにする行為でありますとともに、ディーラーの体質それ自体を非常に弱めておる形でもございますので、私どもこの点につきまして、先ほど申しました
調査
等の結果も十分見ながら、できるだけこうしたことが起こらないように強い指導を行なってまいりたい、かように考えておる次第であります。
丹羽久章
31
○
丹羽
(久)
委員
それでは結論に入ります。 それじゃ一体自動車というものは、
生産
して、でき上がったときに物品税をかける、その価格というものは幾らででき上がるのですか。それから今度お互いに自販という会社を持ってそこへ持ち込みをする、そこでどれだけかの
利益
をとる、そしてさらにそれを出店へ持っていく、セールスに売らせる、そしてセールスに幾らかの手当を与える、こういう順序になるわけであって、一体車というものはほんとうに幾らでできるのか、そういうことは通産省は知っていらっしゃるのかどうですか。それとも各社は秘密にして、絶対にそういうことを言わずに
製品
をでかしているのか、その点だけはっきりしていただきたい。
田中芳秋
32
○
田中
説明
員 原価を算出いたしますにつきまして、私ども法律的な
調査
権を持っていないわけでございますので、的確な数字はわかりにくい、こういうのが実情でございます。したがいまして、現在一応の推定はいたしております。物品税プラス適正なディーラーズ
マージン
、一応こういうものを見てこのくらいの値段になるというところは定性的な形として私どもつかんでおるつもりでございます。
丹羽久章
33
○
丹羽
(久)
委員
もうやめようと思ったが、あなたがそういうことをおっしゃると監督官庁が、品物をつくらして、そうして物品税をかけておいて、幾らでできるかということがはっきりとわからないというようなことで物品税をかけるなんということは私はおかしいと思うがどうか。そういうことなら、法律をつくって幾らかかるということぐらいは役所は知っておるべきことだと思うが、どうです。
中小企業庁長官
、あなたはどう思いますか。物品税をかけておきながら幾らででき上がるかという値段がわからないなんというようなあり方というものは、それは正しいあり方でしょうか。私は与党ですよ、あえて追及しようとは思わぬが、よく一晩寝てお考えいただきたい。質問を終わります。
小峯柳多
34
○
小峯委員長
佐野
進君。 〔
委員長
退席、
鴨田
委員長
代理着席〕
佐野進
35
○
佐野
(進)
委員
私は、さっき
中小企業庁長官
から
説明
があった「今後の
中小企業政策
のあり方について」という
中間報告
について、若干の時間質問してみたいと思います。 私はいまの
説明
を聞きながら率直に感じたのですが、
中小企業政策
というものは、
中小企業
基本法
をはじめ、
政府
としてもあるいは国会としても検討し、法律となり、あるいはそれに基づいてそれぞれ
施策
が行なわれておるわけですが、そういう面と、いまお話のあった
政策
のあり方についての
中間報告
と対比しながらお話を聞いておりますと、「いわゆる
中小企業施策
のあらまし」
昭和
四十二年度版というものをこの前私どもいただいておるわけですけれども、これと「今後の
中小企業政策
のあり方について」というのと比べてみて、いろいろな文句、文章上における表現については差があるけれども、基本的な差が一体どこにあるのかということが全然わからないわけです。
中小企業庁長官
は、先ほどいわゆる
中小企業
対策というか、
施策
というか、そういうものを評価する場合、
中小企業
者というものに対しては、いわゆる
日本経済
の根幹として重大な
役割り
を果たしてきており、これがまた今後もそういうような
役割り
を果たすべき立場にあるのだというとらえ方に基づいてそれぞれ
報告
も出されておると言っておるのですが、では、そういう
報告
と、
中小企業施策
といういままでの対策との間に何が違うのか、こういっていろいろ比べてみると、これが違いますというようなものは何も出てないわけですね。そうして今後検討する
問題点
として一番最後に何項目かあげてありますね。今後検討すべき
問題点
としてあげておるその内容も、われわれがいままで何回も何回も繰り返し巻き返し議論したことと全然変わらぬことがここに出されておる。そうすると
中小企業政策
というか対策というか、そういうものはもう手がないのだ、手がないのだけれども、表現上多少変えたものとして発表しなければいけないのだ、こういうようなことしか印象づけられないと思うのですが、その点について、
中小企業庁長官
として、あえて
中間報告
を求め、出した、その形の中におけるいままでの
中小企業施策
と対比してきわだった差異というものがあるか、私はないように感じるのだけれども、あるとすればその点はどこかという点を明確に何点でもいいからあげて御
説明
を願いたいと思います。
乙竹虔三
36
○
乙竹説明員
現在までに行なわれております
施策
が誤りであるという
考え方
からこの見直しをしようということは決してございません。ただ、
中間報告
にあらわれておりますように、
中小企業
問題といいますか、それに対します
中小企業施策
というのはそのときどきで重点が変わっていく、これは必要なことであるというふうに思います。戦後、
昭和
二十年当時の復興期の
中小企業
は完全に傾斜
生産
の犠牲になったわけでございまして、これに対していかにして金をつけるかというふうなことが
施策
の重点であったかと思うのでありますが、三十年代になりますると、
成長経済
の
補完部門
として
中小企業
全般についての諸
施策
が行なわれたわけでございます。そういう意味で
施策
は非常に多岐にわたり、広範にわたったわけでございまして、この
中小企業施策
の四十二年度版のあらましもこういうふうに分厚なものになっておるわけであります。ところが、いまの
中小企業
は非常な激変期を迎えておりまして、先ほど御
説明
申し上げましたように、
中小企業
基本法
において、過去の
中小企業
が
日本経済
、
国民経済
のあらゆる領域において非常に重要な機能、使命を果たしてきたということは
基本法
に書いてございまするけれども、さて、これからこの激変期を迎えた
中小企業
が
日本経済
の中でどういう位置を占めるべきであるかということは、これは法律では「確信する。」ということばが前文に出ておりまするけれども、私たち法律を執行いたします者といたしまして、
中小企業
がどちらの
方向
へ行くのか、また、どちらの
方向
に持っていったらいいのか、
日本経済
上どういう地位を占めるのが適当であるのかという勉強はせなければならいと思うわけでございます。そういう立場におきまして謙虚といいますか、白紙と申しますか、そういう立場で勉強したいと思ったのが篠原
委員会
が活動を始めた
一つ
の動機でございます。 それから第二の動機は、先生の御質問に直接触れるわけでございますけれども、
中小企業
策施は
世界
でおそらく
日本
ほど項目として整っているものはない、ほとんど至れり尽くせりといわれております。 しかし、それにもかかわりませず、財政投融資においては、
日本
の財政投融資総額の中で一三%弱の比率は占めますが、肝心の一般予算におきましては〇・六%の比率しか占めていないわけでございます。抽象的に
中小企業施策
が整っておるということと、
中小企業施策
が量的に十分であるということとは別でございまして、また、この抽象的に整備しております
中小企業施策
の中で、どういう問題に対してこの
施策
のどういう道具を重点的に向けていったらいいのかということ、また、その重点的に向けるという意味は、量的にどの程度の、つまり一例を申せば一般予算をそれにつけるべきであるかというふうなこととはまた別であると思うわけでございます。そういう立場におきましてこの勉強をしたわけでございます。しかし歴史の流れは大きく変わってはおりますけれども、別に断絶するわけではございませんし、国会でわれわれにお示しいただいております法律制度も、これは徐々にその運用、精神においては変わってまいりますものの、急激に変わるわけではない。したがいまして、四十二年度版のあらましと今度の
報告
内容と変わっていないというふうにお考えになりますのはまた当然でございますけれども、四十二年度版に載っております
施策
のあらましをどういうふうに重点的に運用していくかということについての勉強にもこの
報告
は役立つというふうに思うわけであります。
佐野進
37
○
佐野
(進)
委員
そういたしますと、この
報告書
の最後に、これは
中間報告
であり、「今後検討すべき課題」というのが出ておるわけですね。そしてその「今後検討すべき課題」の中で「
中小企業政策
の対象」「
中小企業
の地位と役割」「労働対策」「
施策
の
斉合性
」、こういうように出ておるわけですが、そうすると、これはいま長官の言われた形の中からいうと、いままでの対策と異なったというか、いわゆるいままでの「
中小企業施策
のあらまし」を補強する対策と考え、それまでの間においての
中間報告
というものはその
考え方
をつくり上げる前提としてこのような勉強をした、こういうぐあいにわれわれは理解していいのかどうか、この際ひとつ聞いておきたいと思います。
乙竹虔三
38
○
乙竹説明員
具体的
施策
に対してものさしと申しますか、先ほど申し上げましたように第四章までがそういう条に当たるわけでございまして、第五章の「
現行施策
の
問題点
と
改善
の
方向
」ということ、この章におきまして
現行施策
においても種々見直ししなければならないという点をあげておるわけでございます。たとえてみますると、「
技術
についての
施策
というふうなことが七三ページに
報告
がございますが、この第四章までで示しておりますように、
中小企業
がこれから
日本経済
の中で栄えていきますためには、少し結論的に申しますと、結局
技術
で生きていくよりしようがないということになるわけでありますが、この
技術
に対しまして
政府
はどれほどの
施策
をやっておるかと申しますと、全部合わせましてわずか十億に足らない金しかつけていないわけであります。またこの
技術
施策
につきましても、
政府
は国立の試験研究機関、公設の試験研究機関を持っておりますが、この活用もばらばらでございますし、また指導員制度ということで、小規模事業対策に対して指導員制度がございますが、これと公設試験研究機関は総合指導所というようなかっこうで結びついておりますけれども、その結びつきははなはだ十分ではないというふうに思います。 また先ほど自動車についての御質問がございましたが、
機械
振興法が
自動車工業
の
部品
の上部のものについて適用されておりまするが、
部品
の二次、三次の
下請
の
技術
振興をやる場合に、
機械
振興法でこれをどういうふうに取り上げていくべきかというようなことは全然取り上げておりませんし、
近代化
促進法においてはごく一部の自動車
部品
を取り上げているだけでございまして、この部面における
技術開発
も欠けておる、こういうことを意識しておるわけでございます。 このように
技術
対策についてもそうでございますが、金融対策についても
業種
別対策につきましても、現行の
施策
においていろいろ私たちは反省をし
改善
を考えていかなければいけないというふうに考えますが、この
報告書
では、すでに取り上げました
施策
のほかに、先生御
指摘
の定義の問題でございますとか、またさらに建設業あたりは非常に大きな
業種
だと実は思います。ところがこの建設業についての勉強は非常に不十分、運輸業、
サービス業
もまた同様でございます。こういうふうな他の
業種
の勉強とかあるいは労働対策とか、こういうふうな問題をさらにどんどん引き続いてやっていきたい。私どもの
考え方
では、この
中間報告
は現在持っております
中小企業
問題のほんの序の口、この勉強の門をくぐつたという程度しかまだいっていない、非常にまだ貧弱な成果しかあげていない、こういうふうに考えております。
佐野進
39
○
佐野
(進)
委員
ぼくは、この
委員会
、さらに
専門委員会
が果たしてきた
努力
ということについて敬意を表しております。いま長官がほんの序の口だ、こう言われてしまえばもう質問する必要もないということになるわけです。しかし長官自身も腹の中では相当
努力
したんだということを
一つ
の自信として答弁しており、表現としてほんの序の口だ、こう言われておると思うのですが、私たち当面する
中小企業
対策を考え、そしてまた
中小企業
者が当面するいろいろの要望を考えたとき、全くいま長官が言われたようにほんの序の口であり、平面的に
問題点
を羅列し、その
問題点
について
政府
なりあるいは学者という立場において、それの裏づけ的ないろいろな肉づけをした、こういうようにしか考えられないわけですね。これを読ましていただいて、私ども
中小企業
問題については相当深く研究さしていただいておると自負しておる者の立場からすれば、きわめて食い足りない
中間報告
だと思うのです。したがって、私は、
中間報告
ですから、あと本
報告
があるわけだし、さらにじっくり腰を据えて取り組みたいという先ほどの結びの
報告
でありますから、これからの
中小企業
対策を考える際、そういう面における、腰を据えるといって、長期にわたってただだらだらやるということでなく、早期に内容の充実、だれがそれを見せていただいても、この「
中小企業施策
のあらまし」に書かれておるように、この問題についてはここへいってこうすれば解決できるんだという具体性を持った
報告
をできるだけまとめていただかないと、何もこれを読んだからといって、「
中小企業施策
のあらまし」以上のものは何もない。いやむしろこれのほうが現実的に具体的に問題を解決する
方向
につながっているんじゃないか、こういうような気がいたします。 それはこういう
中間報告
だから当然なんだと言われればそうでしょうけれども、いま
中小企業
者をはじめ零細
企業
者がこの激変する
経済
情勢の中でどうしなければならないかということについて、非常に
方向
としてその問題をとらえることに苦慮しておるとき、
政府
が一刻も早くその対策を立てて指針を与えてやるということが非常にいいことではないか、こう思いますので、あえて非常に抽象的な質問になりましたが、前段の質問をいたしたわけであります。 そこで、私はこれとの
関連
の中で具体的な問題を若干質問してみたいと思うわけです。 その
一つ
は、「
中小企業
をとりまく
環境
の
変化
」のとらえ方ということで、この
報告書
は第二章の中で
報告
をいたしております。この
報告
をされておる中で、結局「
中小企業
をとりまく環環の
変化
」の中で
問題点
になるのは、いわゆる
労働力
というか、そういうような新しい情勢の
変化
になって、いわゆる青田買いといわれておるような年少労働者というか、いわゆる第一次
産業
に従事する労働者というか、そういうものをどう確保するかということが当面の非常に大きな課題になっておる。このことが今後講ずべき
施策
ということの中で、
労働力
の問題が取り上げられておることと私は
関連
してくると思うのですが、これをどうやっていったらいいのか、これから勉強しますよということはもちろんわかっていますけれども、いま町の
中小企業
者、特に
商業
者等については店員を確保するということがその
企業
を維持する一番大きな課題になっておるわけですね。そういう問題について、
中間報告
とはいいながら、いまの
段階
の中で、それについてもっと具体的に、この「
中小企業施策
のあらまし」の中にもそれぞれ
指摘
はされておりますけれども、もっと親切な取り組みがあってしかるべきではなかったのか。その問題を解決しない限り、一般的な
中小企業
のいわゆる
労働力
確保ということだけで
——
これはまた違った意味においての重要性があると思うのですが、
中小企業
庁としてはこの面について現在どのような対策を立てつつあり、どういうような指導をしておるか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
乙竹虔三
40
○
乙竹説明員
先生の御質問は
労働力
の確保の問題だと思います。私たちがこの
報告
で取り上げておりますのは、むしろ確保の前に、
労働力
は非常に
不足
をしていく。で、現在
中小企業
者がすでに非常な
不足
感を感じておるのでございますが、この
不足
をしていくのはまだ途中であって、もっとほんとうの
先進国
経済
になると
労働力
はなお現在よりも足らなくなるという
指摘
をしておるわけであります。これはつまりそういう覚悟をしていただきたい。それならば、そういう覚悟をしたら一体どうしたらいいのだということになれば、当然省力化の投資によって
機械
で人力を補うという点が
一つ
と、それから
技術開発
をして
付加価値
の高いものをつくっていく、
高級品
化ということが大事であるという
ポイント
、こういう点を
指摘
をしておるわけでございます。そういうこととともに、しかしなおかつ先生御
指摘
の確保の問題につきましては、この二五ページの表あたりに、これは間接的でございますけれども、
日本
の
労働力
は
不足
しつつある、
中間報告
の
段階
ではあるけれども、しかし特に
製造業
に対する配分が少ない、第三次
産業
が非常に多い、この辺のところは
政府
として考えるべきであるという示唆をいたしますとともに、
労働力
の確保、つまり少ない
労働力
を活用するという問題になりますと、主としてこれは労働省の問題でございますが、
中小企業政策
の重要な
ポイント
でございますので、今後この少ない
労働力
の活用の方法について具体策を勉強していこう、こういうことでやっておるわけであります。
佐野進
41
○
佐野
(進)
委員
この
報告書
を読ましていただいても感ずるのですが、
日本
における
労働力
が
不足
しておるということは、全体的に、就業労働者のパーセントをこの資料の中にも示されておると思いましたが、
不足
しておるというわけではないんですね。欧米
先進国
に比較して、
日本
における労働人口がきわめて希薄である、そういうことを断定すべき要素は何もないわけですね。むしろまだ潜在的な
労働力
は非常に多いと思うのです。しかし多いにもかかわらず、実際上
労働力
が
不足
しておるという感じ、感じではなく現実の問題として各零細
企業
ないし商店等においてはそういう動きが顕著にあらわれて、中学卒業者に対する需要というものは、まさに死にもの狂いの獲得運動になってあらわれておる、こういうことによっても明らかなんです。だから私は、ここでも示唆されておりますが、
労働力
の問題を検討する場合、一番簡単に解決し得る問題は、
政府
の
施策
の中で、第三次
産業
に従事する、いわゆる、不要とまでは言わないけれども、欧米
先進国
に比較して、必要以上の
労働力
が第三次
消費
産業
というか、そういうような部面に多数吸引されておることは、これはいなめない事実だと思う。みなそれを
指摘
しておるわけです。そういうことを
指摘
しながら、他面
労働力
が
不足
だ
不足
だということもいわれておる。それから大
企業
に
労働力
が吸収されて、
中小企業
には
労働力
がなかなかこないということもみなが
指摘
していることなんです。これは何もきょう、いま始まったことじゃない。もう数年前からそのことは
指摘
されておる。その
指摘
された重大な
事項
についてどうすべきかということが当面緊急の課題なんです。
