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1968-05-16 第58回国会 参議院 逓信委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月十六日(木曜日)    午前十時十九分開会     —————————————    委員異動  五月十日    辞任          補欠選任     玉置 和郎君      植竹 春彦君  五月十一日    辞任          補欠選任     迫水 久常君      後藤 義隆君  五月十三日    辞任          補欠選任     後藤 義隆君      迫水 久常君  五月十四日    辞任          補欠選任     森中 守義君      田中  一君     和泉  覚君      鈴木 一弘君  五月十五日    辞任          補欠選任     田中  一君      鈴木  強君  五月十六日    辞任          補欠選任     鈴木 一弘君      和泉  覚君     —————————————   出席者は左のとおり。    委員長          久保  等君    理 事                 新谷寅三郎君                 寺尾  豊君                 西村 尚治君                 森  勝治君    委 員                 松平 勇雄君                 永岡 光治君                 光村 甚助君                 市川 房枝君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  小林 武治君    政府委員        郵政大臣官房長  溝呂木 繁君        郵政省郵務局長  曾山 克巳君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君     —————————————   本日の会議に付した案件  〇理事辞任及び補欠互選の件  〇お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書  等の発売並びに寄附金処理に関する法律の一  部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 久保等

    委員長久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、理事会協議の結果について御報告いたします。  本日の委員会においては、理事辞任を許可した後、補欠互選を行ない、次いで、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案説明を聴取し、質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
  3. 久保等

    委員長久保等君) 次に、委員異動について御報告いたします。  去る十日、玉置和郎君が委員辞任され、その補欠として植竹春彦君が選任され、また十四日、森中守義君が委員辞任され、その補欠として田中一君が選任され、昨十五日、田中一君が委員辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。
  4. 久保等

    委員長久保等君) この際、理事辞任に関する件についておはかりいたします。  松平勇雄君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 久保等

    委員長久保等君) 御異議ないと認めます。  それでは理事西村尚治君を指名いたします。
  7. 久保等

    委員長久保等君) これより議事に入ります。  お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。小林郵政大臣
  8. 小林武治

    国務大臣小林武治君) ただいま議題となりましたお年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等発売並びに寄附金処理に関する法律の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、寄付金処理に関する事務一元化するため、郵便募金管理会を解散し、その事務郵政省において行なうこととするとともに、近時の社会的要請に応ずるため、寄付金配分を受ける団体範囲を広げ、また、お年玉として交付する金品単価最高限を引き上げようとするものであります。  改正内容は、まず第一に、郵便募金管理会を解散して、同会が行なっていた寄付金処理事務郵政省で行なおうとするものであります。郵便募金管理会は、寄付金使途の適正をはかるため、昭和三十三年の法律の一部改正によりまして設立された特殊法人でありますが、過去十年間における実績にかんがみ、各受配団体寄附者の意思に沿って適正に使用していると認められ、もはや郵便募金管理会目的は達成されたと判断されるに至りましたので、この際郵便募金管理会を解散しようとするものであります。これに伴いまして、同会で行なっていました寄付金の保管、交付及び使途監査等事務を現在寄附金つき郵便葉書等の発行、売りさばき及び配分金決定を行なっている郵政省において行なうこととし、寄附金処理事務一元化をはかろうとするものであります。  改正の第二は、寄付金配分を受ける団体に、交通事故または水難に際して人命の応急的な救助を行なう団体を加えようとするものであります。これは、近時における社会生活近代化に伴いまして、事故質量ともに激増の一途をたどっており、このような事態に対処できる救急体制の確立は、社会的にも急務とされております現状にかんがみまして、これら救護活動を助成できるようにしようとするものであります。  改正の第三は、お年玉として贈る金品単価最高限を二万円から三万円に引き上げようとするものであります。この単価は、昭和二十四年にこの法律を制定して以来そのまま今日まで及んでいるものでありますが、その後における経済変動に伴いまして、現行単価の二万円では当せん者の要望にこたえることは、はなはだ困難となってきている実情にかんがみまして、これを三万円にしようとするものであります。  なお、この法律案施行期日は、昭和四十三年十月一日に予定いたしております。  以上がこの法律案提案理由であります。  なにとぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  9. 久保等

    委員長久保等君) 御質疑のある方は順次、御発言願います。
  10. 西村尚治

    西村尚治君 それでは、私から二、三ちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、この募金管理会、これはただいまの御説明にもありましたように、昭和三十三年にできた。それまでは配分された資金というものが、必ずしも使用目的の線に沿って使用されてなかった。寄付目的の線に沿って使用されてなかったうらみがある。これを使途を適正にするために監査をする必要があろうということから設けられた。これは当然のことですが、いまの御説明によりますると、大体各受配団体寄付者の意に沿って適正に使用しておると認められ、もはや管理会目的は達成されたと判断されるに至ったということでございます。それならそれでたいへんけっこうでございまするが、この募金管理会が存続いたしました過去十年間におきまして、どういう監査をなさったのか、大体わかってはおりまするけれども、その間に注意をされたような、是正方を勧告されたというようなことが、どういう内容のものが何件ぐらいございましたか、わかっておれば、それをまずちょっとお知らせ願いたいと思います。
  11. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 御指摘のように、本募金管理会設置目的一つは、ただいま西村委員から御指摘になりましたような監査完全化ということにあったことは事実でございます。そういう目的に沿いまして、この募金管理会設置されましてから十年間、施設されました施設事項に対しまして募金管理会は厳重な監査をいたしております。実地監査書面監査と両方ございますが、特に、実地監査大宗を置きましてやっております。数を申し上げますと、昭和三十四年におきまして四十六件、三十五年度におきまして百四十七件、三十六年度におきまして百十一件、以下、まいりまして、四十年度におきましては百四十二件、四十一年度におきましては、百十三件というぐあいにやっております。その大宗実地監査であることを申し上げましたが、どういう内容をやっておるかと申し上げますと、承認しました計画がはたして計画どおり実施されておるかどうか、施設されておるかどうかということが大きな第一点でございます。第二点はその経費が適正に支出されたかどうか等につきましても監査いたしております。  ただいま御指摘になりましたように、非違があったというようなことは、幸いにしまして、私どもの現在承知している限りにおきましては一件もございませんでした。ただ、各施設のほうで、それぞれ事情がございまして、計画を途中で中止したというようなことがございました。これは非違ではないわけでございますが、そういうものはございましたけれども施設計画と違った施設になっておったようなことはございませんでした。
  12. 西村尚治

    西村尚治君 非違と思われるようなものが一件もなかったということはたいへんけっこうだと思いますが、ところで、この受配団体、これは中央で指定しますけれども、ほかに、中央共同募金会といいましたか、中共募のほうで再配分するものがありますね。これが何件か毎年あると思うのですが、これは毎年大体何件ぐらいありますか。
  13. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 配分団体中央共募を指定いたしまして、さらに中央共募がそれぞれ傘下と申しますか、中央共募といいますものは連絡調整機関でございますけれども、地方共募を通じまして各施設寄付金を取り次いでおります施設が四十一年度で申し上げますと八十四件でございます。四十年度は九十八件というような数字にのぼっております。
  14. 西村尚治

    西村尚治君 八十四件とか九十何件というこれは、先ほどのお話で毎年監査をした件数が百四十何件、百何十何件と最初に説明がありました、それはそれを対象にしてなさったものですか。そうすると、一カ所に二回くらいは行っているという勘定になるのですか、書面審査と両方合わせてのあれですか、実地に検査するのは一カ所に一回という程度ですか。
  15. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 実地検査は一カ所に一回でございます。なお、いま申し上げました数は、それぞれ先ほど申し上げました数の中に含まれております。
  16. 西村尚治

