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1968-04-15 第58回国会 参議院 本会議 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月十五日(月曜日)    午後四時四十六分開議     —————————————議事日程 第十三号  昭和四十三年四月十五日    午後一時開議  第一 中小企業信用保険公庫法の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)  第二 中小企業投資育成株式会社法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時   措置法の一部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第四 南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法   案(内閣提出衆議院送付)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  一、国家公務員等任命に関する件  一、昭和四十三年度一般会計予算  一、昭和四十三年度特別会計予算  一、昭和四十三年度政府関係機関予算  一、日程第一より第四まで  一、国会議員互助年金法等の一部を改正する法   律案衆議院提出)     —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省 略いたします。      ─────・─────
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  内閣から、運輸審議会委員鈴木清君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  本件は、内閣申し出のとおり任命に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本件全会一致をもって同意することに決しました。      —————・—————
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  昭和四十三年度一般会計予算、  昭和四十三年度特別会計予算、  昭和四十三年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長西郷吉之助君。    〔西郷吉之助登壇拍手
  7. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 ただいま議題となりました昭和四十三年度予算三案の委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  昭和四十三年度予算は、わが国内外の経済情勢にかんがみ、景気抑制してすみやかに国際収支均衡回復をはかるとともに、総合予算主義をとることによって財政が本来の機能を十分果たし得る基盤を確立しようという基本方針のもとに編成されたものであります。  予算内容につきましては、すでに水田大蔵大臣から財政演説において説明が行なわれたとおりでございますので、これを省略さしていただきます。  これら予算三案は、去る一月二十六日、国会に提出せられ、予算委員会におきましては、二月五日、大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、三月十八日、衆議院よりの送付をまちまして、翌十九日から審査に入りました。このように衆議院通過が大幅におくれ、本予算年度内成立が困難となりましたので、四月十六日までの暫定予算が編成されましたことは御承知のとおりであります。  かくて本予算審査のため、委員会を開くこと十八回、その間公聴会並びに三日間にわたる分科会を開くなど、慎重に審議を重ねてまいりました。  以下、委員会におきまする質疑のおもなるものにつきまして、その概要を御報告いたします。  まず、外交防衛の問題につきまして、「政府は、非核三原則を唱えながら、アメリカ核抑止力に依存するというのは矛盾ではないか。アメリカ核抑止力に依存するというような重大な問題は、国民意思を聞いてきめるべきではないか。沖繩問題に関する総理の真意は、核基地つき返還にあるのではないか。ジョンソン大統領北爆停止大統領選不出馬の声明を契機に、核抑止力依存政策をやめ、沖繩無条件即時返還を求め、中国政策を改め、安保体制そのものから脱却すべきではないか」などの質疑がございました。これに対し佐藤内閣総理大臣から、「核兵器の絶滅を念願し、あえてつくらず、持たず、持ち込みも許さない決意であるが、核兵器が現実に存在する限り、日米安保体制を堅持し、アメリカ核抑止力にたよって、わが国安全保障に万全を期する以外にはない。日米安保条約については、国民の支持を得ていると確信しており、いまさら国民に信を問う必要はない。ただ、沖繩返還にからんで、万一核基地つきというような問題があれば、あるいは国民に信を問うようなことも必要になるかもしれない。しかし、返還の際の基地の取り扱いについては、まだきめているわけではなく、あくまで白紙の立場である。ジョンソン大統領演説は、ベトナム和平の糸口となるものであって、日本政府としては和平達成にできるだけの努力をするつもりであるが、わが国外交防衛基本政策は何ら変更する必要はない」との答弁がございました。  次に、財政問題につきまして、「四十三年度予算実質的な規模は、経済成長率を大幅に上回っており、抑制予算ではなく、膨張予算ではないか。景気調整下にもかかわらず、六千四百億円もの国債を発行することについても反省する必要があるのではないか。財政支出繰り延べを行なうやに伝えられているが事実か。財政硬直化打開理由として、いわゆる補正なし予算を組んでいるが、もし人事院勧告の結果、公務員給与改善費予備費でまかなえない場合はどうするのか。また、豊作による米の買い入れ量増加などで、食管会計についても補正予算を必要とするような事態が起こるのではないか。租税自然増収が九千五百億円もあるのに、なぜ実質減税ゼロとしたのか。酒、たばこ等大衆課税をやるよりも、何ゆえ租税特別措置整理をやらなかったのか。わが国予算制度は、いわば大福帳式で、どういう効果があるかを知ることができない。いわゆるマクナマラ方式として知られている計画予算制度を採用する考えはないか」などの質疑がございました。これに対し政府から、「四十三年度予算抑制予算であることは、政府財貨サービス購入が、過去十年来かつてない低い伸び率であり、しかも経済成長率を下回っていることで最も明瞭である。国債依存度はいままで一六%台であったが、これを一〇%台に大幅に引き下げた。ここ数年の間に五%程度を目標に今後毎年減らしていく方針である。まだ財政支出繰り延べを考える段階ではないが、しかし、情勢変化に応じて財政を弾力的に運用していきたい。恒例的な補正予算の慣行を排除するため総合予算主義をとり、人事院勧告食管会計赤字に備えて所要の財源計上しているので、補正予算を組まないで十分対処していけると思う。海外環境のきびしい四十三年度は、国際収支改善が第一であり、減税のできる状態ではない。そこで、放置すれば事実上増税となる所得税減税を行なう一方、税負担が相対的に低下している酒、たばこ等増税を行ない、実質的な減税を避けた。租税特別措置は昨年改正したばかりであることから、今年は触れず、実績をよく見た上で期限が来たときに改正を考えたい。計画予算制度財政全般に適用することは非常に困難だと思うが、費用と効果とを明確にして予算効率化をはかる方式は今後積極的に取り入れたいと思い、目下研究作業を進めている」との答弁がございました。  次に、経済問題につきまして、「池田内閣高度成長政策を批判した佐藤内閣は、高度成長のひずみを是正することができたと思うのか。景気過熱引き締めを繰り返している点では高度成長時代と同じではないか。四十二年度の政府経済見通しは非常に大きく狂ったが、そういう大きな狂いが生ずる根本原因は一体どこにあるのか。経済成長国民生活向上に役立つものでなければならないが、国民暮らし向きは、かえって悪くなったのではないか」などの質疑がございました。これに対し、政府側から、「経済社会発展計画目標に、高度成長がもたらしたひずみの是正努力しているが、これは一朝一夕に解決できる問題ではない。