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1968-03-14 第58回国会 参議院 法務委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月十四日(木曜日)    午前十時八分開会     —————————————    委員の異動  三月八日     辞任         補欠選任      田村 賢作君     谷村 貞治君      玉置 和郎君     木島 義夫君      山本  杉君     後藤 義隆君  三月十四日     辞任         補欠選任      木島 義夫君     大森 久司君      中山 福藏君     山本茂一郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         北條 雋八君     理 事                 青田源太郎君                 秋山 長造君                 山田 徹一君     委 員                 大森 久司君                 斎藤  昇君                 山本茂一郎君                 大森 創造君                 亀田 得治君                 山高しげり君     国務大臣         法務大臣    赤間 文三君         国務大臣    赤澤 正道君     政府委員         公安調査庁長官 吉河 光貞君     事務局側         常任委員会専門         員       増本 甲吉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○検察及び、裁判運営等に関する調査  (破壊活動防止法適用に関する件)     —————————————
  2. 北條雋八

    委員長北條雋八君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  破壊活動防止法適用に関する件について調査を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 亀田得治

    亀田得治君 前回法務委員会でも一度破防法適用問題についてお尋ねをしたわけですが、前回特に主管責任である赤間法務大臣——来ていらっしゃいますが、法務大臣は、慎重にこの問題は考えていく、こういうふうな答弁をされていたわけでありますが、どうもこの二、三日来の空気を見ておりますと、非常に適用を積極的に考えるんだ、こういう立場で仕事にかかっておられるやの印象を受けるわけであります。そういうことで、私も、これは初めての日本における破防法適用の問題でもあり、質問をしなければならないという気持ちになって、本日御出席をお願いしたわけであります。新聞テレビ等でも法務大臣の御所見ども見ておるわけでありますが、最初法務大臣のほうから、昨日もいろいろ打ち合せをされたようでございますが、現在の考え方ですね、差しつかえない程度にひとつ率直にお話をいただきたいと考えます。
  4. 赤間文三

