○磯崎説明員 去る七月二十五日の当
委員会の席上におきまして、
大野先生から御質問がございまして、私御
答弁申し上げました。その節、
先生が引用されました読売新聞その他の社説の中にある、私のほうの神戸
委員長並びに藤井副
委員長の発言につきまして、私自身非常にふに落ちない点もございました。それで、八月二日、金曜日に、私は
国鉄労働組合、動力車労働組合並びに新
国鉄労働組合、三組合の幹部に別々に来てもらいまして、私だけでなしに、担当の
井上常務並びに職員
局長を立ち会わせまして、まず
国鉄労働組合は、ちょうど神戸
委員長が地方の大会へ行っていておりませんので、
委員長代理に臼井副
委員長並びに
中川書記長二人が参りました。私のほろ三人と国労二人、十分話をいたしました。その節に、大阪の大会におきまする神戸発言、藤井発言あるいはそのとき参りました臼井副
委員長自身の発言――これも週刊誌に出ております。これらにつきましての発言のときの事情をいろいろ聞きました。やはり倉卒の間で非常に意を尽くさなかった点もあるということを言っておりましたし、私
どもといたしましても、長年
国鉄につとめた人が事態を客観的に見誤るということは、これはあり得ないことだということで、いわばコップの中のお互いの争い、責任のなすり合いというものは何ら前進にならない、したがって、この際一切コップの中の争いはやめよう、お互いに手を携えて
国鉄再建のため、事故防止のためあらゆる努力をしたいというふうに私は申しました。それに対しましては、何ら
異議はない、
国鉄労働組合としても事故を防ぐということに対しては、また国民の輸送の安全を確保するということに対しては、何ら
異議はないということをはっきり申しました。
引き続きまして、動力車労働組合から兼高
委員長が参りました。これは兼高君一人で参りました。やはり兼高氏は長年の機関士の経験者でありまして、事故防止については自分たち自身、ことに機関士としては自分の生命にも関することである、したがって、機関士の過失による事故など起こすことはないと思う、自分たちもあらゆる努力をしたい、これまでの争いはいろいろあるけれ
ども、事、事故防止については、何らわれわれとしても争う気はない、あくまでも事故を防ぎたい、全力をあげて防ぐということをはっきり言っております。
また新
国鉄労働組合も、立場は若干違いますが、同じ立場で、むしろ三河島事故以後にできました事故防止対策
委員会、これは現在組合ごとに別々にやっておりますが、これをぜひ一緒にやろうじゃないかというふうな発言もございました。おのおのの組合、約一時間ないし一時間数十分でもって会見を打ち切りましたけれ
ども、そういう
意味で、その発言のときの事情等もよくわかりましたし、また彼らの言ったことが必ずしもそのまま、その気持ちのまま、率直に活字になってなかったということもよくわかりましたので、この際この事故問題につきましての労使の立場の対立はないということを相互に確認した次第であります。
次に、いま御質問の第二の点でございますが、いわゆる過密ダイヤと申しますことは――私
どもは物理的に稠密なダイヤであるということ、これは認めます。しかしながら、最近地下鉄を見てまいった職員の話を聞きましても、モスクワの地下鉄は九十秒のヘッドで七両で運転しております。レニングラードにおきましては、これはやはり七両で二分間隔で運転いたしております。したがって、ダイヤそのものには、二分のダイヤということは決して無理ではございません。その点は物理的にはっきりとしております。ただ稠密な輸送人口のために、あるいは無理やりに電車に乗るという人などがございます。ドアが締まりかかっているのにそれを無理やりあけて乗ろうという人もおられますし、また場合によっては、車両が故障するということな
どもございます。そういう場合には輸送が乱れるわけでございます。その際にも、いま
大野先生のおっしゃったように、あくまでも安全運転の原則によれば絶対に事故は起こらない。逆に申しますれば、安全運転の原則によらなければ、ATSがあろうと、あるいはスピードチェックがあろうと、事故が起こる可能性があるわけでございます。したがって、そういった不測の車両故障あるいはホームの雑踏による
列車の遅延等がありました際には、これは安全運転の原則によって運転をするということによって危険の防止をするわけでございまして、その際に一番心配なのは、むしろ駅あるいは跨線橋等における過密事故でございます。これは現に
国鉄におきましても、戦前ではございますが、京都の駅で数十名の死者を出したことがございます。また戦後日暮里の駅におきましても、跨線橋に人があふれまして、やはり数十名の死傷事故を出したことがございます。したがって、私
どもといたしましては、もしそういった電車の運転が乱れたときに、しかも電車は次々には参りますが、お客さんが殺到しては困るというためには、当然改札どめはいたします。お客さんが多数構内に入って不測の事故が起こることを一番おそれますので、改札どめをいたしますが、これはダイヤとは
関係のない問題でございまして、むしろ不測の事故で、不測の事態でダイヤが乱れたときの旅客の収拾対策、旅客混乱の収拾対策という角度で、私
どもは勇敢に改札どめをしろということを命じております。したがって、現時点におきましても毎朝、池袋、新宿等におきましても、急にお客が出てくるというような場合には改札どめをいたしまして、そうして少なくとも駅の構内に、あるいはプラットホームに収容力以上の人が入らないようにするということによって、不測の日暮里とか京都とかという事故を防ぐということにいたしておるわけでございまして、この点はお説のとおり、ダイヤの問題とは全く
関係のない問題であるというふうに私
どもは了承いたしております。
以上、御
答弁をいたします。