○
加瀬完君 たいへんおそくなりまして恐縮でございますが、先ほど公明党さんからも御質問がございました成田空港の問題で伺います。
大臣は最近になりまして成田空港の担当に当たられたわけでございますので、現地の切なる声を聞いたかというお問いに対しまして、八六%の賛成もあれば、反対派ともひざを交えて話をするし、また、反対を標榜している政党とも話し合うという
お話でございました。私はその反対を標榜している政党の一人でございますが、私どもはこの新
東京国際空港というものに反対をいたしておるわけではございません。私どもの政党もさようでございます。ただ、この成田の場合、正しい資料というものが提示されておりません。それから、正しい
方法で賛成を得るように取り運ばれてもおらないところに私どもは問題を持つわけでございます。たとえばここに有名な丸朝組合というのがございます。これはまあ統計の上では大体
収入四十五万ということになっておりますが、それぞれ自家用車と貨物車を平均二台以上持っている生活をしているわけでございますから、粗
収入は五百万前後と見なければなりません。こういう組合の構成をしている
農家に対しまして、土地の金銭補償はいたしましても、それだけの四百万なり五百万なりの粗
収入を得られるような生活保障というものの話をどれだけ煮詰めているかということになりますと、その生活保障という話は出てこないわけでございます。また、八六%の賛成がありましても、これは事実でしょう。しかし、五年たち十年たってこの人たちが全部公団やあるいは
運輸省や県のやり方に満足をするかということになりますと、私は疑問を感ずるわけであります。なぜかと申しますと、この芝山町は初め十七対三で反対でありました。ところが、いろいろの工作がございまして、ある町の料亭に参りまして、そこで逆に今度は十八対三で賛成に変わりました。町民は非常に憤慨をいたしまして、リコール運動を起こして、七〇%近いリコールが成立をいたしましたところが、三月たっても半年たちましても、選管はできると思うとやめる。さらにそれは補充を長引かせる。たびたび私どもは県に県の
監督指導の
責任があるんじゃないかと要望をいたしましても、この選管をつくろうといたしません。したがいまして、もう一年に近い間リコール署名というものは中ぶらりんになりまして、とうとうリコールは成立をいたしませんでした。これらも県は一体直接行って指導したかといいますと、一回も直接県は行きません。出先の出張所の
課長が一回行って、ただ様子を聞いただけでありまして、積極性が全然ないわけであります。これは公団でもなければ
運輸省でもなくて、主として県が折衝しておるわけでございますが、そういう県の態度に対しましては、非常に
地元は憤慨をいたしておるわけであります。
それから、空港ができれば五万人の就職ができるの十万人の就職ができるのと言いますけれども、はたして就職転業というものがそう簡単にできるか。あるいはかりにできても、現在の
収入の保障というものが転職によって得られるかということになりますと、具体的な
説明は何もございません。あるいは、千葉県は地域の開発計画というものを打ち出しております。関連産業というようなことを言っております。しかし、私どもが外国の空港地域をいささか調べてまいりましても、飛行機の関連産業というものが、そう簡単に飛行場のまわりに、五万も十万も収容するような大産業というものができるはずのものではございません。また、一帯が騒音の地域になりまして、そこにわざわざ都市計画が進むはずのものでもございませんし、作業能率の下がると言われる騒音地区に、工場の条件が急にできるわけでもございません。かりにできたとしても、いま芝山町は大体年間一億から一億二千万の財政規模でありますが、負担金だけでもおそらく二億なり三億を負担しなければならないことになります。町がほとんど大半姿を失うようなときに、一体二億、三億、一年の
予算の倍の負担をどうしてできますか。こういうことをまことしやかに宣伝をいたしまして、結局空港はいいものだというまあ誘い方をいたしておるわけでございますが、これが正しい資料とは私は言えないと思うわけです。また、十七対三の反対を十八対三に変えたことは、手ぎわはいいかもしれませんけれども、正しい
方法とは言えないわけです。町
会議員はそれで説得をしても、説得に不満を持つたくさんの住民というものができてきておる。こういう状態の中にいま建設計画が進められておる。これは御存じかもしれませんが、一応お耳に報告を申し上げたい事項でございます。そこで、正しい資料というものを出しておらないということから、次の質問に移りますが、この間柳岡君も質問をしたわけでございますが、ここは前の航空法によれば十二分に
地元と折衝をして、大体賛成が多いという場合に位置を指定するということになっておったわけです。ところが、新
東京国際空港法が通りますときに、これは
改正をされたわけです。それでは
地元の住民の意思というものが全然考えられないで空港が指定されるということになるのじゃないかと、こう聞きましたときに、その当時の航空
局長は、そういうことはありません、
行政指導の上で前の航空法の精神や
方法は生かされますと、こういうことであった。しかし、そういう手続はとられておらないことは御
承知のとおりであります。そこでですね、また、適地として指定するからにはですね、空港としての条件が備わっておらなければならないはずです。一体ここに滑走路を建造するだけの地質的な条件があるか、こういう点を先般柳岡君が質問をいたしました。大体CBR値は三%前後ではないかということに対して、六のところもあれば八のところもあるという御
説明でした。それで関東ローム地域という、これは
建設省から出されたものがあるが、これによると、三里塚は三ということになっておる。空港敷地のどこが六でどこが八であったか、これはひとつ公団のほうに伺います。