○国務大臣(
灘尾弘吉君) 私はざっくばらんな話を申し上げたいと思いますが、実はこの
養護教諭教員の問題について、内部でいろいろ話も聞いてみましたり、また委員の皆さん方のこの問題に対する強い御関心のほども承っておりますので、
文部省としてどんな考え方をすべきかということについていろいろ話し合いもしてみたのであります。率直に申しますと、なかなか、先ほど来
千葉先生の詳細な御
質問を通じていろいろな
問題点がこの問題にはあると思うのでありますが、質の問題、量の問題、どれをとらえてみましても、
問題点はたくさんあるわけでございます。そこで、
文部省の事務当局としましては、先ほども、各校に一人ずつ置くとすればどうなるかというふうなことを考えますというと、約二万人の人を必要とする、こういうことになりますと、これは容易でないということを事務当局としては考えるのは無理からぬと思うのであります。したがいまして、お答えが何となしにこう消極的なようなお感じはあるいはお受けになるのじゃなかろうかと思うのでございますが、私もこの問題は、先ほど来の
千葉先生の詳細な御
質問を通じましても、幾多の
問題点をかかえておるということを大いに啓発されたわけでございます。
私はとにかく、あるいはしろうとの言うことで脱線するところがあるかもしれませんけれども、保健衛生と申しますか、ことに小・中
学校の中でやはり、保健衛生に関するしつけでありますとか、知識的な教育でありますとか、こういう問題は非常に大事なことじゃないかと思います。同時に、
学校の衛生環境をよくしていく、こういうことについても、
養護教諭の果たされる役割りというものがもっともっと発揮せられていいのじゃないか、こんな実は考え方をいたしているのであります。そういう何で、御
質問があったからお答えするというのじゃございませんが、
養護教諭の問題をもっと積極的に教育の場において取り上げていかなければならぬはずのものじゃないのかと、こういうふうなことも実は内輪でいろいろ話し合いをしたようなわけでございますが、実現するということになりますと、先ほど来の
質疑応答を通じましても、なかなか容易ならぬ問題があろうかと思いますが、特に
千葉先生の御
質問の中で一番御心配になっていらっしゃるのは、これから先どうするのかという点について御心配になっていらっしゃるように実は伺ったのであります。
この点は、なるほど
昭和四十三年度の
予算につきましては積極性のあるものが見られないのでありまして、御心配もごもっともだと思いますけれども、ちょうどいままでの
計画が一応四十三年度で終わりになります。私どもといたしましては、これをそのままもうこれで済んだのだというようなつもりであってはならぬと思うので、現在の
充足状況というものが決して十分でない、しかも法律制度の本旨から申しますというと、いわば一時的な便法として不十分ながらやっておるということでございますので、一ぺんに本則に返るということがむずかしいとしましても、
文部省としましては、その方向に向かってやはり一歩でも二歩でも前進していくというかまえでもってものごとを考えていかなければならないのではないかと思います。
そこで、来年度以降の問題になってくるわけでございますが、いま申しましたように、五千人の
養成計画ができたということで足れりとしないで、積極的に前向きにこの問題を検討していく。その間にはいろいろ考えなければならぬ問題がございましょう。それぞれの地方の
実情もありましょうし、またそれぞれの
方々の境遇もおありになろうと思いますが、大きくいえば、やはり日本の人口構造の
関係なんかもあるいは出てくるかもしれぬとも思いますし、いろいろの面から考えまして、できるだけ積極的に
改善をはかっていくというかまえで今後の
計画をひとつ検討してみたいと思っておりますので、そのようにひとつ御了承いただきたいと思います。