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田代富士男君
佐藤総理が御指導、御鞭撻をということでございますならば、私からのお願いは、御指導、御鞭撻する時間を与えてもらいたいと、あわせてお願いしておきたいと思います。
そこで、時間がありませんから、私の要点をまとめてお聞きしたいと思いますが、
消費者物価がどうしてこのように上がるか、それは、
経済全体の問題あるいは国際的な問題等も加味して
考えなくては、一概に解決できないと思います。しかし、いろいろ最近の様相を見てみますと、私は、大きく分けまして、これをすべてとは申しませんが、私なりの見方として、二点に分かって問題があるのじゃないかと思うのです。
まず第一点は、
政府の
物価に対する姿勢と有効競争の問題でございます。
物価の安定は、いつも政策の第一番目に
佐藤総理自身取っ組んでいらっしゃいますが、ただいまも、やっている最中だから激励をしてくれということでございますが、そのように取っ組んでいらっしゃいますが、いまの政策姿勢と申しますか、これが大
企業中心の政策に偏重しているのじゃないかと思うわけなんです。だから、大
企業中心のその日本の財界の様相はどうかと言えば、巨額の税金や、あるいは郵便貯金または簡易保険など
国民大衆の零細な資金をたんまり安い金利で借りて、そうして、それでもちまして設備拡張をやり、そうして、自分のところでつくった
製品をば十分の
利益をとって押しつけていく、このようなかって気ままな大
企業のやり方に対しましては、
政府自身で本気でその姿勢を改めさせなくちゃならぬ。ところが、これは後方に、政治献金という名のもとに多くの献金がなされている。そうした場合には、大
企業に対する
発言というものもにぶってくる。租税特別
措置に対しましても二千数百億円なされておる。まあそういうことから、財界を指導監督をするということはできないじゃなかろうか。
国民がどうあってもよいのか。時間がありませんから省略しますが、
国民不在、これは今日の税金の面から
考えてもあるんじゃないかと思うわけなんです。大
企業擁護の政策ということは、今回の自民党の参院選のスローガンの
一つの中にも、四十二年度の
消費者物価上昇は、世界的な水準に比べて必ずしも高いとは言えない。
物価よりも産業構造の改善をはかることが急務であると、このようなスローガンを掲げていらっしゃることは、よく御存じのことじゃないかと思うのです。このことからもその姿勢をうかがうことができます。
また、話題になっておりますところの八幡製鉄と富士製鉄の合併問題に対しましては、合併するに至るところのよき条件をるる述べていらっしゃいます。これは省略いたします、時間がございませんから。そこで、鉄鋼業界では、合併会社がプライスリーダーになることは時宜にかなったものである、このようにも言っておりますが、一方、需要者関係の業界は一様に
価格が高位硬直化することを懸念いたしまして、この二社の合併はまさに市場支配力をバックに管理
価格の形成をねらったことは明らかである、このような見方をしております。また、事もあろうに、八幡製鉄の稲山社長は、合併によって
利益が大きくなることは事実であるが、これをすぐ
消費者に還元するとはとんでもない、
企業の場合はまず
考えるべきことは株主
配当と従業員のべースアップであると放言して、世間からあきれ返られておる。
佐藤総理も、きょうの
委員会においでになりまして、開口一番どのように申されたかというと、このような
経済の
利益というものは
消費者に還元しなくてはならぬ、開口一番そのように申されました。このような稲山社長の一言、この合併問題に対しまして
経済企画庁
長官も椎名通産大臣も
総理までも合併後の
監視機構の話をお出しになりましたが、
行政委員会の中立性をはなはだしく妨害するような行為じゃないかと私は思うのです。もっと慎重にやるべきじゃないかと思うわけなんです。このような大型合併がなされようとしておりますが、これに対しまして、
国民大衆は、
政府あるいは自民党は財界の思うままに動くという疑いをぬいぐ去ることはできないし、これは鉄鋼関係ばかりじゃありません。ビールの業界にしましても、酒税の値上がりによりまして百二十七円に値上がりいたしました。またさらに三円
値上げしようとしておる。三円
値上げということは、一びんで三円でございますが、一年間の需要量からしますと数十億円になるのです。このように、財界が
一つ言うことによってそのように動かれてしまう。また、しょうゆの問題
一つ、そのとおりであります。このように、
物価問題では、すぐにわれわれが実行しなくちゃならないことは、
価格協定などによる
物価のつり上げを監視するとともに、管理
価格あるいは独占、寡占による
価格の硬直化のないように有効競争の徹底をはからなくちゃならぬのです。そうして、そのようなものを助長しようとする圧力に対しては、
政府自身がこのような問題に断固取り組まなくちゃならぬのです。そのような
政府の姿勢と有効競争の
問題点が、まず
一つでございます。
第二点の問題は、ただいまも出てまいりました
公共料金の問題でございます。私は、無条件に永久に
公共料金をストップせよというような、このような無謀な主張は申し上げるものではございません。先日も、ある銀行から出されている「
物価と
国民生活」というものがございますが、それを読んでまいりますと、その中に書いてございますが、
消費者物価上昇の
傾向は、四十一年を境としてそのパターンが変化してきた。どのようにパターンが変化してきたかといえば、
価格決定に
政府、国会が何らかの形で関与するところの
公共料金のあり方というものは、いままではそれ
自身が
物価上昇をセーブする役割りを果たしていたことになる、それが、四十一年からは
政府主導型の
物価、
料金の
値上げになっている、そういう問題ですね。まあ
政府自身の手によって、主導して
値上げしているのはけしからぬという、この二点につきまして
佐藤総理はいかがお
考えか、その点をお願いします。