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1968-03-29 第58回国会 参議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月二十九日(金曜日)    午前十時四十八分開会     —————————————    委員異動  三月十五日     辞任         補欠選任      伊藤 五郎君     森田 タマ君  三月二十八日     辞任         補欠選任      船田  譲君     奥村 悦造君  三月二十九日     辞任         補欠選任      高橋文五郎君     菅野 儀作君      仲原 善一君     佐藤  隆君      奥村 悦造君     船田  譲君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長          津島 文治君    理 事                 船田  譲君                 吉武 恵市君                 鈴木  壽君                 原田  立君   委 員                 小柳 牧衞君                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 林田悠紀夫君                 八木 一郎君                 占部 秀男君                 松澤 兼人君    衆議院議員        修正案提出者   大石 八治君    政府委員        自治政務次官   細田 吉藏君        自治省税務局長  松島 五郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君    説明員       自治省税務局府       県税課長      森岡  敞君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○地方税法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 津島文治

    委員長津島文治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、奥村悦造君、高橋文五郎君、仲原善一君が辞任され、船田譲君、菅野儀作君、佐藤隆君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 津島文治

    委員長津島文治君) 理事補欠互選についておはかりいたします。  三月二十八日の委員異動に伴い、理事が欠員を生じましたので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選方法は省略いたしまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、さように取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 津島文治

    委員長津島文治君) 御異議ないと認めます。  それでは、委員長から、船田譲君を理事に指名いたします。     —————————————
  5. 津島文治

    委員長津島文治君) 地方税法の一部を改正する法律案議題といたします。  本法律案衆議院において修正議決されておりますので、衆議院修正部分について説明をお願いいたします。衆議院議員大石八治君。
  6. 大石八治

    衆議院議員大石八治君) ただいま議題に供せられております地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、衆議院における修正趣旨及び内容を御説明申し上げます。  修正の第一は、市町村固定資産税税率に関し、自治大臣届け出を要する場合について、政府原案に定めるものよりも、その届け出を要する場合をさらに限定することとし、その運用について一そうの慎重を期することとするものであります。  この点は、一・七の税率をこえる場合に自治大臣届け出を要することになっておりますが、その場合の届け出を要するものは、その市町村で一の納税者がその市町村固定資産税総額の三分の二をこえる市町村に限定をしておりましたが、さらにその点を制約いたしたいという考え方でございます。  第二は、国民健康保険税の仮徴収につきましては、前年度の国民健康保険税の額を当該年度納期の数で除して得たその額、つまり平均額範囲内で徴収することとなっておりました従来の制度に加えて、前年度の国民健康保険税の額のうち最後の納期にかかる額の範囲内で徴収することもできるようにいたしまして、納税者負担の変動の緩和と市町村事務処理簡素化をはかろうとするものであります。  以上が衆議院で行なわれました修正趣旨及び内容の概要であります。  何とぞ御賛成を賜りますよう御願いをいたします。
  7. 津島文治

    委員長津島文治君) 次に、補足説明を願います。松島税務局長
  8. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 補足説明を申し上げます。  お手元にお配りいたしてございます「地方税法の一部を改正する法律案関係資料」中、新旧対照表によって御説明をさしていただきます。  新旧対照表の五ページでございますが、第十五条の四の二の改正規定でございます。第十五条の四の二の改正規定は、税制調査会簡素化部会の答申に基づきまして、税制簡素化見地から、分割法人にかかります住民税事業税につきまして、修正申告等が行なわれました場合、その税額が僅少のものでありますときは、次の納期に合わせて、納付することができるものといたしまして、その間、徴収猶与することができるという規定でございます。  次は一〇ページでございます。第二十条の四の二の改正規定は、端数計算簡素化に関するものでございます。従来、地方税計算をいたします場合に、課税標準額に百円未満端数またはその全額が百円未満でありますときは、これを切り捨てることといたしておりましたが、今回、税制簡素化見地から、課税標準端数を千円未満またはその全額が千円未満であるときに、すべてこれを切り捨てることといたしたいというものでございます。  また、第四項の改正は、滞納処分費確定金額につきまして、同じように百円未満端数またはその全額が百円未満であるときは切り捨てるというものでございます。  第五項は、延滞金過少申告加算金等各種加算金につきまして、百円未満端数があるときまたはその全額が五百円未満であるときはこれを切り捨てることといたそうとするものでございます。  次は一三ページでございますが、二十三条の改正規定でございます。二十三条の改正規定は、法人に支払われました割引債償還差益につきましての源泉徴収所得税額法人税割り額課税標準に含めるという規定でございます。法人税では、この源泉徴収されました所得税控除したものをもって法人税といたしておりますが、住民税課税標準といたします場合には、この額を加えたものをもって法人税割りの算定をいたそうとする改正でございます。  次は一四ページの第二十三条第七号の改正規定でございます。この改正規定は、控除対象配偶者範囲を拡大しようとするものでございます。従来、控除対象配偶者でありますための要件は、前年中の合計所得金額が五万円以下であることが必要でございましたが、今回の改正で、自己の勤労に基づいて得た給与所得事業所得退職所得雑所得につきましては、その金額が十万円以下である場合には、控除対象配偶者として控除対象にしようとするものでございます。  次は一六ページの第二十三条第八号の改正規定でございます。この改正規定は、扶養親族範囲児童福祉法規定に基づきまして里子を加えようとするものでございます。  次は一九ページ、第二十四条の五第三号の改正規定は、障害者未成年者老年者または寡婦につきましては、従来その前年中の所得金額が二十六万円以下であります場合には住民税非課税とされておりましたものを、この所得限度額を二十八万円まで引き上げようとするものでございます。  次は二三ページから二四ページにかけまして、第三十二条第三項の改正をいたしておりますが、この改正は、青色専従者控除額限度額を、現行の十二万円から十七万円に引き上げようとするものでございます。  次は二五ページから二六ページへかけてでございますが、第三十二条第四項の改正でございます。この改正は、青色申告者専従者控除引き上げと対応いたしまして、白色申告にかかります専従者控除につきましても、従来の八万円から十一万円に引き上げようとするものでございます。  次は二七ページの第三十四条第四号の改正規定でございます。この改正は、小規模企業共済法第二条の三の規定に基づきまして、いわゆる第一種共済契約に基づきます掛け金を所得控除対象にしようとするものでございます。  次は、第三十四条五号の改正規定は、生命保険料控除限度額を、現行最高限度二万二千五百円を二万五千円まで引き上げようとするものでございます。  次は二九ページの第三十四条第六号、第七号、第八号、第九号の改正規定は、障害者控除老年者控除寡婦控除及び勤労学生控除につきまして控除額を、現行五万円を六万円に引き上げるというものでございます。なお、身体障害者につきましては、その障害の程度が重度の障害であります場合には、現行の五万円を八万円まで引き上げることができるものといたしております。  第三十四条の第十号は、配偶者控除引き上げでございまして、現行八万円の控除額を九万円に引き上げようとするものでございます。  次は三〇ページにまいりまして、第三十四条第十一号の改正規定は、扶養控除の額を、現行四万円を五万円に引き上げようとするものでございます。  第三十四条第二項の改正規定は、基礎控除の額を、現行十万円を十一万円に引き上げようとするものでございます。また、第三項の改正規定は、扶養親族を有する所得割り納税義務者控除対象配偶者がない場合には、その扶養親族のうち第一人目の者につきましては、現行七万円を八万円控除することにいたそうとするものでございます。  次は六七ページ、第七十二条の十八の改正規定は、事業税に関する改正でございまして、専従者控除控除限度額を、先ほど説明申し上げました住民税と対応いたしまして、青色申告者につきましては、現行十二万円を十七万円に、白色申告者につきましては、現行八万円を十一万円に引き上げようとする改正規定でございます。  次は七六ページの七十二条の四十六第三項の改正規定は、不申告加算金計算方法について明確化をはかったものでございまして、従来、不申告加算金につきましては、百分の十となっておりますが、一定の場合にはその額から百分の五を控除したものによるものとされておりますが、端数計算問題等をも勘案いたしまして、最初から百分の十から百分の五を引いた百分の五でもって計算することといたしたものでございまして、以下、同様の規定が各税目にわたって改正をされております。  次は八九ページ、第七十三条の二、不動産取得税改正規定でございます。この改正は、年金福祉事業団あるいは住宅金融公庫から資金の貸し付けを受けまして、その事業主等がその従業員等に住宅を譲渡する場合に、その事業主等取得しましたときから六カ月以内に譲渡が行なわれます場合には、中間に入ります事業主に対しましては不動産取得税を課さないこととする改正でございます。  次は九一ページ、七十三条の四第十六号の改正規定は、産炭地域振興事業団産炭地域振興事業団法規定によりまして工業用水道を設置いたしました場合、その取得する不動産につきまして非課税としようとするものでございます。  次は九二ページの第七十三条の十四第五項の改正規定は、事業協同組合等公害防止事業団から譲渡を受ける公害防止施設につきまして融資相当額控除するという課税標準特例を設けようとするものでございます。  次は九八ページの百十四条の五の改正規定でございますが、旅館における飲食その他の利用行為につきましては、飲食店、喫茶店その他これに類する場所における飲食及びその他の利用行為と見なしまして、六百円の免税点適用があることとなっております。ただし、この規定につきましては、宿泊に伴う飲食は除くと規定されておりますことから、宿泊に伴う一切の飲食が除かれるのか、あるいは宿泊について別途、御承知のとおり、一泊について千二百円の免税点が定められておりますけれども、その免税点対象となる部分だけが除かれるのかについて疑義がございましたので、今回この点を明確にいたしますために、宿泊についての免税点の定めのある飲食にかかる分を除くものであることを明確にいたしますとともに、一泊二食以外の宿泊にかかる旅館における飲食につきましては、一泊ごと合計をしたものをもって六百円以下であるかどうかによって免税点規定適用がある、こういうことを明確にいたしたものでございます。  一〇一ページ、二百九十二条以下は、市町村民税改正規定でございますが、市町村民税改正内容は、県民税について申し上げたと全く同じでございますので、省略をさしていただきます。  次は一四八ページ、三百四十八条第二項二の三号の改正規定は、産炭地域振興事業団が設置いたします工業用水道の家屋及び償却資産について、非課税措置を講じようとするものでございます。  次は一五二ページの三百五十条第二項及び第三項の改正規定は、一の納税義務者が所有する固定資産に対して課すべき固定資産税課税標準の額がその市町村固定資産税課税標準の全体の三分の二をこえる場合におきまして、百分の一・七の税率でもって課税いたそうとする場合には、あらかじめ自治大臣届け出を求めることといたしております。なお、この場合におきまして、自治大臣は百分の一・七、その届け出にかかる税率との間で調整をして税率を定めるよう指示することができるという規定を設けようとするものでございます。  次は一五三ページの四百四十五条の二の改正規定は、軽自動車税につきまして、原動機付自転車等小型のものにつきましては、現在行なわれております月割り課税制度は廃止しようとするものでございます。次は一五四ページの四百八十九条の改正規定は、電気ガス税非課税品目に、天然の石こう、金属マンガン二酸化マンガン溶接フラックス、クロロプレン、再生ゴム木材チップを新たに加えようとするものでございます。なお、第二項の改正規定は、新製品として三年間の非課税規定適用を受けるものといたしまして、新たに無水フタル酸を加えようとする改正でございます。  次の一五七ページ、四百九十条の二の改正規定は、電気ガス税のうち、ガスにかかる免税点を七百円から八百円に引き上げようとするものでございます。  次、一六三ページ以下、新設を予定しております自動車取得税改正規定でございます。  まず、六百九十九条は、道府県市町村に対し道路に関する費用に充てる財源を交付するため、並びに、道府県みずからの道路に関する費用に充てるため、自動車取得税を創設するものとするという規定でございます。  次の六百九十九条の二の規定は、自動車取得税納税義務者等についての規定でございまして、自動車取得税は、自動車取得に対しまして、その自動車の主たる定置場所在道府県において、自動車取得者課税をするものといたしております。ここに「自動車の主たる定置場」とありますのは、道路運送車両法登録事項とされております自動車の「使用の本拠の位置」ということばに相当するものと考えております。  第二項は、自動車とは何かということについての規定と、自動車取得のうち特殊の取得を除くという規定でございまして、まず、自動車といたしましては、道路運送車両法規定する自動車をいうものといたしておりますが、大型特殊自動車小型特殊自動車及び二輪の自動車を除くものといたしております。また、自動車取得のうちからは、自動車製造業者製造による取得、あるいは自動車販売業者販売のための自動車取得、いわば主として商品としての取得というものを課税対象である自動車取得から除くことといたしております。  六百九十九条の三の規定は、みなす課税についての規定でございます。先ほど申し上げましたように、自動車取得税は、自動車取得に対して課税することを原則といたしておりますけれども、一定の場合には、自動車取得行為にかえまして、一定要件にかかる行為取得とみなして課税いたすことといたしております。その第一は、所有権留保付自動車販売があった場合でございます。この場合には、自動車所有権買い主移転をしませんので、その場合には買い主にまず課税をするという規定でございます。第二項は、その割賦販売等によって自動車所有権が留保されている段階で買い主の変更がありました場合には、新たなる買い主売買契約の締結を取得とみなして課税するというものでございます。第三項は、自動車販売業者自動車製造業者等取得につきましては、先ほども申し上げましたように、課税対象から除外をしておりますけれども、その販売業者等がみずからその車を使ったというような場合には、みずから運行の用に供したことを取得とみなして課税をすることといたしております。また、第四項は、外国から自動車を持ち帰ったというような場合には、国内に自動車を持ち込んで運行の用に供したときに取得があったものとして課税をいたすことといたしております。  第六百九十九条の四は、自動車取得税非課税規定でございまして、原則的には国、地方公共団体に対しては課税をしないことといたしておりますけれども、公営企業の一部については、政令で定めるところによって課税ができることとされております。また、相続、法人合併等によりますいわゆる形式的な所有権取得に対しましては、課税をいたさないことといたしております。それから第三には、先ほども申し上げましたように、所有権留保付自動車売買が行なわれました場合には、所有権移転しなくても買い主課税をいたすことにいたしておりますので、たとえば割賦が全部済んだということで所有権買い主移転したというような場合には、あらためて買い主課税をしないということにいたしております。  次は六百九十九条の七——一七五ページでございます。自動車取得税課税標準は、自動車取得価額といたしております。ただ、無償で自動車取得した、あるいは自動車を譲り渡した者が親族その他自動車の譲り受けをした者と特殊な関係があるために著しい低い価額譲渡が行なわれたというような場合、あるいは代物弁済として自動車取得したというような場合、そういった特殊の場合には取得価額によるということは税負担の均衡上適切でございませんので、その場合には、通常の取引価額によるものといたしております。  一七六ページ、六百九十九条の八は、自動車取得税税率規定でございまして、税率は百分の三といたしております。この税率はいわゆる標準税率とは異なりまして、一定税率として定められたものでございますので、都道府県によってこの税率を変えるということはできないものといたしております。  一七七ページの六百九十九条の九は、自動車取得税免税点規定でございまして、免税点は十万円と定めております。  同じく一七七ページの六百九十九条の十、六百九十九条の十一は、自動車取得税徴収税徴収についての規定でございます。自動車取得税申告納付方法によるものといたしております。その申告納税すべき時期は、一般には新しい自動車、いわゆる新車につきましては、道路運送車両法第七条の規定による登録、または道路運送車両法第九十七条の三の規定による軽自動車使用届け出がされますものにつきましては、この登録または届け出のときに申告納税をしていただくことといたしております。一たん登録のありました自動車につきまして所有権移転がございました場合には、いわゆる移転登録をすることとされておりますけれども、その場合には、移転登録をすべき事由の生じた日から十五日以内に申告納税をしていただくことといたしております。それ以外の場合につきまして——なおいろいろの場合がございますが、それ以外の場合につきましては、原則といたしましてそういう事実のあった日から十五日以内に申告納税をしていただくことといたしております。なお、それ以外の場合というのはどんな場合があるかと申しますと、販売業者中古車取得をいたしまして、その中古車割賦販売でもって取得した場合、あるいは中古車である軽自動車取得した場合、こういった場合には、いわゆる道路運送車両法による登録がありませんので、その場合には、そういう事由が生じた日から原則として十五日以内に申告納税をしていただく、こういうことにいたしております。  次は一八一ページの自動車取得税納付方法でございますが、先ほど申し上げましたように、自動車取得税につきましては、申告納税制度をとっておりますので、納税に際しましては、申告書府県が発行する証紙を張って納付をしていただくことを原則としております。  二一八ページ、六百九十九条の三十二の規定は、自動車取得税市町村に対する交付に関する規定でございます。先ほども申し上げましたように、自動車取得税を新設いたします一つの大きな目的として、市町村に対する道路財源の付与という問題がございまするので、道府県税として徴収をいたします自動車取得税額のうち、相当部分市町村に交付することといたしております。すなわち、自動車取得税額に相当する額に政令で定める率を乗じた額、これは徴収費相当額控除するという考え方でございまして、ただいまのところ、九五%と予定をいたしております。すなわち、収入されました自動車取得税額の九五%につきまして、その七割を、当該府県内の市町村に対しまして、市町村道路市町村道延長及び面積に案分して交付することといたしております。なお、大阪市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、北九州市というようないわゆる指定市におきましては、その市の区域内の国道、府県道の管理をいたしておりますので、道府県分として残されました三割をさらに、道府県が管理いたします道路面積及び延長と、その指定市が管理します道路面積及び延長割合でもって再案分いたすことといたしております。なお、いま申し上げました道路延長及び面積につきましては、自治省令で定めるところによりまして、道路の種類、幅員による道路の種別その他の事情を考慮して補正をすることができることといたしております。  二二〇ページの六百九十九条の三十三の規定は、自動車取得税の使途についての規定でございまして、いま申し上げましたように、道府県徴収しました税額あるいは市町村に交付されました税額につきましては、道路に関する費用として使用しなければならないという旨を規定いたしまして、目的税であることを明確にいたしたものでございます。  次は二二七ページ、第七百三条の三第二項の改正規定は、国民健康保険税標準課税総額割合についての改正規定でございまして、国民健康保険につきましては一七割給付が完全実施になりましたことと関連いたしまして財源率が変わってまいりましたので、それに即応いたしまして、財源計算方法を改めようとするものでございます。  次は二三三ページ、附則第六十九項、第七十項の改正規定は、所得税におきます配当所得に対します源泉分離選択制度延長されたことに伴いまして、県民税及び市町村民税につきまして、配当所得総合課税延長をあわせてしようとするものでございます。  次は二三四ページ、附則第七十一項及び附則第七十二項の改正規定は、肉用牛販売所得につきまして、住民税免税規定を設けようとするものでございます。七十一項は道府県民税について、七十二項は市町村民税についての規定でございます。  二三六ページ、附則第七十三項の改正規定は、石炭鉱業合理化事業団が所有します貸付け機械につきまして、固定資産税課税標準特例規定を設けようとするものでございます。  二三八ページ、附則第七十四項は、配電用特定地中電線路につきまして、課税標準特例規定を設けようとするものでございます。  二三九ページの附則第七十九項は、贈与により取得いたしました農地あるいは採草放牧地についての不動産取得税課税延期の特例規定につきまして、その期限が満了いたしますので、さらにその規定延長をいたそうとするものでございます。  なお、前に返りまして恐縮でございますが、二三〇ページの附則第十一項の改正規定は、昭和四十三年度分のたばこ消費税についての特例を設けたものでございまして、国では本年五月からたばこの小売り価格の改定を予定をいたしておりますが、地方のたばこ消費税は、御承知のとおり、前年の売り上げ実績を基礎にいたしまして、一本当たりの単価を出しまして、そして当該年度中に売り渡しました本数を乗じて課税標準を算定することといたしております。そこで、たばこ小売り価格の改定が行なわれましても、一本当たりの単価は前年度のものを用いますので、たばこ消費税には直ちには本年度に反映いたしません。しかし、売り渡し本数は本年、その年度の分を用いますので、小売り価格の改定によって消費量の減少が見込まれますことから、たばこ消費税の減収になるおそれがございます。そこで、減収を生じないように、製造たばこの売り渡し本数につきまして、政令で定める率でもって補正をいたそうというのが、この附則第十一項の改正規定でございます。  以上でございます。
  9. 津島文治