    国務大臣赤間文三君) この三派全学連のいろいろな事件の場合を調べてみますと、多数で暴力的な破壊活動行為が行なわれたということで、私ら治安当局としては、非常に遺憾に考えておるのであります。私法務大臣としては、何としても国家法秩序を守っていくということが私らに課せられたことでありまするが、どうも三派全学連行動は、国の秩序破壊をして、破壊活動的な行為が多いということを、この上もなく私は残念に思っておる。こういう行為をひとつやめてもらいたいというような熱烈な布望を持っておるのであります。こういう点からいたしまして、法務省といたしましても、ずっと前から慎重にこの問題につきまして調査を進めておる次第であります。現在といたしましては、いろいろな条件からいたしまして、まだ結論をどうするということは、私はまだそこまで達しておりませんが、現在のところは、破防法適用することを目途といたしまして、事実上並びに法律上その他について研究をいたしておる、こういうふうな段階でございます。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 破防法適用目途として——こういうふうに新聞等でも拝見しましたし、ただいまもお答えになっているわけですから、前回委員会におけるお答えよりは、だいぶこう様子が変わってきておるというふうに私も率直に感じたわけです。そこで、ほかの委員会にも出席される関係もあるようですから、こまかいことはあとから公安調査庁のほう等に聞きますが、国家公安委員長に一言お答え願いたいのは、はたしてこの破防法適用して実際の効果が予定されるのかどうか。私は警察関係の方々の意見も若干は聞くわけですが、そういう破防法適用の問題じゃなしに、やはり起きておる事態についての警備体制をどうするか、そういう問題をもっと軌道に乗ぜなければならぬのじゃないかということがやはり私は重点でなければならぬというふうに、その部内の諸君気持ちを聞いても感ずるわけですが、実際にたとえば三派全学連解散させてみても、単位団体はたくさんあるわけですね。三派だけじゃなしにそのほかにも、いろいろのものが予想されるわけでしょう。だから、それは全く、警察の実際の警備という面から見たら、たいした意味がない。それよりも、こういう法律を実際に発動するということのいろいろな連鎖反応も逆にまた起こります。そういうことよりも、事態に対する警備自体やり方というものを、世間の非難を受けないようにしながら、しかもきちっとできるようにすると、これは非常にむずかしいことですがね。しかし、そういうことにほんとうに全力をあげるのが高い立場から見ても必要なことではなかろうか、そういう意見警察等でだいぶあるようです。これは実際の実務上の観点から出るのだろうと思いますが、国家公安委員長としてこの問題についてどういうふうな心境でおられるか。官房長官なりほかの方の御所見は若干新聞等でも拝見しておるのですが、あなたの意見だけはまだ新聞等にも出ておらぬようでございますので、この際ひとつざっくばらんなあなたの本心をお聞かせ願いたいと思います。
  6. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) いま話題になっております破防法適用についてちょっとお触れになりました。これが実効があるかどうかという問題について警察部内でも何か言っておるものがあると、こういうおことばでございますが、亀田さんは優秀な法律家でもございますから、むしろ私は知恵を拝借したい。と申しますことは、法治国家ですから、ああいう常習的な集団暴力というものは断じて許せない。これは私たち取り締まりの衝にある者は当然のことであると思いますけれども国民もこういう行動というものは許さぬと思います。ですから、こういうことをなくするのには、いろいろと諸般の施策を考えていかなければなりませんけれども、直接には、やはりこういう常習的な暴力から国民を守るという立場に立ちます場合においては、単に破防法という、そういうことだけではなくて、広く何らかの方法を考えて、そうしてこれを規制をしていくという方法をとらざるを得ないのば、これは私たちの職責上当然のことであると考えております。  いま破防法実効云々ということにお触れになりましたが、これは私は私なりの判断はありますけれども、御案内のとおり、主管法務省でございますし、また公安調査庁などがいまの段階においては主体的な役割りを果たさるべきであると考えますし、私の場合、破防法について法務大臣からまだ正式に意見を聞かれたこともありませんし、いま私からその問題について私見を申し上げることは差し控えたいと思います。
  7. 亀田得治