中間報告
で、腰を据えてじっくりやるなんという問題ではなくて、当面、しなければならない最大の課題であり、その
労働力
を吸引するためには、魅力ある職場にする、あるいは第三次
産業
よりもこちらの第二次
産業
なり第一次
産業
のほうがむしろその働く労働者にとって将来とも希望があるという対策を立てざる限り、問題の本質的な解決はないし、まだまだ
不足
しますよという評論家的な
中間報告
であってはならないと思います。そういう意味において、私はこの際、
中間報告
から本
報告
に入る、これからの課題を検討するという際ですから、先生方も皆さんそれぞれ考えてそういう結論をお出しになると思うのですが、
政府
のほうにおいても、そういう点についてはひとつもう少し積極的に取り組む姿勢において、本
報告
をいただく際に、何か具体的なものを示す必要があるのじゃないか、こう思うのですが、長官の見解をひとつ聞いておきたい。
乙竹虔三
42
○
乙竹説明員
御
指摘
のとおりでありまして、したがってこの
中間報告
は、まず、先ほど申しましたように、
労働力
の
不足
というのは今後もなお
不足
するが、いまなぜ
不足
感が強いかといえば、
労働力
を豊富に使うといういままでの
生産
形式と申しますか
生産
形態と申しますか、こういうことを原則としようとするからいけないのだということが基本的な態度としてあるわけでございます。したがいまして、その
ポイント
を変えて、つまり
付加価値
の高いものをつくる、ないしは極力省力化して
労働力
の有効活用をはかるということをまず第一に考えるべきであるし、それは
中小企業
庁ないし通産省としてもいわばお家芸でございますので、それをまず明示したわけでございます。 次に、しかしいま先生御
指摘
のように、第三次
産業
には、すでにいままで感じとしていわれておったわけでございますけれども、表にしてみますと、如実に第三次
産業
のほうによけい行き過ぎているということは出ておるわけであります。したがって、この辺は労働省としては、この
報告
の二五ページの表でございますけれども、職業紹介制度の運用等においてはこれは当然考えるべきでございますし、また私たち
産業
担当の者といたしましては、先生御
指摘
のような魅力のある職場にするということが非常に大事で、したがってその辺については抽象的でございますけれども、協業化というふうなことを非常に強く
指摘
しておるわけでございます。工業団地、
商業
団地が非常に盛況をきわめておりますけれども、これが
労働力
不足
に対しまして非常に的確な
施策
にいま実はなっておりまして、これによって魅力ある職場ができるというふうなことも具体策として出ておるわけでありますが、さらにこの
報告
で言っておりますのは、その上さらに、しかしもっと
労働力
というものを有効な
産業
方面の
労働力
にする方策というものを具体的に今後勉強していこう、こういうことをあとの
問題点
に
指摘
しておるわけであります。
佐野進
43
○
佐野
(進)
委員
だから私は、
指摘
しているのはけっこうだと思うのです、こんなことばみんな常識なんだから、それを、その
報告
をし、対策を立てるということが必要なんだから、そうしなければならない。たとえば二五ページの表でいうと、三十六年から四十一年にかけての第三次
産業
従事労働者の数は、これは
製造業
に比較して飛躍的に伸びて、
製造業
は非常に狭まっておるわけですね。
中小企業政策
のあり方についてという
中間報告
なんだから、そのあり方を前提としてどうするかというのをこれから出すのだというのだから、そうした際において、だからもっと積極的に
中小企業
庁としては取り組むべきじゃないか。
報告
を受ける際においても、単なる、現実はこうですよということを聞くのじゃなくて、現実に対する処方せんもつけたものをやはり聞いておかなければ意味がないのじゃないか。さらに、聞いただけではなくて、どう具体化するかということは、予算をつけて
政府
が
施策
としてそれに対する対策を立てていかなければならないでしょう。だからそういう意味において、この
報告書
はいま行なわれておる
施策
に対して何ら
変化
がないという前段の
指摘
がそこにあると思う。そういう意味で決意を聞いておきたいということですから、もう一度それは聞きたいと思うのですが、時間がだんだんなくなりますから、次の問題を
指摘
して、その答弁の際ひとつ言ってください。 次の問題は「今後の
経済成長
と
中小企業
の役割」ということですね。この
報告
でいうと第三章になるのですが、あなたが言われた一番重要なところだ、こういうことなんですが、私はこの「今後の
経済成長
と
中小企業
の役割」の中で表面的にこれこれですよということはたいへんけっこうだと思うのです。そのとおりだと思うのですが、これに付帯する、そしてどうしても克服しなければならぬ
中小企業
者の悩み、
問題点
、こういうものを同時に併記して、それらに対する解決点を示さなければ、この
報告
の
施策
と対策にはならないのではないかと思う。それらについては幾つかありますが、その一点だけ
指摘
してみますと、私は、
経済
の
成長
に伴って
中小企業
が
発展
していくという形になると、必然的に
機械
化され、人力を制限した形の中にいろいろの対策が出てくると思うのですけれども、いま一番われわれがその中で心配していかなければならぬのは公害問題だと思うのです。公害問題は、いわゆる四日市をはじめあらゆる近代
企業
が集中してくる地域の中においては、もう解決しなければならない重大な
事項
になっておるわけですね。ところがこの
報告
をずっと見てみても、公害問題に対する対策、その公害問題に悩まされる
中小企業
の存在を脅かす
条件
、それをどう克服するかについてはほとんど触れられてないわけですね。公害問題に触れないで地域の中に
中小企業
が存在し、
企業
を
発展
させていこうなんということは、およそこれからだんだん都市が
近代化
され、農村が整備される状況の中においては不可能なことだと思うのです。 そういう点について私はひとつ
中小企業庁長官
に提言をしてみたいと思うのですが、たとえば東京ならば東京という
一つ
の都市の中に中小零細
企業
というものが非常に多いわけですね。特に下町、住居地域以外の中小零細
企業
をその生活の基盤にし、
一つ
の町ができつつある地域は東京の中に相当あるわけです。こういうところは大
企業
はどんどん
近代化
され、設備が新しくなり、公害に対する防衛措置もそれぞれとられておるのですが、こういうところは設備が老朽化し、地域的にそれを
改善
するところの
条件
がない、そして
資金
的に貧困だという形の中で、しかも長官が言うような協業化してそれらを克服していくというのもなかなかむずかしいような
条件
の
企業
集落が相当あると思うのです。こういうところはそれはしようがないんだといって手をこまねいていくことが「今後の
経済成長
と
中小企業
の役割」というこの表題の中における対策の面から見るならば、きわめて重要でありながら取り残された面だと思う。これはどうしてもやらなければならぬ。これは何も東京だけでなく
日本
全国にあると思う。そういう点について、もう少しこの
中間報告
をする際において、あるいは本
報告
をする際において
配慮
していく必要があるのではないか。こういう点についてひとつ考えをお聞きして、あともう少し具体的にその点について質問してみたいと思うのです。
乙竹虔三
44
○
乙竹説明員
公害にさらされておる
環境
の中における
中小企業
——
成長経済
が当然遺憾ながら公害をもたらしているわけでありますが、これと
中小企業
との関係、特に具体的にいま先生お示しのような下町、たとえば雑貨工業ないし
機械
工業、こういうものに対しての
考え方
、
指摘
がないという御
指摘
、これは確かにおっしゃるとおりでございまして、私たち十分この点に重点を置いた勉強を今後この
委員会
でしてもらおうという覚悟をいたします。 なお、
労働力
の
不足
の具体策、これにつきましても、先ほど申し上げましたような
不足
の
労働力
を活用するという省力化とか、
付加価値
のほうは示してございますけれども、確保するほうの具体策ははなはだ貧困でございますので、これも先生御
指摘
のとおりでございます。一般的に
——
決してこれは口だけで謙遜しておるのではございませんので、私たち昨年の秋からこの
委員会
に取り組みまして、実は
委員長
以下
委員
、また私以下の者も、これは十二回開かれましたものを全然無欠席でみんながんばったのでございますけれども、先生御
指摘
のように、所々方々にまだ至らぬ点ばかりでございます。私はそれだけ現在の
中小企業
問題は非常に複雑で広いと思います。しかし、それにもかかわりませず、こういう
中間報告
ということで世間に出しましたことは、これによってひとつ御批判を受けたい、少しなまいきなことばで言いますと、みんなに考えてもらいたい、識者の人々、一般の方に考えていただきたい、先生方にはお教えをいただきたい、こういう意味もございまして
中間報告
というかっこう、したがいまして、これは実は答申にはしていないのでございます。ただ一生懸命にやりましたがまだこの程度であるということを白状せざるを得ない、こういうことでございます。
佐野進
45
○
佐野
(進)
委員
それではいまの公害問題について私ひとつ長官に提案して、検討の素材にして、
委員会
においてもあるいは
中小企業
庁としてもやっておいてもらいたいと思うのです。 その
一つ
のモデルケースとして、東京都の墨田区の京島、八広といういわゆる向島地区ですね、この一画の中へいわゆる魚骨処理をする
工場
群、それから皮革の処理をする
工場
群、そのほか悪臭を放つ末端処理をする
工場
群が集落というか集まって、その事業をやっておるわけです。この地域の人たちは、そういう
工場
が先にあって、あとへ来たわけですから、比較的その
工場
を排撃するという意味におけるところの運動は激しくない。しかしこの八月の真夏のいま、あの地域へ一歩足を踏み入れた人たちは、その悪臭のために耐えがたい思いをし、その町へ再び行くことをよそうではないかということを語り合うほどひどい地域である。これについては、いま公害防止事業団あるいは東京都のほうで、魚骨
工場
だけでも何とかしようではないかということで取り組みをしています。そして公害防止事業団のほうでは、東京都のほうの保証があればこれに対して融資をしようということになりつつあるわけですが、そういう中小零細
企業
者の集団であるだけに、
企業
の将来の
発展
ということについては、社会の中においては重要性を持ちながら、非常に弱い基盤の上に立たされて、非常に苦慮しているわけです。したがって、こういう面における
中小企業
対策というものがあることによって、その町のそういう最末端の処理をする業者も
近代化
される、同時にその地域の人たちにも喜ばれる、こういうことは目に見えてわかっていながら、現今の
施策
の中においてはなかなかそれが行なわれない。これは私だけでなく、その地域の人たちはみんな取り組んでおるわけですが、そういう状況がある。公害防止事業団ができたということでその道が開けてくることは非常にいいことですが、こういう点は単に私どものところだけでなく、去年国会の
調査
で長崎県へ行って、諫早地区のある獣骨処理
工場
を私どもも視察いたしましたが、ここにおける公害も同じような意味において発生しておるわけです。したがって、そういう面についての対策を立てることは
中小企業
の
近代化
あるいは
日本経済
に寄与する
役割り
を果たすとともに、その
関連
する地域住民に対して非常に大きないい
影響
を与えることですから、こういうような問題を具体的に解決するということ、それに対して積極的に取り組むということは、単にこただけじゃない、いろいろな画がありますけれども、必要なことなので、あわせて強く要望しておきたいと思います。 そこで、私はもう
一つ
二つあるのですが、時間の関係がありますので、できるだけはしょっていきたいと思います。 もう
一つ
は、「今後の
中小企業政策
の
基本的方向
」の中でも出てくると思うのですが、いろいろここで基本的な
方向
を示されておるわけです。私どもこれを読ましていただいて、それからいまの
説明
を聞いて、たいへん
努力
していただいておる、そして
問題点
をあげてこれに積極的に取り組もうという姿勢については敬意を表するわけです。ただ私は、こういうような問題について、単に
指摘
事項
にとどまらず、いま少しく親切な取り組みをしないと、
中小企業
者、特におくれた形の中において、まだどんぶり勘定的な
経営
の方針なり
方向
なりをもってその
企業
を運営しておる人たちに対する対策としては不親切のそしりを免れないと思われる点が幾多ある。 そこで私は具体的な例をあげて質問してみたいのですが、こういう場合は
中小企業
対策としてはどうあるべきかということなんです。
一つ
の大
企業
が仕事を
下請
企業
におろす。
下請
企業
はその仕事を終わって会社に品物を納める、あるいは完成してその報酬を受けることになるわけですが、そうした場合、その受けた金額について、長くなるとかあるいは何回にも区切って払うとか、いろいろ問題があるわけです。もう一歩進んで、その受けた
中小企業
者がここで
倒産
した。それで
倒産
したその
中小企業
者に対して何人かの人たちが債権を持っている。
中小企業
者のまた下の
中小企業
者がその物品を納入した形の中において債権を持っている。 〔
鴨田
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 こうした場合、
親企業
がこの
倒産
した会社に対して支払わなければならぬ債権についてどういうような処理をするかということになってくると、大体
親企業
の判断、それを支払わんとする人たちの判断に基づいて支払いが行なわれておる。こういう例が多いわけですね。あなたがさっき
説明
された中においても、
自動車産業
一つ
をとっても、
下請
の
下請
、またその
下請
というのが
日本
の中小企の現状なわけですね。そうした場合に、その
関連
の中で
親企業
の判断に基づくところの支払いの方法によって、
倒産
した下の
中小企業
がまた連鎖的な
倒産
をするという場合が相当多いわけです。こういうような
倒産
を防ぐために、そういう
親企業
に対して具体的な指導なりあるいは救済方法なりについての取り組みをしてやらないと、その
親企業
に
関連
する幾
段階
かの
中小企業
者は安心してその物品の納入ができない。ましていわんや、今日
倒産
屋というのがあるそうです。
一つ
の
中小企業
を形成的につくって、
親企業
から品物の注文を受け取って、それから下へおろす。それを
自分
の名前で受けて金だけもらって、あるいは一部の金をもらって
倒産
という形にして、
自分
たちだけは一定の
利益
を確保して逃げてしまう場合もあるわけです。そういう場合における対策をこの
施策
の中においてはほとんど
指摘
もされていないし、生きてもきていない。これは
中小企業
対策の今後の
基本方向
についての
一つ
の大きな
問題点
はないか、こう考えるわけですが、これらの点についての
考え方
あるいは対策はあるのかどうか、それをひとつ聞かしていただきたい。
乙竹虔三
46
○
乙竹説明員
先ほども申し上げましたように、どうも具体策については、まだ各方面とも、詰めといいますか、
知恵
の出し方が足りないということはわれわれ認めるわけでございますが、いまのような点につきましては、親と子と孫の例で、子供が
倒産
した場合に孫がどうなるかということでございますが、この
報告
で示しておりますのは、これも抽象的だとしかられるかもしれませんが、ワンセット主義という
考え方
を出しております。親と子と孫、これは
一つ
の、たとえば自動車という
完成品
に向かってお互いに協力をするという協力関係にあるもので、親と子と孫の関係は一体の連体関係を持つべきであるという、これは精神論の、お説教といえばお説教でございますけれども、これは非常に大事な
考え方
である。親が子供を収奪し、子供が孫をしぼり上げるということではなくて協力関係にあるという
考え方
、この
考え方
を中心にいたしまして、これを適用するといたしますと、いまの子供の
倒産
の場合には、親と孫との債権者
会議
を開いて親が孫の世話をするという
考え方
がすでに出てくるわけでございまして、こういう
方向
の指導は私たちすでにやっておるわけでございます。なお、この場合に、信用保証制度とからみ合わせて運用するという具体策もございますが、それとともに非常に大事なのは、子供と孫との関係について、孫のほうの親に対する
交渉力
を強力しておくということが非常に必要だと思います。そういう意味で、
交渉力
強化
について、金の世話であるとか、
技術
の世話であるとか、設備の
近代化
であるとか、こういうふうな対策を講ずべきであるというふうな
方向
をこの中間答申は示しておるわけでございます。
佐野進
47
○
佐野
(進)
委員
それは、そういうふうにいわゆる
下請
関係におけるところの子、孫、その孫というような形になってくる一連の
関連
について
中小企業
庁はお世話をしているということですが、このお世話をする課はどこなんですか。
乙竹虔三
48
○
乙竹説明員
私たちの仕事のやり方は、先生御承知のとおりでございますが、
業種
別にはみな原局があるわけでございます。したがいまして、たとえば自動車の
部品
でございますと、
重工業
局の
重工業
課が下まで具体的に
部品
業界の世話をするわけでございますけれども、それに対しましていま申し上げましたような一般的な
考え方
とか、特にこういう
倒産
の場合に、債権を持っております銀行に対しまして大蔵省なり日銀を通じて要請する、こういうふうな一般的な問題は
中小企業
庁の金融課が担当する、なおそれから
下請
関係でございますと、
下請
担当の課がうちのほうにございますので、これでもって監視的な意味、監督的な意味のタッチのしかたをしておるわけでございます。
佐野進
49
○
佐野
(進)
委員
私はその点について、
中小企業施策
というか、これからの対策というか、そういう面においていわゆる
中小企業
者が当面するいろいろな困難な場合、特に高度に
経済成長
が続いて行なわれるということを前提に考えたとき、そういう問題が数多く出てくるような気がするわけですから、そういう点についてはせっかくの機会ですからひとつ十分検討していただきたいと思います。そういうようにこの
報告
を聞きながらあるいは読ましていただきながら私はちょっと短い時間でありますが検討させていただくと、
指摘
したい
事項
というものが非常に多いと思うのです。その多い中においても、特に根本的に
日本
における
中小企業
対策というものが、いままでもそうであったのですけれども、どうしてもさっき長官が言われたように、
一つ
の
現象
を追って対策を立てていくというところの積み重ねの中において今日の
中小企業
対策というものがあるということに原因があるような気がしてならないわけです。だからせっかくこういうような
中間報告
をし、それから答申という形になってくるこの機会の中で
——
まだまだ時間があれば私はそれこそ一時間でも二時間でもあなたと話してみたいことは山ほどあるのだけれども、そういう時間的余裕もないので非常に残念ですけれども、集約的に何点かをしぼっていま質問したわけですが、せっかく