    委員長津島文治君) 御質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。
  10. 鈴木壽

    鈴木壽君 具体的な質疑になる前に、資料をひとつお願いしておきたいと思います。質疑の過程でということも考えていますけれども、時間の関係もありますし、前もって要求しておいて、もし、いま申し上げるももの中で用意されておるものがあったら、すぐ出していただきたいと思いますし、これから用意するものについては、ひとつ急いでお願いをしたいと、こう思います。  四十一年度、二年度、三年度における所得段階別、家族の構成別によった所得税額、住民税額の比較の表、たとえば所得段階別というのは、十万円あるいは三十万円、五十万円というような、そういう段階で刻んでけっこうであります。家族の構成別というのは、独身の場合、夫婦の場合、あるいは子供何人というような、そういうような場合、もちろん、いわゆる標準世帯のものも入れていただきたい。  それから次は、生活保護の扶助費でありますが、これはあなた方の直接の担当のじゃございませんけれども、これの四十一年度、二年度、三年度——三年度は見込みになると思いますけれども、そういう扶助のそれと住民税課税最低限の比較ができるような表をひとつお願いしたい。特に、この場合に、生活扶助の扶助費については、東京とかいうところがかなり高いようでありますが、そういう東京あたりの例もひとつあわせてやっていただきたい。  三つ目、四十二年度、四十三年度における租税特別措置の地方税へのはね返りの状況を税目別あるいは事項別にひとつ数字であらわしてほしい。で、法の改正等で今回も行なわれているようでありますが、そういうもので増減があったら、それがわかるようにしてもらいたい。  それから第四番目は、電気ガス税についてでありますが、非課税の取り扱いのために減収になっている額、それを四十一年度からひとつめんどうでも並べてほしい。  それから住民税の減税に関連してでありますが、物価上昇に伴ういわゆる調整減税というものが所得税の場合でも言われておるのであります。住民税の場合でも、それが試算が可能だと思うのですが、それを今度の四十三年度の改正されるそれについて、所要額をはじき出してみてもらいたい。  それから四十一年度から四十三年度まででよろしゅうございます、四十三年度は見込みになると思いますが、所得税住民税納税義務者を比較できるようにしてもらいたいと思います。住民税の場合は、均等割りの場合、それから所得割りの場合、この二つに分けてひとつお示しいただきたい。  それから、これは直接あなたのほうの担当ではないと思いますが、しかし、今度の自動車取得税等のことでぜひとも知りたいと思いますので、建設省あたりとしかるべく連絡をとってお願いしたいのですが、第五次道路整備五カ年計画の全体計画と、それから四十二年度、できておりましたら四十三年度の計画、それと、ほしいのは国、地方の負担状況であります。したがいまして、地方の場合には、府県段階でどのくらいの負担をすることになるのか、市町村でどのくらいの負担をすることになるのか、こういうものをひとつ。  それからいま一つは、四十二年度——もう道路整備計画の第一年度になっているわけでありますが、四十二年度と、それから今度新しい四十三年度の、これは前の表から出てくるかどうかわかりませんが、道路整備事業費の地方負担額が出てくると思うのですが、それの財源内訳が四十二年度ではどういうふうに行なわれ、四十三年度ではどういうふうに見込まれておるのか。この中には、交付税の算定に入っている、そういうものも含めていただいてけっこうですが、そういうのをひとつお願いしたいと思います。  以上、これは八つお願いしましたが、さっき申しましたように、これからお尋ねをする途中で申し上げてもいいのですけれども、時間の関係もありますから、できれば、質疑で取り上げる問題も出てくると思います、そういう意味であらかじめひとつお願いをしておきます。
  11. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) ただいま御指摘のございました資料につきましては、私どもあらかじめデータとしてそれぞれ持っておるものもございますので、できるだけそれを御要求のありました点に整理をいたしまして、できるだけ早く提出をいたしたいと思います。  一から六まではすぐできると思いますが、七、八につきましては、ちょっと関係省との若干打ち合わせが要りますので、あるいは明日まで待っていただかなければならぬかもわかりませんが、御了承をいただきたいと思います。
  12. 鈴木壽

    鈴木壽君 住民税の減税の問題でありますが、今度課税最低限の引き上げをやって、ほぼ十万円の引き上げが行なわれて、それに伴う減税が七百億程度、こういうふうに言われております。減税については、前々から問題になっておりまして、特に昨年の国会で住民税の減税については、衆議院段階で数字をあげてのきつい附帯決議が行なわれておるという事情もありまして、そういう線に沿っておやりになったことだと思うのですが、この場合、この中には、四十二年度の所得税改正によって、給与所得控除引き上げが行なわれ、それがいわば自動的にこちらの住民税のほうへ移って、そのためのいわゆる減税というものがあると思うのですが、あなた方の出しておられる資料からしますと、その額が大体三百十億円ぐらいだと思うのですが、そのように理解してよろしゅうございますね。
  13. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおりでございます。
  14. 鈴木壽

    鈴木壽君 課税最低限の引き上げでおよそ六百二十億円程度というふうに数字が出ておるのでありますから、そのうちの半分三百十億円というものは所得税改正、具体的に言うと、いま言ったように、給与所得控除引き上げによってできたものであり、住民税としてのいわゆる減税というものは、残りの三百十億円プラスその他のいろいろな控除関係から出てきた、そういうふうなものだと思うんですが、そう考えることは間違いでないと思いますが、いかがですか。
  15. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 住民税の減税によります減収の内訳を申し上げますと給与所得控除引き上げ分が三百十億円、御指摘のとおりでございます。基礎控除配偶者控除扶養控除引き上げによります減収が三百十億円、それから障害者控除寡婦控除等の引き上げが八億円、生命保険料控除引き上げによります減収が十億円、専従者控除引き上げによります減収が五十六億円、その他障害者等の非課税範囲の拡大に伴います減収が十三億円ということでございます。
  16. 鈴木壽

    鈴木壽君 これはさっき私、資料もお願いしてありますが、減税を考える場合に、物価調整額というものをよく言われるのですが、そういうものはどの程度あるというふうに見て、したがって、実質的な減税というものをどの程度の額というふうにごらんになっておりますか。
  17. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 物価調整減税とよく言われますものについての考え方がいろいろあるようでございますが、そのうち、代表的なものとして二つのものがあげられると思います。一つは、物価の上昇分だけ課税最低限を全体として引き上げるべきである、こういう見解のものでございます。物価の上昇分だけ課税最低限を引き上げるとすれば、どの程度の減税をしなければならないかということを住民税について試算をいたしますと、所要額百六十六億円ということになります。  なお、もう一つの方式といたしまして、通常、税制調査会方式と私たち呼んでおりますけれども、所得税と同じく住民税につきましては、税率が累進構造をとっておりますために、所得増加の中に含まれます名目的な物価上昇に伴います所得の増加、それについても累進税率が働くということによって税負担が実質的に重くなっていくという場合がございます。その部分は調整をすべきである、こういう考え方に立ちまして計算をいたしますと、所要額は二百八億円ということになるものと見込んでおります。
  18. 鈴木壽

    鈴木壽君 減税を考える場合に、やはり物価上昇に伴ってのいわゆる調整というものを当然考えなければならぬと思いますが、しかし、あなた方の今回の減税そのものの中には、そういうものを考慮に入れたというふうには見えないのでございますが、いかがですか、その点は。
  19. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 私どもといたしましては、こういうものを考慮に入れた上で、さらにそれを上回って減税を実施しているというふうに考えております。
  20. 鈴木壽

    鈴木壽君 とにかく住民税が高いということは、これはだれでもそういうふうに言いますし、事実、納税者の側で非常に不満の声があるわけなんであります。したがって、今回の減税、いまお聞きしたようなことは一応抜きにしましても、とにかく課税最低限が十万円も引き上げられたというようなこと、これは一つの大きな前進だと思うのでありますが、さて、この住民税が高いということ、あるいは、したがって減税をしなければならぬというようなことに対して、自治省は一体どういう態度なのか、今後一体どうなのか。いままで住民税の問題、しょっちゅう問題になりながら、遅々として減税が進まなかったのでありますが、今回のこの改正によって減税がなされた、これであといいのだというふうにお考えになっているのか。国の税の所得税のほうでは、課税最低限のそれを大体百万円と見て、そうして、それを年次的にそれに持っていこうということで、年々減税をやっているわけなんですね。こういうことと関連して、住民税の減税というものを一体どう考えているのか、こういうことについてひとつお聞きしたいと思うのです。
  21. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 住民税が重いと言われますことは、私どももしばしば承っているところでございます。で、住民税が高いと言われますには、私は二つの原因があるのではないか。もっとも、根本的にはその税負担自体が重いということもございますが、一つは、所得税との比較において、所得税のかからない人も住民税がかかる、だから非常に重いという感じを持たれるということが一つあるのではないかというふうに考えられます。これは御指摘のとおりに、課税最低限が住民税所得税とで違っておりますために起こるわけでございます。そこで、所得税課税最低限を年年計画的に引き上げていくということに対応して、住民税課税最低限をどうすべきかという問題が起こってくるわけでございます。しかし、所得税住民税との性格を考えてまいりますと、所得税は御承知のとおり、所得再分配というような機能を非常に強く持っておる税金でございます。しかし、住民税のほうは、地域社会の費用を住民が広く負担をし合っていくという性格を持っております。したがいまして、課税最低限というものも、そういう税の性格に応じて差があっていいのではないかというふうに考えられるのでございまして、税制調査会の長期税制のあり方についての中間答申においても、そういう考え方が述べられているところであります。ただ、しかし、それでは、住民税課税最低限は幾らであってもいいのかということになりますと、これはまた別の問題でございまして、所得税課税最低限の引き上げが行なわれていかなければならないという社会的な背景と申しますか、そういうものにつきましては、やはり住民税についても十分考えながら課税最低限の引き上げというものにつとめていかなければならないと考えております。  住民税が重いと言われますもう一つの点は、これは実質負担の重いというよりも、徴税方法の面から来る問題が多分にあるように見受けられます。御承知のとおり、所得税は月々の給与から源泉徴収をいたしますが、住民税の場合には十カ月で徴収をする。十二分の一で徴収をするのと、十分の一で徴収をするのとでは、徴収される月だけの税額を比較しますと、それだけの違いが出てまいります。そのほかに、所得税は御承知のとおり、賞与からも大幅に控除をいたします。しかし、住民税の場合は、賞与分から住民税を引くという方式をとっておりませんので、そういう点から非常にまあ、月々徴収される税額を比較いたしますと、非常に住民税が重いという感じを与えているわけであります。昭和四十三年度の場合をとって考えてみますと、賞与を含めまして十五カ月の給与をもらわれる方について見ました場合に、夫婦子三人の場合で、月々の所得税の額と住民税の額とが一致するという方の年収入金額はどのくらいかというと、夫婦子三人では二百三十二万円の人であって、初めて所得税住民税との月々の徴収額が一致するというふうになるわけです。ところが、その方に対します一年分の税額の総体はどうかと申しますと、所得税の場合は年額四十一万円になります。それに対しまして、住民税は十七万九千円ばかりでございます。四割強程度しか住民税はかからないわけでございますけれども、月々の給与から差し引かれる分を見ると、全く同じだということから、住民税は非常に重いという感じを与えているという面がございます。こういった面については、徴収方法に関連する問題でございますので、私どもとしても、何とかこの点の負担感の緩和という問題については検討していかなければならないと考えております。
  22. 鈴木壽

