○華山
委員 昨年私がここでお聞きしましたときよりも、
大臣のお
考え方は進んでおるようでございます。ぜひこの点は建設労働界の近代化に努力いたしていただきたいと思うのでございます。
出かせぎ者の問題につきまして私申し上げますが、
大臣もよく御
承知の点と思いますけれ
ども、未払いの問題がございます。私
どもは極力、そういう問題が起きた場合や、それから地方等におきましても安定所を通じて出かせぎに出ろということを言っておりますけれ
ども、しかしなかなかそうまいらない点もあるようでございます。私は、そういう点におきまして出かせぎ者にも一半の責めはあるかと思います。しかし実際問題といたしまして、出かせぎ者の実態を申しますと、職安を通じてくる場合といわゆる手配師とか手先という連中が農村を回ったときと、聞く話では
賃金等に違いがあるのです。ばかといえばばかかもしらぬけれ
ども――ばかなんと言ったら出かぜき者におこられるかもしれませんが、やはり
賃金の高いほうへ行くわけです。そういうふうなこともございますので、私
どももやっておりますけれ
ども、
労働省におきましても、とにかく安定所を通じて出ろということを徹底していただきたいと私は思う。しかし安定所を通じましてもなお未払いの出る場合もあります。しかし安定所を通じた以上は、これは国の責任でやったことでございますから、法律的なことはないにいたしましても、基準局も相当力を入れてくれると私も思いますので、ずいぶんよくなっておりますが、どうぞその点、安定所を通じろということを徹底的に県や市町村等を通じまして宣伝していただきたい。
それからもう
一つお願いいたしますが、
労働力不足の問題があります。屋外
労働者につきましては、先ほど
田中委員からもお話のありましたとおり、相当不足するだろうと思いますけれ
ども、今日のような建設業界の労働の状態では出かせぎ者はとうとうとして製造業に流れる
傾向が出ております。それで従来建設業界の不足を出かせぎ者に仰いでいた、そしてそれが定着してきたような状態になっておりますけれ
ども、今後出かせぎ者は製造業に流れると私は思います。そこに建設業界の労働不足が深刻になってくるのじゃないのか。私はその点につきまして、労働問題としましても、
労働省としては、
労働力不足の意味からも建設業界の近代化を考えていただきたいと思うのです。
いま秋場の初めですから目立ちませんけれ
ども、これからどんどん農村、僻村地帯からは出かせぎ者が出てまいる。そして彼らのやっている現場の
仕事、建設業の
仕事は何か、大体深夜作業です。都合においてはこういう交通の状態等もありますから、深夜作業でなければ
仕事ができないという現実、その深夜作業に従事している人は一体だれなのか。私の見回った限りでは出かせぎ者が非常に多いのです。私は東京都のほうにも言ったのでございますけれ
ども、あなた方は、米の不足のときには東北に来て米をもらいたい米を出してもらいたいと言って、東京都の米の困難な場合を戦後しばらくの間しのいできたじゃないか。いまあなた方が地方に仰いでいるのは
労働者なんだ。
〔鍛冶
委員長代理退席、
田中(武)
委員長代理
着席〕
水道も地下鉄もそういうふうな出かせぎ者がなければ都市問題は
解決しませんよということを私は言っているわけなんです。今日では非常に重要な労働の源だと思うのです。ひとつそのことにつきまして、労働の源の問題として出かせぎ者の問題、建設業界の労働の問題について取り組んでいただきたい。特に出かせぎ者の立場ばかり私言っているわけじゃありません。
日本の労働の問題だと思いますので、この点はお願いいたしたいと思います。
それから
事務当局の
方々に申しますけれ
ども、こういう
事態がありますので申し上げておきます。
これもなかなか
解決しなかったのですけれ
ども、皆さま方の御努力で出かせぎ者に未払い等のあった場合は元請が責任を負う、元請がその責任を果たさない場合はいろいろな
指名には参加させないという方針をとられた。この点はときどき
注意いたしませんと忘れますから、堅持していただきたいと思います。ところが私の扱ったのではこういうのがある。ある有名な大
会社があって、一代目、二代目、三代目の
仕事をしていた。そこに未払いが起きた。三代目の直接
仕事をやっていた者は逃げてしまった。それで私はその某大
会社に対しまして払ってもらいたいということを言いましたところが、その
会社はどういうことをしたか。二代目と三代目の下請業者を集めて、おまえらが始末をしろということを言った、そういうような実態なんです。それで私は前々から言うのですけれ
ども、
政府はお取り上げにならないが、こういう社会情勢において未払いを生じた場合には、元請の無過失責任なのじゃないか。それだから法制的な措置が必要だということを申し上げているわけでございます。私は答弁は要りませんけれ
ども、ひとつこの機会に実態をお話をしておきたいと思うのです。
それからこの点につきまして、私、はたと思ったことは、私テレビで見たのですけれ
ども、盛岡だと思いますが、田植えのときに農村では手不足なわけです。ある部落で手不足なので、よその部落に行って、婦人らしいのですが、田植えを手伝う人々を集めて歩いた。これが法律の違反だということで摘発された。このことは農村に広く一般に行なわれていることであって、こういうことが法律違反だということになりますと、田植えのとき等に大きな障害が出やしないか、そもそもテレビで盛岡の安定所長でございますか、が、何か言われておりましたけれ
ども、あまり明確でないようでございます。こういうふうな問題につきましては、
労働省としてはどういうふうにお考えになっておるのでございますか。