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説明員(津吉
伊定君) 仰せに従いまして、具体的に逐一申し上げたいと思います。
附帯決議の第二は、「
共済組合の給付に要する公的負担については、他の社会保険制度との均衡を考慮してその改善に努めること。」というのでございます。これは分解して考えますと、短期給付と長期給付というものがございます。短期給付につきましては、御承知のように、医療保険全体ないしは基本的に医療制度全般についての問題というものがあるわけでございます。その中における、われわれ健保にかわる職域保険として
共済組合が取り扱っております短期給付というものは、やはりその基本的な検討の中における回答を求むべき問題であろうということで、もちろん検討していないという状態ではございませんけれども、その基本的な検討における、その上に立っての趣意に即しました検討をいましつつあるということであります。また、長期の問題につきましては、これは特に厚生
年金保険における国庫負担二〇%とわれわれ共済における一五%の国庫負担と関連におきまして非常に常に問題にされるところでございますけれども、現在の掛け金負担、それから給付水準というものから考えまするというと、厚年の給付水準と共済の給付水準というものが、厚生
年金においては共済の六〇ないし七〇%という水準におおむね相なるわけでありまして、それの二〇%というのは共済におけるほぼ一五%の負担というものにひとしく相当するわけでありまして、その均衡という点において、現状では少なくとも均衡がとれておるというような考え方に立っておるのであります。しかしながら、もちろんこの長期給付におきましても、先ほどスライドの問題について指摘されましたにつきましてお答え申し上げたところの公的
年金の調整連絡の非常にまたこれも重要な問題の一つであります国庫負担がどうなるか、あるいは本人負担がどうあるべきかということは、スライドの問題に限らず、すでに先生御承知のように、給付の水準がそれによってきまる重要なファクターである
年金の基礎額というものが、たとえば共済で言いますと退職前の三年間の平均本俸と、公企体でいいますと最終俸給、厚生
年金でいうと在職の期間全体を通ずる標準報酬というようなことで、非常に差異があるわけでありますが、これも公的
年金の中におけるその共通性、個別性というものによりましていかに解決すべきであるかという問題として検討を進めつつあるところでございます。
それからその次に、「組合員が退職後一定期間内に発病した場合にも、療養の給付が受けられるよう検討すること。」というのがございます。これはわれわれも、組合員でなくなったとたんに、発病しても共済給付が受けられない状態に必ずなるという点については、これはまあ感情的な問題といいますか、人情という面もあるということは重々わかるのでありまして、それの検討はもちろん進めつつあるのでありますが、基本的に見ますと、国民皆保険制度、そのうちの医療保険のいわば分野の区分がそれぞれあるわけであります。われわれ共済でいうと、職域保険としての医療ということでありますし、またその職域から離れますというと、国民健康保険というようないわばなわ張りがあるわけであります。そういうこの皆保険という中での保険のシステムというものが基本的にはいかにあるべきかということで、やはり短期給付について申し上げますと、基本的な検討に待つところでもありますけれども、さしあたり当面われわれ考えておりますところは、
共済組合の組合員でなくなった、退職したという状態で
法律的には健康保険の被保険者ということになるという解釈でありまして、そこでもし継続的にこの保険の医療給付を受けたいというときには健保における任意継続被保険者ということになるという厚生省関係の御解釈もありました。その点、もちろん基本的な検討により解決すべき問題でありますけれども、さしあたりそういう考え方により、われわれのこの退職後発病した場合の医療給付というのは、直ちにはその措置を実現しがたいということで、まあ遺憾ながら基本的検討に待たざるを得ないという状況でございます。
それからその次の、「国家
公務員共済組合における掛金および給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額は、
公務員の給与の実態を考慮し再検討すること。」、これは先ほどほかの点で申し上げましたが、給付水準に直ちに影響するというような点、したがいまして、本人の掛け金負担、また国庫負担、それにも当然影響を来たすわけであります。また反面は、その最高とともに最低という問題も起こりますので、公的
年金制度調整連絡という問題に何事も逃げ込むようでありますけれども、これも基本的に連合いたしまして総合的な重要問題として検討さるべきものであろうかというふうに考えておるわけであります。
それからその次に、「遺族給付を受ける遺族の範囲は、主として組合員の収入により生計を維持していた者に限定されているが、その取扱いにつき、実情に即した運用が行なわれるよう検討すること。」、これは現にこの遺族となるための主として組合員の収入により生計を維持しているという条件につきまして、本人のこの死亡時におきまして、単に機械的、形式的にその配偶者につきましては、単にこの所得が若干高いというだけで、ある程度の長年月を見ますというと、それだけの家族能力が継続するわけではないのでありますから、そこの時点で割り切るのは運用の実態に即しないという、こういうことがありまして、これは現在すでにある規定でありますが、長期にわたる本人の所得をこえる所得を配偶者が持ち得るかどうかという推測をいたしまして、弾力的処理をはかっておる。これはもちろん政令に規定のある事項でございます。それ以外どういうふうにこの遺族の範囲を考えていくかという点につきましては、もちろん職域保険としての給付を厚くすべき重点というものに集中して行なうべきものでありまして、またこれを分散して非常に広くいたしますと、当然負担の問題に相なるわけでありまして、その負担と給付の水準というものがさらに公的
年金全体の中のこの諸種の問題の検討というものにからんでまいるということで、現在のところこれもそういう種類の問題であるというふうに評価しておるものでございます。
それから最後に、「外国政府、外国特殊法人等の最短
年金年限をこえる職員期間の通算については、
恩給に関する措置にしたがい措置すること。」、これは先ほど修正につきまして便宜説明のありましたところでありまして、
恩給法における改正が行なわれたのにならいまして、わが共済につきましてもその修正が行なわれた段階であるということでございます。したがいまして、この最終の点だけはそういうかっこうでそういう部分について実現されておるということでございます。