    鈴木壽君 住民税が高いというようなことについて、いまお話のありましたように、徴税方法なりそういうことも確かに心理的のものとしては大きく影響すると思うのですね。しかし、私が言うのは、そういうことも重いというふうに感じさせる一つの大きな要素ではありますけれども、額そのもので、これはさっき提出を求めております所得段階における所得税あるいは住民税、これの比較があとで出てくれば、これわかると思いますが、額そのもので、月々のそれとか、ボーナスからも税金を取るとか取らないとかということでなしに、額そのものでやっぱり見て、住民税の場合は重いのだ、所得税より高いという意味じゃございませんよ、住民税としての負担が、そのものがやっぱり重くなっている、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。  それから所得税とのいわゆる課税最低限の比較でありますが、これも高いと言われる場合に、一つの比較のそれにはなりますけれども、私の言っているのは、そういうことを土台にして言っているのじゃないのです。確かに、おっしゃるように、所得税住民税の性格の違いといいますか、そこにはやっぱり一つのそれがあると思いますから、したがって、私は、住民税課税最低限と所得税課税最低限が一致しなければならぬとかというようなことはもちろん考えていません。そういうことを一応頭に入れながら、しかし、実態としては重い負担を住民がしておると、こういうことを私は言っておるつもりなんであります。ですからね、まあ、あなた方もその点はこれは言うまでもなく考えておられると思いますけれども、住民税が高いから、負担が重いから減税をという声のそれを打ち消すための反駁としてなら、いまのようなお話でもけっこうだと思いますけれども、これはほんとうに住民税そのものを考えていった場合には私は当たらないと思うのであります。住民税が高いのは、これは事実でありますが、一つはやはり課税最低限というものが非常に低いということ、所得税と比較してという意味でなしに、低いということです。低過ぎる。これもまた、あとで表が出されればわかると思いますが、生活扶助費の基準すれすれのところの人が住民税をやはり相当負担をしているということが言えると思うのです、これはあとで資料が出てきてから検討したいと思いますが。  それから高くなっているのは、やはり単に課税最低限、いろんな控除、そういうものが低いだけでなしに、段階ごとの税率そのものに私は問題があると思う。所得の段階ごとの税率。こういうものがいろいろ組み合わさっておると思うのですが、これは何としてもまだまだこの程度の減税ではいいということは私は言えないと思うのですね。  それからもう一つは、これは住民税が高い安いという本筋からは少し離れておりますけれども、これはあとでもう少しお聞きしていきたいと思いますが、市町村民税の場合の制限税率の問題がある。これはいま言ったように、本質的のものではないのですよ。私が言っている住民税が高いとかなんとかという、そういうことと、理屈の上からは言っていないが、実際問題としてそういうことも大きく住民税負担増のそれに対して影響をしているのですね。たとえば標準税率で、かりに住民税、これは例としての数字ですから、そういうつもりでお聞きいただきたいと思うのですが、かりに東京なら東京で一万円納めている。いなかのほうへ行きますと、それの一・五倍の制限税率ぎりぎり一ぱいまでの課税をやって、したがって、一万円のものが一万五千円であり、東京におっては三万円納めればいいものが、その都市に転勤したために四万五千円納めなければならぬ、こういう問題があるわけなんです。これは、いま言ったように、私の本質的な高いとか低いとかいう問題とちょっと違った問題ですが、そういう問題もあって、いろんな面で住民税というものは、これはもっともっと負担軽減という方向で検討されなければならぬ問題だと私は思うのです。したがって、そういうことに対して、自治省として、今後、一方において所得税が減税されていく、そういう中で住民税の減税というものをどう考え、どう位置づけて見通しを持っておられるのか、こういうことをお聞きしたがったわけなんです。
  23. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおり、住民税につきましては、地域的に負担の相違がございまして、それが住民税が重いと言われる一つの原因にもなっているということは確かにございます。住民税の歴史を考えてみますと、昭和二十五年にこの新しい住民税制度ができましてから今日まで、幾つかの課税方式があって、市町村がその課税方式のもとに相当な幅で課税ができるというようになっておりましたものを、次第に課税方式を統一し、税率についても統一を加えてまいりまして、現在は一つの課税方式——税率については一・五倍までの標準税率、制限税率制度に変わってきておりまして、そういう面では、地域的な負担の格差というものを縮小するという努力が長年続けてこられたというふうに考えております。しかし、現在もなお標準税率と制限税率制度がございまして、しかも、その幅が五割という相当の幅でございますので、地域によっては五割増の負担を求めているところも相当数ございます。これらにつきましては、私どもといたしましても、できるだけ、一方においては、そういう団体の財源の充実を交付税制度等を通じて強化をしながら、税率についてはできるだけ標準税率に近づけるように指導してまいっておるわけでございます。そういう地域的な問題を別にいたしましても、住民税自体が重いという問題も御指摘のとおりあるわけでございまして、一方、所得税では課税最低限の引き上げを毎年のように大幅にやっているということに対しては私どもは今後どう考えていくべきかというお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、所得税において課税最低限を引き上げていかなければならぬという社会的な要請というものを念頭に置きながら、地方財政の状況も考慮しつつ、できるだけ私どもは課税最低限の引き上げに今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。  ただ、国税と異なりまして、地方税の場合は、申し上げるまでもないことではございますけれども、三千にわたる団体に収入を与えるという制度でございますために、今日のように経済の発展に地域的格差が非常に大きくなってまいりますと、大都市、都市、町村というふうに分けてみました場合に、それぞれの団体におきます課税所得に非常に大きな差がございます。昭和四十一年度はたしか、資料で、若干古いものではございますけれども、町村の納税義務者一人当たりの課税所得が二十三万円程度ございます。それに対しまして、都市では三十五万円程度、大都市では四十五万円程度となっております。課税最低限の引き上げをいたしますと、これは都市といわず、農村といわず、一律に減税の効果が及んでまいるわけでございますので、そこで、かりに十万円の課税最低限の引き上げが行なわれるといたしますと、町村の二十三万円に対しての十万円、都市の三十五万円に対しての十万円、大都市の四十五万円に対しての十万円というものの持つ影響というものは非常に違うわけでございます。これを続けて大幅に課税最低限を引き上げていくと、町村等におきます納税義務者の急激な減少が起こることは当然予想されるわけでございます。そういった面から課税最低限を引き上げていく場合に、こういう町村におきます住民税というものをどういうふうに考えていくべきかという問題もあわせ考えながら、御指摘の問題について取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  24. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ何べんも言うように、所得税課税最低限がかりに百万円だと、したがって、住民税の場合にも百万円でなければならぬということは私も考えていません。当然——当然と言っちゃことばが少しおかしいですが、差があっていいと思うんです、いまの住民税というものを考える立場から言ってですね。しかし、今度の課税最低限の引き上げ、十万円の引き上げで五十三万円になる——おおよその数字ですが、所得税は八十三万円になりますね。去年の段階においても七十三万と四十三万——去年じゃない、ことしの段階においても。それから今度は四十三年の段階におきましては、いま言ったように八十三万と五十三万、大体六割ぐらいのところで住民税のそれがありますね、大体六割ぐらいのところじゃないかと思うんです。そういうふうな割合を出すことはどうかと思うが、で、私はやっぱり一つの違いがあってもいいが、その違いがどの程度なら適当かという、こういう一つのやはりめどといいますか、そういうものがあってしかるべきじゃないかと思うんですね。差のあるのは当然だと、こう言っても、負担する住民の側から言いますと、それではちょっと納得できないと思うんですね。しかも、ひとしく所得に対する課税です。何といったって、やはり生活、生計、そういうものの保護というものをひとつ考えていかないというと、所得税住民税と両々相まって考えていかなければならぬと思うんです。所得税のほうは最低の生活費なり生計費なりというものを保障すればそれでいいんだ、こう言えるかもしれないけれども、その保障したそれにまた住民税で税金かぶっていきますから、両方の立場から私は考えていかなければいけないと思うんですよね。とすれば、いまのような大きな差のあることはどうしてもやはり不合理だと思うしね、住民の負担そのものを考える場合には——差を私は一挙に縮めろとか差をなくせということではないけれども、どの程度のことかということをやはり一応考えておかなければいけないんじゃないだろうか。で、まあ学者の中には、いまの六割から七割か七割五分のあたりまでになるようにすべきじゃないかという人もあるようであります。そういっても七割とか七割五分とかは一体何を根拠にやっているのか、これはなかなかむずかしい問題だと思いますが、いずれにしても、こういう割合というものは少し開きが大き過ぎるということは私は言えると思うんですね。ですから、そういう考え方をひとつ持つとすれば、一体、今後の住民税の減税というものをどう考えていくかということは、当然一つの予想として持っていなければいけないんじゃないか。一方においては、所得税の減税がああいうふうに行なわれていくんですから、おそらく、所得税のほうでは百万円という一つのめどで年次的にやっておりますが、ここ二、三年たちますと、百万円でもこれはだめだ、もっと引き上げなければならぬという事態がすぐ来ると思うのです。それはやはり住民の人たち、国民の人たちの生活そのものをやっぱり考えたところからやってくるのであって、それを住民税のほうでは全然考えなくてもいいというのでは、私はおかしいと思うのですね、所得に対する課税ですから。他の問題については、私はもっと別な考え方を持ってもいいと思いますが、住民税に一つの広く負担をしてもらうという性格があることは確かでありますが、そうだからといって、いまのようなかっこうでは私はこれはどうしてもうまくないと思うのです。いまのやつは、極端にいえば広く負担をしてもらう、しかし、広く負担をしてもらう場合には、浅い負担でいいと思う。いまの住民税は広く深い負担をしているという、こういうふうに私は言えるのじゃないかと思うのです。確かに一方、地方財政が容易でない。今後また、いろいろな財政需要がふくらんできているし、やらなければいけない仕事がたくさんある、こういうことも確かにある。また、減税に伴ってその穴埋めをどうするかという問題も私はあると思うのですが、そういう問題を一方控えていながら、しかし、だからといって、国民といいますか、住民といいますか、生活のそれに対して大きな打撃を与えるような税というものは私は考えなければならぬと思う。何か、あれでしょうか、たとえば減税をやる、今回のように自前で減税をやるのでなしに、減収の補てん策がとれればやるけれどもというようなことでしょうか。そこら辺はどうですか。
  25. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 住民税課税最低限の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、私どもも現状をもって絶対に動かし得ないもの、また、動かすべきものじゃないというふうには考えておりませんので、今後とも引き続き地方財政の状況も考慮しながら努力をいたしてまいりたい、かように考えているわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、昭和三十九年度、四十年度に課税標準の統一をいたしまして、税率についても標準税率制度を設定するというところまでは、住民税はもっぱら地域間の負担をいかにして均衡化するかという努力を続けてきたわけでございますが、昭和四十一年度に入りましてからは、課税最低限を八万円程度引き上げをいたしたわけでございます。昨年度は特に引き上げるというほどのものもいたしておりませんけれども、今年また十万円程度の引き上げをいたしているわけでございまして、このように見てまいりますと、住民税住民税なりに私は努力をいたしてきているというふうに考えるのでございます。この考え方は今後ともやはり持っていきたいというふうに考えております。ただ、いま御指摘のございましたように、財源の補てんがあればやるのか、あるいは財源の補てんがなければやらないのかというような問題につきましては、やはりそのときどきの国、地方を通ずる財政状況全体を見ながら判断をしていかなければならない。私がここで財源がもらえればやるのですと申し上げたところで、それでは逆にもらわなかったらやらないのかというお答えにもなるわけでございますが、そこはやはり今年度は財源の補てんができなかったけれども、あえて諸般の情勢から課税最低限の大幅な引き上げに踏み切らざるを得なかったというような事情もございます。やはりそのときの事情によって判断をしてまいりたいというふうに考えております。
  26. 鈴木壽

    鈴木壽君 その補てん財源をどこに求めるか、あるかないか、こういう問題になれば、それはあなたのおっしゃったように、いまここでどうとも言えないわけですが、また、私、そこまで聞こうというつもりはございませんが、ただ、方向として、住民税は今回減税をやったんだが、なおこれでは不十分だからやらなければならないということで、いろいろ検討するということと、所得税課税最低限の引き上げは差があることが当然だし、この程度でいいんじゃないかというふうに考えている場合とでは、私は今後のあなた方の減税問題の取り扱いもだいぶ違ってくると思うんですね。だから私は松島局長ということだけでなしに、これは政府の機関の代表として、きょうは特に自治省の直接担当している責任者として私お聞きしたいんですが、今後やっぱりやらざるを得ないということなのか、様子を見ましょうということなのか、そこら辺の見通しは。
  27. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 何度も申し上げておりますように、課税最低限が所得税と別のものであるといたしましても、現状でもう今後何もする必要がないなどとは一切考えておりません。できるだけその引き上げに努力をいたしていきたいという気持ちを強く持っております。
  28. 鈴木壽

    鈴木壽君 ひとつ、さっきもちょっと触れまして、あなたからもお答えがあった超過課税の問題ですが、かなりの超過課税をやっておる団体が住民税の場合あるわけなんですが、これは四十二年度の市町村民税所得割り税率市町村数というのが、あなた方からいただいた参考資料にありますね。超過課税をやっている市町村が千八十四、全国市町村の数が三千三百三ですから、かなりの高い比率で超過課税が行なわれておるということがわかるわけです。しかも、その税率標準税率の一・一倍あるいは一・二倍というところが少なくて、一・五倍、最高限度の一・五倍というのが圧倒的に多い。市町村数で四百九十五ですね。どうです、こういうことについて、これは法に許された制限税率だからその範囲でやることは、もちろん、これは市町村に対してとやかく言うべきじゃないという理屈もあると思いますが、いまの住民税が高いというその声の中に、さっきも指摘したように、こういうものが加わっているために、なおさらやはり重圧感を感じて不平不満があるわけですね。こういうのに対して自治省としては、いままでどういう態度で指導をしておったのか。さっき言いましたように、制限税率は法で許されているのだからこれは自由だ、こういうことなのか、そこら辺ですね。もっと申し上げますと、この制限税率は法で許されているのだが、一番高い一・五倍という制限税率適用する場合は、その市町村におけるいわゆる特別な財政需要なり何なりの事情のある場合にはそこまでいってもいいんだということの精神じゃなかったかと思うんですね。ところが、いまのあれは平気で、これがあたりまえのようなかっこうになってきておる。だから、そういうことは法の精神といいますか、当時あなた方がこういうものの制限税率を定めるそのときに考えたそういうこととは無関係に、苦しいから行なう、金が要るから行なうということでやられていると思うんですね。ちょうど、かつて課税方式が幾つもあった、あのころ市町村間でいろいろ格差といいますか、負担が問題になったのでありますが、それで一つの統一というような形でこういうふうないまの方式になっておるのでありますが、同じようなことが今度、この制限税率適用で起こっておるわけですね。この点どういうふうな御指導をなさったのか、あるいは、これからまたどう御指導なさるのか、あるいは、なさらないのか、そこら辺いかがでございますか。
  29. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 住民税につきましては、先ほども申し上げましたように、幾つかの課税方式がございましたが、そのうち、ただし書き方式という方式をとるのが非常に多かったということは御承知のとおりでございまして、本文方式、ただし書き方式と二つの方式に整理されました段階について見ましても、七〇%以上の市町村がただし書き方式によっていたわけであります。本文方式から見ますと、ただし書き方式は今日でいう超過課税にほとんどが相当するわけでございます。それが法改正によりまして課税標準の統一が行なわれましてからは、非常に減ったわけでございまして、御指摘のように、現在なお三割以上の市町村が超過税率課税をいたしておりますけれども、しかし、私どもといたしましては、できるだけ標準税率制度に近づけるように努力をし、指導をいたしてきておるつもりでございます。そのためには、単に超過税率を下げろと、こういうことでは問題は解決しないわけでございまして、そういう超過課税をせざるを得ないような財政状態を改善する方法を国としてもとっていかなければならない。そのためには、他の財政制度の運用、具体的に申しますならば、交付税の配分等を通じて無理な超過課税をしなくとも財政が運営できるような形に持っていくことをあわせて指導していかなければならぬ、こういうふうに考えておるのでございまして、私どもはその線に沿って努力をしてきておるつもりでございます。この超過課税制度は、御指摘もございましたように、実施団体でございますことから、財政上の特別の必要がある場合には、その団体の議会の議決によって税率を上げることができる道を開いておるということでございますので、その運用もやはりそういう弾力的な運用がはかられるべきものであると思うのでございます。しかし、従来からの例を見ますと、一たん税率を上げますと、それが固定化し慢性化するという傾向を非常に強く持っております。制度が本来期待しております運用と必ずしも一致していないような点が多くございますので、この点につきましては、私ども、まだ指導の行き届かない面があるのではないかと反省をいたしておるわけでございます。ただ、私が二、三聞いておりますところでは、いままでの超過税率を下げたいというお話をしに来られる団体の方もおられますし、やはり超過課税をできるだけ解消していきたいという意欲は地方団体も持っておるというふうに考えておりますし、私どももその意欲を生かしていくような方向で努力をなお続けてまいりたいと考えている次第でございます。
  30. 鈴木壽

    鈴木壽君 私、問題なのは、超過課税の制限税率一ぱいが、いわゆる特殊な財政需要なり、その市町村における、いわば、のっぴきならない等の事情のために、必要に応じてやると、それがあるいは三年、四年になるかもしれませんけれども、こういうのだったら、住民も納得すると思うんですね。いま恒常化してしまっているんです。こういうふうになってからそんなに長くなったわけではないけれども、いままでのを見ておりますと恒常化してしまって、これがあたりまえのような形になっているんですね。私は、ある市の財政状況を見た際に、税収の歳入の中に占める率がかなり高い。これはけっこうだと思ったら、五割増しのそれをやっているんですね、おれのほうはこれだけあると。そこのところは五割——約六割くらいになっておりました、税収入が歳入の。すこぶるけっこうだと思ったら、いま言ったような五割増しをやっている。そうして若干黒字を出して得々としている、得々でもないでしょうが、おれのほうはいいんだというようなこと、こういうふうになってきているところを私、実は問題にしたいわけですね。ですから、中には超過課税のそれを、だんだん率を低めるようにというような考え方を持っておるところが出てきたという話でありますが、けっこうだと思いますし、この運用というものをやはり十分あなた方の立場から指導すべきじゃないだろうか、こう思うんですがね。そこでひとつ、あなた方そういうものに対して無関心でないということでしょうが、そういう事例として今回の改正で、固定資産税の制限税率の問題で、自治大臣が指示するとか報告するとか、いろいろなことがありますね、固定資産税に対しては。こういうことをあなた方もやろうとしておる。できるんですね。私はですから、あまりやれとは言いたくないが、まあ、こういうことだとやっぱりそれぐらいの強い何かがなければいけませんよ。それからもう一つは、私はこれは検討していただきたい、法改正で。制限税率一・五倍というのは高過ぎる、特別な事情があるにしても。実際は一.三ぐらいに、二か三ぐらいにするように制限税率そのものもやっぱり検討してもらいたいと思うんですが、どうです、その点。
  31. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 超過税率の問題について、先ほどからの御指摘でございますが、私どもも、その運用につきましては、十分指導をしてまいっておるところでありますが、先ほど御指摘になりました資料では、昭和四十二年度の実施状況でございますが、昭和四十一年度の実施状況と比較いたしてみますと、一・五倍のところで昭和四十二年度は四百九十五団体となっておりますが、昭和四十一年度は五百七十七団体でございまして、この一年間に約八十ばかりの団体が制限税率一・五を下げてきておるわけでございます。また、超過税率をやっております市町村全体では、先ほど御指摘になりましたように、昭和四十二年度で一千八十四団体でございますが、昭和四十一年度では一千百五十八団体でございまして、やはりここでも七十団体以上八十団体近くが下げてきておる、こういうようなことでございまして、市町村といたしましても、逐次超過税率の高いものは低く、また、低い超過税率はなるべく標準税率へという努力はしてきていると思うのでございます。  なお、制度全体として超過税率を引き下げるということについて、制限税率を引き下げることについてどうかというお尋ねでございますが、私どもといたしましても、いま直ちにここでその方向を打ち出すというような御返事はいたしかねますけれども、考え方としては、できるだけそういう方向で努力をいたしてまいりたいと思います。
  32. 鈴木壽

