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衆議院議員(砂田重民君) 私どもこの法案を作文をいたしますときから考えておりましたことは、実は私どもも、いろいろな
消費者の方々からいろいろな意見を、それぞれの衆議院の物価の委員のところに寄せられておりまして、それから各省がすでに九千人ぐらいのモニターをそれぞれ持っておりますが、このモニターから、いろいろな意見なり、意向なり、苦情なりが各省にはね返ってきておりますモニターの意見、苦情、意向というものが一向解決されない。なぜだろうかということで、実はそれぞれの
現行法をみな洗い直してみたわけでございます。ところが、そういったモニターの方あるいは
消費者の方の意見やら苦情というのが解決されないのは当然である。いまの
現行法では、お役人さんの行政は
法律のワクの中でやりますから、いまの社会環境にもう全くそぐわなくなってしまっている。個々の
現行法でいまの
消費者の御意見をどう取り入れようと思っても、取り入れられないような
法律に
現行法がなっております。具体的に
一つ例を申し上げましたら、食品衛生法なんというものは、昭和二十二年に制定された
法律で、不衛生な食品を
対象にしているということが、もうまず第一に書いてある。したがって、不衛生な食品の取り締まりはできても、不良な食品の取り締まりはあの
法律では一切できない。そろいう
法律の体系になっておりまして、そういう
法律が片方にあって、その
法律のワクの中で、厚生省のお役人さんに幾ら
消費者の苦情を解決しろと言ってみても、これはできない相談であります。そういった事例が、いろいろな、先ほど田代先生おっしゃった百五十の
法律全部に当たったわけではありませんが、おもだったもの十五、六を洗い直してみたところ、全部の
法律にそういう事態が出てまいりました。
一方、
消費者保護行政というものは各省やっていると言いながら、それぞれの役所の中で
消費者保護行政をやっている係なり課なりに日が当たっておりません。それぞれの役所の中で日が当たっていないのですから、これが予算などということで大蔵省に持っていったときに、もう一ぺんに日が当たらない。各担当の課長以下幾ら熱心に取り組んでみても、
消費者のそういった苦情なり意向なりというものが解決されない。
そこで、
政府の基本的な
消費者保護に関する姿勢というものをこういった基本法でまとめて明確にしていって、この基本法の姿勢に基づいて、いろいろなモニターの方、
消費者の方の意見、意向、苦情を解決するのには
現行法をどうしたらいいか、そういうことを、基本法というものを制定させて、
政府にそれだけの責務を負わせてやらしていきたい、こう考えて、実は提案をしたようなことでございまして、先ほど田代先生から、企画庁の長官に、どこまでやれるのかという御
質問がございましたが、実は、提案者の私どもといたしましては、
政府だけにやれやれと言っていたんではどうも心もとないような気がいたします。これはやはり参議院の先生方にお願いをいたしまして、両院の物価
関係の
委員会が、ちょうど厚生省に食品衛生監視というものを強化しろと言っているように、われわれ物価の
委員会が、
消費者保護問題について
政府を監視するわれわれの役目を拡大していかなければ、なかなかわれわれが考えていたような
方向へは進みにくいのじゃなかろうか、このように考えておりますので、そういう観点から、実は衆議院の
委員会で
議論をしましたことをどう
政府が改善をしてきたか、あるいはそれの
結論が出たもの、
結論の出ないものの中間報告を、参議院選挙が終わりました
あとの予想される臨時国会で
政府から報告をしてくれと、そういう約束を取りつけて、監視、アフターケアを続けてまいりたい、こう考えておりますので、当
委員会でもひとつそういう観点からの御協力をぜひお願いを申し上げたい。かように考える次第でございます。