    亀田得治君 公安委員長、十時半からお立ちになるようですから、重ねてもう一度お伺いしますが、実際の必要性警察側からの立場が一番重きをなすのじゃないかと思うのです。したがって、国家公安委員長がこの問題についてどういう考え方をとるかということは、法務大臣最終決定といいますか、その主管大臣としての非常に重要な点であると思うのであります。だから、そういう立場で実は重ねてお聞きするわけですが、先ほども申し上げましたように、破防法適用して、そうして精神的な効果をねらうといったような意見も一部にはあります。しかし、その精神的な効果というようなことをいいますと、これは逆なまた精神的な効果が出る面があるわけなんです。ともかくけしからぬからやってしまえというふうな諸君には、それは確かに精神的な効果は出ます。しかし、なかなかこういう法律は、結局は大衆行動、それに対する制限に結びつくわけですから——いやそれはそんな乱暴なことをしなきゃ何も結びつかぬのです、こうおっしゃるだろうが、その境目がたいへん判断がむずかしいわけですね。したがって、一度こういう法律が発動されますと、どうしても三回、三回と使いやすくなるのが、これは私は過去のいろんな事例を見ても断定して差しつかえないと思うんです。そういう面から考えまして、三派全学連行動必ずしも支持しない人でも、破防法適用について慎重であってほしいという意見がずいぶんありますよね。だから、その諸君に対する精神的な逆効果というものは、これはまた十分勘定に入れてもらわなきゃいかぬと思うんです。だから、ある方面には効果があってすっとする面が出るかもしれぬが、プラスマイナス私はたいしたものは残らぬというふうに実際は考えているんです。逆効果というものをさらに活用されるということも考慮のうちに入れなきゃならぬでしょう、おそらく。だから、そうなってきますと、たいした効果ということは別にして、精神面効果だけでもねらって踏み切るべきだという意見がいま相当自民党なり内閣の中で強くなってきたように感ずるんですが、その点私たち非常に実は心配しているんです。だから、よく冷静に考えてみれば、その点はプラスマイナス・ゼロだということになれば、やはり実効ですね、今度は。警察等立場から見て実際にどれだけの効果があるだろうか、その点が私は非常に大きな要素になってくると思うんです。いろいろ法律規制やり方等を考えてみましても、なかなか、これを発動したからといって、それだけでぴしっと終わるものではないというふうなことが十分予想されるわけでね。だから、この点は警察当局として十分な考え方を固めて、そうして関係閣僚相談の上で最終的決定をされるようですが、その点を警察としてはやはり警察内部専門家意見等も十分徴して固めてもらいたいと思うんですね、考え方を。これが私は決定的な要素じゃないかと思うんですよ。精神論なんというのは、これはもうプラスマイナス・ゼロ、両方にありますよ。だから、あなたがその責任の衝にあるわけですからね。そこで、もう少しその面についての考え方を拝聴できれば非常にけっこうだと思っているんです。いま審議の段階でいろいろ考えをまとめるのは無理だというのが普通だろうと思いますけれども、私もこの法の発動ということについていろんな角度から非常に心配しているわけです。全学連活動方針そのものを支持しているわけじゃないんですよ。これは十分皆さんにも御丁解願っておきたい。そういう立場でもう一度ひとつあなたの考え方をお述べいただきたいと思います。
  8. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) 三派系全学連活動方針は支持していないとはっきり言われたわけでございまして、またああいう暴力というものをおそらく亀田さんも容認をしていられるはずはないと思います。そこに取り締まり当局としての非常な苦慮があるわけでございます。これを規制しこういうことが起こらないようにするためにはどういう方法があるかということについて、これはもちろん破防法も含めていま関係事務当局でいろいろ検討しておる段階でございます。しかしながら、おっしゃるように、こういう法の適用実効の点、またそれがあとに及ぼす影響等についても、政治判断は私どもがしなければなりません。そこで、そういったこともあわせていま私どもは深刻に考えておるところでございます。しかし、筋は、申し上げるまでもなく、先ほどちょっと触れましたように、これは破防法につきましては、主管法務省でございまするので、いずれまた法務当局のほうの考え方がまとまれば、私どものほうにも何がしかの御相談がある筋合いのものでございます。しかし、全体の政治判断ですけれども、御案内のとおり、政府のほうでどういう決定をいたしましても、結果的には最終判断裁判所がするわけでございます。これに類する事件で、いままで、亀田先生承知のとおりに、いろいろなことがありました。その最終的な扱いにつきましても、十分検討をいたしております。ですから、実効ということになりますと、そこら辺も踏んまえて判断をしなければならぬ非常にむずかしいことでございますが、すべてをあわせていま検討の最中でございます。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 じゃ、どうぞ。  法務大臣もお急ぎのようですから、もう一点だけ簡単にお聞きします。  この三派全学連、これは秘密団体でも何でもない、表へ出過ぎるほど出ておる団体なんですね。だから、こういうものに対する扱いをいかに考えるか。表へもう出尽くしているんですからね。これはやはり私は現実警備の技術的な問題だ、こういうふうに実は感じているんです。ですから、その点をよくひとつ法務大臣として御検討願いたい、これはお願いしておきます。で、たとえば規制するにいたしましても、巷間伝わっておるのは第七条、とにかくき然たる態度を示して解散するのだと、こういうふうなことを漏れ聞くわけですけれどもね。しかし、規制のしかたにもいろいろあるわけですね、御承知のとおり。第五条には、三つの種類をきめているわけですね。その一つとして、たとえば、該当の団体に対して、六ヵ月の期間内、特定の地域を限り、ここで大衆行動をやってはならないといったようなやり方も、その一つとして書かれておるわけですね。どうしてもそれではだめだと、効果があがらぬという場合でなければ、その第七条に持っていってはいけないと、法文のつくり方はこういうことになっておるわけですよ。ところが、現実の姿というものは、むき出しで、現場はどこどこで、いついっかどれだけの者が集まって行動を起こすというようなことは、もう大っぴらにやっているわけですね。だから、その点だけを冷静に取り上げて、そうして処理していけば私はいいことだと思うのです。これは第一次的には、警備でそれは処理すべき問題だと私は思う。しかし、どうもそれでは足らぬと私はそれで足ると思うのですが、破防法に行くんだとしても、いきなり解散だとか、そんなことは、三派全学連秘密団体でも何でもないこういう団体の性格、実際のあり方というものを見まするとね、これはちょっと、破防法制定の事情並びに法文からいっても、少し感情的になり過ぎてはせぬかというような感じを持って見ておるんです。だから、その辺のことにつきましても、これは十分法務大臣としていろんな意見は徴されるでしょうが、最終的にはあなたのほうで内定して閣議にはかられるんでしょうが、非常に私は大事なポイントがあると思うのです。第一次的には警備責任ですよ。第二次的には、破防法の中にいろいろな規制の手段があるのですから、相手の状態というものを見て、いきなり解散とか、そんなことに飛びつくのは、あまりにも精神的過ぎるというふうに私は思っているのです。おそらくそういうことは十分御承知の上で内部検討はされているだろうと思いますが、その辺についての多少内輪に入った考え方をお聞かせ願えればたいへんけっこうだと思うのですが、どうでしょう。
  10. 赤間文三