    鈴木壽君 あまり例のないことだけれども、さっき言ったように、固定資産税のほうでは、事実上、超過税率、制限税率の引き下げまでを自治大臣の指示によってやろうとしているじゃないですか。なぜそういうものだけには、これ以上上げてはいかぬとか、こういうふうにしなさいとか、自治大臣が変な権力使って、こちらのほうには、もっと私は強い指導なり、いま、さっきも言ったように、そういう権力はみだりに使うべきじゃないと思いますが、そういう強いことが私はあってもいいと思う。むしろ、さっきから言っているように、いまの住民税税負担がお互いに生活の重荷になっておるという、こういう事態ですよね。一方、あとでも触れたいと思っていましたが、国民健康保険税などというものも、これははたして税と言えるかどうかわかりませんが、とにかく納めなければならぬものとして住民税以上に非常にある。こういうものをあわせて考えていった場合に、これは何としても住民にむちゃな負担をしいるようなことはやはり避けなければならぬと思うのですね。そういうことでひとつ、あなたがいま言われるように、下げるようにしますとはここでは言えませんでしょうが、ほんとうに真剣な問題として考えていただきたいと思う。率そのものを下げるか、あるいは運用の面でやるか、これはいろいろやり方があると思いますが、私、いま思いつくような形で一、二言いましたけれども、これはやはり真剣に考えてやっていただきたいということを申し上げて、午前はこれで一応終わります。
  33. 津島文治

    委員長津島文治君) 午さんのため、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後一時四十六分開会
  34. 津島文治

    委員長津島文治君) 地方行政委員会を再開いたします。  地方税法の一部を改正する法律案議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  35. 鈴木壽

    鈴木壽君 先ほど住民税の減税問題についてでございますが、もう少しこの点で考え方をお聞きしておきたいと思います。  まあ住民税の減税については、今後も努力していくというお答えでございましたが、政務次官、まあ、さっき税務局長との間に、今後の住民税の減税に対する考え方についてのそれをやりましたのですがね、いかがでしょう、自治省として、今後の住民税の減税をどう考えていくのかということについて、これはお考えがあると思いますので、この機会に政務次官から、まあ大臣はおいでになりませんから、政務次官からひとつお聞きしておきたいと思います。
  36. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 住民税の減税につきましては、先ほどおそらく税務局長からもお答えをいたしたと思いますが、私どもといたしましては、引き続き前向きで十分検討していかなきゃならぬと思います。所得税につきましては、課税最低標準百万円というものを四十五年度から実施するというような政府の方針が打ち出されております。で、もちろん所得税住民税とは性格も異にいたしておりますが、なかなか、住民税についても、この辺まではというような目標をきめるべきではないかというような御議論も、これまでもしばしばございます。ただ、地方財政の状況をどういうふうに見きわめるかというような点と重大な関連があるものでございますから、ただいまの段階では、そういう目標が立っておらないわけでございます。しかしながら、私どもは、この課税標準の問題につきましても、最低限の問題につきましても、これはどうしても考えていかなきゃならぬ。でき得ればそれは何か見通しが立つことのほうが望ましい、かように思っておるわけでございまして、そういう点について今後とも考えてまいりたい、かように存じておる次第でございます。  なお、専従者控除等の問題につきましても、所得税においては本年さらに前進をいたしまして、完全給与制というようなものも出てまいったわけであります。これらの点につきましても、所得税の実施の状況も私ども十分見ながら検討を加えていかなきゃならぬ。どちらにいたしましても、何と申しましょうか、前進をさせるべきである。先ほど鈴木先生からお話もございました住民税が重い、こういう点が国民の皆さんから、そういう御批判がたくさん出ておるということも十分承知いたしておりますので、今後考えてまいらなければならぬ、かように存じておる次第でございます。
  37. 鈴木壽

    鈴木壽君 政務次官、これは言い方は少し変でありますが、もっとほんとうにまじめに真剣に考えて、従来は減税はしたいのだけれども、地方財政の現状からすれば、なかなかできない、自前でやることなんか、とんでもないのだ、こういうようなこと。したがって、減税による穴埋めを何か考えないことにはだめなんだというようなことが大きな理由になって、住民税の減税ということがあまり行なわれないできていると思うのです。  それからいま一つは、住民税所得税と違うのだ、違う性格のものであるからというようなことで、広く、たとえば所得税課税対象にならないような、そういう低所得の人でも住民税はやはり負担をしてもらわなければならぬのだ、こういうようなことで、なかなか減税ということに踏み切るのには、まあ言ってみれば、いろいろな理由があるようであります。しかし、確かに、そういうこともたとえば地方財政の問題を抜きにしては考えられませんし、住民税という一つの、所得税と違った性格もありますから、ありますけれども、しかし、いまの住民の税負担のそれからして、どうしても重いということは、これはいなめない事実なんですけれども、そこで、減税をするとすれば、まず、そういう一つの目標なりをきめて、一挙にはもちろんできませんから、やりながらいまの地方財政の状況等からやっていくのか、あるいは、いわゆる住民税負担のあり方についてどう考えていくのかというふうにならないと、条件はたくさん並べて、これが解決されなければだめだぞということでは、これはいつまでたってもできないと思うのです。そういう意味で、私は、一つの目標なりめどというものを置いて、それを実現していく上にいろいろ障害になるものがあると思いますから、そういうものは解決をしていくということで進むべきであると思うので、どうかひとつこれは十分に御検討いただきたいと思います。その場合に、ただ単に、課税最低限の引き上げだとかなんとかいうことだけでなしに、いまの住民税の、私はさっきちょっと触れてそのままにしておきましたが、住民税そのものの税率の問題なり、段階別の税率の問題なり、こういう問題も私はあると思うのです。ですから、そういうものを含めて、ひとつぜひ住民の負担軽減という点で考えてほしいと思うのですが、まあ、あらためてひとつ。
  38. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) もちろん、ただ答弁をすればいい、こういうことではございません。真剣にこの問題は取り組まなければならない、いわば全国民的な問題でございます。そういう意味において、真剣に取り組んでまいっているつもりでございますし、今後ともさよういたしたい。実は昨年、国会での御決議になりましたような点については、税制調査会からも答申をいただきまして、一〇〇%今年度は実現をしたようなわけでございます。今後といえども、いまお話がございました課税最低限の問題にとどまらず、いろいろな点で考えてまいらなければならぬ点が多々あるわけでございます。そういう点につきましては、私ども真剣にこの問題に取り組んでまいりたい、かように思っておる次第でございます。
  39. 鈴木壽

    鈴木壽君 それに関連してですが、これは税務局長からでよろしゅうございますが、同じようなことを別の角度から言うようなことになりますけれども、いろいろな控除の問題ですがね、控除額の問題。所得税とすべて課税最低限が同じでなければならないということではないということは、私しばしば申し上げておりますが、しかし、この中で、給与所得控除は、これは所得税と、改正があって引き上げすればそのままやってきますが、基礎控除なんかも、そう所得税の場合と、そんなに違っているというはずはないと思うのですがね。ここら辺はどうでしょう。
  40. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 課税最低限をどうするかという問題に直接関連するわけでございまして、課税最低限を構成いたしますものは、給与所得者の場合には給与所得控除基礎控除配偶者控除扶養控除というふうになるわけでございます。その場合に、どの控除所得税とどれだけ違っていいかということを一律にきめることはなかなかむずかしい問題でございまして、結局、最終的な課税最低限をどの程度にするかということを前提といたしまして、現在の控除額というものとの関連において幾ら引き上げていくかということをきめていくわけでございます。課税最低限を二十万も引き上げるというようなことが考えられます場合には、あるいは基礎控除所得税と合わせるというような組み合わせ方も考えられると思いますけれども、現在の段階では、一応課税最低限十万円引き上げということを目標といたしましたので、基礎控除配偶者控除扶養控除につきまして、それぞれ一万円を引き上げた、こういうようなことでございます。
  41. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは実際問題になると、給与所得控除の額の引き上げ、それから基礎控除の額の引き上げというのは、もういわば全所得者に及ぶものだから、これは減税額なんか一番大きくなりますわな。しかし、それだけ、逆に言えば所得控除あるいは基礎控除というものの考え方からして、所得税ではこれだけだし、まあ、ある額があるが、住民税の場合は、もっと下でいいのだ、もっと低い額でいいのだと、こういうことは、ほかの控除についても、これは言えることでありますけれども、何か納得のしがたいところがあるのですがね。もし初めから、所得税住民税は違うのだからというようなことであれば、給与所得だって別にそろえなくたっていいはずなんです、そういう考え方を推し進めていくならば。しかし、二つの税の違いがあり、性格といいますか、あり方の違いがありながら、やっぱり所得を対象にするということで、生計費の中心をなす所得を対象とするということで、給与所得控除なり基礎控除なりというものが考えられておるわけですね。配偶者とか扶養家族等を別にしたその人間自身の生活というものを考えていった場合に、こういうものが必要だということなんでしょうね。そういうことになると、繰り返して申し上げますが、基礎控除もこんなに差があることはどうしてもおかしいことになるのじゃないかというふうに思うのですがね。
  42. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 基礎控除に差があることはおかしいという御指摘でございますけれども、結局、その問題は基礎控除を幾らにしたらいいかということの結論を出さなければお答えにはならぬと思いますが、ただ、結局、基礎控除なり配偶者控除なり、あるいは扶養控除なりというもの全体を通じて課税最低限をどこに置くかという問題から、いわば逆算的に考えていかざるを得ない。現段階におきましては、課税最低限十万円引き上げということになりまして、それを各種控除に割り振りをしていくと、基礎控除において今回一万円の引き上げになる。それでもなお所得税との間においてはかなり開きがあるということは、御指摘のとおりであります。しかし、その基礎控除なり配偶者控除なり扶養控除をどういうふうに引き上げるかという問題は、どの家族構成に税負担を軽くするかという問題とも多少関連してくるわけでございまして、扶養控除の額を大きく引き上げましたならば、家族構成の多いほど減税額は大幅になる。そのかわり、独身者等についてはあまり大幅な引き上げにならない、こういうことにもなろうかと思います。ただ、先ほど御指摘になりました給与所得控除のような場合には、これは給与の額にある程度スライドいたしますので、その所得者が家族が何人であるかというようなことと必ずしも関連を持ちませんものですから、したがって、どちらかといえば、基礎控除的な働き方をするということは事実でございます。したがいまして、そういった過程を考え合わせまして、一定額の控除引き上げをする場合に、どの控除をどれだけ割り当て——割り当てということばは適当でありませんが、割りつけをしていくか、こういう問題として考えなければならないと思うのでございます。今日の段階では、やはり家族構成の多いほど税負担負担感が重いものというふうに考えられますので、基礎控除では一万円程度にとどめましたけれども、扶養控除におきましては同じように一万円引き上げることによって、家族が三人あれば三万円の引き上げになる、こういうような形にいたしたものでございます。
  43. 鈴木壽

    鈴木壽君 こういう場合に、家族構成なり、家族を持っておる者とおらぬ者というふうに考えなければならぬのが当然でありますから、いま現在やっておるものの一つの意義づけとしてはそれとしておきますが、その控除そのものというものを考えた場合に、性質上これはその所得を持っておるその人に属する控除ですよね。それを私は、いまの段階ではもう少し上げなければならぬ、こういうふうに考えている。そういう前提に立って、私、ものを言っておるつもりなんです。家族のほうはどうなってもいいということじゃ毛頭ございません。家族持ちの人たちがどうなっておるか、あるいはまた、現状苦しいとかなんとかいうことを無視するということでなしに、所得を得ておる人、まずその人についてのものを考えるような給与所得控除基礎控除、それだと思うので、そういう意味で、この二つのものを、一つは所得税より基礎控除額はずっと低くてもいいのだというふうに考えるのは、これはおかしいのじゃないか。所得税で設定している基礎控除額、いまそれが適当かどうかということももちろん問題はあります。しかし、少なくともそこで考えられたその線まではやはり住民税の場合であっても、基礎控除の場合は引き上げておいてしかるべきものじゃないだろうか、こういうふうに私考えるので、いずれ、そういうものを含めてひとつ今後の減税という場合、もう少し合理的に控除なら控除というものをやっていくというふうに御検討いただきたいと思うのです。  その点はその程度といたしまして、控除の中の専従者控除ですが、今度、住民税事業税と両方にかかる問題ですが、相当大幅に今度は引き上げておりますね、書目色申告者の場合には、十二万円を十七万円、五万円アップ。白色申告者の場合には、八万円を十一万円、したがって、三万円アップと、かなりほかの控除引き上げ額と比べますとふやしてある。そういうことで私はあまり文句を言うつもりはないのですけれども、ただ、私、従来から考えておりましたことは、専従者控除のあり方、これが一体、いまのような、たとえば白色の場合はこうだし、青色の場合はこうだというふうに、かなりの差をつけてやっておくことが一体どうなのか、こういうふうに思って、この前の法律改正のときにもちょっとその問題についてお尋ねをしておったことがあると思いますが、どうでしょう。これは所得税との関連もありますけれども、青色と白色に分けてこの大きな差をつけておくこと、十七万円と十一万円、六万円の差がついておりますね。こういうことがいつまでもこういう形でいいものかどうかということ。これはいま言ったように、所得税もそうなっているからと言えばそれまでですけれども、所得税でも差がありますからね。しかし、今度、所得税では完全給与制といいますか、給与そのものを全部控除対象にするようになる法改正が行なわれますが、こういうことから考えてみましても、何か専従者控除の扱いというものをこのままにしておいていいものかどうかということに疑問を持っていますが、そういうことで何か考え方いかがでしょう。
  44. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおり、専従者控除白色申告者青色申告者との間で差があることについて適当じゃないという御意見も、私どももしばしば伺っているところでございます。ただ、現在の段階におきましては、青色申告というものをもっと普及すべきであるという考え方、並びに、青色申告につきましては、帳簿等の整備もある程度行なわれていて、支払われた給与等につきましても明確にし得るというようなところから、所得税におきましても、昭和四十二年度で申しますと、青色申告者につきましては、控除限度額が二十四万円、白色申告者につきましては十五万円というふうに差があったわけでございます。住民税はさらにそれよりも低いという状態でございましたので、いずれにしても、所得税と合わせるべきであるという強い要請もありまして、かたがた、所得税につきましては、ただいま御指摘もございましたように、青色申告者につきましては、さらに完全給与制を採用するということともなりましたので、この際、所得税との差をできるだけ縮めていきたいというような配慮から、各種、青色、白色を通じまして控除額引き上げを大幅に行なうことといたしたわけでございます。ただ、今度の控除額引き上げが、青色申告者につきましては五万円引き上げ白色申告者につきましては三万円しか引き上げなかったのは、なお住民税について差をつけるものではないかという御指摘もあるわけでございます、現在、私どもといたしましては、所得税に近づこうという観点からの努力をいたしておる段階でございまして、その近づこうとする所得税において相当の差がございますので、まあ、それが現在の住民税事業税にも反映している、こういうような状況でございます。
  45. 鈴木壽