    西村尚治君 そうすると、件数からしましても年間たいしたことはないから、これを郵政省監査事務を引き継いでも現在員でやれるという見込みなんですか。それとも、みなそれぞれ仕事を持った忙しい人ばかりですから、片手間にはできないから、別途増員でも手当てをされるということなんですか、その辺はどうなんですか。要するに、所期の目的が、郵政に引き継いで達成できるかどうか、その点をちょっと伺います。
  17. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 過去十年間におきます監査実績が先ほど申しましたように、非違が一件もなかったという実績にかんがみまして、私どもとしましては、募金管理会設置目的はほぼ達成されたというぐあいに判断したわけでございます。したがって、今後におきましては、従来のような非常に厳密な実地監査をする必要があるかどうかということは、私どもとしましては、どっちかというと、さような必要はない。むしろ、郵政省といたしましては、地方に機関もあることでございますし、そういうところを通じまして、監査をしたほうが能率的であろうというぐあいに考えております。
  18. 西村尚治

    西村尚治君 今度の改正で、配分を受ける団体範囲交通事故発生あるいは水難関係団体というようなことに広げようということになっておりますが、具体的にはどういう団体をお考えになっておりますか。
  19. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 水難につきましては、日本水難救済会というものを考えております。なお交通事故発生につきましては、東海交通災害コントロールセンターというものがございまして、交通事故発生の場合に応急的な救急事務を行なう団体でございますが、そういうところを予定しております。
  20. 西村尚治

    西村尚治君 改正案の第八条というところに、「配分金辞退等により、交付し、又は交付すべきであった配分金の全部又は一部が返還され、又は交付できなくなったときは、」云々という新しい条文が挿入されたわけですけれども、この寄付金配分につきましては、これはもう各方面から非常に希望者が多いわけですね。非常に多い希望者の中から厳選をして配分をされてきておったはずだと思うのですけれども、そういう中にあって、この配分を返還する、あるいは交付できなくなるというようなことが考えられるのかどうか、どうなのか。ちょっとこれは意外な条文のように感じたものですから、その辺のところ、従来そういう事実があったのかどうか、今後考えられるのか。なぜ、こういう条文を挿入しなければならなかったのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  21. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 従来の例を申し上げますと、過去におきまして二件ほどさような例がございました。一件は癌研究会におきまして、昭和三十七年度にお年玉寄付金の三千万円の配分を受けたのでございますが、その建設計画が途中で延期されまして、したがって、その寄付金癌研究会といたしまして辞退いたしました。第二の例といたしましては、昭和三十九年度でございますが、宮城県赤十字血液センターの建設に九百万円を配分いたしましたけれども、これも工事を延伸するということになりまして、当事者から辞退を申し出てまいりました。以上、二件でございます。
  22. 西村尚治

    西村尚治君 それはわかりました。ところで、郵便募金管理会は、これが可決されれば十月一日で解散されるわけですけれども、現在何人かの職員がいるはずですね。管理者はやむを得ないにしても、少なくとも職員の人々については、これは思わざる、予期せざる事態に逢着して身の振りどころに困るであろうということになろうと思います。何人くらいそういう方々があるのか。こういう方々に対しては、路頭に迷うことのないように何とか適切に思いやりのある身の振り方について措置を考えてあげてもらいたいと思うんですが、何とか具体的にお考えになっておるものがありましたら……。
  23. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 現在、募金管理会役員四名、職員四名、合計八名おります。特に職員につきましては、ただいま御指摘のとおり本人たちにとりましては予期しない事態でございますので、当然省側としましては御本人希望に沿って就職希望にはあっせんをいたします。特に、希望がありましたら私どもの省に引き取るつもりでございます。本人たちは有能でございますし、また若うございますので、さようなことも考えておる次第でございます。
  24. 市川房枝

    市川房枝君 この法案で、いままで外郭団体といいますか、郵政省外郭団体であった郵便募金管理会を解散して郵政省に移管をする、吸収をすると申しますかということになるようでありまして、これは私どもけっこうだと思っておりますが、その理由は、さっき大臣の御説明一元化ということかもしれませんけれども、これは実はあれじゃないですか。行政監理委員会からこの団体は必要がない、存在する意義がないということで、これを整理することの決定を受けたから、こういう処置をなさるんじゃないですか。
  25. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 行政監理委員会でさような申し合わせもあり、私どもも、またこれがなくてもやれる、こういうことで、いまの行政簡素化の趣旨に沿って解散しよう、そういうことが動機あるいは主たる理由でございます。
  26. 市川房枝

    市川房枝君 これを郵政省に吸収することによって、一元化といいますか、それはいい点かもしれませんけれども経費で節約がある程度できましょうか。
  27. 小林武治

    国務大臣小林武治君) その郵便募金管理会のいまの役員、その他がなくなりますから、それだけ寄付金に食い込むことがなくなって、余分に配分できる、こういう問題でございます。
  28. 市川房枝

    市川房枝君 お年玉郵便葉書を一円ずつ高く国民としては買っておるわけでありまして、強制的というわけじゃありませんけれども、しかし、それを買う国民としては、その金がどういうふうに使われておるのかということについては関心を持っておるわけでありまして、その金ができるだけ寄付金にたくさん回るように希望しておるわけでございますから、幾らかでも寄付の金が多くなれば、たいへんけっこうだと思います。  大体、四十二年度は、その金が幾ら集まって、そうして純粋に経費はどのくらいかかって、寄付に回された金はどういうことになっておりますか。
  29. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 四十二年度におきましては、寄付金総額といたしまして四億四千九百万何がしになっております。そのうちただいま御指摘のありました、省として納付金をもらいますが、その納付金が四千百万円でございます。それから募金管理会事務執行経費が八百九十万円でございまして、これらを引きました残りの金が三億九千七百万円、それに利子額を足しまして配分した総額は四億三千四百万円という金でございます。
  30. 市川房枝

    市川房枝君 その納付金というのは、どういうものですか。
  31. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 納付金と申しますのは、寄附金つき葉書を発行するにあたりまして、いろいろな経費が必要になるわけでございます。たとえて申し上げますと、寄付金額を表示するとかあるいははがきを運送するとか、そのほか発送とか受け入れとかいろいろ事務がございますが、その事務に必要な経費等々がございまして、そういうものの内容からなっておるのでございます。
  32. 市川房枝

    市川房枝君 それから寄付の金が今度の改正案で新しく交通事故関係水害関係団体にまで拡大されることになっておりまして、それはけっこうでありますが、私は初めてでございまして、ちょっと疑問に思いますのは、その寄付金額のうち半額近くが赤い羽根のほうに寄付され、その残りの額だけが厚生省でどこへ寄付するかということをおきめになっておるようですが、性格が同じような団体といいますか、同じような目的に使われる金であって国民寄付金だと思いますが、どうしてこういうふうになったのか。どっちか一つにしたらといいますか、両方にまたがってすることにおきめになった経過といいますか、それを伺いたい。
  33. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 配分団体決定郵政大臣がするわけでございます。ただ、その決定にあたりましては、それぞれの関係大臣協議をいたします。厚生省関係でございますと、厚生大臣あるいは法務省の関係でございますと、法務大臣ということになるわけでございます。したがって、これは一元的に権限郵政大臣が持っておるということになるわけでございまして、混合しておらぬわけでございます。しかし、御指摘になりました中央共同募金会につきましては、いろいろと先ほど申し上げましたように、たとえば四十一年度について申し上げますと、四十四件の団体配分いたしたわけでございますが、それは養老施設とかあるいは救護施設厚生施設身体障害児福祉施設、いろいろございます。したがって、当然協議段階におきまして、私どもがそれをいいと認めて、配分の際に厚生省等協議いたしますので、特に郵政省とダブっていくということはないわけでございます。むしろ、社会福祉事業については、中央共募参加の団体を中心に、そのほか特殊疾病とかあるいは先ほど御指摘になりましたように、今度の場合は交通災害救済ということに回せるということになるわけでございまして、一応混合はないということになるわけでございます。
  34. 市川房枝

    市川房枝君 混合はないかもしれませんけれども、一応の常識からいえば、これは当然全額郵政大臣がおきめになっていいという筋でもあるように思うのですが、その点を伺っておるわけでございます。
  35. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど団体決定と申し上げましたが、団体決定並びに配分金額決定につきましても郵政大臣が全部権限を持っております。ただ、これにつきましても、各省大臣協議するというたてまえになっております。したがって、ただいま御指摘になりましたような、あるいは私の理解が違っておるかもしれませんが、郵政大臣が一元的にやっておりますので、何か厚生省とダブっているということは、本来こういう仕事は全部厚生省にまかしてしまったらという御意見ならともかくといたしまして、いまの状態といたしましては、何らそこに二元的なことはないと思います。
  36. 市川房枝

