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政府委員(
矢倉一郎君) 実は
昭和四十二年のこの
恩給改善
措置をどういうふうに
考えたかということから申し上げたほうがおわかりやすいかと思いますので申し上げますと、この改善
措置は、御
承知のように
恩給審議会の中間
答申に基づいて行なったわけでございます。その中間
答申の意図された点は、大体いわゆる
消費水準方式という
政府でとってきたやり方が適当であろう、こういうことで、四十二年の改善につきましては、ちょうど
昭和二十六年を
基準として算定をいたしましたところが、一〇%程度の改善ということが必要であろうという
審議会の意図でございました。そこで
基準とするところを一〇%として取り上げるという改善、その上に年齢的な
要素と、妻子優遇、それから
傷病者優遇ということを
考えて、最初に二○と二八・五といういわゆる三本立てになる
方式をとったわけでございます。
そこで本年の改善案を
考えますときに、実はちょうど
恩給審議会の審議の過程において改善を
考えるという
課題が出てまいりました。そうなりますと、本質的にはすでに
審議会の中間
答申が一回出ておりまして、その後の
答申が得られれば、それに即応して
考えるのが筋だと思いますけれ
ども、ちょうど四十三年三月末が
審議会の終期でございましたので、したがって
答申を中間的に得られるという状況ではございません。そこで、それは改善を必要としないのかという判断をいたしてみましたところが、実はいわゆる
昭和四十年までのいわゆる
消費者物価等が
一つのこういう一〇%の改善の中に取り組まれておりましたので、四十一年、四十二年の間のいわゆる
物価の値上がりというものを
考えてみましたところが九・三%にこれがなりました。で九・三%の改善が、少なくとも中間
答申を得られない段階においても考慮すべきではないだろうか、こういうところから、それをラウンドにしまして
基準一〇%に一〇%を積もうじゃないか、こういうところで
最低を二〇%に押えたわけでございます。
そこで、昨年二八・五という最高の率が去年の見合いとしてございますので、そこで去年二〇%であったものを二八・五%まで積んではいかがであろうか、そうして最高の去年の二八・五%という上昇を
考えました分については何らの
配慮を必要としないのか、こういうところから、やはりこれについても考慮する必要があるであろうというふうなところから、大体この点については三五%という点が、
旧来のいろいろな
要素を比較してみた中で
考えられない線ではなさそうだというところから、三五%という一番の最高率を考慮し、そこにいわゆる
老齢者優遇と
傷病者優遇というふうな点を、ある程度こういうふうな率の中にも盛り上げていってはどうだろうか。それを純粋に増額というふうに
考えるのではなくして、
審議会の中間
答申を得られない段階でございましたので、そこで四十二年十月
改正の分を修正するという形で増額を
考えたわけでございます。これが今回の改善のしかたでございます。