ひずみ是正のためには、均衡がとれ、安定した経済発展が必要であるから、景気変動をできるだけ小幅にとどめるよう、いわゆる安定成長を目ざしている。経済見通し狂いが生ずるのは、経済予測方法が必ずしも完全でないのと、経済成長力を過小に評価する傾向が強いためと思われるが、経済社会発展計画のアフターケアでその原因を究明したいと考えている。経済成長は激しい変化を伴うので、何となく落ちつかない気持ちが国民生活感情の中にあるが、しかし、経済発展とともに社会開発も進んでおり、国民生活実体面が悪くなっているのではない」との答弁がございました。  次に、国際収支の問題につきまして、「ドル不安の危機に瀕したアメリカドル防衛政策輸入制限措置などによってわが国の対米輸出は大きな打撃を受けるのではないか。全体の三分の一をアメリカに依存するという貿易構造を転換し、中国貿易拡大をはかるべきではないか。吉田書簡は、ケース・バイ・ケースなどと言わず、この際、これを無効にしたらどうか。わが国外貨準備はわずかに二十億ドル足らずしかないが、外貨準備適正保有量はどのくらいか、今後どうやって外貨準備をふやしていくつもりか。ドル防衛協力によってわが国国際収支は一そう悪化するおそれがあり、まず円自体防衛策を考えるべきではないか。四十三年度の国際収支は三億五千万ドルの赤字となっているが、国際環境は先行きさらにきびしくなるので、これを修正する必要があるのではないか」などの質疑がございました。これに対し、政府側から、「増税等が行なわれても、アメリカ経済状態日本輸出に悪影響を及ぼすようなものではない。ただ、アメリカ輸入制限措置自由貿易主義に反し、世界貿易を縮小に導くものであるから、かような保護貿易的措置をとらないよう、いろいろなルートを通じて働きかけている。わが国としては、あらゆる国との貿易拡大していかなければならないので、中共に対しても政経分離のもとで貿易拡大していきたい。吉田書簡については、政府統一見解としては、それぞれの場合に応じて、そのつど具体的に処理していくという方針に変わりはない。外貨準備適正保有量については別に定説はないが、わが国貿易規模から見て三十億ドルぐらいの外貨準備を持つことが望ましい。輸出振興策を推進し、対外競争力強化していけば外貨準備をふやすことは不可能ではない。自国の通貨である円を弱めてまでドル防衛に協力するというようなことは毛頭考えていない。いま国際収支見通しを変える必要は認められない」との答弁がございました。  最後に、物価問題につきまして、「政府は、四十三年度の消費者物価上昇率を四・八%と見ているが、前年度後半からの持ち越し分が三・四%もあるので、年度初めの酒、たばこ物品税国鉄定期代の値上がり分合わせて〇・四%を差し引くと、あと値上げの許される限度はわずか一%しかない。米価値上げなどを考えると、とうてい四・八%におさまることはあり得ないのではないか。総合予算主義補正予算を組まないとすれば、米価についてはスライド制をとるつもりか。わが国では、労働生産性向上に比べて、実質賃金伸び労働分配率も低い。それにもかかわらず、政府は、物価対策一環として所得政策導入を考えているのではないか」などの質疑がございました。これに対しまして、政府側から「消費者物価を四・八%に押えることはかなり困難ではあるが、政策努力によって必ずしも不可能ではない。消費者米価食管法の規定に基づき生産者米価とは別個の基準で決定されるものであるから、生産者米価引き上げに応じて機械的に消費者米価が上がるというようなスライド制にはならないと思う。わが国では生産性伸び賃金伸びがほぼ見合っており、コストインフレにはなっていないので、所得政策導入はその必要もないし、考えてもいない」との答弁がございました。  以上のほか、質疑は、農業問題、中小企業社会保障文教政策及び地方財政その他広範多岐にわたりまして、きわめて活発に行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて本日をもちまして質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して加瀬委員反対、自由民主党を代表して近藤委員賛成、公明党を代表して小平委員反対民主社会党を代表して向井委員反対日本共産党を代表して岩間委員反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、昭和四十三年度予算三案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。加瀬完君。    〔加瀬完登壇拍手
  9. 加瀬完

    加瀬完君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました予算三案に対し、反対意思を表明いたします。(拍手)  まず、反対基本的態度について申し上げます。  政府説明によりますれば、四十三年度予算編成の柱は、目的としては財政硬直化是正方法としては総合予算主義で、すなわち、恒常的補正要因であった食管赤字公務員給与改善費を当初予算で措置することが特徴であるというのでございます。しかし、不本意ながら、われわれは、逆に、反対最大理由に、この総合予算主義財政硬直化是正をあげねばなりません。大蔵大臣は、わが党の小柳委員のこの点の質問に答えて、「補正を組まないよう実施する、補正を組まないのが政府原則」と力説をなさいました。この原則を実施するとせば、いままでのように米価については補正を組まないわけでありますので、農民の賃金的性格の濃い生産者米価は押えられ、一方、食管繰り入れ制限消費者米価引き上げを避けがたくさせますので、このことは消費者物価対策を根底からくつがえす危険性をつくることにもなりかねないのでございます。若干説明を加えますならば、この補正なし予算の中には、政府上乗せ買い入れ分、現在、手持ち古米値下がり分は含まれておりません。その上、生産者消費者米価をかりに平均五%上げたとすれば、これらのための赤字は軽く五百億円をこえるわけでございます。このような赤字をどうして押えるかとなりますと、消費者米価に大部分を転嫁をするか、生産者米価を押えるか、いずれかの方法をとらざるを得ません。前者をとれば、消費者物価上昇率は、政府の見込み四・八%にとどまるわけにはまいりません。後者をとれば、米の生産は減退をせざるを得なくなるのであります。したがって、財政政策は立っても、食管政策根本からくつがえることになります。ここには国民生活は存在しないのであります。  さらに、公務員給与についても補正を組まないということであれば、人事院勧告制度は全く無力となり、制度改正を待たないで、財政措置によりまして法律や規則を抹殺する既成事実がつくり上げられるわけであります。たとえば、公務員給与予備費の中で押えるとするならば、人事院勧告に何らかの政治力を働かせて、勧告そのものの上限をきめさせるか、あるいは勧告のいかんにかかわらず、政府が一方的に支給額をきめるか、今日以上、人事院無視が助長されることになるのであります。それをあえて政府が行なおうとすることは、四十三年度以降、所得政策への移行を政府意思と受け取る以外にはありません。財政政策のために国民収入にストップをかける所得政策をわれわれは許すわけにはまいらないのでございます。  次に、硬直化の問題であります。  確かに財政制度審議会も、「政府はきびしい態度をもって予算編成にあたり財政硬直化打開を果断に踏み出すべきである」、こういう要望を出しました。政府もこれを受けまして、予算編成段階では、種々引き締め予算を喧伝をいたしました。しかし、効果はあがってはおりません。たとえば、地方交付税国債費増等の計は六千七百八十一億円、しかし、この内容にどれだけ抑制減額をされたかははなはだ不明確でございます。それどころではございません。むしろ四十三年度予算は、硬直化増加要因をすら新しく発生をさせておるのであります。例をあげますならば、国鉄への利子補給恩給費引き上げ治山治水港湾整備長期計画等は、いずれもいたずらに予算をふくらましております。特に指摘をいたしたいのは、防衛関係予算であります。防衛庁予算のうち、航空機、艦船等巨額を要する部分は、国庫債務負担行為あるいは継続費等方式によりまして一千七百五十九億円が計上をされております。さらに、防衛費と旧軍人遺族等恩給費を含めた額は、四十三年度の予算総額伸び率一一・八%に比べまして、三九%の伸びであります。そしてこの方向は今後も続くのでございます。しかし政府は、この最大硬直化原因に対しましては全然手を触れておりません。これまた国民不在政策と言わざるを得ません。  