中間報告
をなされこれから答申を求められ、この
中小企業政策
に取り組まれる
中小企業
庁としては、学者の先生方に対して、私がちょっと
指摘
しただけでも何点かあるわけですから、もっと幅広く、現実に即した、しかも親切な対策を立てられるよう要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
小峯柳多
50
○
小峯委員長
中村
重光
君。
中村重光
51
○
中村
(重)
委員
昼食抜きの質疑でございますから簡単にお尋ねしてみたいと思います。きょうは、いま同僚
委員
からお尋ねをしました「今後の
中小企業政策
のあり方について」という問題に簡単に触れてみたいと思います。それから四十四年の予算
編成
を前にいたしましていま概算要求をまとめる
段階
であろうと思います。したがいまして、
中小企業
の予算要求をどういうかまえでやろうとしておられるのか、きょうは大蔵省からも自治省からも見えておられると思いますので、お尋ねしてみたいと思います。 ただいま同僚の
佐野
委員
から質問いたしておりました今後の
中小企業政策
のあり方ですが、長官は、勉強しなくちゃならない、そういうことで篠原
委員会
にこの
中小企業
問題について検討してもらって、そこで勉強するために
中間報告
をしてもらったんだ、こういうことでございますが、これは形成はどうなんですか。諮問という形式をとったわけですが、最終的には答申という形式ですか。あるいはそうでなくて、これを検討して、そこで最終
報告
を求めるということになるわけですか。
乙竹虔三
52
○
乙竹説明員
ただいまのところまだ諮問をしておりません。したがいまして答申がないということであります。ただ
政策審議会
及びこれの
企画小委員会
、時に
企画小委員会
は諮問がなくしても当然活動し、建議することもできますし、また建議という法律上のある一定の型にはまったことではなくて、自由に勉強をし役所と意見交換をする、こういうふうに相当フリーに実は
企画小委員会
は動いておるわけでございます。そういうふうなかっこうでこの問題は
企画小委員会
で取り上げることをわれわれとしてはお願いをし、
企画小委員会
は
報告
した、こういうかっこうでございますが、これが将来形が整ってまいりましたときには、当然われわれとしては正式諮問し、正式諮問に対しまして答申をもらうということになりますると、
企画小委員会
では答申の権限はございませんので、本
委員会
、内閣に付置してございます
中小企業政策審議会
の答申というかっこうで結実する、そういうふうにまた持ってまいりたいと思っております。
中村重光
53
○
中村
(重)
委員
あなたが長官になられて、
自分
はしろうとなんだということをざっくばらんに言って真剣に取り組んでおられる姿勢に対してば敬意を表しておるわけです。ただ、これはけちをつけるわけではないのですけれども、毎年
中小企業
の
政策
のあり方ということについて勉強をされて、そして私どもに対しましてもその結果の
報告
を実はしていただいておるわけですね。そして四十二年度の白書、さらにこの四十三年度において講じようとする
中小企業
の
施策
、これも実はいただいておるわけです。この中身を完全に突き合わせてみておるわけではないのですけれども、これも同僚
佐野
委員
から
指摘
しましたようにたいして変わらないですね。ですからこれはどういう形式をおとりになったのですか。あなたのほうで素材をおつくりになって、そこで篠原
委員会
にそれを検討してもらう、そういう形式をおとりになったんじゃないかというように思われるのですが、そうなのか。そうしますと、いままであなたほうで勉強してそうした素材をおつくりになって御提出になった、そこで検討の結果篠原
委員会
でどういう点を加えられたということになっておるのか、具体的に各項目にわたってはお尋ねをしないわけですけれども、特徴的というのですか、特にあなたのほうで確かにこれは勉強になったというようなことでいま印象にあられるような点はどういうところですか。
乙竹虔三
54
○
乙竹説明員
私たちの
中小企業
行政の責にある者といたしまして、虚心たんかいに持っております問題意識をざっくばらんに申し上げますと、
基本法
において
中小企業
の
国民経済
上いままで果たした重要性は明示されておりますし、さらに今後の
日本経済
においても
中小企業
は重大な使命を持っておるであろう、こういうことが明記されておるのでありますけれども、世上
中小企業
につきましては必ずしもそうでない意見、
中小企業
者自身にもそういう
考え方
といいますか、将来に対する不安といいますか、これがあると思います。世の中が非常に激動するものでございますから、従来低
賃金
、豊富な
労働力
にに
日本
の
中小企業
者は依存しておったものでありますが、
労働力
が足らなくなり
賃金
が上がるということになり、しかも
自由化
してくる、
後進国
が追い上げる、こういうことになりますと、ほんとうに
自分
たちは生きていけるのかどうという迷いが
中小企業
者自身にございます。またわれわれ役人にも、
基本法
では将来の
中小企業
の使命を確信すると御明示になっておりますけれども、一体どういう
方向
に
中小企業
をリードしていったらいいのか、その
ビジョン
といいますか
方向
を何とかわれわれはほんとうに確信の持てるような勉強をしたい、こういうことが問題意識であったわけであります。そういうことで篠原
委員会
にざっくばらんなかっこうで、一体
日本
の
中小企業
はどういうふうになっていくと思いますかということで問題提起をしたわけでございます。普通の審議会は、これは先生御承知のとをり、役所が原案を書きまして審議会に批判をしてもらうというかっこうでございますが、今回の審議会は、問題は、われわれがこういうことを教えてほしいというかっこうで持ち出しましたが、むしろ篠原
委員会
が
自分
で歩いた。もちろん事務的な整理は役所がいたしたわけでございますが、そういうかっこうででき上がったわけであります。 それで、一体どういう点でおまえはためになったと思うかという御質問でございますが、端的に申し上げまして、
日本
の
中小企業
が非常に激変してきた
日本経済
にうまく
適応
してきた、もっとも
適応
できなくて
倒産
等に追い込まれた
中小企業
も多々あったわけでありますけれども、しかしとにかく大部分は
適応
してきたということをあらためて思い知らされました。また、今後の進むべき
方向
として、従来は中小企は軽
工業分野
、労働集約的な
分野
が得意であったわけでありますけれども、むしろそれよりも
成長
部門
である
重工業分野
において大いに
中小企業
はこれから重大な機能を果たすべきであるし、また果たす
可能性
が欧米の
中小企業
を見た場合に十分それが期待できるということを
委員会
は
指摘
をしておるわけでありますが、この辺は私たちとして大いに行政の重点をそういう
方向
に今後向けていける、参考になり得ると思っております。
中村重光
55
○
中村
(重)
委員
私はこれれをしさいに検討していないので、ちょっと目を通したという程度ですが、この
中間報告
の中で
問題点
として感じ取っておるのは、基本的な問題を避けて通っておるような感じがしてならなら。なるほど
中小企業
の育成
強化
という点に対しては、金融の問題であるとか税制の問題であるとかということがあるわけです。さらにまた構造
改善
という形になってまいりますと、これは協業化あるいは共同化を推進していくということになっていくであろうと思うのです。それはそれなりに、抽象的にではありますけれどもこれを
指摘
しております。しかし、いまあなたは、
中小企業
を取り巻く情勢というものが急激な
変化
をしてきた、その中において大部分はこれに
適応
しておると考えておる、
アメリカ
等の先進諸国家における
中小企業
の実態から見て、
中小企業
というものは存在し得るという確信を実は持ったのだというようなお答えであったと思います。私もそうした先進諸国家の
中小企業
の実態というものを、これもまた十分ではありませんけれども見てまいりましたし、あるいはいろいろな資料等を見て
日本
における
中小企業
の問題と比較して考えてみておるわけですが、そうした先進諸国家の
中小企業
は大
企業
との間にほとんど
格差
がない。いわゆる
経済
の二重構造というものは
日本
の特異な
現象
であるということですね。 そこで、
中小企業
基本法
に何を私どもは求めてきたか、また
政府
はその目的というものをどこに置いたかというと、
格差
を是正していかなければならぬ、二重構造をなくさなければならぬ、そして大
企業
と
中小企業
とは均衡のとれた所得というものが確保されなければならないということであります。現状においては、大
企業
と
中小企業
のそうした均衡というものはとれてきたのかというと、
格差
はさらに
拡大
をしておる。大
企業
に働く労働者の
賃金
と比べて
下請
に働く労働者の
賃金
は半分または三分の一というひどい、悪い
条件
の中に置かれておる。そのようなことを考えてみますと、いまあなたは、
中小企業
というものは存在し得るのだ、
中小企業
というものは、現在の大きく
変化
しつつあるところの情勢の中において大部分はこれに対応しておると言われたが、
中小企業
基本法
の目的に沿っていないこの
条件
の中において、どうしてそういうことが言えるのかということです。私はそういうことであってはならぬと思う。
政府
は
中小企業
基本法
というものを提案してきた、その目的を達成させるための
施策
というものが講ぜられてこなければならない。ところがその目的とははるかに反対の
方向
に
中小企業
はいま置かれておる。いうならば、
中小企業
は青息吐息ということで生きたり死んだりしておるけれども、
中小企業
がほんとうに健全な姿において存在をしていないということは、すなわち急激に
変化
するそうした
条件
の中において
中小企業
は
適応
していないということがいえるのではなかろうか、私はそのように考える。それならばそれをどうしたらよろしいのかということをあなたがほんとうに勉強しようとするならば、そうした根本的な問題というものにメスを入れていかなければならないのであるから、まずそこに勉強の視点を置いていかなければならぬというように私は考える。その点に対してあなたはどのようにお考えになりますか。
乙竹虔三
56
○
乙竹説明員
先生御
指摘
のように、
中小企業
基本法
の目途は、
中小企業
の
生産性
を向上する、取引
条件
を向上する、そして
格差
を是正するということを明定しておるわけでありますし、私たち行政を担当いたします者も、この
基本法
の方針に沿った行政といいますか、
基本法
のお示しのように行政をやっておるわけであります。今回の
報告
もまた
中小企業
の
格差
を是正するにはどうしたらいいのかという点に実はほんとうのといいますか真のといいますか目的を置いておるわけでございまして、
格差
を是正しよう。先生いま御
指摘
のように二重構造というか、ずいぶん差は縮まりましたけれども、依然として大
企業
との間には
生産性格差
、それから
賃金
格差
があるわけでありますが、これは当然是正をする
努力
といいますか是正をする
方向
を見出していかなければいけない。どうしたら是正をされるかということであります。その是正をするためには、
中小企業
の一言で申せば
収益
力が高まる、世の中は変わっていく、その変わっていった
環境
、
条件
の
変化
を乗り越えて、それで
中小企業
が脱皮をしていって
収益
力が高まっていく、そして高い
収益
のもとに高い
賃金
が払えるということがまず
賃金
格差
を縮めることでありますし、
収益
力が高まるということは、イコールこれは
生産性
が高まるということであります。もっとも、釈迦に説法でございますけれども、
収益
力が高まるのは
付加価値
生産性
と
物的生産性
のいずれかないしは両方高まる必要があるわけでありますが、この
収益
力をそれじゃ高める
方向
はどういう
方向
であるかという勉強をこの
中間報告
はしておるわけでございまして、それは結局
中小企業
が適者として生存し得る部分はどこであるかということになるわけでございますので、
重工業分野
、軽
工業分野
、
流通分野
それぞれについて勉強いたしまして、
重工業分野
につきましては、まず第一は、量産部分の
部品
の供給者ないしは部分の加工、メッキ等の部分加工の担当者としての機能、それから第二は、
先端産業
、電子計算機等々の
先端産業
の
部品
、これはまあ十万点にもなるというわけでございますが、これは大
企業
には適さない部分でございますので、この部分における機能、それから第三には、包装、食品加工等、新しい
分野
におきます
機械
化、この
機械
をつくるというのは相当
知恵
が要るわけで、これは大規模
生産
に適しない部分でございますが、この部分における
分野
、こういう
重工業分野
におきまして、
中小企業
が将来
収益
力を上げていくという道を発見し、また軽工業の部分におきましては、
高級品
の
分野
ないしはバラエティーに富んだ
商品
の
分野
、こういうものに対する
中小企業
の生きる道を示す、こういうこと等を
業種
ごとと申しますか、
分野
ごとに勉強いたしまして、そういう方面に
中小企業
が向いていくならば
収益
性を上げることができる。ただし、その前提としては、
技術
を高め、設備の
近代化
が大前提になる。したがって
政府
としては、
技術
を高め、設備の
近代化
の
努力
をする、援助をするとともに、また
生産性
を高めるだけでは、これは車の両輪の一面が欠けておりますので、
販売力
、また
交渉力
を高めるという点において
政府
が支援をするならば、そこで
中小企業
の
収益
性が高められる、それによって
格差
が解消されるというふうな
考え方
を
報告
はしておるわけでございます。
中村重光
57
○
中村
(重)
委員
まあ勉強はいいんです。勉強はいいんだけれども、いまあなたは、大
企業
と
中小企業
との関係において
格差
は縮まってきたという。なるほど労働者の
賃金
というのは、労働者が集まらないから、人手
不足
の中において、若年労働者の初任給というものを引き上げていくという形にならなければ集まらない、したがって無理をして初任給を引き上げる、そういう意味において、
賃金
の
格差
というものが、若年労働者を中心にして縮まってきたということは事実です。しかし、また
拡大
の傾向にある、これも事実なんですね。しかし、ここで
指摘
をいたしておりますように、
中小企業
におけるところの労働者の
賃金
というものは
生産性
を上回っておるということも
指摘
してあるわけです。そこで、いまあなたが、
収益
性が縮まってきたといって、特に
収益
性の問題に触れられたんですが、この中には、
収益
性というものは非常に
中小企業
は大
企業
と変わらないように高まってきている、ただ、五十人から九十九人の零細
企業
はそうではない、これは非常に
格差
が
拡大
をしておるのだというような
指摘
があるわけです。
収益
性がどうして高まってきたのか。これはかつて炭鉱の再建案の中においてトン当りに千円なら千円の補給金を出そうということで検討した際、赤字炭鉱に対してこの補給金というものは出すのだということですね。赤字炭鉱はどういう炭鉱かといったら、大手の炭鉱だけが赤字だという。中小炭鉱は黒字だから補給金を出すというような形の保護はできないというのです。ちょうどそれと同じなんです。それじゃ中小炭鉱というものはほんとうに
収益
が高まって黒字が出ておるのかというと、なるほど帳簿面においてはそういうことになっているのだけれども、中身を見てみると、中小に働く労働者の
賃金
と大手に働く労働者の
賃金
というものは格段の差がある。低
賃金
で、劣悪な労働
条件
で実は働かされておるのです。これは株主に対するところの配当というものも、配当らしい配当というものは実はなされていない。そういうことはどこかにたいへん無理をして、そこで
中小企業
というものは国の保護が非常に少ないのに生き伸びてきておる、そうして若干でも帳簿じりに黒字というものを出しておる、それとちょうど同じなんです。
中小企業
の
政策
の中に、一般のプロパーの
中小企業
の場合におきましても、
収益
力が高まっているというけれども、実際は労働
条件
も悪い、その他の
条件
というものも非常に悪いのですよ。そこでこの純
利益
というようなものは、そうした悪い
条件
の中において、締めつけの中において黒字が若干出、
収益
が若干高まってきた、ただそこだけを見て
収益
というものは大
企業
と実は変わらないのだ、
資本
効率というものは非常に高まってきたというような見方をして、
中小企業政策
というものを立てていこう、勉強の結果立てていこうとすると、私はたいへんな間違いが生じてくるように思います。だからして、やはり根本的な問題にメスを入れていかなければならぬ。基本的には、先ほど申し上げましたように、
中小企業
基本法
の
格差
是正、二重構造をなくしていく、そのためにはどうするのかということですね。これにも、
成長
する
経済
の中において
一つ
の
分野
を
中小企業
は確保してきたということを
指摘
している。なるほど確保してきた、確保したと思っておると、今度は大
企業
からまた駆逐されていくというような、そういう
中小企業
は非常に不利な
条件
の中に置かれておるわけですね。だから
中小企業
を健全に
日本経済
の中においてその
役割り
を果たさしていこうとするならば、やはり
中小企業
の事業
分野
を確保していくということが絶対に私は必要な
条件
であると考えるのです。同時に、私どもがいつも言っておりました行政の面におきましてもこれは触れていない、行政のあり方の問題について。四百万事業所と言われる中において、その九〇%近い
中小企業
、そういうものに対して行政的にいま通産省の中におけるところの
一つ
の庁という形で、外局的な存在としておいてよろしいのかどうかということにつきましては、やはり
中小企業
省の
設置
といったようなことも、これは絶対に避けていくわけにはまいらないと思う。いまあなたが勉強して、
中小企業
に対するところのどうあるべきかということについて答申を求めようとするなら、やはりそうした基本的な問題に対しても遺憾なくここにメスを入れていくということでなければならないのです。そういう基本的な問題を十分えぐり出す、そうして具体的な問題をここで打ち立てていく、
施策
を講じていくということでなければ、ほんとうの意味の
中小企業政策
にはならぬと思うのです。同時に、この
中間報告
を見てみますと、問題は比較的に正確に
指摘
しております、現状分析というものはですね。しかし現状分析というようなことだけでは問題の解決にならないでしょう。ただいま私が申し上げたような基本的な問題にまずメスを入れて、その上に立った具体的な
施策
というものを打ち立てていくのでなければならないのですから、事業
分野
の問題をどうするのか、これは
中小企業
省の問題等々とも
関連
する大きな政治問題ですから、一長官によってこの問題を解決をするというわけにはまいりますまいが、とにかくこうした
委員会