    国務大臣赤間文三君) お答えを申し上げますが、あらゆる面から非常に慎重な研究をだいぶ長い間真剣にやってまいったのです。破防法の性質からいって、お述べになりましたように、あらゆる面から非常に慎重な態度でこれの検討をしてまいってきておるのでございます。さきに何か効果のことを公安委員長にお述べになりましたが、精神的効果とかなんとかおっしゃったことが私には何かわからないのです。私、法務省としての考え方は、団体を組んで国家秩序破壊する、社会秩序破壊し、破壊活動行為団体を組んでやる、こういうことは法治国においては断固としてこれは、取り締まられねばならないものであるという考え方を私は根本的に持っておる。法治国において法律を無視して乱暴ろうぜきをやり、社会破壊をやっても、何でもないというようなことは、日本のためにならぬ。いやしくも法律秩序を乱した者は断固これを処置するというのが、私らに課せられたものであると私は考える。それで、ただ精神的効果であるとかというようなものより、法秩序維持という点てまた深刻に——亀田さんは法律専門家で何もかも十分御存じだが、その辺がちょっと私と違う点があるんじゃないか。私は、とにかく社会秩序法秩序破壊する暴挙をするから、特にこれはもう前向きの姿勢破防法適用目安にひとつ研究をやろうということで発足いたしております次第であります。それで、破防法というものは、お述べになりましたように、これは慎重に取り扱うべきものであるということは、十二分に御説のとおりで、私はこれは同感でありまして、法務省としても、あらゆる面から十二分にひとつ検討調査をやって、十二分にこれは慎重な取り扱いをやっていきたいということは、これはあなたと同じ考え方を持っております。ただ、申し上げますことは、いまこの破防法適用目安でいろいろな面から研究をいたしておる最中でございまするので、どういうふうなことをやるとか、どういうふうに考えているということは、具体的にまだ申し上げる時期には達していないのでございまするが、いま言いましたように、われわれは国の秩序法律を守る番人でございます。この違反に対しては、しかるべき方法を講ずることが、われわれに課せられた一つの大きなものであると私は考えます。しかし、適用することは、お述べになりましたようなことにもよく注意をする、あらゆることに十分な配慮と注意をいたしまして、また意見を聞くべき点ば十分意見を聞いてこれを処置していきたいということで、目下検討中であることは間違いがないのでございます。御了承願います。
  11. 亀田得治