さらに、予算規模について申し上げます。  四十三年度予算案について政府説明は、伸び率は一一・八%、経済成長率見通し一二・一%をはるかに下回り、財政投融資も、伸び率が最近十年間の最低であり、公債保存率が一六・二%から一〇・九九%に低下等、これは完全な抑制型予算であると説明を続けるのでございます。しかし、われわれは、逆に抑制型ではなくて景気刺激型予算であると、次の根拠を指摘せざるを得ません。いままで一般会計計上をしておりました国立療養所経費が、四十三年度からは国立病院特別会計に移管をすることになりました。この金額を四十三年度予算総額上乗せをして計算をする必要があります。また、昨年九月、景気調整対策一環として行なわれた公共事業繰り延べ三千億のうち、一般会計の分四百八十九億も上乗せをして計算をする必要がございます。以上の二つに、公務員給与改善対策費のために予備費に五百億円を計上しておりますので、これをいままでの補正分として差し引き調整をいたしますと、四十三年度予算の対前年度伸び率は一八%、四十二年度の一四・七%を上回り、景気刺激危険性を内包していると言えるのであります。また、景気刺激要因を持つ国債が、予算総額の一〇%を占めておりますことは、数字の比較の上ではいかにも抑制型に見えますが、内容の質の上では景気刺激型と断ぜざるを得ません。  以上が反対基本的理由であります。以下、歳入歳出に分けまして具体的に申し述べます。  歳入面について反対理由をまず申し上げます。  第一の理由は、実質減税ゼロという名の増税の問題であります。  四十三年度予算は、千五十億の所得税減税を酒、たばこの増徴によって埋めるという方法をとりました。しかし、この増減税は、低所得者にとりましては減税の恩恵は全くなく、酒、たばこ増税分だけが大きく負担にかぶさってくるのであります。すなわち、エンゲル係数の高い階層人たちの酒、たばこ支出と、エンゲル係数の低い階層の同じ支出金額は、その所得格差ほどの開きはございません。したがいまして、これら嗜好品消費物資増税は、低所得者に対しましては大きく生活費に響く問題となるのであります。政府が真に抑制策租税制度を利用しようとするならば、なぜ設備投資促進特別措置あるいは大企業保護政策、これらの整理を第一に取り上げないのでございましょう。たびたび問題になる租税特別措置法による減収額は、四十三年度は二千六百四十八億円、これらは助長されこそすれ、何らの規制も行なわれてはおりません。さらに交際費全体に課税をするとすれば、その税額は一千六百十三億円、二分の一を損金に入れましても八百億円を数うるわけであります。さらに広告費課税をはかりますならば、四十三年度広告費は概算五千億円、これに一五%課税をいたしましても七百五十億が浮かびます。前に述べました租税特別措置法の、かりに二〇%を整理をするといたしましても、五百三十億円、合わせた額は二千億前後の新規財源を生むわけであります。政府方針によりましては、減税もできますれば、社会保障の上積みも物価抑制も可能な財源があるということになるわけでございます。財政硬直化といいましても、歳入硬直化には全然触れておりませんのは全くふに落ちないことであります。税負担勤労者には高く、会社法人には低いのであります。この不合理をまず第一に是正をさるべきだと思うのでございます。  反対の第二は、公債金収入であります。  政府公債依存率低下によりまして歳入弾力性回復を企図し、将来の不況対策を考え、四十二年度に比して千六百億円を減額をし、依存率も一六・二%から一〇・九九%にしたと説明をするのであります。しかし、四十二年度発行額は、九百億円の発行減額を行なっているのであります。したがって、四十三年度の減額分は、実質は七百億にすぎないのであります。これで、はたして景気抑制緊縮予算と言い得るでありましょうか。  次に、歳出予算について申し述べます。  歳出における反対理由の第一は、物価予算関係であります。  政府昭和四十三年度予算歳出におきまして、「負担は軽く給付は多く、このような国民的風潮硬直化原因である」と指摘をいたしまして、「受益者負担原則」の強化を強調をいたしております。さきにあげました食管会計、酒、たばこにとどまらず、定期券値上げ電話架設料引き上げ等物価上昇を引き起こします要因を、無遠慮に予算化しておるのであります。特に、四十三年度物価上昇率四・八%につきましては、宮澤経済企画庁長官の言によりましても、これは米価を含んでおらない。したがいまして、米価が上がるということになれば四・八%にとどまるわけにはいかないという理屈になるのであります。  なおまた、根本的には物価指数押え方そのものにも幾多の不合理がございます。政府物価指数の出し方は、三百六十四品目の指数加重平均をとる方法であります。わが党の田中委員指摘のように、家計の中に占める食費、教育費公共料金等をもっと重く見ていく方法をとらなければ、ほんとうの家計にかかる重みは出てまいりません。この方法によりまして物価指数をはじき出して、その数を押えて予算編成物価対策を立てますならば、いままでのように、途中になりましての大きい狂いというものは生じなくなります。国民もまた政府長期見通しに信頼をつなぐことになるでありましょう。しかし、本予算におきましては、公共料金を上げ、私鉄運賃を上げ、もろもろの消費者物価上昇刺激要因しかないのでございます。そうして受益者負担原則は、地方団体または住民の超過負担寄付金等を野放しにし、国民生活を守る配慮には、はなはだしく欠けておるのでございます。  歳出における反対の第二は、防衛予算であります。  政府防衛予算伸びを九・一%と説明するのでありますが、前にも述べましたように、旧軍人遺族等恩給費を含めますと、いわゆる軍事費として見ますときには、前年度に比べて伸び率は三九%、総予算伸び率一一・八%を大きく引き離しまして、別格の扱いを受けておるのであります。また、公務員は三年間に五%の減員計画に対しまして、自衛隊は二万三千人余の増員が計画をされております。さらに自衛隊器材関係の重点は、ナイキ、ホーク等ミサイル化に移りまして、防衛技術研究技術開発研究関係予算等は非常に高くなりまして、技術研究本部予算は、前年度比三〇・七%の伸びであります。そうして、これらは債務負担行為を含めまして増大の一途を指向しておるのであります。日米安保体制、アジアの国際情勢等幾多変化が望まれますときに、国民の福祉と差しかえにこのような防衛予算拡大を、私どもは見過ごすわけにはまいりません。  反対の第三点は、海外経済援助の問題であります。  予算案によりますれば、貿易及び経済協力費伸びは二二・七%であります。もちろん、われわれも国際収支改善貿易振興強化を否定するものではございません。しかし、問題は、この経済援助アメリカドル防衛肩がわりであるという疑問、そして昨年の佐藤総理訪米の際の日米共同コミュニケによる中共の脅威に対応した東南アジアの経済援助の考え方、そして対インドネシア援助に力点が置かれている点等、理解に苦しむものでございます。従来、経済援助はプラント類が中心でありましたが、四十三年度からは消費財物資が大幅に入ってまいりました。そのため、協力基金の貸し付け規模は四百四十億、五一・七%の伸びであり、引き締めの型の中では異質の存在を呈しております。しかし、この援助方向が悪いとは申しません。ただし、いままでの経済援助効果のあがらない点、あるいは経済援助のもと、うわさされる政商の介入等の問題、収支経理関係の不明確な点、さらに、わが党の木村委員の指摘された点等、援助物資を消費財物資にまで拡大しようとするこの際に、真剣に検討をすべきではないかと思うのであります。すなわち、貿易振興を重点とするならば、中国に対する見方あるいは態度がこのままでよろしいのか、東南アジアの経済開発によって同地域との貿易拡大を目的とするならば、従来の援助方法ではたして目的が達成されるのか、あるいは親善、平和の外交交流を進めるというならば、アメリカの代弁人視されるいまのようなやり方で先方が喜んでわれわれを受け入れてくれるのか等々、こういう問題に反省、検討を望みたいのであります。  反対の第四点は、地方財政についてであります。  四十三年度地方財政計画目標は、新規事業を押えて、余裕財源を地方債の返還と、公営企業への繰り出し、さらに義務的経費に振り向けて、財政の体質改善をはかるということであります。しかし、政府事業でございます道路、港湾等の計画事業費は一一・五%から一三・五%と伸びております。ところが住民福祉の直接事業でございます上下水道、あるいは環境衛生の費用は、前年度に比べて八・八%減っております。