等において意見を求めていこうとするならば、そういう点について、いやなことだって諮問することは諮問して、そうして答申を求める、
報告
を求めていくということでなければ私はならぬと思う。そのような点についてどのようにお考えになるか、これは大臣がいまお見えですから、政治的な問題でございますから、ひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
乙竹虔三
58
○
乙竹説明員
まず私から事務的な点で先ほど私の答弁が足りません点があったかと思いますので、補足をさせていただきたいと思います。 まず、
中小企業
が現状において
収益
力を高めてきたから、大
企業
と対等に太刀打ちしていけるのだという
考え方
は、この
報告書
はとっておりません。むしろ
格差
を是正するという
基本法
のねらい、これを達成するためには、
生産性
を高める、
付加価値
並びに物的両
生産性
を高めるということでなければこれは
格差
の是正ができないわけだが、そういうのはどういう方面で可能であるか、
生産性
を高める
方向
はどういう方面で可能であるかという勉強をしたわけでございます。この勉強はまだ決して十分ではございませんけれども、しかし
重工業
の
分野
なり軽工業の
分野
なりで大
企業
と五分に太刀打ちできるように
生産性
を高める
分野
があるという
指摘
を
報告
はしておるわけでございます。ただ
生産性
を高めましても、御
指摘
のように、もし新たに生み出されました
生産性
が
中小企業
に分配されずに、これが大
企業
に収奪されるということになりますと、
格差
は是正されないわけでございますので、どうしたならば
中小企業
の立場を強くすることができるのか、これが結局
販売力
の
強化
なり
交渉力
の
強化
であるという
指摘
をし、この辺のところは先生御
指摘
のようにまだ非常に不十分な点ではございますけれども、問題がそこにあることは自覚をしておるわけであります。さらに進んで、先生御
指摘
のように、
中小企業
のための事業
分野
というものを隔離するほうがいいのか、あるいはこういう国際化時代でございますので、
日本
だけで隔離をいたしましても外から入ってくるわけでございますから、
中小企業
の体質を
強化
することによりまして
格差
を是正するという
方向
をとるのがいいのか、これは今後十二分に研究すべき大問題であると思います。 それからなお行政上の
中小企業
省の問題につきましては、われわれ事務当局といたしましては、とにかく一生懸命
企業
庁としてできるだけのことをやっておる、その上で、あとは高度の政治的御判断にまつということだと思います。
椎名悦三郎
59
○椎名国務大臣 途中から来ましたので的確なお答えになるかどうかわかりませんが、私は
自分
で見聞したことでありますが、実は愛知県の商工課長をしばらくやったことがある。あそこに、尾西地方に中小の毛織物業者がたくさんあるのです。それがいまどうなっているか、あまり詳しくはありませんけれども、私のおったとき、そのころの状況を見聞しておるのですが、相当に
収益
力をあげておる。それで近所に大
工場
がもちろん進出しております。おりますけれども、まあ斉一な
製品
を大量に出すということは大
工場
では可能であるけれども、いろいろな規模のものを、こまかに細工をして考案を加えて、そしてそれをあまり大量に出すということはちょっとむずかしい。もし大量に出せば値段がくずれるということで、反対に逆効果を生ずるということもありますので、見ていると、いまでもやはり大
工場
制度と
中小企業
規模というものがちゃんともう自然発生的に軒を並べてやっているんですね。私は
企業
の
分野
を外部から強制的に確保せぬでも、ああいうふうに、大
工場
ではこういうことはできるけれども中小規模のまねはできない、中小規模のことは
中小企業
の連中が一番適当なのでありまして、それを大
工場
がまねをしろといったってできはしない、結局自然に
分野
が分かれて、そして両方とも栄えておる、こういう状況を見ておるのでございます。私はそういったようなことで自然に分かれていくのがいいのであって、これはおまえの領域である、こっちへ入っちゃいかぬ、こういうことを言ったって、それはとても長続きをするものじゃないと思う。 でありますから、その他の問題についも、かりに話は聞いているのですが、自動車の大
工場
があって、それの
部品
メーカーがたくさんある、ところがある
工場
は下をいじめつけている、少し苦しくなると百五十日あるいはそれ以上の手形を出していじめつけておる。片一方のほうはそういうことは絶対にしない、非常にその
技術
を尊重してほんとうに、まあ心服というのは少し語弊があるけれども、全く一体になって
責任
感を持ってやっておる、そのかわりちゃんと与えるものは与えるということで、ほっておいてもほかに逃げないらしいんですね。そして、いじめていじめ抜いているところはいいかといったら、だんだんやはり
製品
の成果というものは劣ってくる。そういうことでありまして、それぞれ
中小企業
というものにはおのずから
自分
の
分野
というもがちゃんと確立されていくんじゃないか。その点がどうもいまあいまいなものだから、ただもういじめつけたりいろいろな文句を言って、都合の悪いときは変える、都合のいいときは甘やかす、こういうようなことをやっておるのが大体の状態ではないか。そういう問題をつぶさにこれを整理することによって
中小企業
の
分野
というものはだんだん確立していくのじゃないかと私は考えておるのです。これで全部を律することはもちろんできないと思います。できないと思いますが、そういうところにひとつ目標を置いていけるのじゃないか。私の選挙区にもいわゆる工業団地というものがぼつぼつでき始めた。でき始めてくると、たまたまそのうちの一
工場
に非常に大きなメーカーの注文が発注された。そうすると隣にもいろいろなのがおるものだから、それで両方で歩み寄ってだんだん
拡大
されてくる。しかしあれは一
工場
になったほうが得じゃないか、それが自然じゃないかという気がいたしますけれども、やはりそういうものじゃないらしいですな。そういうわけで、指導のしかたにもよりますけれども、私はそう無理してなわ張りをきめないで、自然に
中小企業
が生きる
分野
というものを広げて、それが定着するというような形になっていくんじゃないかということを考えております。
中村重光
60
○
中村
(重)
委員
まああなたが言われる自然の流れにまかせる、そういうような
考え方
というものも
一つ
あると思うのです。無理をしてはいけないということ、無理に何かワクの中にはめていくということは適当ではない、そのことは私も別に反対ではない。しかし
中小企業
というものを
日本経済
の中においてどう位置づけていくかということが
一つ
ですね。そのことを考えてみると、やはり
中小企業
というものが重要な
役割り
を果たすことを期待されるならば、
中小企業
が健全に存立し得るようなことを当然これは
政府
としても
施策
の面に生かしていかなければならぬと、こう思います。だからいま
政府
としても
中小企業
の共同化であるとかあるいは協業化というものを推進しておられるのだろうと思うんですね。そういうことをされるならば、やはり
中小企業
がおのずから果たすべき事業の
分野
というものはどういうものがあるのかということを検討しなければならないと思うのです。大
企業
は強いんだから、強い
資本
力にものをいわして、ここがもうかるぞと思ったらどんどんそこへ入っていくということでは、
中小企業
は混乱します。それでは
中小企業
というものが
日本経済
の中に果たしていく
役割り
というものが果たせなくなってくるということになる。やはり混乱というものは私は適当ではないと思いますね。無理にワクの中にはめ込むというようなことを避けなければならぬというお
考え方
があなたにあるといたしましても、やはり大きな
一つ
の
方向
づけというものだけはしていく必要があるのだというように私は思います。
中小企業
の
倒産
ということに対しても、あなたは無関心ではないと思います。好景気になっても不景気になっても、好不況を問わず
中小企業
が
倒産
の一途をたどっておるということはどういうことなのか。これは税金が高いとかあるいは金融というものが十分行なわれていないとかいうようなこともあるかもしれないけれども、やはり構造的な問題があると思います。そうした構造的な問題にメスを入れていくのでなければ、問題の解決にはならないのではないか。あなたが一時半までの時間ということでございますから、そうした問題に対して十分ひとつお尋ねをし、また
考え方
を聞かしていただくことはきょうはできませんけれども、
中小企業
に対する
役割り
を期待されるということであるならば、その大きな目的、いわゆる
基本法
の目的に沿って具体的な
施策
を進めていくということでなければならぬ。ともかく大
企業
がいやがるようなことは避けていこうというような、あくまで大
企業
の
発展
成長
に対してお手伝いをさせるというような
中小企業施策
であってはならぬ、このように私は考えます。 あらためてこれらの問題に対してはお尋ねをすることにいたしますが、来年度の予算
編成
に対しまして、八月三十一日までに法律に基づいて概算を試算して要求されることになると思うのですが、その前に、商工会その他の
中小企業
団体、私は商工会にしぼってお尋ねをしてみるのですが、この商工会は第六条の第三項で「特定の政党のために利用してはならない。」ということがあるのですが、この解釈はどのようにしておられるのか。まずこれは長官からひとつお答えを願って、あとは大臣にお尋ねをしてみたいことがありますから、それはあなたからお答え願います。
乙竹虔三
61
○
乙竹説明員
商工会は、小規模事業者に特にその指導をいたします指導員を商工会に持つ、ないしはそれ以外に小規模事業者の種々の面につきましての援助をするということを主たる目的としてこうやって法律でつくられた組織でございまして、単位の組織のみならず、県の連合会さらにまた全国商工会というふうな公的な機関でございます。したがいまして、当然これが特定の政党に傾斜した行動ということは望ましくないわけでございますので、ただいま先生御
指摘
のような条文が明定されておるわけでございます。
中村重光
62
○
中村
(重)
委員
特定の政党に傾斜するということは、具体的にたとえばどういうことが考えられますか。
乙竹虔三
63
○
乙竹説明員
第六条の第三項は、これは商工会のみならず他の公的な
中小企業
団体全部に妥当する条文でございまするが、特定の政党の支持活動を商工会の名前でやってはいけない、こういうことが
一つ
の場合であるというふうに思います。
中村重光
64
○
中村
(重)
委員
商工会がいろいろな出版物を出しておられる。そこで自由民主党の特定人にのみその出版物を利用させる、意見を発表させる機会を与え、その他の政党というものには全くそういう機会は与えないというようなことがかつてあった。小川労働大臣が当
委員会
の
理事
をしておられたとき、あの人は御承知のとおり商工会の地域の会長をしておられるのですね。これは適当ではないのではないかということでいろいろ話をいたしましたところ、さすがに小川さんでございますから、そのとおりだ、そういうことは
改善
しなければならぬといって、直ちにそうした自民党の特定人に対してだけ意見を求めるというようなことを避けた、
改善
をした。これは私は正しい態度であるというように思っておるわけですね。だからそういうこともやはり私どもは、特定の政党のために利用させないというこの第三項に違反すると思う。選挙の場合だって同じようなことが言えるのではないか。自由民主党なるがために商工会あるいはその他の
中小企業
団体が推薦をするということは、これは私は適当ではないと思う。あるいは商工会の中央の組織であるとかあるいは県の組織に、自民党の最高の幹部に当たる者がその人事に介入をして、あれを会長にしてはならない、これを専務
理事
にしてはならないというようなことでいろいろと干渉していくという姿も私は適当ではないと思う。だからあなたは長官として、
中小企業
諸団体がこの原則にもとるような行為をしていないかどうか、どういうことがそうした原則にもとるのかというようなことについて絶えず監察をしていなければならないし、目に余るような行為があったならば、これに対して注意を与えていくということでなければならない。私はいろいろなことを耳にしているのだが、あなたはそれをお聞きになったことがありますか。
乙竹虔三
65
○
乙竹説明員
先生御
指摘
のように第六条の第三項が明定をしておりまするし、特にまた、この商工会及びその他
中小企業
団体の性格上、特定の政党に傾斜した行動を商工会の名前において行なうということは、これは違法でございます。また不適当でございます。したがいまして、私たちそういうことを耳にしたならば、厳にこれは取り締まらなければならないというふうに考えております。
中村重光
66
○
中村
(重)
委員
今度の参議院選挙で、私は
中小企業
の十二団体の大会に
出席
をいたしました。自民党から代表で豊田さんが来ておられた。私は社会党代表、民社党から麻生君、それから公明党から近江君が来ておった。日比谷公会堂で行なわれた。豊田さんの名前をその大会において、豊田はがんばっているのだ、
中小企業
のために働いているのだと三回か四回、豊田さんの名前をあげた。私は演壇に立った。いま皆さんは豊田さんの名前を三回ないし四回言われたが、社会党の
中村
を言ったか、民社党の麻生氏の名前を言ったか、公明党の近江と口にされたか。この大会は特定人のための選挙活動のための大会であると誤解されるおそれすらある。私どもは何も
自分
の名前を言ってもらいたいというのではない。しかし、
中小企業
のために特定人だけがほんとうに働いておるというようなことであるならば、その名前をあげられてもけっこうなんだが、そうではないじゃないかというので、大会のあいさつの中で、私も言いたいことを言わせろということで言ったことがあるのです。参議院選挙の際において、商工会、
中小企業
等の問題に対して、私どもの目で見て何も取り組んでおるように感じられないような人たちを、自由民主党の公認候補なるがゆえに商工会連合会の名をもって推薦をしていくということは適当ではないと思う。参議院においてもあるいは衆議院においても、ほんとうに
委員長
であるとかあるいは
理事
その他の
委員
、与党であっても、
委員
といったそれぞれの人たちが、ほんとうに
中小企業
のためにがんばっているんだから、そういう特定の政党という意味ではなくて、ほんとうにこの候補者は
中小企業
の
発展
のためにがんばっておるという意味において、何らかの形において推薦をする、当選を期待するということを私は言うのではない。縁もゆかりもないということを言うと言い過ぎるかもしれませんけれども、ともかく
中小企業
のことについて特別の取り組みをしておるとも考えられない、ある場合においては相当批判的な言動すらしておるような者であっても、自由民主党の公認なるがゆえに、商工会の連合会等においてこれを推薦をしていくということは、私は特定政党の
下請
機関的なものに堕しておると思う。そういうことは適当ではないと考えておる。だから、通産大臣としてはこれらの点に対してどのようにお考えになるか、またこれら諸団体をどのように指導、監督をしていこうとお考えになっておられるのか、ひとつ御意見を伺ってみたいと思います。
椎名悦三郎
67
○椎名国務大臣 申し上げるまでもなく、これは公法人でございまして、特定の政党あるいは特定の個人に傾斜するということは、これはもう厳に戒むべきであると考えます。そういういったようなことが今後起こらないように気をつけてまいりたいと思います。
中村重光
68
○
中村
(重)
委員
私は、混乱が起こるかもしれませんから、きょう名前をあげませんけれども、自由民主党の最高幹部の地位にある
——
総理とは私は言いません、主たる幹部の地位にある人が商工会の人事に介入をして、総意によって
選任
された幹部にけちをつけて、これをかえろというような圧力をかけておるという事実があります。これらの点に対しては十分
調査
をして、そうした行き過ぎがないようにしてもらわなければならないというふうに思います。これらの点ひとつお答えを願います。
椎名悦三郎
69
○椎名国務大臣 これもどの程度のことか、これは非常にむずかしい問題でございまして、たとえば商工会の人事の問題に関して、たまたまある職員あるいは役員の進退に関して外部からいろんな注文が出た、こういったような場合がよくあるわけであります。その場合にその外部の人がたまたま政党に籍を置いたような場合も間々あると思いますが、それが政党という
一つ
の背景によって、そして適当な限界を越えるというようなことは、これはどうも許されないだろうと思います。ただ、個人的にそういうサークルにいろいろな因縁が従来あって、それで商工会のシンパの一人として信念をもって何かものを言うというような場合は間々あることでありまして、その区別が非常にむずかしいと思いますが、これは具体的によくその場に処して判断を下していかなければならない、こう考えております。
中村重光
70
○
中村
(重)
委員
大臣は部落は川島派にたしか属しておられるように思います。川島副総裁にお聞きになれば、そういうようなことも何かあったんじゃないかというふうに言われるかもしれません。ともかくそうした商工会等の人事に介入をしていくということは私はいかぬと思う。やめろとかあれをせいとかいうことを言うべきじゃございません。 長官にお尋ねをいたしますが、四十四年度の概算要求を八月三十一日までにお出しになるのだろうと思いますが、信用
補完
制度の問題であるとか、あるいは小規模事業予算であるとか、あるいはその他
政府
関係金融機関に対するところの出資、財投、それらの点に対してどういうかまえで今度はひとつ要求をしていこうとしておられるのか、
考え方
をお聞かせ願いたいと思います。
乙竹虔三
71
○
乙竹説明員
お答えいたします。来年の予算は大蔵省に今月末提出するわけでございますが、予算要求額についてのある制限もあることでございますが、しかしこれから申し上げます諸点につきましては、ぜひこれは拡充
強化
せなければいけないということでございますので、目下鋭意勉強しておる
段階
でございます。 その勉強しております重点項目を申し上げますと、まず第一は
中小企業
振興事業団の関係でございますが、これは団地、共同施設を中心にいたしまして、かつての
高度化
資金
特別会計当時と違いまして、本年度の予算執行においても非常に要望が強く、予算執行に難渋をしておるわけでございますが、さらに来年度は各府県を通じまして共同施設、団地に対しまして特に金額の大きなのは
商業
団地でございますが、非常に大きな要望が出ております。私たち、
中間報告
でも示されておりますように、激動期を迎えております
中小企業
の協業化は一刻もゆるがせにできない点でございますので、できるだけ多額に予算要求の中に織り込みたいと考えておるのが
一つ
でございます。 第二は、いま先生御
指摘
の信用
補完
制度の点でございますが、保証基金、準備基金につきましても本年度追加をしていただいたわけでございますが、さらにこれも
中間報告
に示してございますように、特に小規模事業対策の中核的な制度としてこの信用
補完