    市川房枝君 私の考えておることとちょっとお答えが違うのですが、赤い羽根に半額いっていますね。それに対しては厚生大臣団体をおきめにならないでしょう。それは赤い羽根のほうが決定するのですね。そういうふうに私は了解するのです。
  37. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 手続を申し上げますと、まず地方共募におきまして各団体希望をとります。それを中央共募に持ってまいりまして、中央共募が郵政省申請するということに現在なっております。したがって、それを私どもが審査いたしまして、そのとおりかどうかということを判断するわけでございますので、特に中央共募が独断できめたということではないわけでございます。
  38. 小林武治

    国務大臣小林武治君) どうも説明がまずいようでありますが、お年玉で集めた四億四千万円、これは郵政省が従来は厚生省のいわゆる社会事業団体以外にも渡しておるわけです。癌研究会だとかあるいは沖繩同胞援護会だとかあるいは水害災害の見舞とかいろいろこういういわゆる社会事業以外のものに相当な金額郵政省が直接渡しておるわけでありますし、それからいわゆる厚生省の所管の社会事業関係専門のものに、従来中央共同募金会が渡して、そこが今度は配っておった。そこはいわゆる赤い羽根と一緒にこのお年玉のものも加えて、社会事業オンリーで配っておった、こういう二通りになるわけでございます。ですから、郵政省としては、従来は中央募金会にある程度まとまった金を、一応ワクを差し上げて、そこがお配りになった、社会事業のほうだけは。それ以外のものは、厚生省が各種の仕事に配っておったと、こういうふうに二通りになっているわけです。今度、この法律が通ったら、中央募金管理会にお渡しする分も、郵政省厚生省協議の上でひとつ配分をいたしましょう、こんなふうに今度のはなっておるのであります。
  39. 市川房枝

    市川房枝君 それならわかりました。  こういう配分はもちろん公表をしておいでになると思いますけれども国民がそれを知るようにといいますか、どんな方法で公示をしているんですか、一般国民にわかりますか。
  40. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) この法律に規定してございますが、当初寄付目的、あるいは寄付金のつきましたはがきの数というものをあらかじめ告示いたしまして、そしてそれぞれ寄付金を受けたいという方々関心を一応見るわけでございます。それにつきまして、団体がそれぞれ公募するということになります。なお、そういう公募してまいりました団体決定いたしましたあと、それにつきまして、配分しましたその実績等につきましては当然省といたしましても発表いたしますし、また、ここにございますようなパンフレット等をつくりまして、みな国民の、関係ある方々配分をしていくということでございます。
  41. 小林武治

    国務大臣小林武治君) いま申したような配分をしますが、その配分郵政審議会というところにかけてきめるから当然公表される。それからきめた場合にはまた公表しておる。こういうことでありまして、配分する前には申請をみなとるわけでございます。その申請を選択して、そして一応の案をつくりまして、そして郵政審議会にかけてきめて実行する、こういうふうなことになっております。
  42. 市川房枝

    市川房枝君 もちろん、公表がたてまえで、公表していらっしゃるでしょうけれども、私がいま伺ったのは、一般国民が、それを見る機会といいましょうか、公表しただけではやはりちょっと一般にはわからないと思うのです。だから郵便局にずっと張り出すといいますか、ちょっと私見たこともないのですが、どんな方法をとっておいでになるかということです。
  43. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 配分を受けましたそれそれぞれ受配施設には、この施設お年玉寄付金でできたのだという表示をしてもらうことにしております。したがって、それぞれの国民方々がそれぞれの施設をごらんになった場合には、これはお年玉寄付でできたのだということがはっきりわかるようにいたしております。
  44. 市川房枝

    市川房枝君 それは、その施設を見た人はそんなにたくさんじゃないから、やはり一般国民に、少なくともはがきを買った人には、なるほどこういうことに使われているのかなあと……、これはなかなかむずかしいが、これはやっぱり当局のほうで努力をしてくださって、ただ公表したことにはなるのだというのじゃなくて、そのくふうがなされているかということです。
  45. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ただいま御指摘になられましたことは、官報にも掲載しておりますし、また新聞等にはいろいろな機会に発表します。したがいまして、九十八施設全部が中央紙に出るかと申しますと、従来載っておりませんが、地方紙には全部載っているようでございます。したがいまして、国民の大半の方には、周知されておるように私どもは思っております。
  46. 市川房枝

    市川房枝君 お年玉以外に何か郵便で寄付金を加えたものを売り出しになっておる種目がございますか。
  47. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 過去におきまして、戦後に三回ほどございました。二回は戦争直後、まだこの制度が始まらぬときでございますが、共同募金と日赤に対しまして寄付金つきの切手を出しました。それから昭和四十一年でございますが、ガン切手と通称言っておりますが、その寄付金つき切手を発行いたしました。その例がございます。それからもう一つ、オリンピックのときに、オリンピックの施設寄付金を使うという目的をもちまして発行いたしました。したがって四件でございました。
  48. 市川房枝

    市川房枝君 こういう方法による寄付金を集めるということは、非常に郵便局はごめんどうかもしれませんけれども、非常に集めいいんですね。そうして相当の金が集まるということです。しかし、国民の側からいって一種のちょっと強制的でもないけれども、税金のようにもなりますし、だから、こういうなにのためにどれくらいそれを発行するかということをおきめになるのは一体どこでおきめになるのですか。
  49. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 決定につきましては郵政大臣決定するわけでございますが、なお、先ほど大臣も申されましたように、郵政審議会にそれを付議いたしまして、諮問いたしまして、郵政審議会の中で議論をいたしました結果、最終的には、大臣がきめることにいたしております。当然その前には各郵政局、郵便局を通じまして地方の国民方々希望等を聴取いたしましてきめるということにしております。
  50. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 非常に法案自体が簡単な法案ですから、希望として、私はこういうものは早く委員会としても通したほうがいいんじゃないかということを希望を持っています。ただ、ちょっと疑問に思う点が二、三ありますので、その辺のところだけを明らかにしていただきたいと思います。  一つは、これは意見になりますけれども、私はこの管理会の解散というのは、行政整理のたてまえというのもあるんでしょうけれども、いささか機械的なやり方ではないかという気がするのです。おそらくは管理会を解散しても、実績においてそうたいして得るところはないんじゃないかという気がするわけです。その立場からちょっと問題を聞いてみたいと思うのですが、管理会のやっている仕事で、寄付金の保管、交付及び使途監査等事務というのがございますが、この寄付金の保管というのはどういう形でいままで管理会がやられていたのでしょうか。で、これはどこで保管をしていたのでしょうか。
  51. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 寄付金つきはがきを購買者の方々が買われましたそのときに、寄付金募金管理会にしたものとするという条文によりまして、募金管理会寄付金を、各郵便局から振りかえ送金を受けましてから、募金管理会として保管することになっております。その保管の方法と申しますのは、それぞれの手段、たとえば銀行預金をするというようなこと、あるいは債券を買うというようなことでもちまして確実な方法で保管をいたしております。
  52. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、今度その事務を引き継いだ場合の郵政省の保管はどういう形になるのでしょうか。そのお金は一時でも、どこへそのお金をつまり預けるのか。
  53. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) この金は郵政省の歳入歳出外現金という形で郵政省が一応保管いたしますが、その間、やはり従来のように利子額を生ませる必要があろうかと思いまして、資金運用部へ預託することにいたしております。
  54. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、大蔵省の資金運用部に郵便貯金並みの形で預託をして、あがってくる利子と、いままでつまり管理会が銀行に預託をしてあがってくる利子と、差額といいますか、現実に浮く金額というのはどういうことになるのでしょう。
  55. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 四十二年度の例で申し上げますと、もし銀行に預金しているといたしますと、約三千四百万円の利子がつきます。ところが、これを資金運用部へ預託するということになりますと、利率の差からもちまして約二千七、八百万円というわけで、その差が七百万円から八百万円になります。
  56. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、先ほど大臣管理会を解散することによって若干の経費が浮くと言っておったが、利子の差額が、いま郵務局長のお話によりますと、八百万円近い利子の差額というものがある。その八百万円程度の金以上かかってたんですか、管理会経費というのは。
  57. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 管理会の所要経費といたしましては、寄付金総額の二%以内ということになっておりますが、従来、約一・九九%でございまして、約千二百万円でございました。ただし、この新しい改正法律になりますと、四十二年度の発行数を基礎にいたしますと、約六百万ぐらいになります。
  58. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、別に管理会を解散したからといって、経費の面での節約ということはほとんどないんですね、実情は。
  59. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど大臣からもお話ありましたが、役員等の経費は当然それだけ要らなくなりますので、その分は節減になります。
  60. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 だけど、その分だけあなたのほうで引き継ぐんですから、仕事がなくなってしまうんじゃないんですから。仕事は引き継ぐんです。役員経費は若干そこでなくなっても、あなたのほうでそれだけ仕事がふえるんですから、それだけの人が要る。結局同じことじゃないですか。
  61. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど申しました役員仕事等につきましては、監査等が主でございましたけれども、そういう仕事をできるだけ簡素化することによりまして、その仕事も実はあまりなくなるということになってきます。したがって、従来のように、本来なら二%とっていい経費でございましたけれども、それを一・五%に押えたという形で、法律によりましても〇・五%今度は低くしております。
  62. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると〇・五%低くするということで、郵政省でこのお年玉寄付金にかかる経費というのは約六百万円と見ておる。いままでの管理会の場合には大体一千万円ないし九百万円、一千万円。その差が三百万円。しかし、一方は銀行へ預託することによって、今度は大蔵省預金部だということによって、その差額が八百万円ということになると、差し引きして今度のほうが損だ。とんとんか、損でしょう。
  63. 小林武治