単独事業にいたしましても一二・七%から九・六%、生活保護費は一七・一%から一二・九%と大幅に伸び率が下がっておるのであります。  最近、都市化傾向はわが国において典型的な現象となりまして、大都市においては過密化、農村においては人口流出のための過疎化現象が目立っておるのでありますが、しかし、過密化対策にしても過疎化対策にしても、財政的には何ら裏打ちはございません。地方行政は住民のためになっているであろうか。こういう疑問を持たざるを得ないのでございます。一例を引くならば、政府が重要施策として掲げておりまする交通安全対策についても、現在の交通事故は、多発率は地方に多く、四十一年度においては死者は一一・四、負傷者は二一・六の増を示しております。しかし、市町村の道路財源は、国道の一キロ当たり一千万円に対して新しい予算を投入するとしても五万円に満ちません。交通安全対策費にしても、国道の一キロ当たり六十六万に対して一万円に満ちません。これで交通安全が期し得られるはずのものではないと思うのであります。  しもか市町村財源は相変わらず応益原則をたてにとられまして、住民税中心主義をとり、過重負担は年々累加する状況にございます。具体的に申し上げますならば、三十七年度の住民税所得割りの課税最低限は、所得税の一〇〇に対して八三でありました。ところが四十二年には六一、住民税はこのように累年過重負担になってまいります。このほかに固定資産税、使用料、手数料等が増額をされております。しかも、これらの使途は住民本位のものではなくて、義務的事業、公共事業優先の形で使われるわけであります。ここには、住民の福祉も、住民の自治も存在をいたしておりません。  反対の第五点は、本予算が、国民生活を守っているかどうかの問題であります。  その一は、物価調整減税がないことであります。前に述べましたように、物価上昇は四・八%にはとどまらないでございましょう。すると、物価一%で、国税は、政府説明によりましても、七十億増徴されることになります。政府は、当然、物価調整減税を最初から打ち出すべきであります。しかし、政府は、減税政策にこの調整額を含ませてはおりません。したがって、国民は、かりに物価が五%上がるとすれば、三百五十億が増徴をされまして、一そうの税金の過重負担をしいられることになるわけであります。これらの問題に何らの手も打たれておりません。  その二は、中小企業対策であります。財政建て直し政策を、中小企業の金融引き締めに傾けさせた傾向がございます。このために、四十二年十月−十二月で、月平均倒産は八百二十七件、前年度に比べて三三・六%の増であります。こういう状態の中であれば、下請の保護、零細企業への金融、手形期日の短縮、不渡り手形の救済、あるいは低賃金に悩むこれら従業員の給与や福祉の問題等が予算の上に計上さるべきでありますのに、具体的にはございません。  その三は、受益者負担原則の強行でございます。道路、公営住宅、学校建築等、当然のごとく超過負担が付随をしております。国、県の財政負担であるべき国立学校、都道府県立の高等学校、警察署、さらに国鉄に至るまで、地方財政法では違反であるにもかかわらず、寄付金、負担金が公然と市町村や住民にかぶせられております。この税外負担の傾向は一向に改まらないのであります。  その四は、財政硬直化社会保障にしわ寄せされていることであります。昨日の新聞にも、「交通遺児三七%が貧困にあえぐ」、「身障児施設、一技術者の辞職でピンチ」等が報ぜられていました。下志津病院は、関東・甲信越で萎縮症児を収容するただ一つの施設でありますが、この身障児の脳波、筋電図を取り扱っておりました技術者がやめ、身障児の治療観察がストップをしてしまったという内容でございます。これでもわかりますように、身障者の保護施設、また、これに働く人々の待遇等に改善措置が行なわれませんでは、治療、看護の必要要員すらもこと欠く状態でございます。生活保護の基準、失業対策、各種年金、あるいは医療制度、特に父母の願いであります小児ガン対策等、国民は、政府の庶民への政治を待ちわびておるのでございます。  私は、最後に、新聞の投書欄に出ておりました庶民の声を代読をいたしまして、反対討論の結びといたします。「毎日、精薄児施設の上を何十回となく自衛隊機が飛ぶ。あの一機があれば、こんな施設が四十も五十もできる。どうか一機下さい。お願いします。総理大臣殿」。(拍手)     —————————————
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 森八三一君。    〔森八三一君登壇拍手
  11. 森八三一

    ○森八三一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております予算三案に対しまして賛成の意を表するものであります。(拍手)  昭和四十二年度のわが国経済は、個人消費支出が前年度に比べまして一五%の増、民間設備投資もまた三〇%ふえまして、予想を上回る拡大を続けました。輸出は国内経済拡大と海外景気の停滞から伸び悩み、輸入は国内の活発な生産活動を反映いたしまして大幅に増加をいたしました。国際収支全体といたしましては、年初来の赤字基調を脱するに至らなかったのであります。  政府日本銀行は、このような趨勢に対処するため、昨年の秋以来、財政金融両面にわたりまする一連の景気調整措置を講じてまいったのでありますが、昨年十一月のポンドの切り下げ、金相場の暴騰とドル不安の激化、これに対処するアメリカドル防衛——こうした新しい局面を迎えまして、日本銀行は再度公定歩合の引き上げを行ない、金融面からの引き締めの措置を講じてまいったのであります。このような内外の情勢の中で、さきに閣議決定を見ました「昭和四十三年度の経済見通し経済運営の基本的態度」におきまして、政府は、昭和四十三年度を、経済を安定的な成長路線に乗せまするための調整の年であるとして、国際収支均衡回復と、それを第一の目標としての財政金融の運営に当たる旨を明らかにいたしました。  この方針を受けまして、予算編成方針は、財政による景気抑制機能の実効を期しまするとともに、総合予算主義に基づき予算補正を避け、これによりまして中央、地方を通ずる財政体質の改善に第一歩を踏み出し、財政が本来の機能を十分に果たすことができるような基盤を確立いたしますることをもって、予算編成の基本としたのであります。このことは、まさに、きびしい内外の情勢に対応し、国民の期待に沿うものと確信するところであります。  このような基本方針に基づきまして編成されました新年度予算は、次に申し述べまするような幾つかの特色を備えております。  その第一は、財政規模抑制につとめていることであります。  昭和四十三年度一般会計予算規模は、五兆八千百八十五億円でありまして、前年度補正後の予算額に対する増加率は一一・八%であります。これは、四十一年度の一九・六%、四十二年度の一六・二%の増加率を大きく下回っているだけではございません。三十九年度を除きますれば、ここ十年来で最も低い伸び率でございます。また、財政投融資計画規模二兆六千九百九十億円は、前年度の計画に対しまして一三%の増加となっておりますが、これもまた、四十一年度の二五・一%、四十二年度の一七・八%の増加率を下回り、十年来最低の伸び率となっております。  地方財政におきましても、こうした国の方針に照応して、節度ある運営が行なわれることとなっておりまするので、国民経済上の政府財貨サービス購入伸び率は、名目経済成長率一二・一%を下回る一一・七%程度にとどまるものと予想をされておる次第であります。財政規模のこのような圧縮が景気に対して抑制的な効果を生じるでありましょうことは、十分に期待し得るところであります。  特色の第二は、公債への依存度を大幅に引き下げていることであります。  ここ両三年の公債依存度を振り返ってみますと、本格的な公債政策が初めて導入されました昭和四十一年度当初の発行予定額は七千三百億円、公債依存度は一六・七%でありました。四十二年度には、それが八千億となり、公債依存度は一六・一%でありました。もっとも、その発行額は、その後補正をされまして、七千三百十億円に減額されましたが、それでも公債依存度は一四%にのぼっておったのであります。昭和四十三年度におきましては、公債の発行予定額は六千四百億円と大きく削減されまして、公債依存度は一〇・九%にまで低下をいたしております。また、政府保証債の発行額も、前年度当初予定額五千百億円に対しまして、本年度は三千六百億円に圧縮をされております。こうしたところにも、当面の情勢に対処する財政運営の基本的態度がうかがわれるのであります。