制度の意味があるわけでございますし、またしたがいまして、この運用に必要な融資基金はできるだけ多額のものを計上いたしたい。とともに、この金融引き締めの
影響
がまだ当分続くと思いますが、そういたますと代位弁済は依然として高水準でございましょうし、その結果信用保険公庫の準備基金、これに対します
補完
といいますか補充は、制度の円滑な運用を期するためには相当額を計上しておかなければならないというふうに考えております。もっとも形式的に信用
補完
制度は大蔵省予算に計上されることは御高承のとおりであります。 第三点といたしましては
技術
対策、それから情報サービス事業の充実、この点は重点に考えたい。それとともになお小規模事業対策の骨格をなしております指導員制度でございますが、これは増員の点におきまして、また給与の増額の点におきまして、さらにまた期末手当等の問題におきまして、また僻地等に勤務しております指導員の手当問題につきまして所要の措置を講じなければ小規模事業対策の運用は期し得ないというふうに考えております。 それから財政投融資の関係は、
政府
関係三機関に対します融資、例年二〇%程度融資量においてふえてきておるわけでございます。来年度は引き締めも終わるわけでありますが、しかし引き締めが終わるということは、従来テンポのおくれておりました
中小企業
の
近代化
、国際競争力の
強化
のための
体質改善
の
資金
、これがむしろよけい要るという時期でもございますので、この辺は相当量を計上するようにいたしたい。 以上の点が重要な諸点として、ただいま鋭意詰めておる最中でございます。
中村重光
72
○
中村
(重)
委員
大蔵省から例年二五%アップとか、あるいは三〇%だとか五〇%アップとか、そういう範囲で概算要求をやれというようなことがよく示されるわけですが、ことしは何%という形で示されておりますか。
乙竹虔三
73
○
乙竹説明員
本年度予算に対しまして二五%アップ、これはただし通産全省を通じてでございますが、二五%アップの範囲内で予算をつくるというふうな閣議の取りきめになっております。
中村重光
74
○
中村
(重)
委員
そこで、大蔵省の亘理主計管がお見えですが、いま
乙竹
長官からたまたま
経営
指導員のことについてお答えがあったわけですが、四十三年度に全国から、商工会をつくっておるが指導員がいない、指導員をぜひひとつ配分してもらいたいというような要求が、五十七名かそこらあったように私は伺っているわけです。ところが、今度は相当数の配分はなされるのだけれども、一方八%か一〇%程度の削減というものが要求される。そこで五十数名
——
たしか五十七名だったと思いますが、それに対して三名かそこら、実質配当人員はその程度だということなんです。商工会あるいはその他の
中小企業
団体というものを組織していかなければならぬということで、
中小企業
庁は
努力
をしておられる。そうなってまいりますと、
経営
指導員であるとかその他
中小企業
の振興に必要なそうした専門家を配当していかなければならぬということになるわけです。ところが、一般の職員の減員ということも問題でございますけれども、こうした国が
一つ
の
政策
としてどんどん
強化
していこうとしている組織、その組織というものを、一方においては必要人員を配当しないという形において、その芽をつまんでいくというようなことでは私は矛盾をすると思う。したがって、おそらくいまのお答えの中では本年度も相当要求がなされるものであると思うのでございますが、どういう
考え方
をもってこれに対処しようとお考えになっておられるのか、ひとつ伺ってみたいと思いますす。
亘理彰
75
○亘理
説明
員 お答え申し上げます。来年度の問題につきましては、まだ概算要求もいただいておりません、御
説明
も伺っておりませんので、何とも申し上げかねるわけでございますが、
中小企業
の重要性につきましては申すまでもないことでございまして、財政当局といたしましても、一般会計の支出、財政投融資あるいは税制、いろいろな面がございますが、従来できる限りの
努力
はしてきておると思っております。 来年の問題につきましては、一般的な財政の状況ということで申し上げますと、昨年来財政硬直化という問題が出てまいりまして、御承知のとおりでございますが、財政収支の状況が非常に窮屈なときになってきております。特に
人件費
あるいは地方財政費、その他いろいろの義務的経費のいわゆる当然増と申しますものが非常に大幅にふえるような傾向になってきておりまして、一方財源のほうも、国債を減らしていかなければならないというふうな要請もございまして、財政の原資のほうの伸びはかなり限られてきておるということで、かたがた
政策
的な経費にはその余裕というものが非常に小さくなってきておるということは御承知のとおりであろうと思います。そういう基本的な情勢は、ただいまの見通しでは来年度においても基本的にあまり変わってこないのじゃないかと思っております。その中で特に
政府
の重点
施策
として
中小企業
というのは年々取り上げられておるわけでございますが、できるだけほかの
施策
とのバランスあるいは
施策
の効果、効率等々をにらみ合わせながら、できるだけの
配慮
をしてまいりたいと思っております。 それからただいまの具体的に御
指摘
の点は、昨年の実行の問題かと思いますが、これ御承知のように、昨年補正予算の
編成
に際しまして、財源難で万般の
施策
について節約を加えるという必要を生じたわけでございます。
中小企業
につきましてもそのほかの
施策
につきましても、その
施策
自体の重要性、必要性は申すまでないことでございますが、全体の財政状況からやむを得ずとった措置でございまして、そういう場合にも
中小企業
に対する対策は、年々財政投融資の面で年末
金融等
も考慮しておりますが、できる範囲では最大の考慮を払っていきたいと考えております。
中村重光
76
○
中村
(重)
委員
亘理さん、おっしゃることはわかるのですよ、財政硬直化という形でのあなたの主計官としての裁量の範囲というものはね。しかし、
中小企業
の対策の中で
中小企業
を組織化していく、そして協業化、共同化の
方向
へ推し進めていこうということは、これはまた絶対的な要件ですね。そうすると、そうした商工会において
経営
指導員が二人というところは、これは皆無とは言わないが非常に少ないですね。まあ百名程度のところは完全にこれを配当しろということが要求されておるのだけれども、そういうところで五十七カ所も六十カ所も商工会を
設置
して、
経営
指導員というものを置かなければ、その組織というものはお互いの単なる意見交換をする組織にすぎなくなるのです。やはり
経営
指導員というものがおって
——
商工会に組織化されるものは零細な
企業
者です。そうした零細
企業
者がお互いに協業化して、共同購入もありましょう、あるいは共同出荷もあるだろう、あるいは共同集金という
方向
も目ざすでしょう。そういうことで、
中小企業
はやはり、そういう
高度化
の
方向
へ進めていかなければならぬと思うのですね。その大きな心臓は何といっても
経営
指導員だと思う。その
経営
指導員を財政硬直化の名のもとに
——
組織化されて絶対必要であるということで要求されておるところが五十七カ所も六十カ所もある。それにわずか三名かそこらの配当を今年度して、そしてあとう限りの
努力
はした、財政硬直化上どうすることもできないということでは、大蔵省はさいふのひもを締める立場であるかもしれぬけれども、しかし私は
政府
の中においてそういう矛盾したことがあってはならぬと思う。節約しなければならぬところはまだ節約の余地が十分あると思う。そういうところはやらなければならぬけれども、絶対に無理押しをしてはならない。その要求を認めていかなければならぬところは認めていくという態度でなければならぬと思うのですよ。それから離島寺において、いまお話ございましたが、ともかく離島手当の問題であるとか、あるいは身分関係においても、
経営
指導員というものはこれは公務員でもないのですね。そして、いつ首切られるかわからぬきわめて不安定な関係の中にある。そういう人たちに対しては少なくとも期末手当というようなものを、国が三・三であるならばやはりこれに準じてその程度は、これは給料も非常に低いのだから、せめて期末手当等においてこれを幾らかでも
補完
してやるというような態度でなければならぬと思います。そういうところを財政硬直化という名のもとにこれをつまむということは、角をためて牛を殺すというたぐいになってくると私は思うわけですが、今度は昨年のようなことをやってはならない。今年度のようなことを明年度はやってはならぬと思います。そこいらの点についてあなたの
考え方
をここで言うていただきたい。そしてそういうようなかまえでもって取り組んでもらわなければならぬと思いますが、いかがですか。
亘理彰
77
○亘理
説明
員 ただいまお話しのように、
施策
は重点的にやっていかなければならぬ、
中小企業
の場合特にそういった組織化、共同化が大事であるということはお話しのとおりであると思います。一方におきまして財政の硬直化というのは収支の絶対的な不均衡の問題につながってくる問題でございますから、一方で伸ばすべきものは伸ばすという場合には、他方で押えるべきものを押える、あるいは節約すべきものを節約するということが伴ってまいりませんと、これはなかなか収支の適合が困難になってくるという問題があります。いまお話しの点につきましては、定員の全般の五パーセントの削減というふうな一般方針でございますが、これも全般的な方針としてそういう
方向
を打ち出すことがやはり財政の体質を
改善
し、柔軟にし、そして将来のためにその時代時代の要請に応じた
施策
を展開していくために必要な
一つ
の基礎固めになるのだ、こういうふうなことで方針をきめ実行いたしておるわけでございます。お話しの点につきましては、全体の財源状況、それからほかの
施策
とのバランス、それからそれぞれの効率的な運用がどうなっておるのか、節約すべき余地が他にあるのかないのかというふうなことと
関連
しまして、お話しの基本的なお考えはごもっともだと思います。それを具体的にどう適用していくかということについては十分検討さしていただきたいと思います。
中村重光
78
○
中村
(重)
委員
まあ何と言うのか、押えるところを押さえなければいけない、そのことは
一つ
の基準をおつくりになっておられる。それでいろいろな事情で、たとえば炭鉱等においては炭鉱がつぶれる。それに伴って
中小企業
者というものが減ってきますね。そして線を引いておられますから、この基準以下になったら、ここは二名だけれども、ここは一名にしろ。そういうようなところが相当あるのだろうと思う。それを削減をしろということなんですね。なるほどそういう点もわからぬではありません。しかし一面それは非常に現実的でもない。それは商工会、その他の
中小企業
諸団体でも同じですけれども、非常に仕事が多いんですよ。たとえば税金関係でも記帳継続指導等もやっておられる。これに対してもたしかに九千円かそこらの助成かなんかしておられるところもある。ところが専門員に対しては専門的にはこれを認めていないというような点もある。いろいろな
中小企業
者が組織化をしていったために非常に多元的な仕事というものがあるのです。それを、
中小企業
者の数が減ったから、それで二名であったのが一名でよろしいか、そうもいかぬですね。だから、それを減さなければならない、したがってそれをプラスマイナスすると、たとえば六十名の要求でも十名でもいいじゃないかというようなことで大蔵省方式で
企業
庁に押しつけようとしても、現場の
中小企業
団体というものはそれについてこないですね。いや実はもっと仕事は非常に多元的になったのだ、だからしてもっともっと配当してもらわなければならぬと思うのに、数が少し減ったからといって、一名減すなんてそんな無理なことはできませんよ、そういうことになってくる。だから、結局商工会はつくったけれども、指導員の配当というものはないということで、組織したけれども、依然として実質的な活動というものはできないでおるというのが現状なのです。だから、あなたのほうも、ひもを全然締めないでそのままということになってまいりますと、それはたいへんだろうとは思う。しかし、こうした国の
施策
の中で
中小企業
の組織化というようなことは非常に重要なのだから、あまりそういうところにしわ寄せをしないようにしていく必要があると私は思う。一方的にあなたのほうでものさしを当てて、それによって弾力的なやり方をやらないというようなことがあってはならぬと思います。 時間が幾らあっても足りませんから、この点はひとつ、その他
中小企業
の協業化関係はいうまでもなく、この際大蔵省にいろいろ注文をしておきたいことがありますけれども、もうしばらくおっていただきまして、銀行局のほうにお尋ねしてみたいと思います。 この国会金融公庫の貸し付け限度額、これも従来の三百万ということを改めていないのであって、御承知のとおり環衛公庫はこれを一千万まで、食品衛生関係は、これは御承知のとおり大蔵省と厚生省とずいぶんがたがたやったわけですが、最終的に大平政調会長と私もお会いいたしまして、そこで解決に加わったわけですが、ところがこれに対しましては原則として六百万円。同じような
条件
で貸し付け限度額だけが、環衛公庫は一千万。それから同じ
環境
衛生業者である食品衛生には、原則として、という名目はしてありますが、六百万。そして一般のプロパーの
中小企業
者に対しては依然として三百万。これではあまり不均衡というのか、不合理というのか、これでは納得しないです。一般のプロパーの
中小企業
者、これはいろいろ重要な施設というものもあると私は思うのですね。それら特定の環衛団体等に劣らないほど国民生活の上にとっても重要な
役割り
を果たしておるのでありましょうし、そこに
役割り
を果たすための設備等もやらなければならぬ。にもかかわらず、依然としてこれが三百万。こういうことでは私はいけないと思うのですが、四十三年度、今年度予算要求の際にも実は
乙竹
長官に対して、これは少なくとも六百万円ぐらいには引き上ぐべきだということを言ったのです。おそらく心の中ではそう思ったのだろうけれども、大蔵省の方針が非常にかたいものだから、もう三百万、三百万というのにたいへん苦労をしておられたようですが、来年度はそれでは私は通らぬと思う。ですから、どちらが先に答弁をしていただくのがよろしのか、
乙竹
長官もお困りでございましょうから、この点はひとつ田代審
議官
から
考え方
をお聞かせ願いたいと思います。
田代一正
79
○田代
説明
員 ただいま
中村
先生のお話しのとおり、実は
中小企業
の貸し出し限度額という点につきましては、御案内のとおり環衛公庫ができまして、それからことしはまた生鮮食料品特別融資制度をやるということで、確かにいろいろな矛盾があちこちにできておると思います。特にそれが国民公庫のみならず中小公庫等についてもどうかという問題も私はあると思います。そういうことで、実はなるべく近い時期に実態
調査
等々いたしまして、従来の規制ははたしていいのかどうか、検討したいという気持ちはかねがね持っていたわけです。いろいろな都合で非常に延び延びになっておりますが、秋から以降にかけていろいろ検討いたしたい、かように考えております。
中村重光
80
○
中村
(重)
委員
どうもそう率直に答弁をされると……。ともかく、そのとおりだと思います。きわめて率直明快なお答えであります。そのお答えが実際実行されるようにしなければいかぬと思うのですね。確かに矛盾がある。 それから私は環衛公庫のそういう特利あるいは食品衛生関係、生鮮食料品に対するそうした特利でもって融資していく、それはそれなりに必要だと思う。同時に、一般の
中小企業
者ですね、これとてもやはり特利の融資をしなければならぬというのは、私はそれはあると思う。限度額において、そうした利率の点において、あるいはその償還の期限において十分な
調査
をすみやかにされて、そして四十四年度、明年度予算
編成
期にはそういう矛盾をひとつなくすようにしてもらいたいと思う。下の低いところに合わせるような矛盾是正ではどうにもなりませんから、やはり高いところに合わせていくということでないと、もういまでも非常におくれていますからね。だからそういうことで対処してもらいたいと思います。 特にあなたに
——
これは所管の点がどうかと思いますけれども、離島、僻地という問題について、こう際あなたのほうで
調査
される中にこれをぜひひとつ検討の対象にしてもらわなければならぬと思うのは、離島というのは御承知のとおり本土からいたしますとたいへん所得水準というのは低いですね。そこで離島振興によって公共事業、特に今回は厚生、文教関係においてその高率補助という形をとったわけですね。だがしかし、その他まだ高率補助をしなければならぬという点もたくさんあります。あるいは離島振興というものは農業、漁業等を中心にした
産業
振興計画というものもやらなければならない。同時にそれらの振興に伴って、事業推進に伴って必要なことは、やはり離島におけるところの融資の際の利率の問題、あるいは税金、特に離島なるがための減税といったこと等をやらなければ、離島の所得水準を本土の所得水準と均衡させる
方向
にいかない。文化的に非常におれておるところでありますから、特に離島に対してはそういう
配慮
が必要であろうと思うのでありますが、それらに対してはどのようにお考えになっておりますか。
田代一正
81
○田代
説明
員 ただいま離島につきましては、たとえば
政府
が貸す場合に特に安い金利にしたらどうかというような御提案だと考えます。 御案内のとおり、私も主計局で長い間めしを食っておりましたから、離島について、社会
資本
という面につきましていろんな特別補助率があることは存じ上げております。ただ社会
資本
という
段階
と、それから一般
企業
活動という面において、はたしてどういう関係があるかという点をいろいろ考えなければいけませんし、ほかのいろんな問題もございます。検討はさしていただきますが、私はなかなかむずかしい問題があるのじゃないかという感じがいたします。非常に率直に申し上げて恐縮でございます。
中村重光
82
○
中村
(重)
委員
技術
的にむずかしいだろうと思うのですね。しかし何とかしなければならぬ。私どもも今度はこの月末くらいから、離島振興それから離島におけるそうした零細
企業
者の実態等々を
調査
のために、
委員長
を中心にして実は現地視察をする予定はいたしております。さらに勉強したいと思いますが、やはり大蔵省としても、
経済
官庁あるいは
中小企業
庁等々と話し合いをされて、適切な措置をおとりにならなければ、
技術
的にたいへんむずかしいからといって、これはだめだということであってもどうにもならぬと思うのですね。 それから全国の離島が絶えず要望し続けているのは、
政府
関係金融機関の出張所を離島につくってもらいたいということです。ところがいまの、たとえば国民金融公庫の場合については、支店というのはあるけれども出張所というのはない。したがって出張所というものは必要を感じてもこれをつくれないということのようでございますが、これは私は適当でないと思う。だから、常時出張というようなこともたいへんでございましょうから、やはり何らかの形において出張所をつくる必要があるのではなかろうか、これを検討されたことがあるのかどうか、お答え願いたい。
田代一正
83
○田代
説明
員 離島関係につきまして、
政府
関係金融機関の店舗を出したらどうかというお話でございますが、国民金融公庫