    鈴木壽君 だから、さっきも言ったように、私、このものについていまけしからぬと文句をつけているつもりではないので、一体、このままでいいかどうかという考え方をお聞きしたいと、こういうことなんですがね。確かに、この問題の発生の当時から見ますと、それはいわゆる青色申告という、いわば多少めんどうな帳簿の問題やら、いろいろ経理の関係から、いろいろなめんどうなことがある。しかし、実態を正直にそういう記帳をして、それによっての申告をさせなければならぬというようなことから、いわば奨励的な、これはそうなんですよ、そのために差をつけたやつなんですよ。いままで依然としてそれが所得税にもずっとそのまま行なわれてきているのでありますが、そこで今度は、青色の場合は完全給与制になる、白色は依然として低いところの額に押えられている、こういうようなことになるから、依然差があるわけですけれども、それにしても、そういう差をあまり考えなくともいい時代だと私は思う。青色申告することによってのいろいろなめんどうさ、手数さ、それから来るやつは、いろいろな他の経費の面で十分救済されているのですよ。もし専従者控除が必要だとするならば、その面で私は差をつけるべきではないか。さっきも言ったように、奨励的な意味で、青色申告をすればこういうようにしてあげますよという、そういう時代はもう過ぎたと思うのですね。ですから、所得税のほうで、一方において完全給与制というものをとるというような段階まで来ているのですから、そういう場合に、住民税のほうでももっとそういうような考え方でやっていくべきではないだろうか。白色が十一万円、青色が十七万円、前は十二万円と八万円ですから差が四万円でしたが、今度は六万円になりましたね。かえって差が大きくなる。ですから、これは何か税のいろいろな事務経理、そういうような面の便宜的なことで、いつまでもいわゆる専従者控除というものをこういう形にしておくことはおかしいと思うのですよ。専従者控除そのものが一体必要なのかどうか。そうして、もし必要だとして、どうしても控除しなければならないものだとすれば、やはりそれによってのやり方が、いままでのこういうやり方とは違ってこなければならぬと思う。これは検討を要する問題だと思いますが、いかがでございますか。
  46. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) いままでの差が、住民税事業税では十二万円、八万円ですから、四万円の差であったものが、今回の改正によって十七万円、十一万円になると、さらに差が拡大するのじゃないか、こういうお尋ねでございますが、それはそのとおりでございます。なお、所得税の場合は、昨年度の基準で申しますと、二十四万円に対して十五万円でございましたから、さらに大きな差があるわけでございます。私のほうといたしましては、当面、所得税専従者控除に近づけていきたいと努力をいたしております関係上、その過程におきましては、先生御指摘のような問題が生ぜざるを得なかった、こういうことでございます。ただ、お話のございましたように、専従者控除額というようなものをいつまでも青色、白色との差をつけておくのがいいかどうかということについては、確かにいろいろ私どもも問題があると考えております。しかしながら、今日の段階では、さらに所得税におきましては、青色申告者について、いわゆる完全給与制を採用するとなっておりますが、完全給与制になったから必ずしも従来の限度額二十四万円を上回るとは言えないかもわかりませんが、一般的に考えますならば、従来の二十四万円の限度額を上回る場合が多いということが考えられるわけでございまして、むしろ、所得税においてはその意味で差が拡大しつつあるというような状況でございます。で、こういったことにつきましては、前回の参議院の予算委員会におきましても御指摘があったように私聞いておりますけれども、やはりこの際、白色、青色を通じまして検討をしていかなければならぬ問題点の一つであるというふうに考えております。
  47. 鈴木壽

    鈴木壽君 この問題、これは政務次管にひとつ申し上げておきたいのですが、住民税だけで、自治省の立場からだけでこれを簡単に一まあ簡単にということばはないが、かりに私の言ったような方向というようなことを打ち出せない問題だと思うのですね、これは所得税のほうの仕組みに大体ならった仕組みでございますから。しかし、これはさっきも申し上げましたように、あわせてこれはもう一度、専従者控除のあり方というものを私は検討し直さなければならぬと思うのです。その場合に、何といいますか、青色と白色で、今度、所得税のほうでは、青色はこれの限度額がなくなって完全給与制になりますね。来年の一月からなりますけれども、これはひとつ両面からの差についての、何というのですか、根本的な検討をしていただくように要望したいのですが、いかがでしょう。
  48. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 専従者控除につきましては、逐次前進といいましょうか、いたしてまいっております。で、所得税につきまして、青色申告のものが完全給与制になって制限がなくなったというのは、やはり専従者控除というものの性格から、こういうものから、一つの行きつくところへようやく所得税に限っては来年度から来たと、こう考えてよろしいのじゃなかろうか、こう思われるわけであります。そこで、先生のおっしゃいましたこういうものについて差をつけることがいいのかどうか、あるいは完全給与制でない、制限をつけることがいいかどうか、確かに、これは基本的にはいろいろ考えられなければならぬ問題だと私どもも思います。ただ、しかし、青と白の差をいろいろな面でつけておる、こういうものを一挙にいまなくすることがいいかどうかということになりますと、これは私どもは大いに疑問がある。やはりいまの時点では、青色申告の割合の分をふやしていかなければならぬだろう、こういうことでございますから、私は、やはり基本的な問題としてはいろいろな御意見が、これはもう私どももよくわかるわけでございますけれども、一ぺんになかなかそこまでいくというのは、私どもはいかがかと思います。で、当面私ども、いまおっしゃいましたように、私どもは基本的な検討をいたしますが、私どもは当面、所得税が昭和四十三年度から青色に関して完全給与制になる、これを住民税事業税に先がけてやるわけでございます。まず、そういうところに、先ほど来税務局長言うように、所得税とどうしてこれはついていくかということでございますから、これはもう当然明年度は住民税の段階でもこれは検討していかなければならぬ。所得税について実施をされた結果はどういうかっこうになるかというような点を十分考えて検討していかなければならぬ、こういうことだと思います。したがいまして、いろいろ申し上げたようでございますけれども、おっしゃるような考え方というものにつきましては、私ども十分に検討をいたさなきやならぬ。当面は私は、所得税の青色の完全給与制と、こういうものと、今後明年度以降の、四十四年度以降の住民税はこういうものにどう対処していくか、こういうことでなかろうかと、かように考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、お説の点も十分ひとつ考えに入れまして検討さしていただきたい、かように思っておる次第でございます。
  49. 鈴木壽

    鈴木壽君 この問題だけを切り離してどうこうということも事実上うまくないかもしれませんから、ひとつ将来の住民税の軽減という立場から、他のいろんな控除等との関連もありますから、さっき言いました基礎控除の問題なんかもありますし、そういうものとの一連の関係でこれはぜひ検討してもらいたいと思うし、その場合に、単に一連の関係だけじゃなく、特にこの問題大事な問題だと思いますから、ひとつ十分念を入れて御検討いただきたいと思います。  それから事業税専従者控除なんかでも、やっぱりこれは同じようなことですが、考えていかなけりゃいけない問題があると思うんですがね。きょうあまり時間もありませんから、ひとつ十分御検討願うということで、この程度にしておきたいと思います。  それから次に、固定資産税関係で、先ほど説明のありました法の第三百五十条関係でございますが……
  50. 津島文治

    委員長津島文治君) 速記やめて。   〔速記中止〕
  51. 津島文治

    委員長津島文治君) 速記起こして。
  52. 鈴木壽

    鈴木壽君 この関係ですがね、これは三百五十条の3ですね、これについてもう一度説明をしていただきたいんですがね。三百五十条の2、3ですね、今度改正になるこれについて。それから、これについての修正がありますね。この修正案との関係、ちょっともう一度。
  53. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 三百五十条の第二項は、一つの市町村の中に一人の納税義務者が持っております固定資産、その固定資産課税標準額が、その市町村納税義務者全体が持っております固定資産課税標準の三分の二をこえる場合において、したがいまして、たとえば全市町村を通じまして課税標準が百二十あったといたします。そのうち、一人の納税義務者だけで八十以上の課税標準があるというような場合に、百分の一・七をこえる税率課税をしようとするときは、その旨を届け出てもらう、こういうことでございます。その届け出がありました場合に、まあ災害その他特別の事由があると認められる場合のほか、自治大臣はその届け出のありました税率と百分の一・七の税率との間で取るべき税率を指示することができると、こういう改正でございます。これに対して衆議院におきます修正案は、市町村が百分の一・七の税率固定資産税課税しようとするときは、一応本則としては全部届け出なければならない、こういうふうにいたしまして、ただし、一の納税義務者が持っております固定資産に対して課せられるべき固定資産税課税標準の額が、全体の課税標準の額の三分の二以下である場合には届け出る必要はない。そのほかに、さらに改令で定める場合にはこの限りではないということで、要するに、届け出を要する場合を政令でさらに限定するようにしよう、こういうのが修正案の内容でございます。
  54. 鈴木壽

    鈴木壽君 そこで、原案についてのお尋ねですが、「百分の一・七をこえる税率当該年度分の」云々と、こうありますが、百分の一・七というのは、いわゆる標準税率百分の一・四ですね、これを〇・三こしておるわけでありますが、しかし、制限税率の最高は二・一ですね。だから、いままでの税法から言えば、さっきも住民税のところで制限税率の問題を言いましたけれども、まあ、いいとか悪いとかいうことはともかくとして、制限税率内であれば、これは自治体の自主的な立場でどれをとるかということは、条例によってきまれば決定できると、こういうのがたてまえだと思いますね。それをそういうたてまえであるのに、「百分の一・七をこえる税率で」云々と、こうありますが、こえた、たとえば百分の一・八というような税率課税しようとした場合には、なぜ自治大臣届け出なければならないのか。あるいは自治大臣はそれを受けて百分の一・七で押えなければならぬというような、百分の一・七までの間に——百分の一・七からその上になると思いますが、いずれ、ここならここでこういう率をきめなさいという指示をしなければならないという必要性があるのかないのか。そういうことが、いまの税法のたてまえからいって許されるかどうかですね。そこら辺どういうふうにお考えになっているのですか。
  55. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のように、制限税率は百分の二・一でございますから、一般的に申しますならば、標準税率の一・四をこえて制限税率範囲内においてどのように税率を決定するかは地方団体にまかされた問題でございます。ただ、ここで法律案にもございますように、一人の納税義務者がその町なり村なりの固定資産税の三分の二以上の負担をするというような場合におきましては、税率引き上げるということによりまして、その一人の納税義務者負担というものは非常に大きく変わってくるわけでございます。で、そういう形の場合には、やはり税率をきめる場合にあたっては慎重な配慮をしていただくべきではなかろうか。特に具体的に申しますならば、こういう事例がありますのは、主として発電所の所在する市町村でございます。税率の決定は市町村一定範囲においては自由ではございますけれども、それには市町村の議会の議決を経てきまるわけでございます。たくさんの納税義務者、少なくともその村におられます方々の負担につきましては、村なり町なりの議会において十分審議の上決定をされるわけでございますけれども、いま申し上げました発電所のような場合に、その村の固定資産税の三分の二以上も納めるといたしましても、直接的な税率決定についての発言の機会を持たない場合が少なくないわけでございまして、そういう点を考えますと、やはり税率を決定するについて慎重であることが望ましい。その慎重を期していただくために、自治大臣がある程度意見を申し上げて指示をするということができる道を開いておきたい、こういうものでございます。  現在の税制のたてまえから許されるか許されないかというお尋ねでございますが、実はこれと同じ制度が昭和二十九年度から昭和三十三年度まで、全く同じような内容制度があったわけでございます。その後制限税率——その当時二・五でございましたけれども、制限税率を二・一に引き下げます機会に一応廃止をいたしたわけでございますけれども、やはり今日の運営の実態から見ましても、なお必要があるのではないか、かように考えて提案をいたしたものでございます。
  56. 鈴木壽

    鈴木壽君 いや、法律になってしまえば、あるとかないとか言っても、それはあることになるのだから、それはそれで話はそれっきりですがね。前にあったものが制限税率、当時二・五まであって、北海道、東北とかいう、べらぼうに高い率で固定資産税徴収しておったというようなことで問題になって制限税率を二・一まで下げましたね。そのときに、前にあったやつもなくなったと、こういうのですが、だから、なくなったということは、二・一の範囲であればそれは自由でいいのだ、自由というのは少し言い方が変でありますけれども、それはまあ、あと自治体の自主的な判断、考え方でやるべきことなんだということでなくしたわけですわね。だから、その精神は私はずっといまも続いていると思うし、それをまたひっくり返して制限をつけなければならないという考え方が、少し私はおかしな考え方じゃないか。確かに具体的な、いま例としてあげられたようなことはちょっときついなと思います。発電所とかなんとか大きなやつがあって、小さな山奥の村に急にダムができた発電所ができたということのために、村全体のいままでの固定資産税のそれよりも、一カ所であがるものがそれ以上になるのだというようなこともないわけではないと思います。しかし、だからといって、これはもう何といいますか、会社に気の毒とかなんとかいうことでこれをやるのはおかしいので、しかも、法律でそういうことをさせるということは私はおかしなことだと思うのですがね。
  57. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 私どもが具体的に調査をいたしましたところでは、一の納税義務者が所有する固定資産がその市町村固定資産課税標準総額の三分の二をこえ、かつ、一・七以上の税率課税をしておりますところは、二十三団体ございます。そのうちで極端なものは、一つの納税義務者がその村の九七・七%という固定資産を持っているという場合もございます。そういう場合に税率を上げる、その上げることも、こういう納税者が直接上げることに参画をするような仕組みにおいて上げられますものであるならば、これは市町村の自治として当然のことであるとは思いますけれども、実際問題として、発電所があるだけで、そこに何と申しますか、議会に意思が反映するような方途も実際問題としてはなかなかないというような場合に、税率を上げるということにつきましては、やはりそれ相当の慎重な配慮が必要ではなかろうか。かような観点から、こういう改正案を考えているわけでございまして、前にあったものをやめたのだからもう要らないという判断でやめたのであろうという御指摘でございますが、確かに、その当時そういう規定がございましたけれども、実際にそれによって具体的に指示をした事例はなかったのでございます。そういうような事情もございまして廃止をいたしたわけでございますが、しかし、税負担はやはり相対的な問題でございますから、制限税率が下がる、下がったのだからいいというふうに考えるか、下がった制限税率範囲内でも、やはり相対的に負担の重くなるのはできるだけ慎重に取り扱ったほうがいいと考えるかという問題はやはりあり得ると思うのでございます。そういう観点からこういう規定を設けようとするものでございます。
  58. 鈴木壽

    鈴木壽君 これはまあ幾つかの事例、いまあなたおっしゃるような幾つかの事例はあると思いますが、そしてまた、中には何といいますか、まあ、そういうものができて、これ幸いと、よくねらい撃ちとかなんとか言われますが、そういう気持ちがないわけでもないと思います。しかし、これはきわめて特殊な場合であって、そういうものは私は県なりあなた方のほうの指導でやるべきものだと思うのですよ。さっきもちょっと住民税の制限税率のことで申し上げましたが、もしこういうことで自治大臣の権限で指示したり、変更さしたりというようなことになると、住民税の場合だって、そうしてもらいたいと思うんだよ。しかし、そんなことはすべきじゃないんだし、これはあくまでも指導、その面で解決をはかっていかなきゃいけない仕事なのであって、何かの法律でこうして自治大臣が指示することができるというようなことでやりますと、これはほかのほうにも影響してきますよ。これだけは別だということでないんですね。根本的ないまのこういう税制度のたてまえをくずすことになる。ちっちゃいような問題でありながら、私は非常に大きな問題だと思うのですよね。これは困ったもんだとは思いますよ、私のほうも。もしそういうような事例のものがたくさん出てきたりなんかすればね。しかし、だからといって、こういうふうに自治大臣がそれに指示を与えたり、あるいは変更を求めたりする、こういう一つの権力が加わってくるというようなことについては、これは考えなきゃいけませんね。こういう問題は私は安易に考えられないと思うのですがね、いかがです、政務次官。
  59. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) いまおっしゃいましたような点につきましては、衆議院地方行政委員会でも非常に深刻にこの問題は論議を続けられた問題でございます。行政指導でやるべきじゃないかと、こういう御意見についてももちろん検討いたしたのでございまして、ただ、実際にはこういうものが以前はあった、その後なくなった、そのために行政指導ではうまくいかないと。俗なことばで言えば、ひどい事例があらわれてきておる。こういうことから実は、言うなればぎりぎりのところだと思います。行政指導でいいじゃないか、いや、これはやらなきゃいかぬというのは非常に微妙なところでございまして、表現になると、今度は届け出、指示ということで、いやにきつくなったようでございますが、実際はすれすれのところでございます。以前、昭和三十四年改正まであった制度でも、これは先ほど申し上げたように、一ぺんも出ておらない、届け出も、指示も行なわれておらない。ですから、私たちは、指示権が実際問題として非常に地方自治に大きく干渉する、こういうような運用は私たちは絶対避けていかなければならない、こういうものができることによって、あまりにも常識はずれというか、めちゃなことがむしろなくて、こういう条文があるけれども、安全弁といいましょうか、そういうものになると、こういうような運用を期待して、届け出が出たら、これは相当の事情があってこうなったということで、それはそのとおり認めましょうが、そういうものだけが出てくると、こういう運用にぜひ私たちは今後やらせていただきたい、かように思っておるようなわけでございます。なお、固定資産税だけではおかしいじゃないかと、住民税その他でもというお話もございますが、しかし、この場合は市の理事者がおられるから……
  60. 鈴木壽

    鈴木壽君 それは私はつけたりで、そんなこと言ってるんじゃない。そういうことにもなりかねないということであって、それをやれということじゃないのです。
  61. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) わかりました。それじゃ、以上申し上げたようなことでございます。
  62. 鈴木壽

    鈴木壽君 これ実際の例として、ひとつどこでどういうことが起こっているか、二、三知らしていただけませんか。
  63. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) いま一番税率引き上げましたことによりまして大きく超過課税額のふえております事例を申し上げますと、福島県の只見町におきまして税率を一・八五に引き上げておりますが、その一・八五に引き上げることによりまして、この一の納税義務者だけで七千万円の超過税負担をいたしておるのでございます。で、この村におきましては、この一の納税義務者の持っております固定資産課税標準額が全体の九四・五%を占めております。したがいまして、あとの五・五%が一般の方が持っておられる資産についての固定資産税でございますので、一・八五はもちろん一般の方にもかかるわけでございますけれども、一般の納税義務者の方は大体三百万円程度の税負担がふえるというのに対しまして、この一の納税義務で七千万円の税がふえる、こういうことになるわけでございまして、そういった点から言えば、やはりある程度慎重な配慮をしていただくほうが適当ではないか、かように考えておるわけでございます。
  64. 鈴木壽