まことに時宜を得た措置と申すべきであります。  特色の第三は、いわゆる総合予算主義のたてまえをとっておることであります。  そもそも予算は、年に一回、当該年度のすべての財政需要を見込みまして、各経費の間に適切な均衡がとれるように編成すべきものであります。しかるに、最近では、予算補正は恒例となり、補正のないのは例外という観を呈しております。これまでは租税自然増収が相当な額にのぼっておりましたために、補正財源にも事欠くことがなく措置し得たのでありますが、今後の経済動向を考えますと、年度途中に従来のような大幅な自然増収を期待いたしますることはできなくなることでありましょう。したがって、今後は大きな補正要因をあとに残しませんようにすることが必要であります。財政硬直化のおりから、当を得たものと言わなければなりません。ただ、このために、農業生産者は、不当に米価抑制されるのではないかというような不安にかられておると思います。食糧問題の重要性にかんがみ、生産意欲を減退せしめることのないような深い配慮がなされるべきであると存じます。  特色の第四は、以上のように圧縮された規模の中で、予算財政投融資計画とも、財源の適正かつ重点的な配分をはかりまするとともに、資金の効率的運用につとめておる点であります。  低所得者のための対策など社会保障の充実、交通安全と公害に対する対策の強化、住宅建設をはじめといたしまする社会資本の重点的な整備、農業、中小企業など生産性の低い部門の近代化の促進、輸出の振興と経済協力の推進など、当面緊急を要します施策につきましては、乏しい財源の中でできる限りの配慮が加えられております。  また、行政機関の定員と機構につきまして、さきの閣議決定に基づいて一省庁一局の削減を断行し、特殊法人の整理統合を行なうとともに、必要な方面に対しましては増員を見込みながら、既定定員を約六百名削減するという措置がとられております。さらに、補助金につきましても、効率の悪い補助金を整理し、補助金の合理化を進めること等によって、百五十億円にのぼる経費の節減をはかっております。これまた適切な措置と申すべきであり、ここにも財政硬直化打開に取り組む政府の強い姿勢をうかがうことができるのでありまして、高く評価さるべきであると存じます。  以上、昭和四十三年度予算の幾つかの特色をあげてまいったのでありますが、本予算は、現下内外の経済社会情勢に対応いたしまして、その量におきましても、その質におきましても、きわめて適切妥当なものであり、まさにわが国経済の安定的成長の基盤をつちかい、将来への繁栄と隆盛を約束するものでありまして、広く国民各層の絶対の共感を得るものと確信し、賛意を表する次第であります。(拍手)  ただ、この予算が編成されたのは一月の中ごろであります。その後、世界情勢に大きな影響を及ぼすような事件が相次いで発生いたしましたことは、御承知のとおりであります。その一つは、申すまでもなく、世界通貨体制の激動であり、いま一つはベトナム和平への動きであります。  第三次のゴールドラッシュ、ロンドン金市場の一時閉鎖、金プールの停止と金の二重価格制、これらの事件にあらわれておりまする世界通貨体制の激動が世界経済の動向にどのように影響するか、大きな問題でありますが、新聞雑誌の論説を見ましても、楽観論、悲観論取りまぜまして、帰するところを知らないありさまであります。  予算編成以後に生じましたこれらの事件が、この年度内にどのような影響を日本経済に及ぼしますか、にわかに予断を許さないところでありますが、しかし、情勢はきわめて流動的であり、したがって、情勢変化に対しては機敏に対処する心がまえが肝要であります。私は、政府がこの予算を執行するにあたりましては、国際情勢変化わが国国際収支及び国内経済の推移を注意深く見守りますとともに、財政投融資計画の運用、公共事業等の施行の時期、公債及び政府保証債の発行等を機に応じて調整し、金融政策の適切な発動と相まって、いわゆるポリシー・ミックスの実をあげることを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)     —————————————
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 浅井亨君。    〔浅井亨君登壇拍手
  13. 浅井亨

    ○浅井亨君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十三年度一般会計予算三案に対して、反対の意見を述べるものであります。  最初に、本予算案編成の背景となっている政府の外交、経済政策並びに政治姿勢等について、反対の立場で、若干の批判を加えたいと思います。  佐藤内閣の無定見な外交政策についてであります。  昨年十一月総理の訪米のとき、まさにドル危機が顕著にあらわれるとともに、ベトナム戦争の無謀性は、米国内において和平運動となって大きな高まりを見せ、まさにジョンソン政権は四面楚歌の状態にあったのであります。そして世界各国もまた、米国の無条件北爆停止によるベトナム和平の提唱が高まりつつあったのであります。しかるに、佐藤総理は、こうした世界の世論に背を向け、ジョンソン政策に全面的に迎合し、米国の立場に強い支持を与え、北爆停止にはハノイの対応措置が必要であるとの見解を表明し、ジョンソン政策への盲従と追随外交を続けてきたのであります。このことは当時の共同声明にも明らかなごとく、米国の中国封じ込め政策への無定見な迎合以外の何ものでもありません。  このように、日本政府はアジアの平和を口にしながら、ベトナム戦争の平和解決には何一つやっていないばかりか、佐藤総理は、日米安保体制の名のもとに、やってはならないことをやっているのであります。佐藤内閣の無為無策は平和に貢献しなかったのみならず、アジアの先進国として、また平和憲法を世界に誇る日本としては重大な怠慢であります。米国がベトナム戦争に行き詰まり、ついに無条件の北爆停止ジョンソン大統領大統領選不出馬が報道されるや、佐藤内閣はただ周章ろうばいするだけで、ベトナム和平に対する何らの役割りを果たそうとせず、アジアの孤児、世界の笑いものになり下がったのであります。米国追随外交の根底には日米安保条約が存在し、外交政策の要諦であるフリーハンドを完全に奪われていることを知るべきであります。公明党が安保条約の段階的解消を主張するゆえんは、自主独立の外交と世界平和の建設にとって、この政策が不可欠の前提だからにほかなりません。佐藤内閣の危険な外交方針の転換を強く求めるとともに、猛省を促すものであります。  次に、佐藤内閣の政治姿勢であります。  佐藤内閣は俗に三悪内閣であると言われております。三悪とは、戦争加担であり、汚職倍増と物価上昇の推進であります。佐藤内閣発足以来三年余、政界は共和製糖事件、LPG汚職、選挙違反の続発、財界もまた日通汚職等と、新聞報道は枚挙にいとまありません。政治不信、綱紀紊乱を国民大衆ははだで感じているのであります。総理はかつて、「国民の政治に対する信頼を取り戻すことは私に課せられた責任である」と述べながら、続発する事件は政治不信の拡大につながっているのであります。一体総理の責任はどうされるのでありましょうか。こうした腐敗と堕落した佐藤内閣のもとで、国民大衆がほんとうの愛国心を心から持つでありましょうか。防衛意識の高揚、国防教育の強調を唱える政府の右傾化政治姿勢を改め、もっと国民大衆に信頼される政治並びに政治姿勢の立て直しこそが絶対に必要なのであります。  第三に、佐藤内閣経済政策についてであります。  佐藤内閣は、前任者池田内閣の所得倍増、高度成長政策のひずみ是正をうたい文句に発足して三年余、この間の経済政策はどうなったでありましょうか。不況と景気過熱と強烈な金融引き締めを繰り返し、池田内閣時代と全然異ならないばかりか、景気上昇期間の短縮、不況の長期化と、国民大衆にとって犠牲の多い経済運営を行なってきたのであります。高度成長のひずみ是正は解消されないばかりか、逆に、国民大衆にひずみ倍増を押しつけているのであります。ひずみ是正の妙薬と宣伝した安定成長はどこに行ったのでありましょうか。政権の座にあること四年になりながら、四十三年度の経済財政運営は、四十四年度から安定成長へのかけ橋で調整の年だと言われるが、政権について五年にならなければ安定成長経済政策の目途すら立たないとしたら、総理の責任はまことに重大であります。さらに、経済運営の主柱であった経済社会発展計画は、民間設備投資、国際収支をはじめ、物価社会開発等と、軒並みに根底よりくずれているのであります。