    国務大臣小林武治君) とんとんです。
  64. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 計算してごらんなさい。そんなこと簡単にできることじゃないですか。
  65. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 確かに利子額につきましてはおっしゃるような計算ができると思いますが、総じていろんな先ほど申しました事務簡素化等の、縮小等によりまして削減される経費もございますし、また国民方々——これは理屈でございますけれども国民方々からは、確かに一円の寄付をしておるものを、そう中を食ったわけでございませんで、利子額をできるだけたくさんあげることは、もちろん私どもとしましては、善良な管理者という資格におきましてやるべきだと思いますので、そういう努力をしておるわけでございます。なお、ただ銀行利子であくまでやればどうだという御意見も確かにいろいろございます。私どももそういう意見持ったこともございますが、やはりそれぞれの法律に対しまして、いわゆる国庫金、国庫統一の原則ということで、やむを得ない措置になって、かような、資金運用部へ預託するという措置を考えたわけでございます。
  66. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 どうも私は、そこのところなんか非常に機械的だと思うんですよ。行政の管理委員会ですか、監査委員会か知らぬけれども、そういうところから答申があったといっても、やはりものごとをそう機械的にやってみてはたしてどうなのかということの実際は、こう突き詰めていってみると大したこともなかった。鳴りもの入りで騒いでみても、この管理会を解散したからといって、どれだけの実際上の経費が浮き、国民の利益になるかといったら、とことん計算してみたら、おそらくいままでのほうがよかったということになるのじゃないかと思いますので、あまりこういう答申があったからといって、それをうのみにして機械的にものを運ぶというのはいささか官僚的過ぎはしないかという感じがいたします。  これは、この辺のところとして、この公益法人は郵政省管内にこのほかにまだありますか。
  67. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 郵政省所管の公益法人というのは他にもございます。特殊法人といたしましては、御存じの簡易保険及び郵便年金事業団というのがございますが、いわゆる公益法人等はたくさんございます。ただし特殊法人は、いま申しましたのがたしか一つだと思います。
  68. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これが一つですね。
  69. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) と、簡易保険年金事業団。
  70. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そういうつまり郵政省所管といいますか、管轄内にある特殊法人あるいは公益法人というものについても、趣旨はこういうものに沿って事務の簡素化はやっぱりそういう方向で整理統合していくというような方向に向いているんですか。
  71. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 一般の民法上の公益法人につきましては、それぞれ必要性がございましたので認めたと理解しておりますが、なお、特殊法人でありますところの簡易保険年金事業団につきましては、私どもといたしまして、これを廃止するというようなことは聞いておりません。
  72. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それから次に、改正の第二の点ですけれども、今度は新しく交通事故または水難に際する応急的な救助を行なう団体を加えるということになりました。まあ、そのことはけっこうだと思いますけれども、こういう改正案というものは自発的に、つまり郵政省のほうから、あるいは郵政大臣のほうから、この審議会に対してするのがたてまえなんでしょうか。それとも、つまりこういうお年玉つき寄付金を行なうについて、自分のところにその寄付金をひとつ配分をしてくれないかというように、一般に公募をして、その中からしかるべきものを選ぶという、こういう方法なんですか。どちらなんです。
  73. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 後者でございます。  公募をいたしまして、それぞれ希望を申し出てまいります。それを先ほど大臣が言われましたように、郵政審議会等、広く意見を求めまして、そこへ諮問をして、最終的に郵政大臣決定するということでございます。
  74. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、その公募は何らかの形でやっぱり一般的にわかるような形で公告をするのでございますか。
  75. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) そのとおりであります。法律の五条によりまして告示をいたします。官報その他ではっきりと告示いたしております。
  76. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、今回のもそういうものとして取り上げられたというふうに理解してよろしゅうございますな。
  77. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) けっこうであります。
  78. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、これは正式には、つまりこの団体の名前はおわかりでしょうね。
  79. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 今回のと申されましたのは、交通事故等の救済を行なう、あるいは水難救済を行なうということだと思いますが、これにつきましては、こういう立法をしましたのは、非常に現在、従来の法律ではワクの中に入らなかった、あるいはいろいろワクに入れると無理な解釈をしなければいけなかったということもございましたので、新しく今度法律改正しますときにワクを広げた。当然従来もいろいろ希望はございましたわけで、その希望を満たすべく、しかも新しい最近の社会的要請でございます。ぜひ、私どもといたしましては、こういうのに与えることが大事だと思っております。そこで、具体的には水難救助会並びに、先ほど申し上げましたが、東海交通災害コントロールセンターというふうなところへ配分したいというように考えております。そういうところからも希望がございます。
  80. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 その辺のところ、つまり交通事故または水難に際して応急的な救助を行なう団体というのは、相当広範な、あるいはまた全国的にもあるんじゃないかというふうに思いますが、これをどういう基準で認定をするのか。まあいままでのは実績があるでしょうけれども、新しくという場合には基準もあるでしょうが、そういう点については、具体的にどういうことを検査され、あるいは審査をされ、おきめになったのでしょうか。ちょっともう一度聞きますけれども、いま交通事故について東海何とおっしゃいましたか。水難のはわかりましたけれども、特に交通事故のほうについてよくわかりませんでしたので、その点。また、それにきめようとお考えになっておる根拠をちょっと明らかにしていただきたいと思います。
  81. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど申し上げましたのは東海交通災害コントロールセンターという団体でございます。この団体は、この法律にございますように、交通事故発生に際して、応急的な救助を行なう団体であるわけでありまして、普通の病院等とは違うわけでございます。と申しますのは、どこかで交通事故が起こった、その場合に、無線を備えました救急車でそこにかけつける。その救急車の中には応急的な治療を行なうような施設もございますし、また医者等もそれに乗せてまいる。そこで応急的な手当てをいたしましたあと、しかるべく的確な病院に運ぶというようなことをする施設を持った団体でございます。ただいま、例としましては、これが一件でございますけれども、さような考えでもって各地にこういう応急の措置をする団体ができつつございますので、そういうところから言ってまいりましたら、私どもは、現在の時点におきまして、交通事故が非常に社会的な問題になっておりますおりから、これは適当であろうと思ってきめた次第でございます。なお、その基準等につきましては、ただ計画だけでは困りますので、そういう車を現実につくるという、あるいは施設をするような、病院を持つというようなことの、はっきりしたものだけに限定していきたいと考えておるわけでございます。
  82. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、この東海コントロールセンターというのですか、これに回るつまり金というのは具体的にどのくらいの額になるのでございましょう。
  83. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) もちろん、お年玉寄付金によるだけではございませんで、県等の補助金もあるようでございますが、先般、東海交通コントロールセンターもほしいと言ってまいりました。額は確か三千万円くらいだったと記憶しております。したがって、それにできる範囲内のいろいろな施設を向こうで考えておるわけでございます。
  84. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、これのあるところはどこでございましょう、所在地は……。
  85. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 名古屋でございます。
  86. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 名古屋……。そうすると、その範囲はどの範囲でございましょう。
  87. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) その行動半径と申しますか、自動車の飛び得る行動半径であります、大体正確な資料、ここに持っておりませんが、当時の私の記憶で申し上げますと、大体百キロを半径といたしました行動半径くらいだったと記憶しております。
  88. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この交通事故または水難に際して云々ということで団体をきめる場合には、東海の交通コントロールセンターというだけというのはずいぶん地方的にも片寄り過ぎていやしないかという印象、これは一般国民にも与えられたと思います。こういうことを業務にしている団体というのは他にもたくさんあるのじゃないかという気がいたします。そういう場合に、他からの申請等との十分なやはり勘案、振り合いをお考えになっていただかないと、他のものに偏するということになりますと、何かそこに新しいまた一つの政治的な問題が起きないという保証なしとしませんから、この辺のところをできるだけやはり公平に、全国的に、だれが見てもそうだと首肯できるような形でやっていただくように、これは郵政省がやるのですから希望を申し上げておきたいと思います。  それからもう一つだけ聞いておきたいと思いますのは、お年玉のつまり何といいますかな、景品といいますか、賞金やその他金品単価最高限は、こういうように今度二万円から三万円に引き上げるというのですけれども、こういうことで全体としてかかる経費というのはどのくらいなものでございましょう。
  89. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) この法律にあるわけでございますが、金品単価といたしましては、「二万円をこえてはならず、その総価額は、お年玉つき郵便葉書の発行総額の百分の五」という法律上のワクがございます。したがって、そのワクの範囲内でやらなければなりません。ただいまのところは、そのワクに相当しますのが従来約五億くらいずつでございました。一応さような金額でございます。
  90. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 今度一万円ふえると、これはどのくらいになるのですか。
  91. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) そのワク内でやるわけでございます。この百分の五という総額は今度の法律でも書いております。つまりあまり投機的あるいは射幸的になっても困るというようなところなら総額を押えておりますのと同時に、先ほど御指摘のありました単価も従来二万円に押えているわけでございます。それを今度三万円にするということであります。
  92. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 もうこれで終わりますが、最後に一つだけ確認したいことがあります。郵政省のほうから出されたお年玉改正法案の資料の最後にあります年度別発行枚数、これが一番最後にありますが、これがどうも一枚数のほうの単位がよくわかりませんので、これをもしこの機会にはっきりしておいていただくなら、いいんじゃないかと思いますけれども
  93. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ここに(単位千円)と書いてございますのは、これは枚数の間違いでございまして、申しわけございません。誤りでございました。従来、百四十六億七千万枚発行しているということでございます。
  94. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 委員長、もうけっこうです。
  95. 森勝治

