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松永忠二君
お話のありました点、特に
志願者が非常に減少してきている、どういうことについては、なぜ入った者が減るかということと大体類似したような
原因だと思うのでございますが、特に途中からやめる
生徒の事情などを抽出して
調べた
資料等はよそから来ておるわけでございます。これによると、
定時制に入学して卒業するまでに三分の一がやめてしまう。その中で一番大きな
原因を占めているものは、
〔
委員長退席、
理事佐藤隆君着席〕
家庭の
都合によるというのが三分の一だと、こういう
資料が出ておるわけでございます。そのほか、あるいは
使用者、
雇用者のほうの理解というようなものが非常に少ないというような、こういう点なんかも
理由の中に出ているわけでございます。
勤務上の
都合というようなこと、そういうようなものが相当やはり大きな部面を占めているようでございます。そういう点から、特に御
答弁も
文部省のほうからありましたように、特に
定時制の子供を雇用している
経営者が、
お話のように
税制的にあるいは
優遇措置がなされているとか、特にそういうふうな点について、たとえばイギリスのように一週間に二日は昼間
就学の時間を与えるとかいう、これはまた法制的な、
制度的なものが明確になっていると、こういうことになると、非常に
就学する者も多くなるし、
就学から脱落する者も少ない。
もう
一つ私は特に指摘をしたいのは、
定時制をこれだけ苦労して出た場合に、
定時制を出たからといって、それじゃ全
日制の
高等学校を出た
生徒のように勤労格づけが上がるのかどうかということになると、ほとんど
定時制を出ても待遇が何も改善されないのが八〇%だというようなことが出ているわけです。これは私は具体的に、相当大きなりっぱな会社が、
定時制を出ても全
日制の高校のような給与格づけはやらないということをきめているわけであります。同時にまた、募集の際に、もうはっきり募集要項に全
日制高校に限るということを書いて募集しているものもあるわけでございます。私は、
勤労青少年の
教育というのは、これから日本が非常に努力しなければいけない
一つの部面だと思うのです。特に御承知のとおり、池田総理大臣が
定時制の卒業生が冷遇されていることを取り上げて、総理大臣みずからこの
施策に当たろうということを約束をされたことがあるわけです。それじゃ何が一体実現されたのかというと、こういう状況が
一つも直っていないのであります。私は特に
文部省にもお願いをしたいし、皆さんにもお願いしたいのは、経団連、日経連等が、とにかく会社の採用にあたっては、全
日制と
定時制の差別はつけない、また、
定時制卒業者には給与の格づけを改善するのだということをおきめになって実行されればできることだと私は思うのです。また、こういうことを
文部省自身が要請をされればできることだと私は思うのです。そのくらいのことは、池田総理があれだけ約束をされた事例がら考えてみても、一歩前進をしてしかるべきだと思うのに、全くいまこの
定時制の子供たちは、あれが一体何をしてくれたのだろうかということで落胆をしているわけであります。いろいろな事情があると私は思うのでありますけれども、何といっても、やはりこれだけ苦労をして出てきた子供らが、全
日制の子供と同じような待遇を受けるとか、あるいは少なくも差別されない就職の試験を受けられる、そういうようなことをしてやらなければ、意欲的に
就学するということにはならないわけであります。
特にこの提案の中に、道徳的な規定として、
雇用者がそういうことに努力せよということを書いてありますけれども、私はもっと一歩前進をして、
お話のあった
答申等に基づいて、何かやはり
制度的にきちっとしたものを立てていかなければ、この
定時制の振興はできないのではないか。
で、もうすでに御承知だと思うのですが、
定時制の分校がもう全部あちらこちらで閉鎖されて、数が少なくなるという状況であります。そういう意味で、御質問のあった問題、質問者もすでに御承知だと思うのでありますが、特にそういう状況であることを申し上げて、格段のひとつ御協力もお願いをしたいとこう思うわけです。