計画の再検討を総理の諮問機関である経済審議会が行なっていると伝え聞く今日、総理がみずから経済政策の完全に失敗したことを雄弁に物語っている何ものでもありません。佐藤内閣の有言不実行を強く、きびしく公明党は指摘するものであります。  次に、予算内容について反対するものであります。  第一は、予算規模についてであります。  政府は、昭和四十三年度予算編成方針では、抑制型予算を宣伝し、対前年度予算伸び率政府財貨サービスの伸び率ともに、経済成長率を下回るために、抑制型予算と自画自賛しておりますが、国立療養所の経費や公共事業繰り延べ分を調整した実質規模は一八%と、まことに高率であります。まさに景気刺激型であり、財政景気調整機能を放棄し、そのしわ寄せは、あげて金融政策に背負わされているのであります。一月の公定歩合の再引き上げは、このことの証明であり、非常にきびしい窓口規制、選別融資が、中小企業国民大衆に多大の犠牲をしいているか、はかり知れません。佐藤内閣がみずから行なわなければならない財政緊縮による景気抑制を放置し、大衆の犠牲で景気調整を行なわんとしているものと断ぜざるを得ないのであります。さらに、六千四百億円という多額の国債発行は、景気抑制財政運営と矛盾するものであります。四十一年度の不況脱出時の国債発行を景気浮揚のためと言い、四十二年度は社会資本整備で中立型の国債発行と言い、四十三年度は抑制型の国債発行だとする政府説明は、全く国債の何たるかを知らず、白を赤と言いくるめる論法と言わざるを得ないのであります。国債財政制度の奥深く定着し、売れない国債を特別免税の特典まで用意して国庫資金を集める方法は、封建時代の御用金調達の思想のあらわれであり、まことに危険きわまること大であります。公明党は政府国債政策の失敗と財政インフレの危険を強く指摘するものであります。  第二には、財政硬直化打開理由反対するものであります。  政府は、打開のためと称し、国民生活に密着する公共事業を大幅に抑制するとともに、受益者負担の名のもとに、国鉄運賃値上げ、食管特別会計への繰り入れ抑制に伴う三年連続消費者米価引き上げ等国民生活の犠牲によって財政硬直化是正を行なおうとしているのであります。財政硬直化は、継続費、国庫債務負担行為の乱用による防衛費予算の先取り的な編成方法、及び、物価騰貴を放置したことによる予算規模の膨張が大きな要因なのであります。それにもかかわらず、佐藤内閣の最近著しい右傾化姿勢は、これら防衛関係費の先食いを拡大するとともに、公共料金値上げ誘導の物価上昇推進型予算編成なのであります。財政硬直化根本原因を究明し、除去をしようとする姿勢のない佐藤内閣財政政策反対するものであります。  第三は、実質減税ゼロという名の増税反対するものであります。  千五十億円の所得税減税を、酒、たばこ等増税によって国庫歳入面実質減税ゼロと政府は述べておりますが、国民大衆にとっては決してゼロではありません。物価上昇の激しいわが国において、四十三年度は物価調整減税すら十分行なわれておりません。さらに、累進度の高い所得税体系から見ても、決して減税に値するものではありません。しかも、所得階層別に見たこの税制改正は、嗜好品消費物資増税であるゆえに、逆進性の強い増税となるのであります。  第四に、大衆福祉無視の血も涙もない予算反対するものであります。  生活保護基準を一三%引き上げ、東京など一級地では、月額二万六千五百円になったと述べておりますが、親子四人の標準世帯で一日の生活費八百八十三円、これを全部食費に充てたとしても一人当たり七十円余であります。消費者物価上昇が続いている今日、七十円の食費で一体どんなものが食べられるのでありましょうか。佐藤総理はじめ大蔵、厚生大臣には想像することすらできないのではないでしょうか。これで憲法で保障した健康で文化的な最低生活が保障されたと政府は公言しているのであります。これは明らかに憲法無視であり、違反であると断ぜざるを得ないのであります。  さらに、わが国には重症心身障害者や肢体不自由者等、非常に多いのであります。これらの人たちは、自分の責任で生活能力を失ったのではありません。佐藤内閣が欧州並みの福祉国家を目標にしているならば、その生活保障は国家の当然の責務であります。しかるに、四十三年度予算は、これら日の当たらない身障者に対してはまことに冷たい予算と言わざるを得ません。  最後に、中小企業、農業対策の不十分な予算反対するものであります。  金融引き締めで一番の被害者は零細中小企業者であります。毎月の倒産件数は上昇の一途をたどり、戦後最高の件数となっております。池田内閣時代の中小企業倒産を批判した佐藤総理は、「倒産の前になぜ対策を十分に立てないのか」と述べたにもかかわらず、戦後最高の倒産とはまことに皮肉な現象であります。なぜ、言行一致、中小企業の倒産の前に有効適切な手を打たなかったのか。また、農業関係予算にしても、そのウエートは毎年低下しております。農村の過疎現象は、佐藤内閣の産業政策の失敗によるものと言わざるを得ません。  以上の理由により、公明党は四十三年度一般会計予算三案について反対するものであります。(拍手)     —————————————
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 向井長年君。    〔向井長年君登壇拍手
  15. 向井長年

    ○向井長年君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の昭和四十三年度予算三案に対し反対討論を行ないます。  戦後二十数年にして、国際政治経済は大きくその姿を変えようといたしておるのであります。ここ数カ月の激しい動きはその端的なあらわれであります。昨年十一月のポンド切り下げ、これに続くドル危機の深刻化と金プールの崩壊、ジョンソンのベトナム和平宣言等々が相次いで目まぐるしく展開されてまいりました。この間にあって、わが国経済も国内の不況の進行と相まって多大の影響をこうむることは言うまでもありません。  特に、予算案審議を通じて明らかにされたことは、わが国経済の脆弱さと不安定性であります。外貨準備の異常な低さと構成内容の悪さ、一部でうわさされる円切り下げ、ベトナム特需の減少に伴う動揺等々がそれであります。しかるに政府は、この国際的な変革の流れにさおをさし、外交はもちろんのこと、経済政策においても、わが党の主張する実効的にして計画的な安定成長政策を無視し、従来の安易かつ無責任の成長政策を固執しておるのであります。まさに政府の動脈硬化もここにきわまれりと言うべきでありましょう。これがわが党が政府予算案反対する基本的な理由なのであります。  次に、具体的内容に立ち入って反対理由指摘いたしたいと存じます。  その第一は、今回の予算案は大衆の犠牲のもとに実質増税が行なわれていることであります。  所得税減税の恩恵にも浴しない低所得者はいまだわが国に二千万人もおりますが、たばこ値上げ、酒の増税は、これら低所得者に犠牲がかかってくることは明白であります。この明白な事実に目をおおい、実質増税ゼロであると強弁する政府態度は、わが党の断じて許し得ないところであります。  第二に、財政硬直化を口実にした民生的支出の圧迫が行なわれていることであります。  現在わが国にとって最も緊急に手を打たなければならない分野は公共福祉でありますが、住宅対策費は八・二%、社会保障関係費は一〇・三%の伸びと、いずれも予算全体の伸び率にさえ及ばないほど低く押えられているのであります。これは佐藤内閣の公約であった社会開発に全くそむくものであり、公約不履行もはなはだしいと言わなければならないのであります。このため、政府はみずから社会的アンバランスの是正をうたった経済社会発展計画を破綻に追い込み、またも紙くずと化してしまったのであります。  第三にわが党がこの予算案反対する理由は、政府主導型の大幅物価上昇が予想されることであります。  今回政府は、すでに国鉄定期の大幅値上げを実施し、また、酒、たばこ物品税増税を行ない、これが業者の便乗値上げと相まって、大幅にこれら商品の値上がりを招くことは明らかであります。さらに、電話設備料の引き上げなど、公共料金を軒並みに値上げし、この秋には総合予算主義という名目のもとに消費者米価も四年連続して値上げされることは必至であります。この結果、不況下の物価高が進行し、国民生活は以前にも増してきびしくなることが予想されるのであります。これは明らかに政府経済政策の失敗であります。  私は、以上の理由により、政府予算案反対の意向を表明いたしまして、討論を終わります。     —————————————
