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国務大臣(
田中龍夫君) 経済指導の長い目で見ました将来のあり方からすれば、当然、基地がなくとも隆々とやっていけるだけの
沖繩につくりあげていかなくちゃならないと思います。しかしながら、
現実の時点におきましては、御案内のとおり大体二億五千万ドルからの基地収入というものが
沖繩の経済社会に散布されておるわけでありまして、まあそういう点から見ますと、
沖繩経済には重大な資金源であることは間違いございません。そこで、たとえば
沖繩の琉球
政府のほうで委嘱しました、民
政府が委嘱しました大来佐武郎君のレポートというふうなものが出されておりますが、この大来君あたりの経済建設の
考え方というものは、一応、現在基地から入ってまいっております資金を、これをなお継続されるという前提のもとにあの
調査がなされておるわけでございます。と同時に、またこの
日本政府の対
沖繩援助というものも、
佐藤・
ジョンソン会談以来逐年増加いたしておりまして、今日では
アメリカ政府の援助をなお上回って
日本政府の援助がいっておりますが、しかし、その百五十三億というこの
日本政府の援助と申しますものは、つまり
沖繩の県、あるいは町村、あるいは国、こういうふうな行政機構内における
施策の援助資金でございます。で、
日本との相当県と比べてみました場合に、なお六五%から七〇%しか
沖繩の援助がいっていないというふうなことで、これをまあ内地相当県まで引き上げようということからいたしておりますが、今日の百五十三億というものを
考えましても、なお二、三割も低目でございますので、これもやっぱり少なくとも二百億程度にならないと内地並みにはならない。しかし、それはその行政機構だけの相当県の国からの援助でありまして、
沖繩経済全体の資金という点から申すならば、もっともっと
沖繩に資金が導入されなきゃなりません。これは基地経済といったようなものにかわって、少なくとも
日本の民間資金なり何なり、あるいはまたその他の資金繰りというものがなされなきゃならぬ。それはなかなか容易なことではないんでございますが、しかし、われわれといたしましては行政機能の上において少なくとも二百億程度のものは今後出していかなきゃなりませんし、同時に、
沖繩経済に対しましても
日本の財界方面の積極的な資金の投下あるいは投資というものをわれわれは勧奨、特に勧誘いたしております。これにこたえるために、経団連あるいは
日本商工会議所、同友会、日経連といったような五団体と
沖繩の民間の団体との懇話会が先般もございまして、この八月、九月には
日本の財界の
方々が
沖繩に対しまして大挙してそういうふうな
調査に出かけよう、こういう
意図もございます。大体以上申し上げたような次第であります。