    亀田得治君 約束の時間ですから、ちょっと要望だけしておきますが、法秩序を守っていくという点では、私も法務大臣意見と別に変わらないのです。ただ、その守り方の問題ですね。現在の体制からいえば、第一次的には、向こうばむき出し団体なんだから、やはり警備の問題としてもっと考えなければいけないということが一つ。それから、それでもいろいろ問題が起きた場合には、事後の措置として起訴なりいろいろな問題があるわけですね。決して何もそういうふうな野放しになっているわけじゃないのです。それにプラス破防法、こうなってくると、私は、たいした実効もないし、かえっていろいろな連鎖反応を起こすだけじゃないか。実効のないことをやろうというのは、これは単なる精神主義だ、こういう意味で申し上げているわけでありまして、決して、秩序がどうなってもいいとか、そんなことを考えているわけじゃございませんから。むしろ、そういう必要もないものを発動することによって、別な面からのまた秩序に対して悪い影響も出てくる、そういうふうなことも、またわれわれとしては心配しているわけなんです。  そういうわけですから、まあひとつ、前回は慎重と言われましたが、きょうはだいぶ、慎重の前に適用をめどとしてといったようなことばがついておりますので、そういう前向きの姿勢になってきたときこそ、ほんとうにいろいろな要素を慎重に検討して、最終決定をされるようにお願いしておきます。では、どうぞ。  それでは、公安調査庁長官に、多少こまかい点についてお聞きしたいと思います。いままでは、政府自体が慎重なかまえを持っていたから、あまりこまかいことに入らぬほうがよかろうと逆に思っていたわけですが、どうもそうでもない、そういう空気でございますので、若干ひとつ内部に踏み込んだような問題についてもお尋ねをしてみたいと思うのです。さしつかえない程度お答えを願いたいと思います。  まず最初問題になるのは、破防法適用するという以上は、どの団体対象にしているか。ばく然と三派全学連、こう言っておりますが、公安調査庁の専門的な検討、整理としては、どれとどれを対象にしているのかという点を、最初にひとつ明らかにしてほしい。土台がはっきりしませんと、なかなかあとの議論が進みませんので。
  12. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  いわゆる三派全学連というこの団体対象としておりますが、三派公学連といわれるゆえんは、この団体が、中核派、あるいは社学同、あるいは社青解放派というような集団が加わっているというようなことから、三派全学連といわれていると思うのでありますが、私ども当面調査対象として検討しておりますのは、この三派全学連だけでございます。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、三派を構成している三団体そのものは、現段階ではまだ調査対象にはなっておらない、こういうふうに聞いていいですね。
  14. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) 一応調査対象にはいたしておりますけれども、まだ調査は十分に進んではおりません。したがいまして、いま問題になっているのは、三派全学連という団体だけでございます。
  15. 亀田得治

    亀田得治君 それでわかりました。  それからもう一つは、この三派全学連破壊活動というものが破防法の第四条のどの条項に当たるという立場で進められておるわけでしょうか。
  16. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  第一次の羽田事件、第二次の羽田事件、これに続きます佐世保の事件を通じまして、三派全学連団体行動破防法四条第一項二号リに規定している暴力主義的な破壊活動に該当するというふうに考えておる次第でございます。
  17. 亀田得治

    亀田得治君 団体規制方法として、第五条を考えておるのか、あるいは第七条を考えておるのか。巷間われわれに伝わってくるところでは、第七条解散、この規定を適用する立場で考えておられる、一月二十一日に法務大臣公安調査庁意見をまとめて出されたのも、そういう立場で考えておられるというふうに聞くわけですが、その辺の真相はどういうことなんでしょうか。
  18. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  規制するかどうかということは、現在まだ最終的な結論は出ておりません。したがいまして、規制種類として、第五条の団体活動制限を請求するか、あるいは第七条の解散の指定を請求するかということにつきましては、まだきまっておりません。
  19. 亀田得治

