○
政府委員(片山正英君)
森林法の一部を
改正する
法律案につきまして、提案理由
説明を補足して御
説明申し上げます。
本
法案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由
説明において申し述べましたので、以下その
内容の概略を御
説明申し上げます。
第一は、全国森林計画及び
地域森林計画の
期間についての
改正であります。森林計画は、その
地域内における森林所有者の森林施業の
実施のための指針となるものでありますが、森林所有者に対し計画的な森林施業を要請するに際しては、より
長期の林業政策の方針を示すことが必要と
考えるのであります。そこで、第四条及び第五条を
改正し全国森林計画は十五年を一期とし、
地域森林計画は十年を一期とし、それぞれ現在より五年間長い
期間の計画として、五年ごとに立てるものとしたのであります。
次は、森林施業計画の
認定の
制度を設けることといたしましたことによる
改正であります。
その第一点は、森林施業計画の
認定の請求及び都道府県知事の
認定でありまして、第十一条及び第十八条の
改正であります。
森林所有者は、一人でまたは数人共同して、その者が森林所有者である森林の全部につき、森林施業に関する
長期の方針に基づいて、五年を一期とする森林施業計画を作成し、これを都道府県知事に提出してその森林施業計画が適当であるかどうかにつき
認定を求めることができるものといたしました。この場合、小
規模森林所有者の森林施業計画の作成を推進するため、第七十九条を
改正し、森林組合は、組合員のための森林施業計画の作成の事業を行ない得るものといたしております。
都道府県知事は、森林所有者からの
認定の請求がありました場合に、その森林施業計画の
内容が森林生産の保続及び森林生産力の増進をはかるために必要なものとして、
政令で定める樹種または林相の改良その他の森林施業の合理化に関する
基準に適合しており、かつ、
地域森林計画の
内容に照らして適当であると認められるときは、その森林施業計画が適当である旨の
認定をすることといたしております。なお、この
認定は、第十七条の
改正規定により
認定を受けた森林所有者の包括承継人に対しても効力を有することとしております。
第二点は、森林施業計画の
変更でありまして、第十二条の
改正であります。
都道府県知事の
認定を受けた森林所有者は、当該森林施業計画の
対象とする森林とその者が森林所有者である森林との範囲が異なることとなった場合または
認定を受けた森林施業計画の
内容が
認定の要件に適合しなくなったときに都道府県知事からその旨の通知を受けた場合には、都道府県知事に森林施業計画の
変更の
認定を求めなければならないこととするほか、森林施業計画の
変更を必要とする場合には、その
変更の
認定を求めることができることとしております。
第三点は、
認定を受けた森林所有者の森林施業計画の順守義務に関する第十四条の
改正規定でありまして、
認定を受けた森林所有者は、森林の施業につきまして森林施業計画を順守しなければならないことといたしております。
第四点は、
認定を受けた森林施業計画に従った施業の
実施を確保するための
措置に関する第十五条及び第十六条の
改正規定であります。
都道府県知事の
認定を受けた森林所有者は、当該森林施業計画の
対象とする森林について立木の伐採、造林等をした場合には、その後において都道府県知事にその届け出書を提出しなければならないものとして、その施業の確認と必要な
指導に万全を期することとしております。また、都道府県知事は、森林施業計画を順守していないと認められるとき、森林施業計画の
変更の
認定の請求をすべき場合においてその
変更の
認定の請求をしないとき、もしくは請求をしましてもその
認定を受けられなかったとき、または森林施業計画の
対象とする森林について伐採、造林等の届け出書の提出をせず、もしくは虚偽の届け出書の提出をしたときには、森林施業計画の
認定を取り消すことができることとしております。
第五点は、森林施業計画の
認定の
制度の推進をはかるための農林
大臣及び都道府県知事の援助
措置でありまして、第二十条の
改正でございます。
農林
大臣及び都道府県知事は、森林施業計画の作成とその達成のために、必要な助言、
指導、
資金の融通のあっせんその他の援助を行なうようにつとめるものとすることといたしております。
以上のほか、森林施業計画の
対象とする森林の所在地が二以上の都道府県にわたる場合には、森林施業計画の
認定その他この森林施業計画の
認定の
制度において都道府県知事の権限に属させた事項は、農林
大臣が処理することとする等
所要の
規定を整備するとともに、必要な経過
措置を定めることとしております。
以上をもちまして、本
法案についての補足
説明を終わります。
なお、付属参考
資料の御
説明を要点だけ申し上げたいと思います。
まず第一表の保有
形態別森林資源の
現況でございますが、要約いたしますと森林面積が二千五百十六万七千町歩のうち人工林は三二%であるということでございます。なお、国有林と民有林との関係は、国有林が大体面積において三〇%、蓄積において四七%を占めておるという大体の表でございます。