  16. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇拍手
  17. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十三年度予算三案に反対するものであります。  佐藤総理は、昨年の日米首脳会談で、アメリカのベトナム侵略戦争を全面的に支持し、東南アジアの反共かいらい政権に対する援助の増大、ドル防衛政策への協力などを約束しました。また、日米安保条約をアジア・太平洋地域に拡張強化し、このもとで日本軍国主義の復活強化と独占資本の東南アジアへの帝国主義的な進出を急速に推し進める意図を明らかにしました。このことは、佐藤総理アメリカの核のかさのもとでの自主防衛論、憲法否定の倉石発言、国防教育についての灘尾発言などによって明らかであります。  第二に、歳入の面では、一般会計で五兆八千百八十五億円、財政投融資で二兆六千九百九十億円の膨大な予算を組み、その財源をすべて人民に負わせ、他方では、輸出奨励などの名のもとに、大資本に対する各種の減免税措置を拡大しています。これは大資本に奉仕し、人民の生活を一そう困難にするものであります。  第三に、歳出の面では総合予算主義ということで、公務員賃金食管会計への繰り入れ、災害復旧費などを千二百億円の予備費でまかない、補正予算を組まないことにしていますが、これは、人事院勧告制度、食管制度などを事実上取りくずし、公務員賃金生産者米価を一方的に押えつけ、これを通じて労働者と勤労人民の生活水準を全体として抑制しようとするものであります。  また、勤労者の低家賃住宅は八万八千戸にすぎず、生活保護基準と失対賃金のわずかばかりの引き上げと引きかえに、失対事業で四千人、生活保護で四万八千人が適用のワクからはずされております。  また、中小企業の倒産が激増しているにもかかわらず、かえって大資本の要求に沿って、中小企業整理淘汰する政策が強められています。  さらに重大なことは、国立療養所の特別会計移管、消費者米価や各種公共料金引き上げなどによって、国と地方自治体が当然負担すべき経費を人民の負担肩がわりしていることであります。  このように政府は、財政硬直化を口実に人民に犠牲を強要しながら、第三次防衛力整備計画による自衛隊の増強、東南アジア経済援助の増額などは優先的に確保し、軍人恩給の増額、教員の反動的支配のための特別手当の新設、明治百年記念事業、政府新聞の発行など、国民の間に軍国主義思想を強めるための費用を著しく増額しています。  さらに、政府は、景気抑制を唱えながら、前年度繰り越し分を加えると実に二兆九千億にのぼる膨大な公共事業費を計上していますが、これは、高速度道路、港湾、その他、主として独占資本のための産業基盤の整備と利潤の増大を保障するものにほかなりません。  要するに、四十一二年度予算案は、勤労人民を犠牲にして、独占資本の利益をはかるだけではなくして、日米共同声明による日米共同責任体制をつくり上げるための第一年度として組まれたものであります。これは、わが国を軍国主義と戦争の道に一そう深く引き入れるものであり、わが党はこのような予算案に絶対に反対するものであります。  ポンド切り下げに続くドル危機の深まりは、世界資本主義経済の諸矛盾の激化と相まって、資本主義世界全体に対するアメリカの金融的支配が大きくくずれつつあることを示しています。ベトナム和平に関するジョンソン演説、キング牧師の暗殺と黒人の闘争の高まりなど、一連の事実は、アメリカの侵略的な世界政策、とりわけベトナム侵略戦争を中心とするアメリカの極東政策が、政治的にも、軍事的にも、経済的にも破綻し始めたことを示すものであります。それは同時に、日米安保体制による日本の安全と繁栄という、自民党佐藤内閣基本政策の危険な性格とその破綻を端的に示すものであります。  今日、激動するアジアと世界の情勢のもとでわが国の進むべき道は、日米安保条約を破棄して、真の独立を実現し、民主主義と平和・中立の政策を実行することであります。これによってのみわが国の安全と経済の自主的平和的発展、国民生活向上の道を切り開くことができるのであります。このことを強調して、私の反対討論を終わります。(拍手
  18. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました、討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。  表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  20. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         百九十九票   白色票           百十七票    〔拍手〕   青色票           八十二票    〔拍手〕  よって、三案は可決せられました。(拍手)      —————・—————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百十七名       八田 一朗君    西村 尚治君       内藤誉三郎君    櫻井 志郎君       谷口 慶吉君    金丸 冨夫君       井川 伊平君    青田源太郎君       赤間 文三君    鍋島 直紹君       小林 武治君    木内 四郎君       中山 福藏君    剱木 亨弘君       松平 勇雄君    菅野 儀作君       平泉  渉君    船田  譲君       宮崎 正雄君    柳田桃太郎君       山内 一郎君    山本茂一郎君       任田 新治君    土屋 義彦君       高橋雄之助君    大森 久司君       中村喜四郎君    藤田 正明君       山本  杉君    米田 正文君       岸田 幸雄君    木島 義夫君       温水 三郎君    久保 勘一君       木村 睦男君    津島 文治君       西田 信一君    仲原 善一君       中野 文門君    天坊 裕彦君       沢田 一精君    西郷吉之助君       三木與吉郎君    森 八三一君       八木 一郎君    山本 利壽君       堀本 宜実君    塩見 俊二君       徳永 正利君    廣瀬 久忠君       吉武 恵市君    高橋  衛君       重政 庸徳君    小山邦太郎君       鹿島守之助君    青木 一男君       斎藤  昇君    河野 謙三君       二木 謙吾君    森部 隆輔君       山下 春江君    林田悠紀夫君       佐藤 一郎君    佐田 一郎君       佐藤  隆君    近藤英一郎君       田村 賢作君    小林  章君       黒木 利克君    楠  正俊君       内田 芳郎君    玉置 和郎君       栗原 祐幸君    丸茂 重貞君       野知 浩之君    長谷川 仁君       林   塩君    北畠 教真君       鹿島 俊雄君    柴田  栄君       後藤 義隆君    鈴木 万平君       大谷藤之助君    大竹平八郎君       江藤  智君    迫水 久常君       田中 茂穂君    梶原 茂嘉君       平島 敏夫君    青柳 秀夫君       大谷 贇雄君    林屋亀次郎君       安井  謙君    増原 恵吉君       平井 太郎君    杉原 荒太君       郡  祐一君    古池 信三君       上原 正吉君    石原幹市郎君       近藤 鶴代君    岡本  悟君       高橋文五郎君    山崎  斉君       横井 太郎君    植木 光教君       和田 鶴一君    稲浦 鹿藏君       石井  桂君    白井  勇君       伊藤 五郎君    林田 正治君       井野 碩哉君    新谷寅三郎君       植竹 春彦君    笹森 順造君       寺尾  豊君     —————————————  反対者(青色票)氏名      八十二名       原田  立君    山高しげり君       瓜生  清君    中沢伊登子君       市川 房枝君    中尾 辰義君       