    ○森勝治君 まず、大臣にお尋ねしたいのでありますが、この提案を見ますと、募金会を廃止して郵政省がその業務を引き継ぐということになりますと、いまも若干質疑応答が繰り返されましたが、実質的には、従来の業務そのままを——従来は募金会という名称で当たっておったものを郵政省が直接これを取りまとめをするということで、中身は何ら変わりはないのじゃないですか。何か局長の先ほどの御説明では、役員の給料、報酬その他によって多少経済的なあれはあるかもしらぬが、業務そのもは寸毫たりといえども隔たりはないものと私は見るのでありますが、どうですか。
  96. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 大体そういうことでございます。
  97. 森勝治

    ○森勝治君 業務内容が少しも変わらなければ、別にことあげをして募金会を解散しなくてもいいじゃないですか。過去十年の募金会の歩みの中では大きな功績を残していると大臣みずからが提案理由の中で説明され、その目的を果たしてきたとすれば、この制度をさらに生かして機動性を発揮したほうがより効果的ではないじゃないですか。中身を引き継ぎ、業務の運行を従来どおりやるということならば、しかも、郵政省がこれを引き継いだとしても何ら変わりばえがない。変わりばえがないとなれば、単なる機構いじりのそしりを免れない、こういう懸念もありますし、したがって、そういう点についてはどうお考えですか。
  98. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 役所その他の機構もだんだん複雑になってきておるから簡素化をしたいと、すなわち、これがなくてもたいした支障がないというならば、余分の機構はこの際整理したほうがなかろうということが行政監理委員会等でも言われておるのでございますから、機構をなくするということは私はやはり一つの大きな意味があると、こういうふうに思います。
  99. 森勝治

    ○森勝治君 それは表面上の理由で、機構がなくてその業務そのものがなくなれば簡素化になるでありましょう。しかし、先ほどの局長のお答えでは、職員郵政省が収容する、収容ということばはちょっと穏当を欠きますけれども郵政省で引き取るということであるわけですから、それなら機構の簡素化にはならぬのではないでしょうか。ですから、その辺を私の乏しい知識で推理をいたしますと、なんだ機構の簡素化だと思ったら、いまのお話じゃ業務は一つも変わりなく、職員をそのまま引き取るということならば、募金会という公の名称を抹殺したのみにとどまって、郵政省の機構が逆にふくれる、こういう理解も成り立つ。それならば、いまよく言われている各省庁における機構の簡素化と逆行する懸念がややもするとここに生まれてくるような気がしてならぬわけです。その点どうですか。
  100. 小林武治

    国務大臣小林武治君) 機構が、募金管理会というものがなくなると、そうしてそこにおる役員かなんかが四人もいなくなるということは、私はやっぱり一つの意味があると、ことに職員を収容するといっても、何もその仕事をやるために収容するというのじゃなくて、一種の就職問題として収容すると、こういうことでありまして、郵政省がそのための特別の機構をつくったり、そのために特別の増員をしたりしなくて、その仕事を引き受けるということは、私は非常に簡素化だというふうに考えております。
  101. 森勝治

    ○森勝治君 おことばを返すようでありますが、私の冒頭における質問に対するお答えは、この募金会の業務そのままを引き継ぐということであるならば、いまのお話のように何かその職員を他の部門に振り向ける場合もあるでありましょう。ならば、募金会の仕事をそっくり郵政省が引き受ければ、この他の職場についた募金会の職員のほかに、逆にこの募金会の業務を郵政省の中で行なうわけですから、これの専担の職員設置が、当然ポストの設置が行なわれるわけですね。そういうことでしょう。仕事をやらなければ大臣のおっしゃるとおりでありますが、従来のこの仕事をやるのですから、募金会から入ってもらった職員にその業務に携わってもらわなくても、だれかが分担しなければならぬでしょう。当然そうなるのじゃないですか。
  102. 小林武治

    国務大臣小林武治君) これはだれかがやりますが、いまの郵政省職員が、別にそのために増員するとか、そのために特別の局をつくるとかでなくて、従来の副産省の機構でそのままやるということであれば、私はそれだけでも、やっぱり募金会というものはなくなったので、非常に機構が簡素化されたと、こういうふうに思います。一体、政府方々にある外郭団体なり特殊法人などはできるだけ整理したらよかろうと、私も、どうしてもなければ困るというものでなければ整理したほうがよかろう、こういうことで、まずもってこれに同調するということが出発点であったことは御承知のとおりであります。
  103. 森勝治