一つ
とりましても、これは直接貸しが非常に多うございます。しかしやはり同時に代理貸しという制度もできておるわけでございます。したがいまして、国民金融公庫全体の経理の運行等々もいろいろございますので、それを十分考えなければいけませんが、そういった形もあり、代理貸しでいけないという問題はどこにあるか、また店舗をつくったらどういうことになるかということもいろいろ考えなければいけない問題でございます。その点につきましては、ケース・バイ・ケースで、ひとつ慎重に考えたいと思います。
中村重光
84
○
中村
(重)
委員
代理貸しという制度があることは私のほうでもわかっているのです。しかしできるだけ直貸しの
方向
へ持っていかなければならぬということで、実は国民金融公庫にしても
中小企業
金融公庫にしても
努力
しておられるわけでございます。私はある特定の離島に対して、相当住民も多いんだから、出張所をつくられたらどうかということを言ったことがあるが、出張所をつくった実績がないということであった。ところが今度は実績ができた。そして償還成績を見ると、その離島が最高だということでございますね。だから今度はもう離島の住民もがまんせぬだろう。出張所をぜひつくりなさい。実は長崎県の対島を例にとって私は申し上げておるのであります。ところが今度は、いまあなたがお答えになったようなことで、なかなかつくろうとはしない。だから、公庫の立場から直貸しがいいのか代理貸しがいいのか、どちらがメリットがあるのかということで判断されてはどうにもならないですね。やはり
政府
関係金融機関なんだから、特にそうした離島、僻地といった所得水準の低いようなところには利便を与えていかなければならぬというように思う。そういう意味において、あなたがケース・バイ・ケースということで、やはり何とかそういう制度を考えていかなければ、出張所等も考えていかなければならぬのだという前向きの意味でのケース・バイ・ケースということであるならばいいけれども、直貸しがよろしいのか代理貸しがよろしいのか、どちらがメリットがあるのかという、公庫の側に立ったそういうことでケース・バイ・ケースでいくというようなうしろ向きの形ではどうにもならぬと思いますね。だから前向きの形でのケース・バイ・ケースということでお答えになったのか、いま一度この点について
考え方
をお聞かせ願いたいと思います。
田代一正
85
○田代
説明
員 これは主計局でお答え願ったほうがいいかと思うのですけれども、かわりましてお答えいたします。 特に国民金融公庫の場合でおっしゃっていただいていると思うのですが、国民金融公庫の店舗を新しくつくるという場合としては、たとえばどが程度の貸し出し先があってというようないろいろな基準が内規であるようでございます。その内規に照らしまして、はたしてこういった候補地に支所を設けていいかどうかという判断があると思います。私はまだ先生のおっしゃった具体的なケースにつきまして、そういうものさしでものを見るということではないものですから、いまの
段階
では非常に的確な答弁はできかねると思いますが、気持ちとしては私がさっき申し上げたことで、別に注釈申し上げることはないと思います。
中村重光
86
○
中村
(重)
委員
それでは
乙竹
長官と主計官にお答え願いたいと思うのですが、
中小企業
振興事業団は、御承知のとおり事業団が四〇%、それから地方自治体が二五%で六五%ですね。これは私は当時も問題にしたわけです。
中小企業
振興事業団が非常に
上昇
でたいへんな期待の中にあるということを実は伺っておるわけです。同時に
問題点
も出てきておるように思うのです。これはきょうは自治省の財政局長がお見えになっておったらお尋ねをしたかったわけですけれども、松島税務局長いらっしゃいますね。ではあなたにお答えを願います。この二五%の負担の問題ですが、地方自治体のほうで負担能力がなければ、結局これを押えていくことになるのですね。だから新たに地域
格差
という問題が生じてきておるのではないか。また、いま特にそういうものがあなたのところにあがってきてないとしても、相当な負担、そこで団地をつくりたいというような指導奨励というものも結局消極的になる。そうすると、せっかく団地をつくっていこうとする国の
政策
というものが、そういう意味においてとんざするということにも私はなるだろうと思うのです。だから、この地方自治体の二五%負担というのをこの際是正をする、そして地方自治体の負担を軽減をしていく。事業団の負担を五〇%にするのかあるいは六〇%にするのか、これは検討を要すると思いますけれども、地方自治体の二五%負担をこの際最正をする必要があるのではないか、こう思いますから、これは長官と自治省のほうでお答えを願いたいと思います。
乙竹虔三
87
○
乙竹説明員
この事業団の金は、もと
高度化
資金
特別会計のときは、手金と申しますか、受益者の負担が半分でございまして、残りの半分を実質的に国とそれから府県が持つというかっこうであったわけでございますが、これで十数億の前の使い残しができておった一面、また客観的な協業化の必要性、情勢の緊迫度も少なかったかと思うのでございますが、これが振興事業団になりますると、いま先生御
指摘
のように、国が四〇を持ちまして、府県が
高度化
資金
特別会計どおり、国の負担分を増すことによりまして、受益者の負担が五〇から三五に下がる、
繊維
におきましては、これが受益者が三〇に下がるということになって、
改善
されたわけでありますが、
改善
の結果、これは非常な要望が出てきておりまして、先刻申し上げましたように、予算
編成
でも難航をするという程度の大きな要望になっておるわけでございます。 ただ先生御
指摘
のように、府県の負担分が
高度化
資金
特別会計当時と同じように二五%あるわけでございまして、これが財政事情も必ずしも十分でない府県におきましては、商工関係の経費として相当部分をだんだん占めつつあるということは事実でございまして、現にすでに集中的にこの需要の起こっております
繊維
関係、
繊維
の構造改革の関係等におきましては、府県分がこれは一割にすぎないわけでありますが、それでもなおかつこの一割の負担分が相当金額にのぼりますために、府県としては起債の要望をしておる、実はこういう話が起きてきておるわけであります。 〔
委員長
退席、
宇野
委員長
代理着席〕 この問題につきましては、目下自治省当局と私たちのほう及び大蔵省と三省で勉強をしておるわけでございまするが、その
方向
といたしまして、事業団の負担を増すということで
改善
をするということは、現行制度におきましても非常に大きな財政上の問題になっておるという点にかんがみまして、また利率等におきましては、現行制度ですら他の制度と比べて事業団融資は相当有利になっている点等を考えまして、これ以上事業団の負担分を
増加
するということはなかなかむずかしい。先生御
指摘
のような点がございますから、むしろ府県の負担部分をどういうふうにして
格差
がないように、豊かな県とそうでない県の
格差
がないように、その点を運用上
改善
をしていくかという点が重点ではないだろうかという
方向
で勉強いたしております。
亘理彰
88
○亘理
説明
員 いま
乙竹
長官から申し上げたとおりでございまして、
高度化
資金
の時代から比べまして、国としては制度を非常に
改善
し、国の負担分をふやして事業者の負担を軽減するというふうな
方向
で
改善
したつもりでございます。地方財政もなかなかたいへんでございますが、先ほど来の繰り返しになって恐縮でございますけれども、国の財政もまたそれ以上に苦しい状況になってきておりますので、御趣旨の点もわからないでございませんが、現状においては現在以上の措置はなかなか困難であろうと思っております。
中村重光
89
○
中村
(重)
委員
長官、あなたは
改善
だとおっしゃる。要望が非常に多くなった、したがって不用額なんということが前みたいにない、こういうことですが、一がいに
改善
ということにはならないのですね。なるほど半額であった。しかしそれは無利子であった。しかし今度はそうではない。ただ
改善
ということになるならば、前は特定の施設に対してが融資の対象であった。今回は事業全体が融資の対象になってきた。そういうことで、自己負担というようなもの、自己
資金
というものがなくとも、これはいわゆる
中小企業
金融公庫、商工中金との協調融資というのが非常にしやすくなってきた。六五%で、早くいえば三五%、これは完全に協調融資をするということのお答えなんだから、そういうことで非常にやりやすくなってきた。そういう意味で要望というものが出てきたんですね。だから、いま私が申し上げたような意味においての
改善
ということであるならばわかるんですよ。ただそのときも、
改善
だ、
改善
だ、無利子であったのが今度は利子をつけるようになったのが何が
改善
だということで、前の長官と議論をしたのです。だからこれは一がいに
改善
ということにはならない。前はごまかしをしておったということです。ごまかしがあったのです。正直にいって、半分というけれども、半分ではなかった。全体の事業から見れば三五%かそこらになっていた。ごまかしであった。半分無利子でやるんですということで声を大きくして宣伝をしてきたんですよ。それでこれをこういう制度に変えようとするときに、実は三五%程度でございますと、今度は小さい声で前の長官は答えた。ごまかしてきたのに
改善
ということを言わなければならぬものだから、いろいろとことばを尽くされたわけです。しかしあなたはそういう意味では前の
責任
がないものだから、きわめて気やすくそういうことで
改善
だ
改善
だと言われるのです。しかし私どものように前から一貫してこれに取り組んできた者から見ると、これはそうはいかないんですよ。だからして、いま申し上げたような広い意味において協調融資というものが完全に行なわれるということになってまいりますと、非常にやりやすくなった、こういうことではあるが、一方今度は利子の負担というものが非常に大きくなってくるのです。同時に今度は地方自治体に対するところの負担というものは前よりも大きくなってきたということですね。これは問題ですよ。自治省が交付税において十分このめんどうを見てくれるのかどうか、それすらも必ずしもはっきりしてないのです。全体の中でやりますからね。そうなってくると、貧弱な地方自治体というものは、せっかく先ほど申し上げましたように団地をやりたいというようなそうした
中小企業
者の要望であるにかかわらず、実際はこれを受けることができないということになってまいりますから、地域
格差
というものが出てくるでありましょう。だからして、こういうことを検討して二五%が一挙に一五%ということにできなければ、五%でも幾らでもこれを軽減をしていく、そうして地域
格差
をなくしていく。同時にせっかくそうした国の
政策
に沿って団地を推進していこうという、そうした府県の要望にこたえ、業者の期待にこたえていくということが当然でなければならないと私は思います。もう一度、この点は簡単でけっこうですから、ひとつあなたの決意のほどをお聞かせ願いたい。
乙竹虔三
90
○
乙竹説明員
現在のところ国の負担分を増大するということは、私たちできれば非常にけっこうと思いますけれども、むずかしいと思います。むしろそれよりも事業団の事業量をふやすという方面のほうが急務であるというふうに考えます。しからば先生御
指摘
の府県の負担分の急増にもし耐えられない府県が出れば、地域
格差
、府県間の
格差
が出る、この問題は十分われわれ問題として認識をし、すでに若干は具体問題としてぶつかっておる問題でございますが、これは二つの
方向
で考えるべきである。
一つ
は、いままで商工関係に対する府県の配分額と申しますか、府県内の商工に対する予算の配分、これは必ずしも十分ではなかったのじゃないだろうか、この辺は府県として大いにがんばってもらいたい。やはり殖産振興で府県の自力をつけるということが府県として一番大事だと思いますので、この辺は府県としてがんばってもらいたいという
方向
が
一つ
。それからもう
一つ
は、府県がそれでもなおかつ非常に苦しいという場合には、これは補助金ではなくて融資でございますので、いつかは返ってくる。十年なり十三年すれば返ってくる金でございますから、この点はそういう方面で
知恵
のめぐらし方もあるのではないかという
方向
で、私どものほうと自治省と大蔵省のほうで勉強をしておる、こういうことでございます。
中村重光
91
○
中村
(重)
委員
あと二問でやめます。 国の立場からだけの御意見というものはいささか受け取りかねる。しかしきょうは時間がありませんから、あらためて議論をすることにいたしまして、一方今度は、あなたのほうでは例の
近代化
資金
の貸し付け、これを減額するとか、やめるとかいうような意向であるということを伺っておりますが、そういう
考え方
があるのですか。
乙竹虔三
92
○
乙竹説明員
近代化
資金
は毎年国から各府県の特別会計と申しますか、これに補給をしておるわけでございます。府県は当然これを回転して、回収金がまたふえていっているわけでございますので、現在のところ、府県におきます事業量、回転
資金
と申しますか、これを減らすという
考え方
は毛頭ございません。ただ、毎年国から府県に出します
近代化
資金
はすでに相当程度使い残しをしておる、こういう状況でございますので、非常に
中小企業
予算が豊かなときでございますならば、こういう制度は本来的に
小規模企業
者のためにいいわけでございますから、若干程度の使い残しは意に介しない。むしろこういう制度をよけい使ってもらいたいのですけれども、先刻から申し上げましたように非常に窮屈なときでございますので、使い残しのある金はもったいない、他に活用するほうがいいのではないかというふうな
考え方
をいたしております。
中村重光
93
○
中村
(重)
委員
それは不用額がある、実際支出したよりも不用額のほうが大きいなんということだっていままで何回かあったのです。あなた、これはそのことだけをとらえちゃだめですよ。なぜに不用額になるのか、そこをひとつあなたのほうでは検討していかなければならない。三百万というような限られた金額、しかも審査
条件
が非常にきびしい、そして自己負担というものが半分なければいけない、そういうところにやはり問題があるのです。俗に言う帯に短したすきに長し、そういう意味で手が出ないということもある。だから問題を前向きで検討しないで、不用額なんだからこれはもったいないんだということでこれをやめるなんというような
考え方
を持つことは、私は誤りだと思います。
自分
がいまやっていることが最善だというような独善的な
考え方
があっちゃだめです。そうでしょう。その点あなたはお考えになってもらって、そこで来年度の予算
編成
の中でどう取り組むか、答えによってひとつ議論をしていくことにしたいと思います。 最後に、個人事業税の問題と電気ガス税の問題について、松島税務局長にお尋ねをいたしますが、長い間お待ちを願って恐縮でございますが、零細
企業
者の個人事業税というのは、これは
中小企業
団体も声を大にして、実はこれだけは撤廃してもらいたいというような強い要望があるわけです。私どももそういう声があるからこれに迎合するということでなくて、いろいろな角度からこれを検討してみたわけですが、どうしても個人事業税というものは、その所得に応じた所得税ということがあるわけですから、ある意味においては二重課税的な感じがしてならない。そこで、やはりこの個人事業税というものは、いま言うように、いろいろな控除でできるだけ負担を軽減していこうというようなことはわかっておりますけれども、この際これは廃止する、こういうことをひとつおやりになったらどうか。そして地方自治体の収入はまた別の方法で考えていくべきだろうと思うわけです。 もう
一つ
は、ガス税の場合、私は予算
委員会
でもこれを分科会で取り上げたこともあるわけですが、従価税というのは非常に矛盾だと思います。小さい都市になってまいりますと、供給戸数も少ないわけでしょう。したがってコストが高いわけです。コストが高いから料金も高いわけです。そういう貧弱なところ、弱いところには、これに追っかけて従価税だと税金も高くなるでしょう。これはやっぼり矛盾ですよ。だから、これはやはり従量税なら従量税にかえていかなければならぬと思います。私は、電気、ガス税なんというのは悪税だけれども、これをやめてしまえという
考え方
ではありますが、あれもこれも一ぺんにやめてしまえという議論は無
責任
な議論になってまいりましょうから……。しかし矛盾しておる点、そういう弱い者にさらにこれを締めつけるという負担を要求するようなことは、ひとつこの際矯正する必要がある。 以上の二点についてひとつお答えを願いたい。
松島五郎
94
○松島
説明
員 第一点は、個人事業税を廃止すべきではないかというお尋ねでございます。個人事業税につきましては、かねがね各方面から御要請のありますことは私ども承知をいたしております。しかし事業税は、事業を
経営
しておりますことと、地方団体の経費というものとの対応関係という角度から従来課税をされてきているものでございまして、現在約三百億事業税の収入が見込まれております。三百億と申しますとかなりの税額でもございます。いま直ちにこれを廃止するということは、地方財政の現状からいって困難であるというふうに考えております。ただ負担の軽減につきましては、かねがね
配慮
を加えてまいっておりまして、免税点制度からさらに基礎控除制度を
導入
し、さらに事業主控除という形で毎年控除額を引き上げてまいっております。また税率も一二%でございましたが、現在一般は五%程度まで引き下げてまいっております。こういうような
配慮
をいたしております結果、
昭和
二十五年当時でも個人事業税は約二百五十億円程度でございましたが、今日においてもいま申し上げましたように三百億円程度で、その他の税が相当名地的にも実質的にもふえておりますに比べまして、この二十年近くの間、絶対額においてもほとんど変わらないという状態でございますので、実質的に負担はかなり軽減されてきておるのではないかというふうに考えております。なお個人事業税につきましては、現
段階
におきましては、国税における専従者控除の問題等との
関連
もございまして、さらに検討をし負担の軽減につとめてまいりたい、かように考えております。 電気、ガス税のうち特にガス税につきましては、中小都市においてはコスト高から料金が高くなっておる、にもかかわらず従価税にすることは、負担の不公平になるのではないかという御
指摘
がございましたが、そういった面から申しますと、御
指摘
の点もあろうかと思いますが、一般に
消費
税は価格に課税をすることが一番適当であるといわれております。すなわち
消費
税は、価格によって表示される担税力というものを基礎にして課税をする税金でございますから、やはり価格に応じて課税をすることが一番税としては適当であるということが言える、これが一般論であろうと思います。ただ、この電気、ガス税のように、しばしば御
指摘
がありましたように、生活必需品的なものにそういう制度をとるのがいいのかどうかという点については、御
指摘
のとおり別の面から問題があろうと思います。ただ、そういったこともありまして、ガスにつきましては、昨年度も実は本年度も免税点の引き上げをいたしておりますが、この免税点の引き上げをいたします場合にも、大体中小都市におきまするガスの使用量の一般的な水準というようなものも考えながら免税点を引き上げてまいってきておりますので、そういった