    亀田得治君 そうですが、そうするとわれわれがうわさに聞くのと若干違うようでありますが、五条になるか七条になるかは別として、破防法適用すべきだという考え方ですね、そのこと自体はきめて法務大臣に報告したのではないでしょうか。何かいまのお答えですと、その点も必ずしも事務当局としてきめたわけじゃない、それらに関連する各種の資料をそろえて、判断最高責任者でやってもらいたいというふうな趣旨で臨んでおられるやにもちょっと闘いたのですが、そのどちらでしょうか。
  20. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  御質問の、私から法務大臣への報告は、三派全学連についての調査が一応荒筋終わりましたということでございます。これを規制させてもらいたい、規制請求をさせてもらいたいというような点までは申し上げておりません。大臣からは、規制の当否、規制をすることが相当であるかどうかということについては、あらゆる方面から、角度からこれを十分慎重に検討するようにというような御指示がございまして、検討している段階でございます。
  21. 亀田得治

    亀田得治君 この第五条の場合でも、第七条の場合でも、御承知のように、破壊活動継続または反復して行なう、そういうことが十分予想される明らかな根拠がある、こういうふうなことが条件になっているようですが、その反復継続性についての判断ですね、それは資料を集めて出されておるだろうと思いますが、それはどういう立場から認定をされておるんでしょうか。反復継続ということについての認定ですね、その認定がなければ、なかなか結論は出さぬにしても、大臣への報告の資料としては私は不十分だろうと思うんですが、おそらくそういうこともそろえてお出しになっていると思うんですが、その点御説明願いたい。
  22. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申しますが、ただいま御指摘の将来における反復継続の危険性というものは、非常に重要な要件になっております。この要件を証拠の資料によってどのように立証するかということが御指摘の点であろうかと思いますが、調査の内容にわたることでございますので、ここでその内容について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと考えておるわけでございます。しかし、これについてのこういう危険性を立証するに足るだけの調査がそろっているかということも、現在、大臣が申されましたように、きめこまかく立証内容を検討中でございます。
  23. 亀田得治

    亀田得治君 第五条で規制する方法として、三つのことが書かれておる、御承知のように。第七条で解散の指定。法のたてまえからいいますと、まず第五条でやれないものだろうかという研究をすべきものだとこれはなっていると思います。第五条でもとても効果かあがらない、目的が達せられない、それで初めて第七条、こういうふうに法文自体も明らかに書いているわけなんですね。事務当局としては適用自体についての結論を出しておらぬというから、七条か五条かというふうな結論は当然出しておられないと思いますが、公安調査庁のこの破防法を取り上げる態度として、一般的な立場でお聞きしてもいいんですが、いきなり第七条、一番きつい解散、こういうふうなところに飛びつくものではないというふうに私は想像するわけですが、その辺の問題についての考え方をひとりお聞きしておきたいと思うです。
  24. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  法文の解釈といたしましては、第五条の団体活動制限ということによっては将来の反復継続の危険性を有効に除去することができないと認められるときには、直接解散指定の請求をすることができるというようなたてまえにもなっております。この将来の反復継続の危険性かどの程度に濃いものであるか、非常に深くて常習性のあるようなところまで認定できるものか、あるいはそこまでは認定できないものかというような点も、相当こういう問題の解決に資する資料ではなかろうかと考えているわけでございます。
  25. 亀田得治