    ○森勝治君 それでは大臣、こういうふうに理解してよろしいわけですね。先ほどのお答えのとおり、募金会の業務そのものは引き継ぐわけですから、従来のままですと、その業務を行なう所管の部課、係というものはないわけですね。そうすると、従来のままですと、どこかの部課で、どこかの部門でこれを引き受けるならば、オーバー労働になるのは当然ですね、これは職務外の事項が入ってくるわけですから。当然その職務外のものについて正常な職務としての位置づけを与えなければならぬでしょう。位置づけをするわけでしょう。当然それは従来郵政省が行なってないことを行なわなければならない、募金会でやったことを。ですから、これは三人か四人だとおっしゃればそれまででありましょうけれども、このための郵政省職員経費を私は食うことになると思うのであります。私は、こういうことを別に反対の立場でこれを申し上げておるのではないのであります。ただ簡素化、簡素化というけれども、それは看板をはずしてうちの中で営業しているのと何ら変わりないような気がしてならぬわけでありますから、そういう質問をしたわけであります。そこで、この点は当然もう所管の長であります郵務局長の段階だと思うのでありますから、担当局長からいま私が申し上げた点に関連してのお答えをいただきたい。
  104. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 従来も配分団体の指定あるいは配分金額決定につきまして、その事務郵政省でやっておりました。ただ、保管、監査あるいは配当金の交付ということを募金管理会でやっておりました。これを統一いたしますれば完全にプラスというよりも、むしろ一元的になりますので、事務のやり方としましては非常にすっきりすると考えます。そういった意味で、先生の無理とのお話でございますけれども、私のほうといたしましては、先ほど大臣が答弁されましたように、これですっきりするというぐあいに理解していいんじゃないかというぐあいに考えておる次第であります。
  105. 森勝治

    ○森勝治君 そう言われると、私どもまことに当惑するのですよ。事務がすっきりする、一元化すると言われると、それなら従来は二重におやりになっておったなということを言わざるを得ないのであります。まぜっ返せば、そういうことではないでしょうか。大臣のお答えと若干かみ合わないような気がするのですが、どうでしょうか。
  106. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) さような御批判がございましたならば、それは私どもも、それなりの御批判だと思いますが、ともかくやはり機構簡素化が非常に大きな目的一つだということは、先ほど来大臣が申し上げているとおりでありまして、それが結果的に私ども申し上げておるようなとおりになるということでございます。ただ、御意見につきましては、私どものほうとしましては、事務が膨大にならないように内部でよく調整してまいるつもりでございますし、またその自信がございます。
  107. 森勝治

    ○森勝治君 それでは次の問題に移りましょう。  改正点の第三点、先ほどの説明では、「現行単価の二万円では当せん者の要望にこたえることは、はなはだ困難」だ、こういう提案理由説明でありますが、さっぱりこの点がわからぬのですよ。当せん者の要望にこたえることは、はなはだ困難である。経済界の変動に伴って二万円から三万円にするのが妥当だというような提案理由説明なら、私はこういうやぼな質問をいたしませんが、当せん者の要望に三万円ではこたえられるが、二万円ではこたえられない、このことばがどうにもわからぬのでありますから、この点をさらに具体的にひとつお答えいただきたい。
  108. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ただいまのお話もございましたように、私どもといたしましては、二十四年にきめました金品単価、つまり二万円がその後の経済情勢等の変化または一般お年玉を受ける人の嗜好その他等の変化に伴って間尺に合わなくなっているように判断しておるわけでございます。卸売り物価指数で申し上げますと、御案内のように、大体二十四年から四十一年までに約七割九分上昇しているわけでございますが、それをそのまま採用いたしませぬで、一応五割に押えまして、二万円を五割上げまして三万円ということにしたわけでございます。具体的に申し上げますと、一等の現在お年玉といたしましてポータブルテレビ等を差し上げてございますけれども、さらに国民方々から見まして、それよりももう少し程度のいいものがあればそういうものをもらいたい、そのほうがお年玉として満足だというような気持があるように見受けますので、いま申しましたようなことにいたしたわけでございます。
  109. 森勝治

    ○森勝治君 それでは「はなはだ困難」だということは、これは困難ではなくて、二万円より三万円のほうが当せん者が喜ぶであろうという、そういう見地に立ったという御説明の表現が、こういうふうにただ単に文字上の表現にとどまったにすぎない、こういう御説明ですね。
  110. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) さように御理解いただいてけっこうでございます。
  111. 森勝治

    ○森勝治君 それでは次に移りましょう。  従来は寄付金郵便募金管理会寄付することになっておったものが、今度は郵政大臣がこれを預かる、こういうことになりましたね。その理由はどういうことですか。
  112. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 従来は、寄付金はがきを買った場合に、特殊法人にその所有権が移転するということであったわけでございますので問題がなかったわけでございます。ところが今回は、これをもしそのような考え郵政大臣にこの所有権が帰属するというようなことにいたしますと、いろいろ憲法八十九条との関係がございまして、さらにこの寄付金を交付いたします場合に、金品を公の支配に属しない団体に交付してはならないという形式的なこともございますので、さようなことを考えまして、郵政大臣に委託するという形をとったわけでございます。この六条はさようにしてございます。したがって、委託するというのでございますと、ここに委託された金は、これを郵政大臣が保管することになりますので、いま申し上げました保管ということが、そこから出てきたわけでございます。
  113. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、憲法八十九条の関係でそういうふうにされたということだから、従来と違って今度は郵政大臣はその金を単に預かるだけですね。
  114. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) そのとおりであります。
  115. 森勝治

    ○森勝治君 ならば、今度は募金の配分その他については郵政省は一切口を差しはさまないと、こういうことですね。
  116. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 従来の法律でも団体決定配分金額の決対につきましては郵政大臣権限を持っておりましたので、したがって、その点は全然従来と変わりございません。
  117. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、募金会というものが、従来障害となっておったと、大臣の思うようにばっぱっとやれない、ランクが一つあると。今度は一元化して、ちょこちょこと郵政大臣の思うままの配分ができる、そのために法文を改正した、こういうふうになるのでしょうか、ならないのですか。
  118. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) さようにはなりません。と申しますのは、寄付金の保管、それから監査等につきましては、募金管理会仕事でございましたが、つまり団体決定あるいは配分金額決定は、従来といえども郵政大臣がやっておった。ただ、もちろんその過程におきまして各省庁に協議する、あるいは郵政審議会の議を経るというような手続がございました。チェックする方法は他の面からございました。募金会との何か権限がおかしかったので、これがじゃまだからなくすということでは全然ございません。
  119. 森勝治

    ○森勝治君 その点明らかになりましたから——郵政大臣権限で、おのれの好む団体配分するなどという下心でおやりでないということが明言をされましたのですから、私は、この点を期待をするものであります。  そこで次の問題に移りますが、大臣が定める配分団体が守らなければならぬもろもろの事項があるわけですが、この点、ひとつ大綱別にお聞かせいただきたい。
  120. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 守らなければならない事項といたしましては、配分金の、現在交付にあたりまして募金管理会とそれぞれの配分団体とが契約を締結しておりますが、それによりましてはっきりといたしております。つまり、配分金が実行計画以外の目的使途に使用してはならないということ。それから実行計画をやむを得ず変更しようとします場合には、大臣の承認を受けなければならないということと、それから予定以内の期間に完了しない場合には、その旨を郵政大臣に報告をして指示を受けなきゃならぬというようなこと、そのほかあと六件ほどでございますが、いま申し上げたようなことが大綱でございます。
  121. 森勝治

    ○森勝治君 そこで、さらに聞きたいのでありますが、たとえば実行計画以外の用に供した場合はだめだということでありますね。現に実行計画以外の用途に供した、使用した。費消した、いわゆる目的に合致しないという団体があったわけでしょう、それらに対してはどういう措置をされましたか。
  122. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私どもの承知しておる限りにおきましては、先ほど西村委員の御質問のとき申し上げましたが、監査しました結果、その使途をどういう理由で守らなかったという例はございませんでした。
  123. 森勝治

    ○森勝治君 過去の、先般新聞紙上をにぎわせたものですが、たとえば共同募金会等がはがきのあれを募金でもらって、各県の募金会等が建物、敷地の購入等に充てている点が明らかに指摘されたでしょう。それでも知らぬとおっしゃるんですか。
  124. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 昭利三十二年以前においては、しばしばさようなことがございましたので、私どもとしましては、この募金管理会をつくる義務の一つに加えまして、この募金管理会を創設しまして監査を厳重にしたわけでございますが、その後先ほど説明しましたように、実際の実績は、それぞれ監査の結果も良好であったというようなことになっております。
  125. 森勝治