    鈴木壽君 いまの只見町の場合、それはあれですね、一・四標準税率ね、それを一・八五、すなわち〇・四五ふやしたことによって、その発電所関係においては七千万円、一般では三百万円ですか、そういうことになるんだと、こういうのですね。
  65. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) はい。
  66. 鈴木壽

    鈴木壽君 大きいんですがね、七千万円もね、大きいんですが、何とかしなきゃならぬということは、やっぱりこれは気の毒だし、発電所なんかにはいろいろな——特典もないわけじゃない、あって、それにしても、いずれ、ちょっと率をいじっただけで、七千万円も八千万円もということになると、なかなかこれはたいへんなことだと思って、気の毒だし、何とかということは私も考えるが、その何とかの方法を、あなた方が意図したようなこういう改正のこういう方法でやることが一体どうかということなんです、私は。
  67. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 確かに御指摘のとおり、こういう形にいたしますことは、私たちといたしましても、まことに残念なことでございます。当該町村が良識を持って処理をしていただくことが望ましいというふうに考えるものでございます。ただ、先刻も申し上げましたように、前にもこういう規定がございましたけれども、実際にはその規定によって指示をいたした事例がございません。やはり、そういうことを申し上げるのもいかがかと存じますけれども、こういう規定が置かれますことによって、それぞれの町村においても十分慎重な配慮がなされるということになりますならば問題は解決するわけでございまして、私どもも、こういう指示権があるからといってそれを乱用するというようなことを毛頭考えておるわけでもございませんし、むしろ、そういう指示がなくて事柄が円滑に進むことを期待をしておるわけでございます。
  68. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ、こういう法律があれば自重するだろうということを期待しておるようですがね、こういう法律があって自重するようでしたら、あなた方の指導なり、県のほうだって、これは無関係にもいられないと思いますから、そういうような指導とか、何かそういうことでケリがつくんじゃないですか。従来もあったけれども使わなかった。いま、今度つくるのだが、これは使わなくてもいいようにやりたいのだ。それではなくたっていいので、指導で何とかやれるという、そういうことなんでしょうね、実際は。
  69. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 私どもはこの法律ができました場合の運用の心がまえについて申し上げたところでございまして、指示権によって何でも押えるというようなことを考えないで済むように、当該町村も適切な配慮をしていただくことを期待していると申し上げたわけでございますけれども、だから法律は要らないではないかということには、まあ必ずしも結びつかないように考えられます。で、私ども指導でやればいいかどうかという問題については、ずいぶんここ数年来考えてきたところでございまして、しかし、なかなか指導と申しましても、今日の段階では、法律の根拠なしに、単に指導だというだけでなかなか問題が解決を見ず、かえって問題をこじらすというような場合も少なくございませんので、こういうような規定をあえて設けていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  70. 鈴木壽

    鈴木壽君 じゃ思い切って制限税率のほうに手をつけたらどうです。ここに固定資産税の場合の超過税率の調べがありますね。一・八以上というのはあまりありませんね、これは。町村で百五十二、五・六%というのがありますが、大きい町のほうではあまりないですね。こういうことから言っても、むしろ超過税率の全体の制限税率の、全体の率が二・一というのをもっと下げて、その間であと実質的にやらせるという、こういうこともこれは考えられる一つの方法ですわね。
  71. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 何度も申し上げますように、私どもこういう規定を設けようとする趣旨は、ほんとうに特殊なところについての問題でございまして、先ほども申し上げましたように、一応現段階で該当すると考えられますのが二十三町村でございます。したがいまして、そのうちで実際の問題になりました場合に、二十三全部が税率を指示しなければならぬというふうな事態にはならないともちろん考えられるわけでございます。そういった点を考えてみますと、このことがあるからといって、全体の市町村の制限税率を下げるということにはなお問題があるのではないかというふうに考えているものでございます。
  72. 鈴木壽

    鈴木壽君 しかしね、私必ずしも全体の制限税率の引き下げということを私も本気で言っているのでもないのですけれども、しかし、こういうことを、いわば一つの干渉ですわね、大きな特殊な例であってもですよ。干渉するよりは、まあ同じ干渉でも、率のほうで押えること。国会のその場できめてもらったほうがよほどやり方としてはいいのじゃないか。やはり私としては、いまのままにしておいて、こういう特殊な例だとは言いながら、このままにしておいて届け出をしなければならない、自治大臣がこれこれこういうパーセントにしなさいと言って指示をしなければならないということはどうしてもおかしいと思うのだよ。事は小さいようだけれども、さっきもちょっと言ったように、それこそ地方自治の根本に触れる問題だと思うのです。自由裁量をある程度許しておいて、その中でやろうという場合に、どうもそれはおかしいから自治大臣に持ってこいと、自治大臣はこういうふうにきめてこれをこういうふうにやらせるというのは、これはどう考えても矛盾しますね。
  73. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 鈴木先生の御意見もわからぬわけではございません。したがいまして、これを提案いたしますまでには、まあいろいろ検討をいたしまして、その結果出したわけでございますが、まあ先生もおっしゃいますように、これはやはり常識的に考えては気の毒だ、あるいは、こういうことをやってはいかぬということはお認めになっておるようでございますが、その中で行政指導ということですが、逆に考えますると、自治省の指導のあり方というものについては、これはまたよほど考えていかなければならぬ面が私どもはあると思います。実はその面も私たちとしては、これを出しますまでには考えたわけでございます。やはり、いわゆる行政指導というものには、かなり厳重な私は限界を設けるべきではないか、こういうものが行き過ぎになってはいけないというふうに考えるものでございます。こういう問題について行政指導、これをやらなければ、別なことばで言えば、これで何とかしなければこっちにも考えがあるといったようなことは、これは厳に避けるべきことでありまして、そういった点から考えまして、制度として一応設けて、先ほど私が申し上げたようなことにしてはどうかと、こういうことでございます。  それから制限税率自体を下げるか上げるかという問題は、私は本件の問題とはまた別個な問題でございまして、二・一という固定資産税の制限税率が安いか高いかということは、もう少し全体的な問題として検討さるべきではなかろうかと、かように考えております。
  74. 鈴木壽

    鈴木壽君 私はどうしても納得できませんが、百分の一・七をこえる税、特別な例だということなんだけれども、どういうことなんです。そうすると、これは修正案にも、どうもちょっと書き方を変えたぐらいで、修正案そのものも変わっておりませんし、指示をすることができることになっておりますから、どうですかね、ちょっとこの点について答弁、どうも私は納得できませんし、もう一度考えて、あしたあらためて考え方を聞かせていただくようにしたいと思いますので、この点については保留をさしていただくようにお願いします。  それでは次に、電気ガス税非課税の期限を延長したこと、それから新たに非課税品目に追加したものですね、これについてちょっとお尋ねをしますが、三年間の非課税期間を設けてやって、その二酸化マンガンと四品目ですね、今度は期間満了にかかわらず、それをずっと今後非課税扱いにすると、こういうのだと思いますが、当初三カ年間の非課税期間を設けてやったその理由、また、今度それが満了したにもかかわらず、それを延ばさなければならないという理由ですね、これをひとつお聞かせをいただきたい。
  75. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 新製品につきましては、一定の条件がございますが、その条件に該当しますものにつきましては、一応三年間の非課税期間を設けまして、その三年を経過したところでさらに検討いたしまして、電気料金の占める割合が製品のコストの中で五%以上であるかどうかというような点を検討いたしまして、その際の検討の結果、あるものは非課税からはずし、あるものは期限内の非課税にする、こういうような取り扱いをいたしておるものでございます。今回追加いたしました金属マンガン及び二酸化マンガン等につきましては、そういうような検討をいたしました結果、条件に該当するものとして非課税規定に加えたものでございます。
  76. 鈴木壽

    鈴木壽君 この電気ガス税非課税扱いについては、これは税法の改正の問題が国会にかかり委員会に出るごとに問題になっておるのですが、いままでですと、この非課税品目というものもできるだけ整理していく、こういう方向で検討したいということの答弁があったと思うのです。しかし、実際は年々非課税品目がふえる。いわゆる新しい製品といいますか、そういうものがどんどん出てくるからかもしれませんが、それから当初期間を定めて何年間かその期間での非課税措置、こういうことであったにもかかわらず、今度はコストがどうとか、コストの中に占める電気ガスのそれがどうとかいう、まあ、いろんなことで、期間が過ぎてもまたそのまま非課税対象になる、こういうことをずっと繰り返しておるのでありますが、これは政務次官にお聞きしたいのですが、一体、政府としては、こういうものに対する課税というようなことについて、実に私はルーズな考え方を持ってると思うのですが、どうでしょう、これは。
  77. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) あとから申し上げます。
  78. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 電気ガス税非課税につきましては、毎度御指摘を受けておるわけでございますが、現在までこの電気ガス税非課税が乱に流れないようにということで、ずいぶん関係各省の間でも協議をいたしました。また、税制調査会の答申等もございまして、一応乱に流れないようにということで基準を、内部的な基準ではございますが定めているのでございます。これはもうすでに先生御承知のとおりでございまして、重要な基礎産業であるということや、あるいは製品コスト中に占める電気料金の割合が五%以上であるというようなことを基準として、検討をしてきているわけでございます。で、御指摘のように、毎年度ふえるということでございますけれども、最近の科学は日進月歩でございまして、新しいものがどんどんできてまいりますので、どうしてもそういう基準を動かさない限りは、それに該当するものの数はふえてくるということになるわけでございます。ただ、全体としてその基準を含めてこういう非課税規定が多いことがいいかどうかという点については、御指摘のように、いろいろの問題のあるところでございまして、私どもも、機会ある。ことに、この問題を根本的に整理をいたしたいということで努力をしているのでございますけれども、なかなか一たん非課税になりましたものを洗い直して、あすから課税をするということは、言うべくして困難であるというようなことで、前進をしていないということは、まことに遺憾でございますけれども、ただ、気持ちといたしましては、そういう方向でなお今後とも努力をいたしてまいりたいと考えております。
  79. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは率直なことを言うと、これはあなた方のいま述べられたような意図、こういうことで、いわゆる検討すべきものだ、その方向はやめるものはやめる、整理するものは整理するということで検討すべきものだということを考えているけれども、そうさせないものが一つあるんですね。通産省あたりだな、率直に言って。これはきょう通産省、呼んでいませんから、そういうところに私、政務次官からちょっと聞きたいと思うが、政府全体として取り組み方にルーズなところがあると思うのですがね。あなた方を私いま責めてばかりいるんじゃなくてですよ、あなた方でどうにもならぬものがあるから、次から次へと通産省から持ち込まれるでしょう。通産省の何か情報みたいな、そんなのを見ると、これは非課税品目に追加することに成功したとかなんとかいうことを、ほんとうですよ、情報みたいなものにときどき出るんですよね。今度はこれをぜひ追加させなきゃいけないとか、この期限をもっと延ばさなくちゃいかぬとかいうようなことがあるんですよね。そういうものにあなた方、どうも抗し切れずじゃないかと思うのだ。まあ、そんな冗談ごとはともかくとして、それがほんとうじゃないかと思うのだな。そこで、確かに、新規の製品とか電力をたくさん食う、これはもういまになると、新規であろうが古いものであろうが、電力を食わないものはなくなってきているんだよ、ほんとうを言えば。と同時に、たとえばコストの中に占める割合が五%以上、まあ、これは一つのめどでしょう。これは計算からすれば、そういうものを五%か六%あるいは一〇%、一五%と出てくるかもしれませんが、一体五%とか一〇%とかいうことを設定をして非課税にしなきゃならぬということは、それの製品の価格に対してどう影響していくか、それが国民の生活にどう影響していくかということを考えて、いわば国民負担なりコスト高による価格の上昇が、国民生活に、しかも、主として基幹産業なんかを当初やりましたから、そういうものに影響したんじゃ困るという面で、これは減税が行なわれていると思うのですよ。いまになって、そういう効果が一体どうなっているかということの調査は一つもない。はたして製品の価格なり、そういうものの中にこの減税に見合った分だけのそういうものが生かされて織り込まれておるかどうかということは、これはだれもつかめない、一応コスト計算の中には、電力料金、いろいろあるかもしれぬけれども、なかなかはっきりしたことはだれもわからない。だから、私はそういうふうなものを一たん洗って、こういうものの措置による経済効果というものは一体どうなのか、それが生産なり、あるいは、われわれの生活、社会経済の上に一体どうなっているのかというところまでやっていかないと、ただ、また、さっきも言ったように、通産なり関係の業界なり、そんなものに押しまくられてばかりいなければならぬ、こういうことになると思うのです。私は全部をいまやめてしまえとか、全部を半分にしてしまえということは、そんなむちゃなことは言いませんが、この並べられてある品目を見ても、こんなものまでと思うようなのが幾つもありますね。従来の惰性で既得権みたいになっている、けっこうそこではもうけている企業、こういうものはやはり私は厳重にメスを入れて、先ほど言ったように、非課税品目というものを整理し縮少していくという、そういう方向でやらなければいけないと思うのです。そういう意味で、私は、これは税務局長や課長さんをどうのこうの言ったってしようがないものですから、次官から考え方をひとつ聞きたいと思う。
  80. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) もう大筋はおっしゃるとおりだと思います。単に電気ガス税の減税問題だけではなくて、やはり課税上の特例のいろいろな措置というものについては、どうも減るほうが少なくて、とにかく、どんどんふえる形であるということは、争われない事実だと思います。しかし、これはやはり私どものほうでも始終いろいろな調査はいたしておるようでございますが、様子も必ずしもできたときと同じではないと思います。値段も変わってまいりますし、コスト計算も変わってくるわけでございますから、やはり、ある時期をきめて、そういうものについては洗い直すといいましょうか、再検討するということが私は必要だと思います。そういたしませんと、結局、変な既得権の上に眠っておるというようなかっこうのものができてまいる。そういう点については、始終やることも必要でございますが、ある時期に、やはり相当時間のたったところでももう一ぺん洗い直す、こういうことが私は必要じゃないか。これは電気ガス税の問題に限りません。そういうふうに私ども考えておりまして、基本的には、鈴木先生のおっしゃったような考え方で、私どもといたしましては、かなり厳重にいろいろいたしておるつもりでございます。まあ科学技術の進歩で新しくできるというふうなものについては、これはある程度考えていかなければならぬ、これはそう思います。しかし、これまでのものが一体、できたときと同じ状況であるかどうか、そういう点については、絶えずまた実際問題として、ある時期に洗い直す、こういうことが必要ではないか、さように存じておる次第でございます。
  81. 鈴木壽

    鈴木壽君 次官、ほんとうに検討いたしますか。電気の非課税のさっきいただいたこの表によっても、四十一年度では二百十二億円、四十二年度では二百三十億円、四十三年度では二百五十六億円、ずいぶん大きないわば減税をやっている。あたりまえであれば当然これだけが入ってくる。市町村もこれでうんと潤うことができると思うのです。いま市町村電気ガス税といったって、これの倍ぐらいか、ちょっとぐらいですわね、安い。いま幾らでしたっけ、ちょっといまは半分には達しないようだけれども、いずれにしても相当大きな額になっていますよね。だから、全部を私も、さっき言ったように、やめてしまえというようなむちゃなことは申し上げませんが、いま政務次官がお答えになったように、やっぱりひとつすっかり洗い直してみなければならない。そうして新製品であり、電力をたくさん食って、コストの上でもそれに課税するしないによって明らかに影響があると思われるようなところ、しかも、それをやってもなおかつ採算のとれないようなところも、新製品の場合には出てくると思う。そういう場合にはかける。少しきつい言い方だけれども、かけるようなことでもしないと、洗うといっても、なかなかこれまた洗い去ることはできない。もっとやはり非課税する場合の条件といいますか、ひとつそういうものを考え直してやってもらわないとこれはいけないと思うのですがね。
  82. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 電気ガス税の問題については、しばしば御指摘を受けているところでございますが、ただ、産業用電気につきましては、私どもといたしましても、できるだけ非課税全般の問題の一つとして整備をしたいという考えは持っておりますけれども、一方に、こういう消費税を原料に課税することは、消費税本来の性質から、税体系の問題として適当でないという意見もないわけではございません。そういった点から、製品コストの中に占める電気料金の割合が高いというところに一つのめどを置いてこういうような取り扱いをしているわけでございますが、ただ、先ほどもお話がございましたように、何年かたってまいりますと、それが非課税になりましたときと必ずしも同じ状況でないものもあるわけでございまして、その辺につきましては、私どもも、時期を定めて厳重に調査をいたして適切な措置を講じていくように今後とも努力をいたしてまいりたいと考えております。
  83. 鈴木壽

