○須藤
五郎君
文部大臣も文部官僚も、その時代のことを全然わかっていない。
日本帝国主義はいかなる悪逆なことをやったかどうかということを全然知らないと言う。知らないでこういう
法律をつくるというのは、何ごとですか。この
法律のねらいは在日朝鮮人をねらっているんでしょう。もっとよく勉強してからこの
法律をつくらなきゃ、意味をなさない。知らなければ、時間がかかりますけれども、私が少し教えましょう。
それは、朝鮮歴史、地理の授業を禁止したのです。それから、その当時の先生は腰に刀をさげておったのです。ぶらさげて、威嚇するために。それから、宇垣さんはこういうことを言っていますよ。朝鮮の
教育は、頭と口をよく働かす人間より、腹と腕っぷしの強い勤勉な人間を育成しなければならない。これが当時の
日本の
教育方針なんです。
学校内で朝鮮語を使用したときは、罰金、体刑に処せられているのですよ。
教育勅語を暗誦させるんです。その
教育勅語が暗誦できなければ、
日本へ来ようと思っても渡航ができなかった。渡航の条件としてこういうことをやっているんです。ずいぶんひどいことをやっているじゃないですか。こういうことをやられた人たちが、いまどういう考えを持っておるかということです。だから、朝鮮
学校で自国語や歴史や地理、
文化を教えるのは当然じゃないですか。それをあなたたちは反日
教育だという名をつけて、これを禁止していこうというのがあなたたちのねらいなんです。在日朝鮮人の子弟の中には、自国語の話せない子供がたくさんおるのです。立場をかえ、われわれの子弟が
日本語の話せないような立場に置かれたら一体どうするつもりなんですか、皆さんは。在日朝鮮人の多くは朝鮮
民主主義人民共和国の国民なんです。今日、民族
教育を受けるのは当然なんじゃないですか。あなたのように、
文部大臣、日韓条約のあと始末というのは、実は外人
学校法をつくり、朝鮮人の自主性を認めず、民族
教育を
規制していこう、これがねらいだということははっきりするわけです。しかし、この反動的文教政策は、外部だけじゃなしに、当然国内の
教育行政の面にもあらわれずにはおかないと考えます。
そこで、次に私は教科書検定問題を中心に、
政府の
教育行政についてお尋ねをいたします。
教科書検定については、先般当
委員会におきまして論議され、加瀬
委員などから多くの具体的な実例が出されましたので、私はその点はもうあまり繰り返しません。しかし、あの論議からしましても、また、現実に小
学校、中
学校で使われている教科書内容を見ても、自民党
政府が検定に名をかりて不当に教科書内容に介入し、
教育の独立と
教育の自主性に対する干渉を強め、戦前のような軍国主義
教育の
方向をますます強めていることはまぎれもない事実だと思います。家永教授の教科書裁判を見ましても、その点は非常にはっきりしていると思います。そこで、きょうは私は現行の教科書検定制度について二、三の中心的な問題について
質問いたしたいと思います。
まず、現行の教科書検定制度の仕組みについて説明していただきたいと思います。