    ○森勝治君 たとえば埼玉県の共同募金会では敷地購入に充てておりますが、それでも監査の結果優良だとおっしゃるんですか。
  126. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 具体的な例をお示し願えればさっそく私どもは調べまして、もし先ほど申しましたように募金管理会実地監査等いたしますので、その監査がごまかされておったということではたいへんでございます。さっそくそういう場合には、厳重に処置をいたしますが、監査の結果の報告を受けており、また私どもがそれをチェックしたようなところによりますと、そういうような実情はないと承知しております。
  127. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、埼玉県という表現を用いて具体的に指摘をしたわけであります。この点については、即刻御調査をいただきたい、お約束いただけますか。
  128. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 特にその施設の名前を御明示いただければさっそく私どもとしては調査いたしたいと思います。
  129. 森勝治

    ○森勝治君 ですから申し上げました。埼玉県の共同募金会がそれをやったと申し上げているわけです。埼玉県にお問い合わせいただければはがき配分を受けた団体はどこであるか、さっそくおわかりいただける。おたくの省のほうにも、すでに配分を受けた団体の記録があるわけであります。したがって、これは埼玉県のみならず、よその団体でもあることがつぶさに指摘されているでしょう。ただ、皆さんの監査の結果、監査の手が届かなかったというならばやむを得ません。しかし、そういうことはかりそめにもあってはならないというのが募金の趣旨でございますから、そういう点は、十分ひとつ今後とも今後の配分にあたっては気をつけてもらいたいと思います。
  130. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 承知いたしました。
  131. 森勝治

    ○森勝治君 それでは次に移りますが、この売りさばきや、取りまとめのために要した費用、これは先ほどどなたか御質問になったような気がするのでありますが、どの程度の率になるのかあるいはこの算出等はどういう方法を用いておられるのか、それをお伺いしたい。
  132. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) この事務取り扱いに関します従来募金管理会が使用しておりました金額は、寄付金全体の二%以内ということになっております。実績はそれよりも低うございまして、一・九九%あるいは一・九八%でございました。なお、金額的に申し上げますと、従来の寄付金額の場合、約一千二百万円。それから最近のこの新しい法律によりました場合、それは二%から一・五%以内に押えられておりますので、昭和四十二年度の寄附金つきはがきの発行枚数を基礎にいたしました約六百万円になろうかと思います。
  133. 森勝治

    ○森勝治君 昭和三十三年に、この寄附金つき郵便はがきに関する郵政省厚生省の申し合わせ、いわゆるとりきめがあるわけですが、これは今日でも生きているわけですか。
  134. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 今日生きておりません。
  135. 森勝治

    ○森勝治君 生きておりませんか。それは、いつから廃止になりましたか。
  136. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) これは、形式的には昭和三十三年の立法当時、当時の大臣であられました田中大臣の口から、衆議院の逓信委員会の席上におきまして、そういう覚え書きがあるがほんとうかどうかというお話がございまして、覚え書きをつくったが、それは今後廃止するということの言明をみております。ただし、実体的に厚生省当局から非常に強い要望等がございまして、ある期間その後たとえば監査等をある年間、これは具体的には三十三年だけでございますけれども、三十三年募金管理会がやらなかったという例がございます。
  137. 森勝治

    ○森勝治君 そういたしますと、その取りきめのすべてがほごにされたわけですか。
  138. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) その取りきめのうち、監査のことと、それから従来共同募金並びに日本赤十字社に配分しておりました金額はその実績を保証してくれということ、同時に中央共募を配分団体として指定するというようなこと、こういうことが主たる内容であったわけでございますが、結果的には中央共同募金を指定しておったということは、その覚え書きの内容には合致しております。しかし、私どもの意識といたしましては、この覚え書きをつくったからということではないと考えております。特に、監査は現在その覚え書きとは全然別に独自で募金管理会がやっているわけでございますし、その金額につきましても、従来の実績をそのまま尊重したということに最近はなっておりません。
  139. 森勝治

    ○森勝治君 そうしますと、最近はこの覚え書きなどというものによらずに、慣行でおやりになっているわけですね。
  140. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) さように申していいかと思います。
  141. 森勝治

    ○森勝治君 たとえばあなたがいま具体的に言われた第二項の問題ですね。日赤と中央共同募金会ですかの問題、たとえば従来の募金の実績を下回ることはないと、こういう問題について日赤側、中央募金側は都合のいいことは自分のほうで主張し、郵政省もまた都合のいいことは主張して、都合の悪いことは両方でほおかぶりしてきた、ほうかぶりなんという表現はよろしくないかもしらぬけれども、そういうことですね。都合のいいときには、この申し合わせを慣行として生かし、都合が悪ければその申し合わせば知らぬと、こういうことでやってきたわけですか。
  142. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私どもといたしましては、この従来の法律で定められた趣旨どおり、寄付金というものはやはりそれぞれの各施設が最も喜んで満足に使えるような形にしたいという気持ちから、先ほどあげられましたいろいろな事項等は当然守っていく筋合いのものじゃないかと、かように考えておりました。ただ御案内のように、三十三年にこの法律をつくりましたときにいろいろ問題ございました。従来赤十字と共同募金にしかいっておらなかった結果、そういう社会福祉の事業だけに限るべきであるとか、いろいろな意見がいろいろな方面から出てまいりましたいきさつがあったわけであります。そういういきさつがあった背景につきまして、形式的に一時先ほど申し上げましたような覚え書きができたことも事実でございますけれども、私どもとしましては、この法律の趣旨並びに寄付金の性格にかんがみまして、できるだけ一元的に、かつまた能率的に郵政省が行なうということで、協議は十分関係の省庁とはいたしますが、そういう権限争い的なものにつきましてはできるだけやめていきたいという方針から、いまは先ほど申しますように、ほとんどこの覚え書きの内容、こういうものも尊重しておらないという実態でございます。
  143. 森勝治

    ○森勝治君 そのせっかく厚生省郵政省でこの募金の趣旨を十分生かそうという目的のもとに行なったこの申し合わせというものが、どうしてそれが消滅したのですか。その点をお聞かせ願いたい。
  144. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私どもといたしましては、先ほど、まあ一つの例でございますけれども監査等を何も厚生大臣にやってもらわなくても、本来募金管理会のこれは仕事でございますし、また事実そういうシタッフもおるわけでございますし、能力のある者もおるわけでございますので、一向厚生省のお世話になる必要はないということで、そういう覚え書きは別におことばでございますけれども郵政省としては本来あるべきものではないという考えで従来いたしたわけでございます。また、金額にいたしましても、すでに寄付金額の中に、そのほか配分団体がたくさんふえてまいりましたので、従来のように日赤、共募だけに実績を確保するということになってまいりますと、ほかの団体がそれだけ圧迫されるということに結果的になるわけでございます。そういうことで、ある程度比例的に考えていく必要があるのではなかろうか。実績は何も守らなくてもいいというぐあいに理解しておるわけでございます。したがって、覚え書きの内容は、それを守ったから国民のためになるものではないというように考えております。
  145. 森勝治