    鈴木壽君 いま局長の言われたことにも関連しますが、もう一つは、よく総理なんかも、電気ガス税は悪税だとか、やめたいというようなことを言われている。そうすると、これは単にいま企業に対するこういう非課税の問題だけでなしに、電気ガス税全般の問題として、いわゆる消費課税として、一般の人の生活の、まあ、いわば必需品みたいな、そういうものに対するこういう課税、これがいまの程度でいいかどうかという、そういう意味でやっぱり考えなければいけないと思うのですね。ガス免税点引き上げがなされているようでありますけれども、ガス免税点引き上げがこの程度でいいのかどうか、あるいは一体、電気はそのまま据え置いてもいいのかどうか、こういう問題も実はあるわけですからね。だから、そういう問題も、やはり電気ガス税全体の問題として、これはやっぱり検討していかなければならぬと思うのです。そういう意味で、私がさっきも申し上げたような点も含めてこれはやらないと、これは妙なものになってしまう。ある意味においては、総理や通産大臣をやった人は、みんなそう言うのです。池田さんもそうでした。佐藤総理も、通産大臣をやった人はみんな、これは悪税だと言う。悪税なら悪税のようにそれこそやめるか、あるいは、いいものに直すか、これはどっちかにしなければいけないと思う。私は、あの人たちが言っている悪税というより別の形で、いまのような形の電気ガス税は私は悪税だと思う、いまのような形のね。電気ガス税そのものが悪税ではなくて、いまの形の、一般の者に対してはいろいろな負担がかかっておって、変なものを非課税にしている、こういうようなあり方の電気ガス税は私は悪税だと思っているのですね。まあ、それはともかくとして、私は、この問題を税法の改正のときにいつもものを言っているのでありますけれども、ほんとうに税というものを考えた場合に、これはゆるがせにできない問題だと思うのですね。あわせて、私は、実は租税特別措置法についても、地方税へのはね返りを私は問題にしたい。今度も租税特別措置法、例によっていろいろ出てきて、いま資料もいただきました。四十三年度非課税措置による減収額試算の地方税関係のこの資料を見て、「国税の租税特別措置による地方税の減収見込額」、「道府県民税」、「事業税」、「市町村民税」、こうありまして、総計が八百三十九億円ですよ。まあ隣の欄には、これは地方税の、いまの電気ガス税なんかを含めた地方税だけの非課税措置による減収見込みですが、国の租税特別措置による地方税の減収額が八百三十九億円にも及んでいるということを、しかも、具体的にいろんな項目を見てまいりますと、こういうものを地方税に背負わしていいのかどうかという点が幾つもあるんですよね、これは。国が産業政策上あるいはいろいろな輸出増進とか、いろんな形で国がある程度の特別措置を講じることは、これはあり得ると思うんです、政策問題として。それが今度すぐ地方税のそれにまでみんな及んでくるようないまの形というものは、これは私は筋が通らないと思う。さっきの——時間の関係もありますから、租税特別措置のことをあまり一つずつやってもいられませんけれども、どうです次官、電気ガス税その他の地方税における非課税措置の検討とともに、この租税特別措置による地方税への影響、関係をこれはひとつあわせてぜひ検討して、できだけ——できるだけですよ、地方税にはね返らないような方向をひとつ打ち立ててもらいたいと思うんですが、いかがでございますか。
  84. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 電気ガス税につきましては、先ほどの免税のほかに、よりいろいろ基本的な問題があるという御指摘でございました。これは国会の論議の中でも、しばしば出ております。どういう解釈をするにいたしましても、これは電気ガス税そのものについて検討しなきゃならぬということは、われわれに与えられておる課題であると承知いたしております。私どものほうの大臣も、まあこういう問題につきましては、特に非常な関心を持っておるわけでございまして、そういう点で根本的な電気ガス税のあり方というような点についても、ひとつ十分検討をいたしたい、ただ、そういうことを申してはなんですが、七百億以上の実は税収入というようなことになっておりますために、なかなかこれについての考え方が、全般的な問題との関連を考えなければいけないというような問題が出てまいっておりますので、困難ではあるわけでございます。しかし、そういう点について、われわれはやはり基本的な問題として考えてみたい、かように思っておるような次第でございます。租税特別措置の問題につきましては、税務局長からお答えいたさせます。
  85. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 国税の租税特別措置の影響が地方税に及びますことにつきましては、私どもとしては、原則的な考え方としては、できるだけこれを排除していくという考え方に立っておるわけでございます。ただ、現在の地方税と国税との間の課税技術上の問題も、いろいろむずかしい問題がございまして、たとえば法人税割りのように、法人税額そのものを課税標準にいたしますような場合には、租税特別措置で法人税額の減税が行なわれました場合には、結局、それをそのままとっていく以外に、課税技術的に困難であるというような理由もございます。あるいは事業税におきます所得の計算にいたしましても、原則的には国税の計算をいたします法人所得をとっていくわけでございますので、その間に特別のものだけをはずすとか加えるというようなことがなかなか課税技術的にむずかしい問題がございます。したがいまして、私どもといたしましては、その辺の問題の解決をはかりながら、できるだけ地方税に影響の及ばないように努力をしておるわけでございます。たとえば資本構成の是正のための法人税特例措置、あるいは合併法人の合併助成のための課税特例措置というような制度がございますけれども、こういうようなものにつきましては、法人税額なり法人所得なりを、そういった特例措置なしに一回出しまして、その上で税額控除法人税でするというような立て方をとっております。それで、私どものほうとしては、地方税住民税なり事業税課税上混乱の起きないような形で両者の影響を遮断する、こういうような方法を最近はとるようにつとめてまいっておるわけでございまして、そういうような点の配慮も加えながら、今後とも、御指摘のような問題については、できるだけ地方税に影響の及ばないような措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  86. 鈴木壽

    鈴木壽君 税調の答申等を見ましても、租税特別措置の問題については、いつも触れておって、しかし、残念なことに、あの答申というのは、具体的なことをやってくれないのだな。いわゆる、検討すべきであるとかなんとかというくらいの話で、もう少し具体的に答申を出してもらったらいいと思うのだが、そういうところで私どうも不満なところもあるが、いずれにしても、答申も出ておるし、これは私どもの所管外です、租税特別措置というのは。だからこれについてはどうのこうのとあまり申し上げませんが、これの整備をすると同時に、これの地方税へのはね返りということの遮断については、これは極力やってもらわないといけないと思うのですがね。で、さっきもちょっと申しましたように、全部が全部だめだ、こういうことではもちろん、これはないのでございますから、十分ひとつやって、何とか来年度あたりには一つの方向が出るような努力をしてもらいたいと思うのですが、どうでしょう。そこまで政務次官、あれですか、来年度もこの税制改正があるかないかわかりませんが、次の国会あたりまでに、いかがでございましょうか。
  87. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 先ほど先生からお話のございましたように、税制調査会等におかれましても、租税特別措置の整理合理化につきましては、しばしば答申もされております。私ども、国会でもいろいろ御指摘をいただきまして、その合理化に努力をしておるのでございます。ただ、いずれの問題にいたしましても、全体として見ますときには、非常に問題の考え方がいろいろあるわけでございますが、個々の具体的な問題になりますと、できますにはそれぞれ理由があるというようなことから、なかなか現実の問題としてはむずかしい問題があるのでございます。したがいまして、ある時期を定めて、一刀両断に一挙にというようなことはなかなかできないのでございまして、こういうことを申し上げると、努力が足りないとか、あるいは熱意がないとかいうお叱りをいただくかもしれませんけれども、私どもいままでやってまいりました経験から申しましても、ある日を定めて、その日から全部あるいは大部分というようなことを考えましてもなかなかできません。そこで、この問題の解決は、結局もうたゆまない努力以外にないわけでございまして、一つでも、二つでもというつもりで努力をいたしてまいりませんと、なかなか解決しないという状況でございますので、私どもの考え方といたしましては、もうしんぼう強く努力を続けていくというような方向で問題の解決をできるだけはかっていきたいと、かように考えておる次第でございます。
  88. 鈴木壽

    鈴木壽君 政務次官どうです。ひとつこれは大蔵、それからまあ企業関係ではさっきの電気ガス税非課税の問題じゃないですが、通産あたり、特にいろいろあるので、自治省だけがひとりでどうこうするというような問題ではもちろんありませんから、これは政府部内の問題として、このための努力をしていく、さっき申し上げたような方向での努力をしていくということで、何かそういうふうな、実際に検討する機関でもないでしょうが、何かつくって、一緒になってやっていくという、そういうことでもしないと、あなた方だけではこれはどうにもならぬと思う。あなた方がかりにこういうふうにすべきだといってやっても、通産や大蔵ではすぐはねるでしょうから、何かそういうふうなかっこうでこの問題に取っ組む、そして、これはもちろん一挙にいま全部というわけにもいきませんから、税務局長が言うように、そのうちの一つでも、二つでも、三つでも解決をしていく、こういうことに進まざるを得ないと思うのですが、そのくらいのことをおやりになる決意はございませんか。
  89. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) ただいま税務局長からお答えをいたしましたように、実際問題として非常に困難な問題であろうと思いますが、しかし、困難であるからということは、避けて通るということには相ならぬと私どもは思います。したがいまして、自治省といたしましては、先ほど来の問題、また、ただいまの問題につきましても、将来において十分検討をいたしまして、私たちの意見として、ひとつ関係の各省に話を持ち込む、そしてできる限りの努力をいたしてみたい、かように考えます。  なお一つの方法といたしましては、私どもは会合を開く云々ということは、やはり税制調査会がございますから、税制調査会で、先ほども先生の御質疑の中にもあったわけでございますがなるべく具体的な問題の取り上げ方をしていただくように、私たちは努力すべきである、かように実は存じておるようなわけでございまして、できる限り困難な問題と正面から取り組んでみたいと、かように存じておる次第でございます。
  90. 鈴木壽

    鈴木壽君 実は税制調査会等でもう少しはっきりした具体的なことを出してもらいたいというのは、私もさっき申し上げたし、あなたもそれに期待をしていると言うのですが、ところがあそこのいままでのやつを見ますと、あそこに期待するのはちょっと無理なようですよ、ほんと。あの人方に叱られるかもしらぬけれども、どうも中には企業代表、産業代表、財界のいろいろなメンバーが何人もあって、口を開けば企業のための減税なり、あるいは資本蓄積のためにはこうしなければいかぬとか、輸出振興のためにはこうしなければいかぬとか、そういうのが非常に強いのだよ。減税の問題を考えてみても、まず企業減税をやれという主張の人がかなりあるので、どうもあそこには期待をしておってもなかなかできないのじゃないかな。ただ幸いなことには、方向だけは出してくれているから、その方向に沿ってあなた方が政府としてやるという、これしかないようですよ。あそこに期待してやったってなかなか出てきません。出せない。どうです。
  91. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 政府の税制調査会は……(「権威がないというわけじゃない」と呼ぶ者あり)というわけには実はまいりませんで、やはりあらゆる角度から各方面の委員がお出かけになっておりますから、それぞれ御主張なさる方は、それぞれ主張なさるだけの理由があって御主張になっておると思うのでありまして、これは私どもは全幅的な御信頼を申し上げておるわけでございます。これはいまおっしゃるとおりのことでございますから、方向として出ているものをより具体的にしていただくには、われわれがやはり材料を提供してお願いもする。先ほど松島君が申しましたように、しんぼう強く、いろいろそういう点で一歩でも二歩でも数歩でも前進するというような方向で行かなければならぬじゃないか、かように思うのでございまして、先生のおっしゃる点はわからぬでもございませんが、私たちとしては、やはり税制調査会の御結論というようなものはどうしてもいいものが出ると、かように実は存じておる次第でございます。
  92. 鈴木壽

    鈴木壽君 ちょっとさっき資料でお願いしたやつですがね、四十二年と四十三年のを、実はどういうぐあいになっておったかを見たいと思って、租税特別措置法なり、そういう非課税措置の租税特別措置のほう、四十二年の部分をお願いしたつもりですが、四十三年のしか……。
  93. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 実は急ぎましたものですから、とりあえず、たまたまできておりました資料を差し上げたわけでございまして、これは四十三年分について調査したものでございまして、御指摘のありましたのは四十二年の分との対照表でございましたが、ちょっと時間がかかりますので、とりあえずの資料として四十三年の分を差し上げたわけでございます。
  94. 鈴木壽

    鈴木壽君 四十三年のはこういうふうにできていますから、さらにまたこれと四十二年の分を並べてということよりも、四十二年の分があったら別に出してくださってもけっこうですから、それをひとつお願いしたい。というのは、これはさっき電気ガス税非課税、それによってくる減収額の三年のやつを見ましたが、四十三年度で八百三十九億円、四十二年度はこれは六百何十億だったと思いますがね、六百七十億くらいじゃなかったかと思いますが、そういうのは、年代をふるとかなり膨大な額がこのための減収額として出てきているわけですね。あまりくどい言い方で悪いけれども、このうちの一割でも二割でも整理して響かないようにしてくれれば、地方はよほど助かるのですよ。そういう意味で、そこらあたりの動きをちょっと見たいと思って四十二年度のもお願いしたわけですから、あとで、あしたまででけっこうですから、四十二年と四十三年と並べて比較しやすいような表に、つくり直さなくてけっこうですから、四十二年のがありましたらひとつお願いしたいと思います。それからもう一つ、道路整備関係の資料できていますか、あしたになりますね。
  95. 森岡敞

    説明員(森岡敞君) 第五次道路整備五カ年計画の全体計画の資料はいま整理しておりますので、おっつけお手元にお配りできると思いますが、そのほかに四十二年度、四十三年度の事業費あるいは財源の内訳等につきましては明日までに提出いたしたいと思います。
  96. 鈴木壽

    鈴木壽君 それじゃ自動車取得税に関連して、私きょう資料がほしかったんですが、あしたに自動車取得税関係のことを回したいと思いますから御了承いただきたいと思います。  次に、国民健康保険税のことですが、さっきもこの国民健康保険税関係して御説明があったわけでありますが、ちょっとそれに関連してお尋ねをしておきたいと思います。今度のは七割給付ということができまして、さらにまた国庫補助なり一部負担問題等から標準課税総額割合を百分の七十五から百分の六十五に改める、こういうことでありますが、これから見ると一〇%も引き下げられるという形ですから、何か減税にでもなるような感じをするわけですが、そういうこととはこれはあまり関係ありませんね。
  97. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 国民健康保険税標準課税総額の算定のしかたにつきましては、御承知のとおり療養給付に要します経費に任意給付あるいは保険給付に要します経費を加えたものから、本人が負担します一部負担金、国庫負担金、あるいは国民健康保険の調整交付金というようなものを差っ引きました残りを国民健康保険税に求めると、こういう仕組みになっておりまして、その計算方法が、一部負担金の割合等が変わってまいりましたために率が変わってくると、こういうものでございまして、このことによって特に減税になるというわけのものでは必ずしもございません。
  98. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうだと思いますが、まあそれはそのとおりとして、いままで百分の七十五ということが標準になっておりますね。ところが、実態でどういうふうになっているのか。こういうものの標準の率があるんですが、あなたのほうでお調べになった国民健康保険に関する調べを四十一年度分のやつを見ますと、法定どおりのいわゆる七五%という、これによらないところがたくさんありますね。こういう関係は一体どういうふうにごらんになっていますか。
  99. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおり、現在までの標準課税総額割合を出す計算は、百分の七十五になっておりますけれども、現在百分の七十五で実施いたしております市町村は全体の中の一四%程度でございまして、それ以外のところはその標準保健割合によってやっていない、こういうことでございます。一番多いのは、その割合が五〇%未満というところが六一・五%もあるという状況でございます。これはどういうことかということでございますが、現在の標準課税総額の出し方の問題が一つあると思います。それは先ほど申し上げましたように、療養給付費を一〇〇といたしまして、任意給付あるいは保健施設に要します経費を二〇と見まして、一応総体を一二〇と見まして計算いたしておりますが、実際には任意給付あるいは保健施設なりの経費を切り捨てまして、その分はほとんどやっていないということから所要額自体が低いということで、必ずしも百分の七十五を取らなくてもいくという場合が多いようであります。  それから第二点は、百分の七十五を取らない場合にも、かりにその結果百分の六十なり百分の六十五になるような場合でも、なおそれだけを保険税として求めることがなかなか困難であるということから、一般会計で多少の繰り入れをするということから、保健料負担をさらに軽減するために標準保険割合を下げているというところもあるようであります。そういったことで、御指摘のように七五%によっているのがむしろ少なくて、五〇%以下でやっているところが非常に多い、こういう状況のように見受けられます。
  100. 鈴木壽

    鈴木壽君 お話のように、この表を見ましても法定どおりの七五%というところは一四・一%、それからそれをこすものが〇・四%、あとは全部七五%以下、五〇%未満のものが六一・五%、こうありますが、確かに農村といいますか、農村地帯のほうに行きますと、任意の給付なり施設も持たぬ、そういうところもありますし、したがって、この割合が渋くなってきているだろうと思います。いわば一二〇というそれでなしに、一〇〇という程度の計算でそういうことになってくるのじゃないかと思うのでありますが、さればといって、これを今回六五にしたといっても、さっき言ったように、これは別に町村を規制する、何もそういう性質のものではないと、こういうふうにも考えなければいけませんが、その点はどうですか。
  101. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおりでございまして、一応、療養給付を一〇〇と見て、任意給付あるいは保険施設を二〇プラスしてやるという標準的な型を考えればこの額になる、こういうことでございます。しかし、任意給付なり保険施設を設けるか設けないかということは任意でございますので、それをやらなければ低くあっても別に差しつかえない、こういうことになるわけであります。
  102. 鈴木壽

