○
政府委員(
鈴木珊吉君) 御説明を申し上げます。
新免
業者の公正取引
委員会への提訴問題でございますが、それにつきましての発端、それから
運輸省のとりました
措置、それからその後の経過につきまして概要を御説明申し上げます。
昭和三十五年でございますが、新免
業者の団体でございまする
全国通運業連合会というものがございます。そこから公正取引
委員会の
委員長に対しまして、
日本通運が私的
独占禁止法第十条、第十三条及び第十五条の違反があったとの理由で提訴いたしました。
そこで、これに対しまして
運輸省におきまして、これは独禁法の問題である、したがいまして、公取のほうで
処理すべき問題であるというふうに考えたものでございますけれども、
通運事業法の精神から照らしまして、このように
日通が新免の事
業者に対しまする株の取得等によります支配を行なう、その結果せっかく複数制になっているところが、形式的には複数制であっても、実体的には
日通が一本だというようなふうになって、その結果通運サービスというものが低下するということになってはいけないというふうに考えまして、提訴中ではございましたけれども、当時の自動車
局長が中へ入りまして、両者に対しましてこの問題の解決につきまして勧告をいたしました。
その勧告の
内容でございまするが、これは両者を呼びまして、問題の
会社は七社ございます。その
内容につきましては、まず第一に六つの
会社に対しまして、これは名古屋通運梱包株式
会社以下五社でございますが、その六社に対しまする
日本通運並びに
日本通運系統の
会社の持ち株は適正
価額で
処分すべしと言っております。それから第二点は、残りの一社でございます。これは新潟海陸
運送株式
会社でございます。これに対しましては、新潟臨港開発株式
会社と新潟海陸
運送株式
会社とが合併した
あとで、
日通系統の役員を四名中一名を出すこと。
日通並びに
日通の系統
会社によって所持されておりまする持ち株四五・二二%、これを四〇%を限度とするように改めるべしということが第二点でございます。第三点は、
一般論といたしまして、今後株式の取得等によって
通運事業の公正競争維持の趣旨に反するごとき事態を起こさないこと。四番目に、今後各
通運事業者は相協力して通運業の健全な発達につとめるべしという点の四点でございます。
そこで、
日本通運並びに
全国通運連合会
業者は、この勧告を契機といたしまして、その後この勧告を了承いたしました。それで
運輸省は、その了承した結果、勧告どおりに実施されるように
指導いたしまして、なおその際、新免
業者のほうは公取の提訴を取り下げたのでございます。そこで
運輸省の
指導でございますけれども、公取へ提訴した当時の
状況と、その後の経過との比較を申し上げたいと思いますが、まず七社のうちの六社につきましては、
日通ないし
日通系統の保有株というものが皆無になったという例が一件ございます。あるいはその保有比率が低減されておるということでございます。それから
あと残りの一社につきましては、現在におきましては、途中では低減をいたしたのでございますけれども、現在におきましては、種々事由がございまして低減されておりません。これにつきまして申し上げたいと思いますけれども、まず
最初に株式の保有を完全になくしたというのは、塩釜通運という
会社がございます。これは提訴の当時は二六%の保有を、
日通系統の塩釜港運という
会社が持っておりました。勧告の結果、話し合いの結果、これはゼロいうことに相なりました。それから岡山県貨物
運送株式
会社、これは
日通並びに
日通の系統の
日通トラックというのがございますけれども、その両社合わせまして三六%の株を持っておりましたが、勧告の結果二一%に現在減っております。それから新潟臨港海陸
運送におきましては、
日通並びに
日通トラックほか三社についてでございますが、その四社で持っております株が当時五二%でございましたけれども、その勧告の結果によりまして、現在は合計いたしまして二三%に減っております。それからもう一つ石見
運送という
会社がございます。これは
日通が一〇〇%持っておりましたですけれども、勧告の結果、現在は三一%に減っております。それからもう一つは、名古屋通運梱包という
会社でございます。これは勧告当時は愛知日産、
日通商事という両社が一〇〇%持っていたのでございますけれども、勧告の結果、現在は九〇%に下がっております。そこで残りの一社でございますけれども、これは大阪通運でございます。これにつきましては、勧告当時は
日通の系統
会社の
日通商事という
会社が六一%持っておりました。その後勧告の結果、
日通商事が株を手放したのでございます。それで一時は六一%が二一%まで減ったのでございますけれども、その後増資がございまして、それから個人で持っている株主が
日通に買ってくれというようなことがございまして、そんなような結果、一時は二一%に下がったのでございますけれども、現在は六七%ということになっております。
以上が七社につきましての当時の状態と、その後の改善
状況の経過でございます。
以上でございます。