    亀田得治君 まだ発動もされぬうちにお聞きするのは少し先走りというふうな感じもいたしますが、規制にしても、あるいは解散にいたしましても、相当手続が要りますね、最終結論に達するには。これは大体長官としてはどの程度の日数がかかるものだと考えていますか。
  26. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申し上げます。  実は、公安調査庁といたしまして、破壊団体に対して規制の請求をした事例がございません。ですから、実績というのは全然ないわけでございまして、どのくらいかかるだろうかということについては的確な予想がつきませんが、相当な日数はかかると考えております。まず、規制をいたしますには、もう亀田先生よく御存じのとおり、事由の要旨を官報に公示しまして、二週間後に大体弁明の期日が定められると、そして弁明の期日に出頭した対象団体の代表者らに対して、事実並びに証拠を開示いたしまして、これに対する意見並びに反証の提出を求めるというようなことになりますと、さらに第二回、三回、四回というふうに期日がかかるということが、これは当然のことだろうと考えております。また、それが終わりまして、公安調査庁の長官といたしましては、相手方の出された御意見並びに有利な反証というものを考えまして、最後にこれは規制請求すべきかどうかを決定し、すべきであると決定したときに公安審査委員会にこれを請求するというようなことになります。公安審査委員会におきましては、主として送り込まれた資料に基づいて審査をされるわけでございますが、法文にもありますとおり、補充的な御調査ができるということにもなっておりますので、これも相当な期間を要するものと考えております。
  27. 亀田得治

    亀田得治君 そういうふうにやっていきますと、実際上一年ぐらいかかってしまうんじゃないですか。初めてで、発動してもおらぬから、わからぬけれども
  28. 吉河光貞

    政府委員吉河光貞君) お答え申します。  一年もかかるかどうか、そいつは私お答えいたしかねるわけですが、公安調査庁といたしましては、破防法のたてまえは、なるべく迅速に、しかも相手方の権利を十分擁護しながら迅速に公安審査委員会判断を求めるというようなたてまえで法律が組み立てられておりまして、公安審査委員会が積極的に規制決定をいたしまして、これに対しまして相手方の団体から取り消しの訴訟を裁判所に提出する。この訴訟につきましては、二十五条の第二項で、百日以内にできるだけ裁判をするようにつとめなきゃならぬというような訓示規定も書いてあります。これがそのとおり行なわれるかどうかは、これば全然将来の問題でございますが、非常に迅速に事を運ぶというたてまえで書かれているわけである、再かれているものと解している次第でございます。
  29. 亀田得治

    亀田得治君 まあ、たとえば選挙違反の裁判等についても、そういう訓示規定があるわけですがね。実際問題になりますと、この相手方が出す証拠を調べ、それが筋が通っておれば、やはり一応それを調べていかなきゃならぬといったようなこと等になりまして、なかなかその訓示規定どおりいっておらぬのかこれはもう現状でしてね。したがって、私ばそういう点もやはり、破防法というような適用問題については十分考慮に入れとかなきゃいかぬ問題だと思う。これは政治問題ですからね。根本的にはこれは政治問題だ。第二には、これば警備の問題。公安審査委員会で取り上げてやっている間に、政治情勢が変わってしまって、審査だけが置いてきぼりになっている、社会情勢からずれてしまっているというようなことになるおそれもあるわけなんです、根本的には政治問題ですから。政治はやはり結局は世論と大衆の意見によって変わっていくわけですからね。だから、どうかまあそういう点等も、長官としてもよく検討してほしいと思います。法務大臣は、あらゆる面からひとつ検討してくれというふうにおっしゃっているようですから、そういう点も私は一つの大きな要素であろうかと思います。  で、何か新聞等によりますと、本日から、官房長官を中心に、関係各省の次官クラスの方が集まって、そうしていろいろ検討なさるようですが、当然長官もその場所に出られることでしょうが、まあ本日の私の意見もひとつ参考にしていただいて、何も全部同意してくれという意味じゃない、参考にしていただいて、なるほどそういう考え方もあろうかというふうな点も考慮に入れて、ひとつそういう打ち合わせ会等に臨んでもらいたいことをお願いしておきます。  官房長官が無理なようですから、一応この程度にしておきます。
  30. 北條雋八

    委員長北條雋八君) 他に御発言もなければ、本件の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十八分散会