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木村美智男君
外資系の話は、大体いまエーボンがやってきておるわけですね。しかし、これは、いままでの
議論の
過程でも、
自由化の
段階になっていったら、いわゆる
再販というものに近づくよりは、早くこれは流通の
近代化、
企業の合理化的なもので
中小零細がむしろ脱皮をする
方向に
指導せぬければ、これはもうたいへんなことになるのじゃないかということで、私はこれも新しい
議論ではないと思う。だから、まあしいて言えば、長い間しみついてきた
制度であるから、したがって、できるだけ円滑に
措置をするというような
意味で時間が多少かかっていいんだ、こういうことなら話はわかるけれども、まあ、
新聞で伝えられたのですから、あるいは誤解だったかもしれませんが、
委員長が言われたような、
外資系が入ってきてやるからなんということなら、
外資なんというものは、もう入ってくる
段階では三割、五割引きぐらいで入れてきて、ある
程度足場を固めて、しかも
系列化を終われば、そのときには
独占の
段階に行くから、これはもう日本のいまの
化粧品業界なんか比較にならぬような
体制で持ってこられることはむしろ明らかなんです。このことは、今日の
再販規制の
問題云々の問題なんか決定的な要因となるものじゃない。逆に、私はそういうものじゃないのだというふうにこれは
考えておるので、きょうは時間がございませんから、論争はこれ以上突っ込んでやろうと思いませんけれども、とにかく、何だかしらぬ、時間が漫然と延びるということは、私は、
公正取引委員会の権威のためにも決してしあわせなことではないというふうに
考えるもんですから、多少心配して申し上げたので、これはあくまで自主的に
判断されていいと思いますが、しかし、きょうのところは、従来から持ってきた、
委員会で
議論してきた筋は曲がっていないという
委員長のお話ですから、この点は了承しておきます。
それからもう
一つ、たいへん大事な問題なので伺っておきたいと思うのですが、最近特に大きく問題にされております
大型合併の問題ですね。これは、今回は
八幡と
冨士製鉄の問題ですが、こまかい数字的なことをあげたりすることは抜きにしまして、この
合併が、
粗鋼生産だけで三五%以上の
シェアを持つということになるわけですから、
需要分野に対する
支配力が高まるということだけは、これは間違いないですね。そうしますと、実質的なこの
カルテル行為というものは、どうしても
シェアの問題とは無
関係ではなくして、そういう
措置がとりやすくなる
状態になることは、これ間違いないと思う。そこで、下がるべき
物価も下げないというような
関係が出てくれば、当然
国民経済に
影響を持つ。
消費者に重大な
影響を持ってくる。したがって、これは、単にその
国際競争に勝つ
資本の再編成だというような一面だけでこの問題をながめるわけには私はいかない問題だと、こういうふうに実は
考えるわけです。ところが、この問題についていろいろとあちこちから今日まで
新聞で報道されているような
意見も聞いてみますと、たとえば、
通産省はどういうことを言っているかというと、まあ、「てにをは」は別として、言わんとしていることは、国内で
シェアを争う時代はもうすでに終わったのだ、いまこそ
国際競争力を高めるべきときで、両社の
合併には賛成である、しかし、
独占の力を振り回してはいけないから、ガラス張りの
経営をするように
監視していきたい、というのが、これが
通産省の
意見です。きょうは時間がありませんから、
通産省来ていただいておりませんので、これはしばらくこちらのほうに置いてみたいと思うのですが、ただ、この
通産省の
意見というのは、大体今日まで、
業界の窓口になって
企業の
集約化を進めてきた
産業官庁なんだからね、まあこういうことを言うのは当然だ。当然というか、あるいはそうだろうと思うのです。だけれども、私は
あとで
企画庁長官にも伺いますが、
公正取引委員会や
経済企画庁までも、この
通産省と同じような
考えであっては私は困ると思うのですね、これは。私も
通産省の
意見には賛成できない、こういう一面だけを見てね。今日の
条件の中では賛成できないので、
公正取引委員長に伺いたいわけですが、
新聞の発表によりますと、
公正取引委員長も、大体まあ、まだそのねらいがわからぬので
国際競争力の強化がねらいだということならば何もいまの
鉄鋼業界は現在でもかなり強いはずじゃないかというようなことで、少し批判的なんですが、したがって慎重に検討したい、こういう御意向のようですけれども、どうも、いままで
公正取引委員会がこの
合併問題について一回も、まあそういう事例がなかった、つまり、
審決にも持ち込んで断固これは認めぬというような
立場をとるような
内容のものがなかったからだと言えばそれまでですけれども、実際には大体申請があったものをみんな認めてきたという
経過からすると、この
委員長の談話だけでは、なかなか私は、安心できないというか、全面的に信用するわけにいかぬのだ、これはね。そういう
意味で、これは
公取委員長不信任じゃなくて、そういう
状態の中で不安を持っている。だからそれで聞くのですがね。基本的に伺いたいと思うのですけれども、
通産省が、
合併した
あとで、その
独占のおそれのある
品目については、
設備投資かなんかの調整を通して、他の
企業の
生産を伸ばす、要するに
競争相手を
育成をするというようなことによって、できるだけ
自由競争が生まれるように努力するというようなことを言っているのですけれども、これは
ほんとうに可能なんであろうか、そういうことが。私は、JISなんかをめぐって汚職問題を起こしておるようなこの
業界と、言ってみれば、ツーツーの
産業官庁に、ましてや今度は巨大な、世界第二位といわれるような、三千億もの
資本力を
集中して
合併するのだからね。そういったような
企業と、ほかのものを
育成をして、それによって
自由競争をやっていけるようなことが
通産省によって
指導ができるような、そういうしろものじゃないような気がする、これは。そこで、ここら辺が私しろうとだからわからぬけれども、法的にそういう
権限があるなら別。私は、おそらくそういう
権限は今日
法律で与えられていないから、せいぜい
行政指導といわれるその
程度のことだろうと思う。そういうことで、はたして、いま
通産省が言っているようなことが、
公取委員長として、可能だと御
判断をされますか、どうですか、その点。