片山 武夫君    北條 雋八君       多田 省吾君    宮崎 正義君       小平 芳平君    向井 長年君       山田 徹一君    和泉  覚君       柏原 ヤス君    鈴木 市藏君       前川  旦君    戸田 菊雄君       竹田 現照君    相澤 重明君       山崎  昇君    木村美智男君       村田 秀三君    小野  明君       沢田 政治君    松本 賢一君       佐野 芳雄君    杉山善太郎君       林  虎雄君    柴谷  要君       大矢  正君    光村 甚助君       大河原一次君    伊藤 顕道君       近藤 信一君    小酒井義男君       松永 忠二君    大倉 精一君       大和 与一君    岩間 正男君       須藤 五郎君    野坂 參三君       春日 正一君    森  勝治君       鈴木  力君    中村 波男君       川村 清一君    大橋 和孝君       田中寿美子君    柳岡 秋夫君       瀬谷 英行君    吉田忠三郎君       小林  武君    大森 創造君       鶴園 哲夫君    野上  元君       山本伊三郎君    千葉千代世君       武内 五郎君    森中 守義君       横川 正市君    鈴木  強君       阿部 竹松君    藤田藤太郎君       占部 秀男君    森 元治郎君       鈴木  壽君    永岡 光治君       岡  三郎君    久保  等君       藤田  進君    加瀬  完君       椿  繁夫君    亀田 得治君       羽生 三七君    秋山 長造君       佐多 忠隆君    田中  一君       木村禧八郎君    松澤 兼人君       藤原 道子君    野溝  勝君      ─────・─────
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案。  日程第二、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案。  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長金丸冨夫君。    〔金丸冨夫君登壇拍手
  24. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案は、保険公庫に九十五億円を追加出資し、そのうち二十五億円を保険準備金に充てることとし、同公庫の資本金及び基金に関する規定を整備する等の改正を行なおうとするものであります。     —————————————  次に、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案は、内外経済情勢変化に伴い、投資育成会社の業務を拡充する必要を生じ、その資本を調達するとともに、経理的基礎を固めるため、同社の資本金を三億円増額しようとするものであります。     —————————————  委員会では、投資育成会社の投資先中小企業を視察するとともに、二法案を一括して議題とし、信用補完制度、保険公庫の運営及び中小企業育成方針等の諸問題を中心に質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論もなく、二法案を順次採決いたしました結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  25. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。  まず、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  28. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      —————・—————
  29. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第三、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案。  日程第四、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法案。  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長和田鶴一君。    〔和田鶴一君登壇拍手
  31. 和田鶴一

    ○和田鶴一君 ただいま議題となりました両法律案について、委員会における審査の経過と結果を報告いたします。  まず、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案は、北海道の畑作農業の現状にかんがみ、農林漁業金融公庫が畑作農業者に対して貸し付ける営農改善資金の貸し付け条件等の改善をはかるとともに、その貸し付け資格の認定申請期限を五カ年延長しようとするものであります。     —————————————  次に、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法案は、南九州において自然条件の不良な地域を畑作振興地域として指定するとともに、地域内農業者で、営農改善計画を立てて貸し付け資格の認定を受けたものに、農林漁業金融公庫が長期低利資金の融資を行なおうとするものであります。  委員会におきましては、両法律案に関して、北海道、南九州地域をめぐる畑作振興対策、特に畑作振興地域の指定方針、営農方式の具体例、融資対象農家における農業所得の水準、営農改善資金の貸し付け方法と融資条件、営農基盤整備事業等に関する実施条件とその実態、営農指導体制の強化など、諸般の問題が質疑されました。  質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、両法律案はそれぞれ全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  続いて、川村委員より、自民、社会、公明三党共同の両法律案に対する附帯決議案が提案され、これも全会一致をもって決定されました。  右御報告いたします。(拍手
  32. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  33. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————
  34. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  国会議員互助年金法等の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。議院運営委員長徳永正利君。    〔徳永正利君登壇拍手
  36. 徳永正利

    ○徳永正利君 ただいま議題となりました法律案のおもな内容について申し上げますと、  第一は、国会議員の互助年金に関するものでありまして、議員が在職三年以上十年未満で退職または死亡した場合に支給する一時金の制度を新設すること。普通退職年金の若年停止の年齢を満四十五歳に引き下げること。高額所得による普通退職年金の一部停止の基準である互助年金外所得を引き上げること。  以上の改正に伴い、納付金を歳費月額の四・七%に改めること等であります。  第二は、通信交通費及び立法事務費に関するものでありまして、それぞれ増額改定しようとするものであります。  第三は、国会議員の秘書の給料に関するものでありまして、いわゆる第一秘書の給料月額に、調整手当相当額を加えようとするものであります。  委員会におきましては、審査の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  37. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  38. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。  本日はこれにて散会いたします。    牛後六時三十一分散会