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参考人(
大野勝三君)
通信室の作業環境なり機械の保守、保全等のために理想的なスペースをとるということになりますと、現在の事務室は天井がやや低いという御指摘がありました点は、それはある程度事実でございますが、その不便を、不便と申しますか、その不利な点を
整備するといいますか、補いをつけるために、むしろ少し空間をとり、空間をとった作業室なり、
通信室あるいは機械室をつくるということになりますと、単に機械的に紙の上で計算した所要スペースよりもはるかによけいなスペースが必要になってくる。そういうような
関係で、これはどうしても他に事務部門がどこかに出ていくほかはないというふうな結論になったわけでございます。機械室なり
通信室を別につくったらどうかということになりますと、私はこれは現在の
東京中央局に関する限りにおきましては、国内ネットワークの関連から申しましても、なかなかこれを他に移すということは、いろいろ技術的にも不利な条件が出てまいりますので、好ましくありません。どうしても
通信室なり、機械室としては、現在の局舎をできる限り十分に活用するように考えることがよろしい。これに反して事務部内は、いわばどこへいってもいいというのは言い過ぎでありますけれ
ども、事務上支障のない限りは、これは何もぜひ局舎内にいる必要はないというようなことで、本社部門の移転という問題が出てきたわけでございます。ところで、そういうふうに現在の
東京局舎が非常に狭くなったというのは、自分でよけいな施設をそこへ集中するからではないかという御趣旨の御指摘があったわけでありますが、これはもちろんそういうふうな御批判ごもっともの点もあると思いますけれ
ども、
東京、
大阪、現在両関門局をもって
運営いたしております弊社の事業につきまして、これから
大阪の局舎を廃止するということは実は考えておりません。
大阪の局舎もできる限り、これも実は現状はもうスペースが非常に余裕がございませんで、むしろ手狭を感じておるのでございますけれ
ども、
大阪の局舎はもちろんこれを極力活用していく、そうして将来におきましても、いろいろ広帯域の幹線が普及してまいりましても、短波
回線等はまだまだいろいろ活用しなければならぬ面もございますし、関西方面には、現にごく最近に上野にリモートコントロールによる送信所をつくり、河内の送信所もまだ当分これを活用していかなければならないし、小野の受信所は、これは全然これを縮小するとか廃止するということは考えられない状態で、将来とも活用していく。これはすべて
大阪に直結しておる
送受信所でございますから、こういうものもあり、また
大阪には相当の現在主要な
サービスのテレックスとか
電話等につきましては、
大阪方面の
需要は三割程度、
東京方面が七割程度というような比重の差はございますけれ
ども、やっぱりあるわけでございますから、そういう利用者に対する
サービス面としても、
大阪局舎は重要な役割りをになっていかなければなりません。かれこれ考えまして、
大阪局舎、
東京局舎両方を活用するという既定の方針には変わりはございません。ただ、先ほど申し上げましたテレックスの自動
交換あるいは
電報の
中継の
機械化、こういう二つの大きな問題につきましては、技術的にこういう
広帯域幹線が発達してまいりますと、たばの大きいまとまった
回線を一カ所に集中して、これを機械的に、自動的に処理していくということが、最も能率的に
サービスを行なう、最も迅速に、最も誤りなく
サービスを提供する上において必要な措置であると考えまして、この面につきましては、その
機械化の方針を進めてくということにし、それぞれ必要な
説明を
労働組合等にもいたしてまいってきておるわけであります。
なお、もうちょっと申しますと、テレックスの自動
交換をやると、
自動化という問題につきましては、これは
東京、
大阪両方でやっぱりテレックスは扱うのでございまして、とりあえず
東京のほうで扱います、つまり
東京の加入者であるテレックスの加入者及び直接広帯域の幹線
ケーブルとか
衛星につながるテレックスの加入者の方々、こういう方々の
サービスは、これを自動的にいたしまして、つまりお客さまのテレックスの機械でキーボードを押して直接、国内の
電話の自動
交換の場合と似たようなものでございますが、直接ロンドンでもモントリオールでもニューヨークでも呼べるようにしようというのでございますが、
大阪のほうのテレックスは、当分はこれは現状のとおりであります。
東京のテレックスをそういうふうにしようという
計画になっております。そういうわけでありますから、当分はテレックスにつきましては、
自動化されたテレックスと依然として手動待時式のテレックスと二つの
システムが並列して
運用されていくと、こういうことになるわけであります。ただ、
電報中継の
機械化の問題につきましては、これは大型の電子計算機の発達等によりまして、むしろ諸外国のやっておる実例等にかんがみまして、これまた
電報サービスを向上いたしますためには、この大型電子計算機を使用しまして——
電報の
中継と申しますと、これは実は局内の作業でございます。御
承知のように、ちょっとここで御
説明——まあ御案内のとおりでちょっとくどくなりますけれ
ども、
電報は発信の場合には、受付の場合に、受付
電報のあて名なり、あるいは
内容なりをテープにタイプで打ちまして、そのテープに打った場合には、通過番号その他をつけまして、そうしてこれを従来ですと国内作業席と申しますか国内通知席と申しますか、そういうところに来たものを気送管あるいはその他の
方式で国外のほうの外国
通信席に持っていく、それだけの作業を現在気送管とか人手その他によってやられておりますけれ
ども、ここのところを電子式に
自動化していこう、それだけのものでございますが、それだけのものではありますけれ
ども、それによって非常に局内経過の時間が短縮され、あるいは誤謬の起こる可能性もうんと少なくなり、つまりスピーディーに正確に
通信が送られるというところに非常に強みがあるわけでありまして、そういうその部分を
機械化しようというのであります。そういうわけであります。これは無理をしてそういうことをしているというおしかりがあれば、そういう見方もあるかと思うのでありますけれ
ども、私
どもはやっぱりよりよき
サービスを提供するという
立場からは、それが最も望ましい
方式であると考えて、その方針をきめて現在進めておるわけでございます。