配慮
で問題を処理してまいるのが現
段階
においては一番適切ではないか、かように考えております。
中村重光
95
○
中村
(重)
委員
個人事業税の場合において、お答えのとおり控除額を引き上げてきつつあること、よくわかっております。しかし、きょうは昼食の時間も延びて、たいへんどうも御迷惑をおかけいたしておりますので、また場所をかえて私が個人事業税を廃止しなければならぬという根拠をひとつ申し上げて、そしてあなたのほうで廃止できないという根拠をまた明らかにしてもらいたい。 それから電気、ガス税の場合に、なるほど価格に課税をしていくということのほうが課税を補促しやすい、一般論としてはわかりますよ。しかしそういうようなことでは私は説得力がないと思う。やはり税金というものは、こうした電気、ガス税のような場合には、受益者が負担をしてくることになります。だから非常に弱い地域が先ほど申し上げたようにコストが高い。それに国が徴収する税金というものを、これは地方自治体を含めていっているわけですが、そうした団体が徴収する。そういうものに対してさらに苛斂誅求的な負担を要求しているということは無理があると思う。やはりそういう一般論は一般論として、現実ということを十分踏まえて矛盾のないようにしていかなければいけないのではないか、本来国だとか地方自治体、公共団体がやる場合には、そう考えるのですね。だからやっていることを、あまり型にはまってしまわないで、この際現実というものを十分踏まえて、それで適切な措置を講ずる、そして
改善
するところは
改善
していくということでおやりにならなければ、私は正しい行政の姿じゃないというように思うのですね。改めてひとつその点を伺いたいと思います。 最後に
一つ
政務次官に……。具体的なことでお尋ねしないとたいへん失礼でございますが、いま質疑応答をお聞きになって、あなたとしてこの際これを改めなければならぬといったようなことについて、お考えになったような点がありますならば、ひとつそういう点についても、誤っていないというような点は胸を張っておっしゃってけっこうでございます。ひとつ総まとめのような意味であなたのお答えをいただきたいと思います。
藤井勝志
96
○藤井
政府
委員
御
指摘
のとおり、
中小企業
問題はよく言われますように古くして新しい課題であるという、こういった感じを御質問を通じてしみじみ痛感いたすわけでございます。わけても最近
中小企業
を取り巻く内外のきびしい
環境
の
変化
に対処するためには、よほどこの際思い切った
政府
の
施策
が予算的に裏づけられなければならぬ、このように思うわけでございまして、ときあたかも、各省八月末を目途に現在予算
編成
に
努力
しておる最中でございまして、ただいま御
指摘
になりました御意見、十分しんしゃくいたしまして、これが予算措置に反映をいたしたい、このように考えます。 税制の問題につきまして、ただいま個人事業税の問題、私も地方議会から国会へ出た一人として、絶えず問題になっておることでございますが、先ほどのお話のように、過去からあまり税額が上がっておらぬということは、相対的には相当軽減されておるということにはなりますが、やはり二重課税のそしりは免れないという
考え方
は、私も同感であります。どのようににしてこれをうまく現在の財政の中でかじをとっていくか、今後の研究課題として勉強さしていただきたい、このように思います。
宇野宗佑
97
○
宇野
委員長
代理
岡本
富夫
君。
岡本富夫
98
○
岡本
(富)
委員
大蔵省の方が何か
会議
があるそうですから、順番を変えましてお聞きしますけれども、 〔
宇野
委員長
代理退席、
海部
委員長
代理着席〕 五十八国会の当
委員会
において、三月十九日に、
中小企業
向けの金融問題について、保証協会の件で私が長官に要求し、長官は善処し、また大蔵省ともよく話し合う、こういうことがありましたが、その
一つ
として、いま現実に
中小企業
は保証協会に保証をしてもらって金を借りようという場合に、非常に借りられない、その
一つ
の原因としては、保証協会の基金の五十倍以上はあれができない、五十倍が頭打ちである、これをなくさなければならぬということで、兵庫県の場合も五十倍でもうピークになっておるので、あとできなくて困っている。これは長官も確かにそうだということで、大蔵省と話し合います、そして前向きに善処します、こういう答えをいただいているわけですが、それについてどういうように話し合い、またこれをどういうようになさったか、その答えをいただきたいのです。まず長官から。
乙竹虔三
99
○
乙竹説明員
先生御
指摘
のように、保証協会の基金によりまして保証限度が制限されておるという状況、この点につきまして検討いたしますということを三月の当
委員会
において申し上げたわけでございます。その件につきまして大蔵当局に要請をする前に、いろいろわれわれのほうで勉強をいたしました。それからいま相談をしておる
段階
でございますが、全部が全部必ずしも引き上げなければいけないというものではない、その前にまず
政府
から基金を投入する、それから特に府県から出指金と申しますか、これを要請するというかっこうがまず健全な
方向
ではないか、こういうことで、その
努力
をまずしておりながら、それでもなおかつ融資限度を五十倍で制限するかどうかということは、第二の問題としていま勉強しておる、大蔵といま相談しておる、こういう状況でございます。
岡本富夫
100
○
岡本
(富)
委員
大蔵省のほうは亘理主計官ですか、この問題についてどういう検討をなさっておるか、お聞きしたいと思います。
亘理彰
101
○亘理
説明
員 たいへん申しわけないのでございますが、その問題につきましては私は話を聞いておりません。これは直接には銀行局のほうの所管の問題として出てまいりますが、具体的に聞いておりません。至急検討いたします。
岡本富夫
102
○
岡本
(富)
委員
このときに、私はこの問題は各保証協会でもって非常に要求しておる、それで、長官の
乙竹
さんと、それからそのときは長岡さんでした。そのときにこういうように答えております。主計局の問題と申しますよりも、銀行局の関係だと思いますので、私からお答えします。いま長官がおっしゃったように、五十倍で押えられるともう保証に支障を来たすというようになっておる、これはよくわかっておるから前向きでもって検討したい。らのあとで長官は、大蔵省の主計局ともよく相談をし、そしてこの問題を解決いたしますとおっしゃっておるわけでですが、いま聞きますと、亘理さんのほうは何も聞いてないというわけですね。
亘理彰
103
○亘理
説明
員 銀行局のほうの……。
岡本富夫
104
○
岡本
(富)
委員
銀行局のほうは、このときには前向きに検討する、こういうお話があった。そのあとで長官としては大蔵省とよく相談をして検討する、そして善処をするというように答えているわけです。この点について、これは田代さんですか。
田代一正
105
○田代
説明
員 お答えします。実は、長岡君が答弁したということになっております。長岡君は私のところにいますが、私は直接その話は聞いておりませんが、この問題は過去にも数回議論になった問題かと思います。まあ長岡君から聞いてはおりませんが、私どものほうといたしましても
企業
庁といろいろ相談いたしまして、前向きで検討いたしたい、かように考えております。
岡本富夫
106
○
岡本
(富)
委員
いつも
委員会
でこうして話があり、要求し、あるいはまた私たちがこうして要求するわけです。それに対してあとば言いっぱなし、そちらのほうは聞きっぱなしなんです。いつまでたってもこれは前向きに検討します、あなたは長岡さんから何も聞いていない、こう言いますけれども、いやしくもこの
委員会
で問題になったものに対して、私、聞いておりませんでした
——
もうだいぶになりますよこれは。この態度は私はいつも気に食わぬ。国民の前では、はい、やります、前向きに検討します。だから、私は本論のきょう出されました
政策
のこれの前にこのことをとらえたわけです。長官もこのときに、はっきこの五十倍についてはこれはもう非常に頭打ちで困る、この問題ではどうしようもないと私も考えておるから、どうしても大蔵省と相談をして、そうして前向きに検討します、それで善処します、こういうふうにはっきりおっしゃっている。しかしこれは、話している感じを見ますと、何も検討していないみたいだ。大蔵省とも話し合っていない。こんなことでは何ぼ審議したってだめですよ。それについて長官から明確なお答えをいただきたい。
乙竹虔三
107
○
乙竹説明員
申しわけございませんが、きょうはその御質問が、率直に申し上げまして、出ることを予想しませんでしたもので、担当課長を帯同しなかったわけでございます。担当課長が来ておりますれば、大蔵省とどのようにいま話を進めているか、正確なことがお答えできるのでございますけれども、その点ができませんのはまことに申しわけない。これは後刻直ちに正確なお答えをいたします。 ただ、
方向
といたしまして、先ほど私が答弁申し上げましたように、その後府県からの出捐金あるいは銀行方面からの出指金等によりまして保証協会の基金を増大するという
努力
をしておるわけでございます。と申しますのは、基金の五十倍の頭打ちということは、できるならば基金を増大することによりまして保証限度をふやすという
方向
が非常に望ましいわけでございますから、まずその方面の
努力
をしながら、なおかつどうしても五十倍の頭打ちがあるのはどことどこであるか、それに対してはどういう対策をやるかという
方向
で、大蔵省といま検討しておるということをいま申し上げたわけでございます。
岡本富夫
108
○
岡本
(富)
委員
長官、各保証協会がどんなようにしてあの基金を集めるのに苦労しているか、私は率直に言って、見てきました。あの基金をこしらえるのに相当頭を下げて回ってつくっているのです。ですから、そういうことはすでに私が、この前三月十九日に質問したときに大体おわかりだったはずです。だから、これはもう頭打ちの五十倍を何とかしなければならぬというところで、あなたもそのときに答えているわけです。またそう感じているわけです。ということは、率直に言いますと、何もやっていなかった。その後の検討はない。大蔵省の田代さんにしても、主計官にしても、聞き初めだというような顔をしていますからね。ですから、この問題であんまり時間をとるとぐあいが悪いから言いますけれども、では、今後どうするか。また亘理主計官、こういう問題についてあなたのほうで聞き初めかもしれませんけれども、いま現実に、
中小企業
の金融問題について、保証協会がなかなか保証してくれないということは、ワクが一ぱいになっているからで、この五十倍の頭打ちをあなたも考えるかどうか、また検討するかどうか、それを取っ払って何倍くらいまでもっていったら現状に即するかどうか、これについて全然わからないか、あるいはまたあなたのほうから返事をくれるかどうか、はっきりしてもらいたいと思うのです。
乙竹虔三
109
○
乙竹説明員
この問題は、ちょっと私がお答えを取って恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように担当課長の面におきましては、両省間において十分いま検討しておることと思っております。そこはどこまでいま検討を進めておりますか、担当課長を帯同いたしておりませんので、いま直ちに電話で呼んでおりますから、それでお答えをいたしたいと存じます。なお、亘理主計官がこの間かわられたばかりでありまして、おそらく補佐
段階
等でこの問題については議論が進んでおるというふうに私は考えております。
田代一正
110
○田代
説明
員 ただいまさっそく事務当局に問い合わせましたところ、引き上げる
方向
で検討しているという話でございますので、さよう御
説明
申し上げます。
岡本富夫
111
○
岡本
(富)
委員
では現在まだ引き上げる
方向
で検討中だということですね。それではそれで了承しておきましょう。 また、そのときに長官にお話ししましたのは、保証協会が保証した
中小企業
に対する金融の金利です。これはもう保証協会が保証しているんだから、銀行が貸す場合は大
企業
よりまだかたい、ですから大
企業
並みあるいはそれ以上に金利を引き下げてやるべきではないか、こういうように私は提唱しまして、その点も検討しますということになっておるのです。これはきょうは特に田代審
議官
にお聞きしたいと思うのですが、そのときに長岡さんもこういう
説明
をしておる。金融機関に対して、この問題を通達し、また要請をしておるというような返事をしているわけですけれども、確かにそうなったのかどうか、答えが出たのかどうか。あなたのほうから通達して、銀行のほうで了承しました、保証協会が保証する分については金利をここまで下げます、そこまで答えが出たのかどうか、まだ伺っていない。これをひとつ聞きたいと思います。
田代一正
112
○田代
説明
員 ただいまの問題は、たとえば保証協会の保証いたします保証つきの融資につきましては普通の場合よりも金利を下げてしかるべきだというお話だと思います。これは私は、実は保証協会に
関連
いたしまして、私が銀行局の総務課長になりましたのが四十年の夏でございます。ちょうど不況に入る時期だったと思います。その当時年末金融ということで、御案内のとおり年末の金融は都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫というのがそれぞれ目標を掲げまして融資を行なうという慣例になっておるわけでございます。その際に私が非常に強く全銀協の皆さんに要請をいたしまして、全銀協の申し合わせといたしましては初めて文書の中に入れたといういきさつがございます。その後私もまたかわりまして、その後どうなっておるかという話は、全銀協の皆さんあるいは相互銀行の皆さんにことあるごとに申し上げておるつもりであります。たしか私の記憶では、現在保証協会の保証料率の平均が日歩にしまして三厘八毛前後だと思いますが、そのうち都市銀行その他で現在実際に
資金
を貸す場合に一厘ないし二厘くらい引いたところでもって貸しているというぐあいに考えます。従来に比べますとかなり金融機関も勉強してきているのじゃないかと考えます。
岡本富夫
113
○
岡本
(富)
委員
いまあなたの話を聞きますと、全然現実と違う。大体保証料はこう
段階
があるわけですね。高いところでは四厘、少ないところでは二厘余り。これはこの前も保証料を統一するようにということで話をしておいたのですけれども、保証料をまけるかあるいは銀行金利をまけるかでこの前当
委員会
においては問題になったわけです。保証料はやはり保証協会を運営していく上においてこれは必要でありますから、あれですが、私の言っているのは、保証協会が保証した分は非常に大
企業
よりかたいわけです。万一弁済が不能になった場合は保証協会から金が入るのですからね。ですから銀行は非常に安く貸していいのじゃないか。それに対してあなた再三、四十年くらいに話したと言いますけれども、じゃその後どうなったか。言いっぱなし、ただそういう勧告しただけ、あるいはそういうように絶えず言っておりますというが、そういうあとの審査ですか監査は銀行に対して確かに行なわれているか、行なわれていないのか、あるいはまたあなたがそこまで
調査
したのかしないのか、どっちかをひとつお答え願いたいと思います。
田代一正
114
○田代
説明
員 私が申し上げたことが、特別に監査したかどうかということですが、これは保証協会あるいは保険公庫からのいろいろな資料に基づいて申し上げた数字でございます。
岡本富夫
115
○
岡本
(富)
委員
いまあなたは保証協会からの資料に基づいてやっているのですか。それとも銀行協会といいますか、銀行で、現在
中小企業
に対して要するに保証協会が保証した分については前から何ぼ下がったか、あなたのほうが勧告した、あるいはまた先ほどから何べんも言っておるというのに対してどういう答えが出たかということを確かに
調査
したのか、しなかったのか、これをお答え願いたい。
田代一正
116
○田代
説明
員 独特にそれのみをねらって
調査
するということはしたことはございません。
岡本富夫
117
○
岡本
(富)
委員
じゃ、先ほど申しましたように言いっぱなしということになるのです。ですから、この点はもう一度銀行に対して
調査
をして、あなたが先ほど言った、銀行に対して私は言っております、この答えが出たかどうかをひとつ
調査
していただきたい。これをひとつ要求しておきます。 それから現在
中小企業
が一番困っておりますのは、この「今後の
中小企業政策
のあり方について」の中で、
労働力
の
不足
、要するに働く人が来ないわけです。それについての
施策
がこれにははっきりしてない。そこで提案といたしまして、いま
中小企業
に対して働く人を集めるためにはどうするか。やはり給料の問題もございますけれども、それ以外に必要なのは、厚生設備あるいはまた住宅、これがないと人は集まらないのです。いま
中小企業
は受注があり仕事があっても、仕事ができない。それで
経済
単位が下がって倒れていくところがたくさんあるわけです。これに対して住宅や厚生設備を公共すなわち
政府
の力によってつくっていくような考えがあるかどうか、これはひとつ長官からお聞きしたいのですが、どうです。
乙竹虔三
118
○
乙竹説明員
先ほど申し上げましたように、この
中間報告
の中で示されておる
考え方
は、まず
中小企業
の
生産性
を向上することによりまして
収益
を出して、
賃金
を引き上げることを可能にする、同時に働く
環境
を豊かにする、これも
収益
があがらなければできぬことでございますので、そういう方面の
努力
をする。どういう方面で働いたならば
収益
をあげられるかということは
中間報告
に示しておるわけでありますが、なお厚生設備、住宅等につきましては特に大事でございますのでこの文字そのものは出してございませんけれども、
施策
の中で協業化ということを非常に進めておるわけでございます。この協業化の一番典型は団地でございますけれども、現在におきましても工業、
商業
団地におきまして労働者の福利厚生施設は相当充実しておりますが、今後とも団地においては労働者の福利厚生施設を特に重点的にやっていくという
努力
をいたしたい、またそういう面の融資は重点的に
配慮
いたしたいと思います。団地のみならず、団地まで形式しない
中小企業
は独力でやることも困難な場合が多いと思いますから、協業化によりまして、協業化でございますと、共同施設で事業団の対象にもなことでございますので、重点的に考えていくということで対処をいたしたいと思っております。
岡本富夫
119
○
岡本
(富)
委員
大蔵省の方に申しますけれども、現実の
中小企業
の状態を見ますと、いま長官が言ったように、
収益
をあげてそして住宅をつくってあげたりあるいは厚生施設をつくってあげたりすることができない。何せ、人がいない。人を集めないと仕事ができない。したがって
収益
があがらない。そこで今度の予算
編成
にあたって特にお願いしておきたいことは、
中小企業
向けのそうした公共住宅あるいはまた公営の住宅あるいは厚生設備、こういうものに対して相当な予算をつけていかなければならぬと思うのです。先ほどから話があったように、これは削ってしまうということのないように、特に
