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渡辺勘吉君 しかし、あなたが言うように、たとえば牛乳を搬出する労働だって、運転免許があって車に乗らなければ運転できないですよ。それはニコヨンの労働と同じじゃないです。えさをつくるのだって、やはり特殊な技術を要しますよ。自給飼料をつくるのだって、ちょいとそんなに簡単にできるものじゃないですよ。そこを無理に分けようとするから、とんちんかんになるんですよ。とにかく農家というものは、去年も言いましたが、あなたおらなかったけれ
ども、しかし役所というそのものは同じだから繰り返しませんけれ
ども、いまはとにかく百九十円の労働だ、さあ三十分後にはこれはニコヨン労働だ、そんなこまかい切りかえをやって労働をやるものじゃないですよ。同じ酪農家が働くんでしょう。同じ評価をしてしかるべきものじゃないですか。もっとそこをすんなりと解釈すべきだと思うな、無理に分けないで。そうすると、われわれやはり受ける感じは、低くするためにこういう分離をしておる、こういうふうにしか受け取れない。
審議会できのうどういう
意見が出たか、私はわからぬけれ
ども、まあとにかく、あのいわゆる答申の一項に出ていたのも、そういう点をやはり取り上げているのじゃないかと、私なりに解釈するんだ。私が
大臣に、首にならなければ
審議会に出て言うのだけれ
ども、首になったからここで言いますけれ
ども、もう少し素直に、無理にそういう主要管理労働、付随労働なんかと
——付随というのも主要があって出てくるものだし、それは第三者をしてやらしめると言うけれ
ども、そういう主要管理労働だってこれは第三者にやらしているケースもかなりあるんですよ、実際は。それから、そういう付随労働といえ
ども、これは酪農家みずからがやはり労働力を投下しておる、こういう実態。そういう実態を尊重してこそ、私は現実のこれは姿だと思う。それを無理に、ニコヨン労賃にこれを評価がえするために二〇%ぐらいを分離して、安い単価でかえるというところに非常な作為的な無理がある。
そこで去年も、自民党さんもあるいはわれわれ社会党も公明党の諸君も一致して、こういう無理なことはおやりなさんな、もう少し素直に実態に即して酪農家の労働力というものは評価すべきだ、そういうことに与野党が完全に一致したのですよ。私は野党だから言うのじゃないのですよ。酪農民の実態の上から言っておるのですよ。そういう国民の声というものを素直に受け入れるのが適正な
行政の
措置じゃないでしょうかね。それをまだここでがんばるというのじゃ、これは……とにかく、きょう何時までかわからぬが、ここでのらりくらりと時を経過して、あとはきまった
方向で告示すればいいという、そういうものじゃないでしょう。あなたのいまの
答弁はこれからもう
質問すれば、いろいろあれやこれやお答えするでしょうが、すきっとした明快な
答弁じゃないですよね、無理に分けておるから。実際、付随労働というものは第三者雇用で実態が行なわれておるならまだいいのですよ、そうじゃないのだから……。酪農家みずからがやはり厩肥を取る、あるいは敷き草を入れる、みずからの労働でやっているでしょう、みずから乳をしぼっているでしょう。みずから牛を戸外に出して日光浴さしているでしょう。何も変わりないですよ。やはり他産業並みの労働で評価する。
赤城農林大臣が約束したときには何もそういう小手先を使って分離して、主要労働と付随労働と分けて、主要労働だけは原料乳
地域を他産業並みに評価しますと言わないですよ。それをあなた方が小細工をきかして分類するから問題がさっぱり進展しないわけです。もう少し
国会で時の最高責任者が
答弁したことをそのまま行
政府としては尊重すべきだと思う。それをそうじゃないのだという腹がどうしても消えないとなれば、われわれは
国会で何ぼ
審議したって意味ないと思う。それは官僚独善ですよ。
大臣だってあなた方の上にちょっと置かれた一つの飾りだなでしょう。それじゃ、ぼくは官僚独善もきわまれりと言わざるを得ない。あなたのような良識ある官吏が、そういういわゆるビューロクラシーではいかぬと思う。そういう一握りの高級官僚が政治権力を牛耳るような、そういう官僚
行政にやはり一つの反省をここでしなければならぬと思う。問題はささたるものですよ。しかしながら、酪農民としてはやはりこういう問題は姿勢を正して、そうして少しでも
生産意欲が増強される
方向に保証価格の告示されることを願っておるわけですからね。その点はきのうの
審議会でも第一項で答申があったようだがどうですか。それでもまだいろいろな理屈が消えないですか。