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中谷委員 自治省にお尋ねをいたしたいと思います。
実は
質問にあたりまして、横浜市の例について若干話がありましたので、
調査をしてみました。横浜市役所においては、次のような処置をしているようであります。すなわち、横浜における
公害行政というものについては、市役所は非常に熱心でありたいということをまず考えている。そこで、たとえば
昭和四十二年には八百万を上回るところの予算を組んで、
大気拡散、
大気汚染に関する
調査をしたらしい。そこで
企業との
関係はどうかというと、特定の
企業を
調査しなければならないので、その特定
企業に存在するところの
煙突等に登る、こういうようなことは市役所の職員ではなかなかできないので、その特定
企業の職員の労務の提供、そういう協力をしてもらった。しかし、そういう労務の提供を受けたけれ
ども、そのことが住民に誤解をされてはならない。
公害行政というものは、本来主体は
地方公共団体であり、国である。
公害防止の責任というものは
企業に第一次の責任があるということと、
公害行政の主体は国であり、市であるという
観点からいうと、
調査にあたって
企業の協力を得るということは、住民にはなはだしい誤解を招くし、行政の主体性を失うものだという
考え方に立って、そういう労務の提供を受けたその労務の提供の費用を金銭に換算すると、ほぼ二十万になったらしい。それについて特に市のほうでは配慮をして、特定
企業に対して、謝礼金ということで、お礼のお金をもって、そのような労務の提供についても、ただで受け取ったのではないというかっこうをつけている。これがいわゆる行政だということを、横浜市役所の責任者は私に対して話している。いろいろな
考え方があると思う。しかし、行政というものは、あくまでも住民の納得の上に立たなければならないというふうに私は思います。財政があって行政がないというようなものは、私は行政ではないと思う。自治省としては、すでに
通産省、
厚生省から明確な
答弁があったけれ
ども、この問題については、
通産省、
厚生省と異なる見解をお持ちなのかどうか。いわゆる特定
企業から、この種
調査にあたって、寄付を受けることはケース・バイ・ケースであって、別にケース・バイ・ケースにおいて適用判断すべきものであるというふうなお考えをお持ちなのかどうか。もちろん私も法律家だから、この種寄付を受けたということが、違法、合法の問題にはならないということはよくわかります。しかし、そのことが、住民の納得する行政ということにならないような気もする。また、そういうようなお金の寄付を受けたところの和歌山県庁の担当者というのが、決して悪意であったとは私は思わない。
一つの
考え方があったと思う。その点、私も十分理解できるし、同情もできる。しかし自治省としての
考え方というのは、やはり行政いかにあるべきか、特に
公害行政というのは――私は行政法はきわめて不勉強であるけれ
ども、これは一種の警察行政といってもいいだろうと思う。要するに、
公害行政というのは、
企業に対してこういうことをしなさい、こういう
措置をしなさいということを、
公害防止条例その他の法によって規制をしていく、そういう
意味においては、一種の警察行政といってもいい。言うてみれば、検事総長が同期の自民党の政党の幹事長と会食をした。何を言われることがあるかと言われればそれまでだけれ
ども、そのことが検事総長の進退問題は現在なって、大きな政治問題になっている。それがいわゆる私の言うクリーンハンドの原則、常にあらゆる者は白い手でなければならない。
調査が客観的に公正だということと、そういうふうな
調査について、客観的な担保があったとしても、住民がそれに納得しないであろうところの可能性を十分含んでおるということとは、私は別だと思う。
先ほどから、イタイイタイ病の問題について、あるいは航空騒音の問題について、あるいは船舶の海水汚濁の問題について、同僚
委員がいろいろな
質問をした。
企業が、大きな会社が、あまりにも住民に対して、県民に対して、国民に対して、現在まで迷惑をかけ過ぎている。こういうことで、いわゆる住民の被害感情というのは非常に強くなっている。こういうふうな
状態の中で、自治省としては、そういうふうに県がお金を受け取ることが、それはもう県の主体性にまかせるのだ、そんなことは自治省としては関知しないのだ、というふうに御
答弁になるのかどうか、いかがでしょう。