中小企業
の労働者に対するところの福利厚生設備と住宅に対してはひとつ力を入れてもらいたい、こういうふうに私は思うのですが、どうでしょう。これは亘理主計官。
亘理彰
120
○亘理
説明
員 お話の点はまことにごもっともだと思います。住宅問題につきましては、
政府
の年々の
施策
の中で、
中小企業
と並んで非常に力を入れておるわけでございます。公営住宅、公団住宅、それから厚生施設等につきましては、共同施設等の公庫あるいは事業団を通ずる融資等、いろいろな制度があるわけでありまして、特に
中小企業
のために特別のワクを設けてどうこうということはなかなか困難であろうかと思いますが、その住宅の需給状況を勘案して予算等を充実すると同時に、その配分にあたっても、こういう需給の実情を反映させていくということで御要望に沿うようにやってまいりたいと思います。
岡本富夫
121
○
岡本
(富)
委員
住宅の問題の話をしますと、これは全然だめなんですよ。一般の住宅のやつでは、これはいままでも
説明
ありましたけれども、もういつになるやらわからないのです。そこで特に
中小企業
を育成する、これは特に
政府
の方針でもありますし、また
日本
の
企業
の九〇%以上が
中小企業
で、これによって大
企業
をささえているような状態ですから、
日本
の
経済
からいえば相当なファクターを占めておるわけです。ですから特に今度は長官にお願いしたいのですが、この
中小企業
の数社あるいはまた集団のところに対して
中小企業
向けの住宅をつくっていく、あるいはまた福利厚生施設をつくっていく、そういうことが私は今度の
中小企業
に対する助成に対してあるいはまた振興に対しては、一ばん大きな力でなければならぬと思う。いまごろよく新聞にも青田買いと出ているでしょうな、かなか人が集まらない。大
企業
には案外集まる。ところが小さな
中小企業
には、先行きが不安であったりあるいはまた福利施設がないというわけで人間が集まらぬ。それでは
収益
をあげるわけにはいかない。どんなにいろんなあとの
施策
をとりましても、人が来なかったら仕事ができないわけです。現在何人かの人がいて、それを
機械
化していくとかいろんなものを進めるのだったらよろしいけれども、ほんとうに枯渇しているのが現在の姿だ。したがって人が集まるように、
労働力
ができるように手当をしてあげなければならぬと私は思うのです。それに対して長官の今後の方針あるいはまた決意をひとつ伺いたいと思います。
乙竹虔三
122
○
乙竹説明員
具体例を
一つ
申し上げますと、播磨の
繊維
センターというものがございますが、これは播州の機屋の方々が、共同施設で近代
工場
に織機を集めたわけでございますが、当時すでに
労働力
問題で相当悩んでおったのでございますけれども、この播磨センターには当然労働福祉施設、住宅が付属していたわけであります。播磨センターは現在非常に優秀な女子職員を十分かかえておるわけでございます。そういうことでございますので、先生御
指摘
のように、まず
もうけ
るためにも人を確保せねばいかぬわけでございますが、そのためにはしどうてもやはり協業化を進めまして、その協業化に対して
政府
は積極的に力こぶを入れていくという必要があると思います。ということで、先刻
中村
先生にも御
説明
申し上げたのでございますが、
中小企業
振興事業団の協業施設団地には、来年度の予算要求として
中小企業
庁としては最重点に考えておるということは、いま先生御
指摘
のような点を特に踏んまえての上の
考え方
でございまして、この点については十分
努力
をしてまいりたいと考える次第でございます。
岡本富夫
123
○
岡本
(富)
委員
この問題はあとでもう一ぺんやります。大蔵省に最後に要求しておきますけれども、
中小企業
の労働者の福利厚生施設あるいは住宅に対しては、ひとついままでの頭を取りかえてもらって、削ってしまうことのないようにお願いしたいと思います。それだけ要求しておきますから、帰ってください。 いま長官からお答えいただきましたが、この
中小企業政策
のあり方を読ましていただきまして
——
これは一橋の篠原さんですか、これで
一つ
だけ言っておきますけれども、構造
改善
あいるは
近代化
、こういうことに非常に力を入れておりますけれども、ではいまの
企業
の分類、あるいは
一つ
一つ
について、構造
改善
する前の現実の姿をどうやって
調査
するのか、これは相当な数ですから。そうでないと適切な構造
改善
あるいは協業化というものはできない。これは
日本
全国をやりますと相当なものになります。ですからそれをどういうような方法で
調査
をし、あるいはまた現実に即した
改善
方法をやっていけるような資料をつくるのか、いつごろまでにできるのか、これをひとつお聞きしたいのですが、どうでしょう。
乙竹虔三
124
○
乙竹説明員
御
指摘
の点は実は非常にむずかしい点でございまして、いわゆる篠原
報告
と申しておりますが、篠原座長の
報告
の中にも随所に見えるのでありますが、
中小企業政策
を実施いたしてまいります場合に、実施そのものが、何しろ四百万の
企業
数、二千四百万の従業員を相手にいたしまして実施するので、その方法論が非常に問題であるわけであります。その辺が必ずしも十二分でなかったわけで、従来は方法だけを、作文だけを示して実効があがっていなかった。それであるから
中小企業政策
の実効をあげるのにはどうしたらいいのかというのがこの
中間報告
の
一つ
のねらいでございますが、中に示唆しております
一つ
のあれとして五七ページ等にも出ておりますが、
中小企業
近代化
促進法の運用でございますけれども、百二
業種
現在指定をしておりまして、一千
業種
といわれる
中小企業
、その中で
製造業
が五百といわれておりますが、五百の中でまず優先順位をつけて百二
業種
を選んだわけでありますが、この百二
業種
につきましては一応すでに
調査
ができておるのであります。ただ、その
調査
を私たちが踏んまえて
施策
に移していこうと思いますと、現在の時勢の大きな
変化
と申しますか
条件
の
変化
、
労働力
の
不足
等々の時勢の
変化
を必ずしも踏んまえた
調査
ではないわけでございますので、この
近代化
促進法の指定
業種
について特に重要なもの、緊急を要するもの、すなわち
後進国
から追い上げられておるもの、または
成長
産業
の
下請
等をやっております
機械
産業
の
部品
加工業者等の
業種
につきましては、まず
調査
のし直しをする必要がある、
近代化
促進法の計画の練り直しをする必要がある、こういうことで来年度これに取りかかってまいりたい。しかしこれを百二
業種
全部一斉にやろうと思ってもとてもできぬことでございまして、この中から最も緊急を要するものを優先度をつけてピックアップをして
調査
してまいりたいと思っております。
岡本富夫
125
○
岡本
(富)
委員
あと三点ほどですが、その問題はここで次のときに論議することにいたします。 次に
中小企業
がいま困っておりますのは税金の問題ですが、これは自治省の税務局長さんが何か
会議
があるそうなので先に話しますけれども、毎年毎期の決算が出てまいります。この決算で売り掛けと買い掛け、それから諸経費、この残ったのが
利益
ということになるわけですが、
中小企業
で一番困っておるのは
——
売り掛けから買い掛けを引いた分が
利益
になるわけですね。そうすると金はなかなかもらえない。あとで
説明
しますけれども、大体いま
日本
の構造といたしまして鉄なら鉄、これも大
企業
です、セメントも大
企業
、ほとんど大
企業
から品物を買って加工をして大
企業
へ納める。ですから買うほうには金を早く払えと言われるわけです。これはいつ幾日までに払わなかったらあと品物を出さぬ。これはあとで話が
下請
代金支払遅延等防止法のほうになるわけですけれども、大体売るほうに対して納入しまして、それから検収して経理へ回る、それから手形、大体手形は全部くれないですね、悪いところでは総売り掛けの三〇%、いいところで六〇%、それも先ほで大臣からお話がありましたように、百五十日とかひどいのになると二百十日、それ以外に売り掛けが残っておるわけです。ですから確かに帳簿の上ではもうかっておる、黒字になっておるけれども、金は来年入るわけです。それをことし税金を払わなければいかぬ。もしもおくれるとそこで金利をとられるわけですね。ですからいま
中小企業
が一番困っているのはこの税金の問題なんです。毎年一ぺん頭を痛める。確かに帳簿の上ではもうかっておる数字が出てきますけれども、ところが金がなくて税金を払わなければいかぬという状態なんです。したがってこの
中小企業
に対するところの税率というものが大
企業
と同じような状態では非常にかわいそうだ。これについて、これは大きな根本問題になりますけれども、松島税務局長さんにその根本問題をお聞きしたいと思うのですが、どうしてでしょうか。
松島五郎
126
○松島
説明
員 御
指摘
のとおり、税務会計も一般会計の原則に従いまして、売り掛けは収入と見て
利益
の部になるわけでございますから、お話のような事態があろうかと思います。ただ逃げるようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、地方税では、住民税にいたしましても、事業税にいたしましても、いずれも所得税の課税の決定を基礎にして課税をいたすことにいたしておりますので、結局問題は国税である所得税なり法人税なりの決定をどう扱っていくかという問題にも
関連
してくるわけでございまして、いわば私のほうはそれを受けて課税するような形になっておりますので、この問題につきましては、所得税なり法人税なりの国税の問題の
一つ
として、また検討を私のほうでも大蔵省とも相談いたしたいと思います。 ただ地方税について、特に個人分についてだけ申し上げますと、御承知のとおり地方税は前年所得課税のたてまえをとっておりますので、一年おくれて課税をいたしますから、いま御
指摘
のような問題は、この年の所得にその年課税をする国税の方式に比べれば、実際問題としては御
指摘
のような事例にあたることは少ないのではないかというふうに考えております。
岡本富夫
127
○
岡本
(富)
委員
この問題は、地方課税が非常に多くなったわけですね。国税外の課税が非常に多くなったので
中小企業
が非常に困っているのです。いまあなたのお話にありましたように、国税ともよく相談していろいろと検討するというお話でありましたから、きょうこれで終わりますから、ひとつよく検討しておいてください。
松島五郎
128
○松島
説明
員 国税とも相談いたしますが、やはり
企業
の原則から申しますと、売り掛けも収入であるというたてまえを税制上もくずすことは私は非常に困難な問題があろうかと考えております。 なお事業税につきましては、御承知のとおり、先ほどもお答え申し上げましたように、
昭和
二十五、六年当時は、個人事業税一二%でございましたのを、その後税率を逐次軽減をいたしてまいっておりまして、現在の一般の個人事業税は五%まで税率の軽減をいたしているわけでございます。また中小法人につきましても、その所得
段階
に応じまして軽減税率の適用をするということによって中小法人の負担の軽減をはかってきている、こういうようなことをやってきていることをつけ加えさしていただきたいと思います。
岡本富夫
129
○
岡本
(富)
委員
これまた税金の問題になりますと、いろいろすりかえているわけですから、これは今度の話にしますから、一応考慮しておいてください。きょうはこれで帰ってください。 それで次に困っておりますのは、この
中間報告
にもありますように、九二ページに
下請
代金の遅延防止法の運用を
強化
したりあるいは
下請
振興協会の機能を活用することが必要であるというように出ておりますけれども、きょうは公取が来てないのでちょっと話がしにくいのですけれども、現実にいま
中小企業
が困っておりますのは、
下請
代金を早くもらえばうまくいくわけですけれども、この
下請
代金がなかなか入らない。先ほど話しましたように、納入して検収してそれから手元に金が入るのが大体早くても七カ月、約一年かかる。この問題を解決するためにはどうするか、これをひとつ長官に決意をいただきたいと思います。あるいはまた御意見をいただきたい。
乙竹虔三
130
○
乙竹説明員
下請
代金の支払い遅延の防止、特に金融引き締め時でございましたし、そういうことでこの法律の運用、適用の
強化
をしたわけであります。今後もなおこれは
強化
してまいりたいと思っているのでございますが、御承知のとおりに、まずこの法律及び
下請
代金遅延の防止の措置、この法律の運用及び支払い遅延の防止の措置につきましてとっております手は、まず四半期ごとに親事業者の取引
条件
を
調査
いたしております。これは書面
調査
をしておりますけれども、適当でない事業者に対しましては、通産局の立ち入り検査をいたしました上で
改善
指導を行なっております。四十二年度の実施状況は、書面
調査
で八千六百六十四事業所、立ち入り検査指導数は四百八十九ということでございます。 第二に、標準手形サイトの順守指導をしております。もっともこの標準手形は違反しても違法ということでございませんのですけれども、極力この手形の期間を守るように、いろいろな手を通じて指導をしているわけでございますが、まず四十一年三月に
機械
工業と
繊維
工業の標準手形サイトを指定いたしまして、前者につきましては百二十日、後者は九十日、それから四十一年十二月には鉄鋼業を百二十日、それから非鉄金属工業を百二十日というふうに手形の標準サイトを指定しております。違反した業者に対しましては
改善
指導を行なっているわけであります。 さらに本年の三月には標準外注取引基本契約書の制度を設定し、公表しております。これによりまして、
下請
取引が書面もない口頭だけであるということでよく問題になりますので、書面につくらせる。それから継続取引の促進をさせるというふうなことで、基本契約書をつくらせまして、業界団体に通知をして、これの精神に沿って指導をしているわけでございます。 なお、四十三年の二月以降引き締め時になりましたので、毎月
下請
業種
の
中小企業
団体を通じまして取引
条件
等の現状
報告
調査
をしております。 ただ、ここでつけ加えますと、標準手形のサイト等でございますが、実はいろいろ抜け道がございまして、
親企業
者と子供の
下請
との間に商社が入るということになりますと、もうこの法律の適用外になるというふうな抜け道が実はございます。いろいろの抜け道がございまして、私たち非常に苦慮しているわけでございますが、要はこの
中間報告
にもございますように、
下請
と親との、
一つ
にはこの精神と申しますか
考え方
、
下請
と親とは連帯でもとに栄えるのであるという
考え方
、これをまず進めることが第一。先ほど大臣もちょっと答弁しておりましたが、
下請
に十分
配慮
しない
親企業
は結局長い目でみると衰え、競争に負けるということはもう実績であがっておりますので、そういうPRを大いにして、
下請
に手厚く
配慮
することが
親企業
のプラスでもあるというPRは一生懸命している、これが
一つ
でございます。 それからもう
一つ
の点としては、やはり
下請
のほうの力を強くしてやる、
交渉力
を強めてやるという必要がございますし、その
交渉力
を強めますためには、
技術力
それから設備の
近代化
、要するにこの
下請
に逃げられたら親が困るというふうに力をつけてやることが必要であるということ、そういうふうな
方向
をこの篠原
報告
は出しております。われわれもその
方向
で進めてまいりたい。 結論的に申し上げますが、
下請
をやはり
強化
するということは
日本
の
国民経済
のために絶対に必要である。ここに重点的に
施策
を進めてまいりたいと思う次第であります。
岡本富夫
131
○
岡本
(富)
委員
この
下請
代金支払遅延等防止法につきまして、いま長官からいろいろ話がありましたけれども、もっと強力にやりませんと、
下請
の力をつけるということは理想的でありますけれども、なかなかつかない。これには相当な国の強力な予算、あるいはまたいろいろなものがなければつくわけはない。これから新しくつくるとか、こういうことになってだめになってしまう。したがってこれは有名無実になるおそれがあると思うのです。そこで、上場しておるところの大
企業
と称されるものが、二千くらいありますか、それに対してどれくらいの日数で
下請
にどういうふうにして払っておるかということを
調査
をしたり、あるいはまたいま勧告しておるといいますけれども、もっと強力にやってもらわないと、現在また先月あたりからずいぶん手形サイトが延びてきた。またこのしわ寄せが、
中小企業
が
倒産
していく大きな原因になっておる。黒字
倒産
なんです。金がなくて倒れていっておる。こういうことを考えますと、
政府
の
施策
が
中小企業
に対していろいろな法を打ちましても、結局金が入ってこなかったら仕事ができないわけです。また支払いもできない。こういうことで倒れていくわけでありますが、最後に政務次官に、この
下請
代金支払遅延等防止法についてどういうような決意をもって今度臨むか、これをお聞きして、また次の機会に質問したい、こう思います。
藤井勝志
132
○藤井
政府
委員
最近の、先ほど申しましたような
中小企業
を取り巻くきびしい
環境
の
変化
に対応するためには、
下請
代金支払遅延等防止法の精神を、ただ消極的なかまえで何とかつじつまを合わせるという程度のものでは、時代の
変化
に
適応
する
産業
のあり方ではない。むしろもう一歩、先ほど大臣も、角度は違いましたけれどもお話がございましたが、いわゆる
生産
共同体制というか、プロダクションチームという、こういった
考え方
で、それぞれの
分野
において適正な所得が得られ、同時にまた能率があがり、
近代化
が進んでくるという、こういう
方向
へ、すそ野である
中小企業
が前進するようなかまえを持たなければならぬ。
下請
関係の代金の支払いが遅延するというような、こういううしろ向きの対策でなくて、もう一歩前向きにこの体制を整えていかなければ、
日本
の
産業
が全体的に国際競争力を持ち得ない、このように考えております。
岡本富夫
133
○
岡本
(富)
委員
ぼくが先ほど言ったのは、要するに
中小企業
を強くして、
下請
企業
を強くして、そしてやるという話ではもう有名無実になってしまう。したがって大
企業
がどの程度に支払いをしているか、
下請
に対してどういうようにやっているかという面に対しての強力な
調査
といいますか、あるいはまた審査といいますか、そういうことをあなたのほうでおやりになって、
下請
を助けていく、
中小企業
を育成していく、こういう考えがありやいなや、これをひとつ特にお聞きしたいのです。
藤井勝志
134
○藤井
政府
委員
おっしゃることは当然なことなので、私はもう一歩進んだ
考え方
すら時代は要請しているのじゃないか、こういうふうにお答えしたので、ちょっとお答えが先へ通り越したので不適当だったと思いますが、おっしゃることは当然のことだと思います。
海部俊樹
135
○
海部
委員長
代理 次回は、来たる九日金曜日午前十時
理事会
、午前十時三十分
委員会
を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十六分散会