    ○森勝治君 ただ、私が言いたいのは、せっかく郵政省厚生省の中で意見の一致を見たわけですね、一たんは。一たんは意見の一致を見たからには、双方でこの申し合わせを履行する法的な義務があるだろうと思うのであります。それで、たとえば郵政省側に言わせれば所管の内容、たとえば監査等を厚生大臣がやられるのはいやだからということで、片一方は、そういうことは福祉団体に対するものだからおれの所管だという、ややもすると各省間におけるなわ張り争い的な問題がこの中に私は内蔵されておるような気がしてならぬので、それは国勢進展のために必ずしもよろしいことではありませんから、そういうことがないように願うために、私はあえて過去十年前の申し合わせの点をひとつ持ち出したわけであります。  そこで、たとえば郵政省の立場で言うならば、中央募金会や日赤等に対してあの当時の申し合わせば、従来の募金の実績を下回らないということであります。ところが、郵政省側で言わせれば、先ほども三点ですか、今回の法律改正とともに二点新しい団体寄付するということで次から次へとこの福祉対象になる、寄付対象になる団体がたくさんふえてきたので、必ずしもそういう両省の申し合わせというのは実態にそぐわないから、郵政省のそういう考え方も加わってそういう方法になったと、こういうように理解してよろしいわけですね。
  146. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) そのような御理解でいいのでございます。ただ、先ほど申しましたように、ずっと従来それを、四十二年まで守っておったというわけではございませんので、その点は御理解いただきたいと思います。
  147. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、守っておったなら私はこんな質問しないのです。両省できめておって両省で守らぬから、なぜ守れないものをきめたと、こう言いたいところです、私の言いたいのは。まあそれはいいでしょう。  次へ移ります。これを資金運用部に預託しなければならない理由というのは何ですか。これはもっと運用のしかたによっては、有利な方法があるのではないかと思うのですが、その点どうですか。
  148. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、この寄付金郵政大臣の管理いたします国庫金であるわけでございまして、郵政事業特別会計の中の保管金であるわけであります。それでいろいろと法律の規定がございまして、たとえば郵政事業特別会計法二十条には、「この会計に余裕金があるときは、資金運用部に預託することができる。」という規定がございますし、また、他のいろいろな規定等総合いたしました場合に、寄付金は他の現金と区別いたしまして、資金運用部に預託するということが、現行法律から見まして解釈上出てくるわけでございます。おそらく森委員の御趣旨は、もっと高い金利、たとえば銀行等に預託したらどうかという御意見だと思いますが、先ほど申しましたように国庫金の統一の原則に従いまして、これを国庫金である限り、利子を生ます限りにおきましては、資金運用部に預託いたしまして、そして利子を生ますというたてまえをとったわけでございます。
  149. 森勝治

    ○森勝治君 十一条を見ますと、「この法律に定めるもののほか、寄附金処理に関し必要な事項は、政令で定める。」こうありますが、「政令で定める」という、その具体的な事項というのは、内容はどういうものですか。
  150. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 従来旧法によりましても、現行法律によりましても、政令がございました。その政令の内容をそのまま踏襲するつもりでおります。たとえば寄附金つき郵便はがきの発行の手続、さらに団体の公募のし方、あるいは指定を受けるための申請の手続、そのほか団体の指定について等がこの政令の内容になっております。これを踏襲するつもりでおります。
  151. 森勝治

    ○森勝治君 四十二年度の配分内容はどうなっておりますか。
  152. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 四十二年度におきましては、日本赤十字社、日本水難救済会、日本心身障害児協会、中央共同募金会、鶴風会、癌研究会、南方同胞援護会、秋津療育園、済生会、広島原爆障害対策協議会、以上の団体に、総額におきまして四億九百万円配分いたしました。なお、非常災害といたしまして、二千五百万円を保留してございます。
  153. 森勝治

    ○森勝治君 それは、いずれも中央共同募金会配分されて、さらにそこから配分されているわけでしょう。
  154. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど中央共同募金会と申し上げましたのが中央共同募金会にまいるわけでございまして、ただいまあちこちの団体にいくというのはそのことだろうと思います。
  155. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、中央共同募金会配分をして、その中央共同募金会の立場で、今度はそれぞれの機関配分しておるわけでしょう。違いますか。
  156. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先ほど市川委員の御質問のときに出ましたけれども、一応計画をとるわけでございますが、結果的にはただいま御説明になったとおりになるわけでございます。
  157. 森勝治

    ○森勝治君 そういうことならば、この法律改正を機会として、郵政省が直接配分の衝に当たったらどうですか。
  158. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 御主旨のことは、ごもっともだと思いますので、私どもとしましては、さような線で進めてまいりたい所存でおります。
  159. 森勝治

    ○森勝治君 先ほども若干出ましたが、配分金使途監査ですね。今度はいま言ったように一元化をはかるということであるならば、そういう面についての簡素化も考えておくということになるならば、ことばを返しますと、ややもすれば監査がおろそかになるような気がしてならぬわけでございます。そうなれば、せっかく募金したものが、その使途の適正を欠くうらみも出てきやせんかというおそれもありますので、こういう点は、どうされようとしますか。
  160. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 仰せのとおり、監査は従来どおりやはり厳重にしなければならぬとは思います。ただ、いままでの実績を見ますと、十年間非違がなかったわけでございますので、全く従来と同じような実地監査を全部しなければいかぬかどうかにつきましては疑問を持っております。むしろ、私のほうの省の下部機構も各地にございますことですから、そういうところを通じまして簡単にやる。しかし、監査はあくまでこれを続けるというたてまえにいたしたいと思っております。
  161. 森勝治

    ○森勝治君 この寄付金つきのお年玉年賀はがきというものは、どうも国民寄付を強要するような傾きがあるという批判もあるわけでありますが、今後ともこの制度は持続するつもりですか。
  162. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 結論といたしまして、この制度を続けたいと思っております。ただ寄付の強要にわたらないように、つまり寄付金つきはがきの枚数と寄付金のつかないはがきの枚数、これの調整につきましては十分気をつけて従来もまいっておりますし、今後もそのようにしたいと思っております。
  163. 森勝治

    ○森勝治君 先ほども出ました、この管理会解散に伴う職員の受け入れば、役員はこれは前職は郵政省職員でしたか、役職員については。
  164. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 役員につきましては、四人現在おりますが、一人を除きまして、他の三人は郵政省出身でございます。
  165. 森勝治

    ○森勝治君 そうしますと、役員の人ですか、相当の年輩になっておるわけですから、役員の方はこの会が消滅したときに自然退職ということになりますね。
  166. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 一応さように考えております。
  167. 森勝治

    ○森勝治君 職員の方は郵政省に引き取るということでありますならば、身分その他の措置はどうされるのですか、文字どおり新規採用とされるのですか。たとえば、郵政省の所管と同じ業務の内容であるならば、かねて電電公社が、たとえば工事会社をマッカーサーの指令によって引き取った例がありますね。そういう前例にならって待遇その他を考えるということですか。
  168. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 本人希望にもちろんよりますが、本人希望するようでございましたら、省としましては、欠員等もあることでございますし、別にこれだけの方を引き取ったからどうこうということはございませんので、喜んで私どもとしては受け入れたいと考えております。そのときの条件でございますが、それぞれ前歴等をよく審査いたしまして、本人にとって一番有利な給与で、あるいは待遇で引き取りたいというふうに考えております。
  169. 森勝治

    ○森勝治君 これはやはり後々の一つのめど、基本になりますから、私はあえて四、五名だとおっしゃっているので、聞いておるわけですが、前歴を加算してということは、一般採用の例にならうのですか。いま私が申し上げた電電公社の故知にならってそうされるのか、その点は非常に将来の問題になります、外郭団体の問題は。ですから、どうされるのか、その点も省側考え方を明らかにしていただきたい。
  170. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) できるだけ他の例等を勘案いたしまして、本人にとって有利な採用方法を考えたいと思います。
  171. 森勝治

    ○森勝治君 本人にとって有利なということですから、あとは言わずもがなでありますので、私はこれ以上のことは申しません。  そこで、現在までの寄付金総額というのは一体幾らになるのですか。
  172. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 総額といたしまして、四十二年度まで九十九億九千四百万円でございます。
  173. 森勝治

    ○森勝治君 九十九億九千余万円についての使途、それから社会的の使命の達成、これはまさに百億になんなんとする巨額でありますけれども、これについて郵政省として、これは当然反省もおありだろうと思うのでありまして、これは、この種の業種については、反省がひとつもなくてよいことづくめであったでしょうか。多少の手違いやその他はおありでなかったでしょうか。
  174. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 過去におきましては、配分いたしました団体並びに金額決定は、先ほども大臣から説明ございましたように、郵政審議会等の議も経ておりますし、いろいろそういうところで当然反省すべき点あるいは検討すべき点は検討しておりまして、いままでにおきまして私どもこうあるべきでなかったというような悔いるような点はございません。ただ先ほども西村委員の御質問のときお答えいたしましたが、癌研究会並びに日赤におきまして計画を途中で挫折したというような例はございました。これは寄付金を返還いたさせましたが、そういう場合に、もっとよくそれぞれにつきまして計画を聞いておけばよかったというような反省は持っております。
  175. 久保等

    委員長久保等君) 他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度といたします。  次回は、五月二十一日、火曜日午前十時開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会      —————・—————