○河野(正)
委員 総裁はいろいろ小さいことについては、十分御承知願う機会も少なかろうと思います。そういうことで、主として係、担当官のほうからいろいろ御注進を受けて、この
国会で御
答弁なさっていると思うのです。そういうことで、若干私
どもの
立場から申し上げますると、認識に欠けておられる点があるやに感じます。そこで、いろいろ時間の関係がございますから、議論しょうとは思いませんけれ
ども、たとえばいまの、この三月より交渉に入ったということ、それは合理化計画についてはそのとおりでございましょうけれ
ども、この一人乗務、二人乗務の問題等については、必ずしもそうではございません。実際には具体的に提案されましたのは、十二月の二十二日でございます。要するに、合理化計画の案があるということについては、なるほど
総裁がおっしゃったとおりでございましょう。しかし、いまいろいろ
論議されておるのは、それは電修場の問題もございましょう。あるいは一人乗務、二人乗務の問題もございましょう。ところが、そういう具体的な例については、十二月の二十二日に初めて具体的な提案がなされておるということでございますから、この点についても若干、
総裁に対してお
ことばを返して申しわけないけれ
ども、認識に欠けられる点があろうかと思います。これは私
どもは的確な資料で申し上げておるわけですから、もうあえて
総裁のお答えは受けたいとは思いません。
そこで、マスコミの大
部分がアンチではないんだという
お話でございましたので、できるだけ私は主観をまじえないで客観的に国民の
立場からものを申し上げて、そしてできるだけひとつ公正にこの問題の解決をはかりたい、そういう
意味で私はきょう建設的にこの問題を取り上げているわけですから、ひとつ謙虚にお聞き取りをいただきたいと思うのです。
そこで、マスコミの大
部分というのは必ずしもアンチじゃないんだという御
指摘でもございましたから、あえて私はもう一例だけ申し上げます。
今日、非常に不幸なことですけれ
ども、御茶ノ水駅の国電の追突事故など次々に事故が続発しておりますので、したがって、この安全輸送の問題というものは、もちろん労使間にとっても重大な問題でございましょうけれ
ども、むしろ私
ども国民側がより重大な関心を持っておるということでございます。そこでやはりこういう安全性の問題というものが今日提起をされておるわけです。したがって、国鉄側には四十年からの第三次計画の遂行という問題もございましょうけれ
ども、やはり安全性という問題が提起されている以上は、単に経営という面からだけでなくて、利用者でございまする国民がほんとうに安全だという、そういう納得する形でこの解決というものをはかっていかなければならぬというように私
どもは
考えるわけです。
そこで、いま
総裁からも若干意見がございましたから、私は今度は新聞の名前も出して
指摘をいたしてまいります。これは九月十一日の朝日新聞でございますが、この朝日新聞によりますと——原文をそのまま申し上げたいと思います。これは私
どもいろいろ主観を入れますと、またいろいろ誤解も出てまいりますから、原文をそのまま御紹介申し上げます。「合理化の対象になっている機関助士は約七千五百人であり、当局側の
説明によれば、原則として機関士、運転士に昇格させることになっているという。理くつの上では解雇ではなく配転問題であり、それが当局側の強気を支えているように思われる。しかし、安全性が問題にされている以上、経営第一主義の面からだけでなく、利用者である国民が納得できる
方法で解決されることが望ましい。たとえそれが国鉄当局にとって回り道であったにせよ、である。」ですから先ほど
総裁がいろいろ
努力したんだとおっしゃったわけですけれ
ども、やっぱり世論というものは、マスコミというものは、いろいろ
努力しておろうけれ
どももう一段のその
努力というものが必要であるということを
指摘しておると私は
考えます。そこで、私
ども経営上の問題があることはこれは無視できぬわけですから、完全に無視するわけではございませんけれ
ども、やはり率直にいって、国民の側からいいますと、経営がどうであろうとこうであろうと、安全に輸送してもらいたい、これが率直な国民の念願だと思うのです。ですから、むしろ私
どもは国民の側に立って申し上げますと、経営上の問題よりもやはり安全輸送にぜひ重点を置いて解決してもらいたい、こういう批判があると思うのです。そういう
意味で、マスコミが全部が全部アンチではないということでございますけれ
ども、この朝日新聞の十一日の論評におきましても、あえて、そういうようにいろいろ
努力したろうけれ
どももう一段の
努力が必要であった、そのことが国民がほんとうに安全だという
意味で納得する方策でございますということを、
指摘しておるわけです。ですから私
どもは、国鉄が労使間でいろいろ解決のために
努力を払っておられることについて、決して軽視するものではございません。その点については私
どもは敬意を表します。表しますけれ
ども、やはり国民としては、安全問題がいろいろいわれておるわけですから、正直いって、安全ではないですよと組合側から提起されれば、それは困るじゃないか、こういわざるを得ぬと思うのです。組合がたとえ安全でないと言っても、国民としては安全だと納得すればそれで事は済むと思います。そういう
意味で、マスコミのすべてがアンチではないということでございますけれ
ども、いま申し上げますような、批判と申しますか、そういう声があることは現実の問題でございます。そういうことを踏まえて、もう一度
総裁の謙虚な
気持ちを聞かせていただきたい。