○谷口
委員 六千円を目途に大体来年度予算編成に向けて御努力されるということでありますが、私
どもも、あなたのおっしゃるとおりに、いまの制度それ自体をやはり
根本的に改正しないとどうもうまくないのじゃないか。こういう矛盾が起きましたのは、これはハンセン氏病の患者だけではなくて、その他の分野でも同様の矛盾があるだろうと思いますが、特に冒頭に申し上げましたような
立場にある方々にとりまして、特別な体制を緊急にやる必要があるというので私この問題をきょうはお尋ねしたわけでありますけれ
ども、問題は、やはり
根本的にはいまの保険制度そのもの、年金制度そのものの
根本的な改正がなければならぬだろう。これは私は、二年ほど前にこの
委員会でこの国民年金法に関する改正案が出ましたときに、この問題についてかなり
根本的な話をしたことがあります。これはやはり拠出制年金と福祉年金とでそこに差があるというところに矛盾の
根本があるというふうに私
どもは考えている。これはハンセン氏病の諸君が事実上そうなっていると同様に、すべてがやはり福祉年金の方向へいくべきである。
内容的に言えば、国が負担して、そしてこういう人々に対しては、十分に生活なり療養なりできるような、そういう保険制度をつくるべきだ、年金制度をつくるべきだというのが私
どもの主張であります。そうしませんと、現行の国民年金制度それ自身が、私は一昨年かここで非常にはっきり
数字をあげて話しましたが、これ自体の法則の中でつぶれていくという、そういう
内容を持っております。国が国の財政でもってこの問題を取り上げない限り、拠出させて、つまり掛け金を出させてやっていくとすれば、いまのインフレーション時代には、必ず掛け金のほうが非常に加速度的な大きなものになって、事実上保険制度は破壊されるということは、これは法則的に持っておるということを
指摘したことがありますが、そういう点でやはり、いまあなたがおっしゃった、どういうことでもいいですよ、どういうやり方でもいいが、考え方としては、つまり厚生省は慰安金という制度をつくられたという趣旨ですが、これは自民党政府の中でも非常に珍しい考え方だと私は考えている。これは憲法の精神を生かして、そしていまの
法律になくても、それ以上にもっとあたたかい気持ちでこれらの人々を救っていくという
立場からなされた制度だというふうに聞いているのですが、これは非常に正しい態度だろうと思う。
こういう問題は、これは金勘定の問題ではだめなんで、だから大蔵省とか何かが問題を金の面から取り上げましても、これは問題にならない。やはり問題の
根本は、こういう病人だとか、あるいは老齢者だとか、あるいは障害者に対する対策という問題は、主管省であります厚生省、厚生大臣、ここでいま言った憲法の基本的な、原則的な
立場から解決するという態度をとって、これを堅持すべきだと私
どもは思うのです。そういう
意味で、今度の皆さん方の御努力で若干でも上がったことは、これは当面の問題としては私
どもは非常にけっこうだと思いますが、しかし
根本的にはそういう方向にいくべきだという意見を持っております。これはいずれまた時間があるときにゆっくり話したいと思います。この点について最後に申し上げまして、いまあなたのおっしゃった日用品費と障害年金に
相当する額、現在のアンバランスをなくするという方向、これを今度は必ず実現してもらいたい、こういうように思います。
以上で終わります。