第二表におきまして森林の齢級別面積及び蓄積というものを出しております。これにおきまする要点を申しますと、面積におきまして二十年生以下の齢級の面積が、人工林で六七%も占めておる。それから天然林においては三九%である。さらにこれを民有林で見ますと、二十年生以下の人工林は七〇%も占めておる。かつまた広葉樹種につきましていわゆる天然林につきましても六〇%を占めておる、こういう姿でございます。
第三表でございますが、今後「森林資源に関する基本計画の森林資源の整備の
目標」、どこまで持っていくかという
目標でございますが、人工林におきましては、全体の面積の五二%まで持っていきたい。現在三二%でございます。それから林道につきましても現在の二倍半
程度の延長をはかってまいりたい。そういたしますと、伐採量は
昭和四十年の七千四百万立方メートルが一億三千三百万の供給ができる、こういう表でございます。
その次の第四表でございますが、これは「重要な林産物の需要及び供給に関する
長期の見通し」を出した
数字でございます。要点を申し上げますと、三十七年から三十九年をベースにいたしまして、
昭和九十年までを想定いたしておるわけでございますが、六千六百万が一億四千六百万まで需要がふえる。その際に
昭和五十年の段階におきましていわゆる外材の依存度が一番多くなるであろう、こういう
数字でございます。
次に、第五表でございますが、これは前表の
長期計画をもとにいたしまして、全国森林計画の事項を農林
大臣が定めまして、
昭和四十三年四月一日から発効しておる
数字でございます。前表と比較しますと、若干の増加を伐採量において
考えております。造林につきましては前表に比較しまして若干の減少を計画しております。林道につきましては前表に比較しましてある
程度の増加を期待しております。
大体以上でございますが、次に「
指定または解除を相当とする
保安林の面積」というものをあげてございます。これは御承知のように
保安林整備臨時
措置法というものがございまして、
昭和四十八年までに整備する方針でございますが、その
目標といたしましては現在——三十八年度末でございますが、全面積の一六・二%が
保安林でございますが、それを四十八年が
保安林整備臨時
措置法の効力の切れる時期でございますが、
保安林の
指定はできれば四十五年までに終了する
目標で全面積の二六・五%、大体いまより一〇%
程度あげた
保安林の
指定をやってまいりたいということでございます。
その次の第六表は、「
地域森林計画の編成の
実績」でございますが、これは五カ年で大体全部をいたすということで年度ごとに
数字をあげておるのでございます。
それからその次の第七表は「立木伐採量の推移」でございます。これを要約いたしますと、
昭和三十五年に対しまして
昭和四十一年が九七・三%、若干伐採量が減っております。しかしながら、用材につきましては一一・六%ふえております。しかし、薪炭につきましては四九・三%に減少しておるわけでございます。その中で国有林は大体三割ほど増伐をいたしております。民有林につきましては用材は四%の増伐であるという
数字でございます。
その次の第八表は、「人工造林面積の推移」を出しております。これは全体といたしますと、三十六年を一〇〇にしますと八八・八%に減少いたしております。しかし、国有林におきましては、三十六年を一〇〇といたしまして一二一・六%、約二割余の造林面積をふやしておるわけでございますが、民有林におきましては遺憾ながら三十六年を一〇〇にして八一・三%に減少しておるという
数字の推移でございます。
その次に「種類別林道延長の推移」というのをあげておりますが、要約いたしますと、自動車道に林道の主体を置きまして、自動車道が三十七年に対して約三一%伸びております。その他車道あるいは森林鉄道というのは減少して自動車道に
重点を置いているという推移の
数字であります。
その次に「本材需給量の推移」でございます。木材需給につきまして、
昭和三十五年を一〇〇といたしまして
昭和四十一年には一五%伸びております。用材につきましては、先ほど申しましたように三七%も増加しております。しかし薪炭材につきましては逆に三七%ぐらいに減っているという
数字でございます。
その次が「用材の
部門別需要量の推移」ということでございますが、それは
昭和三十五年に建築材が六八%、パルプ材が一八%となっておりましたのが、建築材の製材関係が三%落ちまして六五%、パルプ材が逆に三%上がりまして二一%
程度に伸びているという
数字であります。
その次に「木材関係卸売価格指数の推移」でございます。全体の指数は三十五年に対して八・九%しか伸びておりませんが、木材は六一・三%上昇したという
数字の一覧でございます。
次に「森林組合の
現況」でございますが、それは森林組合の合併を促進しておりますので、三十七年に三千五百九十四の組合が二千九百六十八に減っておりますが、
一つの組合が非常に大型化してきたという
数字であります。
その次に「林業就業者数の推移」でございますが、三十五年に四十万人おりましたのが、逐次減少いたしまして、四十一年には三十四万人に減っているという
数字でございます。
最後は「民有林における伐出業の賃金の推移」でございますが、職種平均として伐木造材夫その他を全部平均いたしますと、
昭和三十五年を一〇〇として二一三・六%という大幅な賃金の上昇の推移があるということをまとめたものであります。
以上、簡単に要約いたしましたが、これで御
説明を終わらせていただきます。