    鈴木壽君 いまの率の問題はこの程度にいたしますが、ちょっとあなた方とは直接——あなた方と言っちゃ悪いが、いわゆる国民健康保険そのものになると思いますけれども、どうも最近の国民健康保険税のそれを見ておりますと、もうだんだん高くなって、住民は音を上げていますね、実際問題として。全国平均で見て一世帯当たり八千幾らですか。
  103. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 八千六百九十一円になっております。
  104. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうですね。
  105. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) これは四十一年度でございます。四十二年度はそれよりも若干ふえ、さらに四十三年度はまたさらにふえるであろうと見込んでおります。
  106. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ、これは年々上がってきて、いまお話のような状態になっておるんです。そして、一方、保険会計がだんだん健全化してきたと、こう厚生省あたりは言っているんですね。なるほど足りなければ保険税を上げて、そしてやっていきますから、もとみたいに赤字だ、赤字だというふうなことを言わなくなってきていますが、この保険税がこういうふうにだんだんひどい値上がりをしてくることに対して、どうです、あなた方、保険税というものを扱っている担当の方々として、どういうふうにごらんになっておられますか。
  107. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 実は国民健康保険税の問題につきましては、ただいまのところ地方税法国民健康保険税として、税として徴収するということになっておりますので、税の問題には違いございませんけれども、国民健康保険制度内容そのものは全く、何と申しますか、保険制度の中の一つとして運用されており、その結果を税としてとるというような形になって出てまいりますものですから、私どもといたしましても、内容そのものについてどういうふうにするかという問題を考えてまいりませんと、一定の方式によって出てきた結果、いわば差額を徴収するというような形で運営されております国民健康保険税の問題だけをとらえて、どうすれば問題が解決するという結論を出すことはなかなかむずかしい段階でございます。ただ、考えられますことは、現在の国民健康保険税は、いまも申し上げましたように、その町なり村なりごとに健康保険をやっていきますために、どれだけの金が要るか、それに対して国庫負担なり、あるいは一部負担なりがどれだけ入るか。で、差額をどれだけを税として認めるかということを出しまして、その出しました額を、いわば被保険者に割りつけをしていくというような形のものでございます。そういう点から、必ずしも所得の百万円の人に対してAの村もBの村もCの町も同じような負担率になっているとは限らないわけでございまして、その割りつけの結果は、同じ所得百万円の人に対しても、Aの村では二万円で済むが、Bの村へいけば三万円納めなければならぬとか、Cの村では一万五千円にするとかいうふうに、所得なら所得をとりましても、それに対する負担率が、住民税についても、先ほど税率の相違があるということはございましたけれども、税率の相違を除けば、一応、全国一律の基準に従って税はとられているわけでございますが、国民健康保険税の場合はそういうしかけになっておりません。そこにまたいろいろむずかしい問題があるわけでございます。結局、所得の低い人にも重い負担がかかるというのも、そういったところに大きな原因があるのではないかというふうに考えられます。したがいまして、根本的な解決をはかりますためには、やはり厚生省などでも考えておられますように、標準保険料、あるいは標準保険税というような制度に切りかえてまいりまして、一定の所得の人に対しては、どの村に住んでおろうと、どの町におろうとも、これだけの額を負担していただく。もしもその村全体の所得水準が低いために、その結果、所要額が得られない場合には、その所要額の得られない部分を国なり何なりで全額補てんをしていくというような形に切りかえていきませんと、問題は根本的に解決しないのではないか、こういうふうに考えております。
  108. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあ保険税が高いとか安いとか、住民の負担が重いとかどうとかという問題を、単に税法上での扱いとして担当しておるあなた方に聞くことは、これはどうかと思うが、しかし、一方またそういうものにタッチしておるあなた方から見て、いまの傾向というものをどう見るか。したがって、もし高過ぎる、大きな住民への負担がこのようなかっこうでいくのは困るというような、もしそういう見方をすれば、どうあるべきかということについての考え方もあるのじゃないか。こう思っていまお尋ねをしたわけなんであります。まあ最近、住民税の高いということ、重いということについては、さっきもちょっといろいろやりましたが、と同時に、これがそれ以上に最近は重圧となって困るという、こういうのが特に農村地帯の方々の声なんです。まあ健康保険もいいけれども、こんなに金がかかるんではやり切れない。中には病気をしたり何かして医療の給付を受けておる人はそういうことはあんまり言わないが、ことし一ぱいだれも病気しなかったとか、医者にもかかったことがないというようなのになると、こんなやつ困ったものだ——まあこれは少しざっくばらん過ぎるかもしれませんが、そういう声がほんとうにあるんですよ。やっぱりこのまま医療費はだんだんかさんでいくと思います。いろいろなことで、給付が七割になって、さらにまた給付内容というものもだんだんよくなってくるでしょうから、これはかさむと思いますし、それに従って今度はどんどんそれを住民の側へいまのような形で、増税というようなかっこうで負担していかなければならぬということは、これはほんとうにいま言ったような人たちの声を待つまでもなく、これはやっぱり大きな問題だと思うので、こういう点については、これは厚生省あたりから来てもらわなければいけないと思いますが、ひとつあなた方の立場からも、どうすべきか、これの改善策といいますか、そういうことについての意見なり主張なりがあってもいいと思いますが、政務次官、こういう問題をひとつどういうふうにお考えになりますか。
  109. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 国民健康保険税が高いという声につきましては、全く先生のおっしゃるとおりでございまして、私なども島根県という農村部、また山村部をたくさん控えておるところでございますが、非常にそういう意見が強いことはもうおっしゃるとおりでございます。しかも、これが年々上がっていく、きまったように上がっていく。どこまで上がるかというふうな不安をみんな持っておるというのが実情だろうと思います。政府といたしましては、医療保険全体、いわゆる抜本改正、これはもちろん関連を持ってまいっておるわけでございまして、これもなかなか困難な問題でございますが、いま厚生省を中心に問題と取り組んでおるわけでございます。ですから、その根本的な問題は別といたしまして、われわれ自治省の立場で考えますと、やはり国民健康保険税については、ただいま松島君が申し上げましたような標準的なものにして、そして足りないところはほかから補うという形のものにどうしてもしてもらいたい、まあ市町村のいわゆる理事者の連中が、これで非常に頭を悩ましておるわけでございます。われわれの立場としましては、そういう方向に持っていかなければいけないんじゃないか、実はかように考えておるような次第でございます。
  110. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) ただいま政務次官からお答えになったとおりでございますが、なお当面の問題といたしましては、そういう新しい制度ができますまででも、負担の重い方の問題は何とか解決をしていかなければならないわけでございます。現在、昭和四十一年度の資料で申しますと、総所得金額等が三十万から四十万程度までの方で国民健康保険税納付しておられる方が七六%をこえる状態でございまして、いわば四分の三ぐらいの方がそれ以下の所得の方であるという状況でございますので、かねてから所得の低い方の減税について、いろいろ配慮をしてきております。で、昭和四十二年度では、基礎控除額の十万円に、被保険者一人につき四万円を乗じた額以下の所得の方につきましては、世帯平等割り、あるいは被保険者均等割りを軽減をすることにいたしておりますが、昭和四十一年度で申しますと、この対象となりました納税義務者が三百六万人、全体の納税義務者のうちの二八%、約三分の一程度該当しておりまして、被保険者の数では一千五十万人に及んでおります。減税されました額は四十八億円になっております。それから四十二年度では、四十一年度と同様にいたしまして、納税義務者の数で二九%、減税されました額は五十九億円になるものと予想されております。さらに四十三年度におきましては、住民税基礎控除が一万円上がりますのと対応いたしまして、基礎控除に相当します十一万円に、さらに被保険者一人につき、四十二年度は四万円でございましたが、これを四万五千円に引き上げて、それ以下の所得の方については同様の減額の措置を講ずる、こういうような予定で、目下、厚生省とも話し合いをいたしておる次第でございます。
  111. 鈴木壽

    鈴木壽君 ちょっと松島さん、そのいまおっしゃったこと、あとでこういうふうにするんだというやつをちょっとプリントでもしていただけませんか。何か書いたものがありますか、あしたでけっこうですから。
  112. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) あとで整理をいたしまして、資料として提出いたします。
  113. 鈴木壽

    鈴木壽君 まあいずれこの問題は、これは厚生省のほうの考え方といいますか、いずれ対策というものを聞かなければいけないことですから、以上にして、次に進みたいと思います。  さっきも申し上げましたように、自動車取得税のことについては、まだ資料も出てまいりませんから、あしたやらしていただくことにしまして、最後に、料理飲食等消費税のことで、今度の法改正で、いままでの実態と一体どう違うのか、同じことじゃないかというふうな感じなんですが、もう一度、現行法ではこうで、実態はこうであったが、今度こうなることについてどうなるのかということを、もう一度ちょっと話していただけませんか。
  114. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御説明を申し上げます。  現在、地方税法の百十四条の五第二項に旅館における飲食及びその他の利用行為については、それぞれ飲食店、喫茶店その他これらに類する場所における飲食及びその他の利用行為とみなして、前条第一項の規定適用するという規定がございます。前条第一項の規定と申しますのは、飲食店や喫茶店における料理飲食等消費税につきましては、一人一回の料金が六百円以下であるものについては免税にするという規定でございます。要するに、旅館で飲んだり食べたりしたものについては、一般の喫茶店、飲食店におけると同様に、一人一回六百円以下であれば免税点適用がありますと、こういう規定があるのでございます。ただし、その旅館における飲食ということにつきましてカッコ書きでもって、いわばただし書きがついておりまして、遊興を伴う飲食宿泊に伴う飲食は除くと、こう書いてございます。そこで、従来の解釈といたしましては、泊まり客の旅館における飲食につきましては、六百円の免税点適用はないのだ。すなわち外から来られて、旅館の食堂等でものを食べられる方もかなりあるわけでございますから、そういう場合のことを規定したものであると、こういう解釈をとってきたのでございます。しかし、この解釈につきましては、宿泊に伴う飲食というものは、宿泊とそれに伴う一泊二食の料金——宿泊に伴う夕飯と朝めしだけを除くという趣旨ではないか、したがって、宿泊者といえども、夜おそくなってからジュースを飲む、あるいはコーヒーをとるというようなものは、当然この免税点規定適用があるべきではないか、こういう議論が一方においてございます。で、私どもは宿泊された方については、一泊二食につき千二百円の免税点というのが別に定められているのだから、宿泊者については一切このいわゆる六百円の免税点規定適用はない。したがって、泊まった方が、夜ジュースを飲まれようと、あるいはコーヒーを飲まれようと、それは免税点対象にはならないのだ、こういう解釈できたわけでございます。しかし、どうも法律の規定のしかたとして、はたしてそういうものが一切除かれるのかどうか、こういう点について長い間争いがございました。本来、旅館についての免税点の千二百円というのは、夜泊まるということと、泊まることに付随する晩めしと朝めしというものは、これは日本の一般的な習慣としてあるのだから、それは免税点を設けて課税しないということであって、晩めしが済んだあとに、一時間なり二時間たってジュースを飲む、あるいはコーヒーを飲むということは、外の泊まっていない方がジュースを飲んだりコーヒーを飲んだりすることと同じではないか、なぜ免税点適用にならないのか、こういうことでいろいろと問題があったわけでございます。そこで、その点を明確にいたしますために、宿泊に伴う飲食とは、一泊二食の料金に含まれる飲食を除くのだ。したがって、いま問題になりましたような、外から来て飲まれようと家の中で泊まっておる方が飲まれようと、コーヒーやジュースというものを別にとられる分については、これは免税点適用があるということをはっきりさせよう、こういう改正をいたしたわけでございます。ただ泊まっている方について、一人一回につき六百円と申しましても、泊まっている方が、夜から朝までの間に、一人一回なのか二回なのかというようなことは、これはもう区別のしようがございませんので、したがって、新たに第三項を設けて、泊まっている方については一泊ごとにその料金を合計をして、六百円以下であるかどうかということを別に判断する、こういう規定を新たに設けて、その辺の疑義をなくしよう、こういう改正でございます。
  115. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、私はいままでこう思っておったんです。現行法百十四条の五の二、「旅館における飲食及びその他の利用行為」、カッコとして云々とありますが、カッコの中に「宿泊に伴う飲食を除く。」、これは宿泊に伴う飲食というのは一泊二食ですね。これは他の免税点基礎控除に引っかかるものなんだから、あとこれが一泊二食以外の食事をとる、これはしかし、その場合には飲食店、喫茶店その他においてやられたように六百円の免税点がかかるのだ、こういうふうに思っておったのですが、そうじゃなかったというのですね、解釈は。
  116. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) まさに先生の御指摘のように、そういうふうに思われる方があったにもかかわらず、「宿泊に伴う飲食」というのは宿泊に伴う一切の飲食を除くのだという取り扱いになっておりましたことから、法律の解釈としてはおかしいのではないかという議論がございました。ただしかし、免税点の六百円を別に適用するということになるというのもまた問題がございまして、と申しますのは、夕めしなり朝めし以外の飲食は、先生のおっしゃるように六百円の免税点適用が当然あるものと考えまして、これは一人一回につき六百円でございます。ところが、泊まった人が一人一回なのか、二回なのか、三回なのか、時間をはかってだれかがきめるというわけにいきませんものですから、結局は一人一回であるか二回であるか判定がつかない。要するに、泊まっている人については別に免税点があるのだから、この法律の解釈としては、「宿泊に伴う」と書いてあるけれども、宿泊者の飲食を除くという趣旨である、こういう解釈が行なわれてきたために争いがあったわけでございます。そこで、いま先生のおっしゃったようなことを明確にいたしますために改正をいたしたものでございます。
  117. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、私が思っておった現行法の、食事以外の、二食以外のものについて、お茶を取ったり、くだものを持ってこさせたり、いろいろなことをやったやつは、それは別に、いわゆる大衆飲食のほうのあれにかかって六百円の免税が適用されると思っておった。それを今度の改正案では生かす——生かすというか、はっきりさせるためにそうしたのだ、こういうことなんですか。
  118. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) そのとおりでございます。
  119. 鈴木壽

    鈴木壽君 私は現行法の「宿泊に伴う飲食を除く。」というのは一泊二食だと思って、それ以外のやつは、どうもこれは、それこそ余分なやつで、宿泊に伴うものじゃない。したがって、なぜこういうふうにして書き改めてやったのか、どうもこれはおかしいじゃないかな、こう思って、それで、さっきの補足説明の際にもお話がありましたけれども、何かまだ納得できないようなところがありまして聞いたわけでありますけれども、私は繰り返して申し上げますように、「宿泊に伴う飲食を除く。」とある、その場合の飲食というのは、いわゆる二食に限定したものにして考えておったのですが、実態では、いやそうだとか、そうでないとか、いろいろな、何といいますか、あったわけなんですね。これはやはりあちこち混乱といいますか、どっちをとるか、いろいろあったわけですね。
  120. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 御指摘のとおりのような解釈の方もございましたし、宿泊に伴う飲食について別に免税点があるのだから、かつまた泊まっておる方が一人一回とか二回とかと申しましても、夜の何時にコーヒーを飲まれたのが一回で、また何時にジュースを飲まれたのが一回かというようなことは実際問題として判定ができませんことから、それは法律の解釈としてはもう泊まっている人のことをいっておるのではないのだ、旅館の食堂あたりに外から来て飲食をされる方が、喫茶店で、あるいは飲食店飲食すれば、晩めしをとられれば六百円の免税点があるのに、たまたまそこが旅館であったゆえに六百円の免税点適用がないのもおかしいということを防ぐために、こういう規定が設けられた、当時の趣旨はそういうことであったと思います。そういうことから、ここに言います宿泊者にかかる飲食というものは除くのだという解釈がとられてまいりました。しかし、いま先生の御指摘のような問題もございましたので、この際この点も明確にして、簡単に申しますれば、先生のおっしゃったような方向で改正をいたした、こういうことでございます。
  121. 鈴木壽

    鈴木壽君 しかしあれですね、局長。一回についてどうのこうのということは現行法からは何もありませんね。今度は一泊ごとに、「飲食及びその他の利用行為」と見なすと、こうなりましたけれども、現行法では一回にした、二回にしたということは何もないですね。
  122. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) 現行法では、その旅館におきます飲食を、「飲食店、喫茶店その他これらに類する場所における飲食及びその他の利用行為」とみなして前条第一項の規定適用するとあります。前条第一項の規定は一人一回について六百円と、こうなっておるものでございます。
  123. 鈴木壽

    鈴木壽君 わかりました。そうすると、これは外から来て旅館飲食をする場合、あるいは宿泊者でも飲食をする場合、いずれもそれは一泊ごとに一回ということになっていますが、いずれにしても、それは六百円の免税規定適用になる飲食になるのだと、こういうことですね。
  124. 松島五郎

    政府委員松島五郎君) はい。
  125. 鈴木壽

    鈴木壽君 わかりました。同じようなことをなぜ書きかえしてと思っていましたけれどもね。  私まだ、さっき申し上げましたようにありますが、資料も出ていませんし、あしたに譲らしていただきます。私の分はきょうはこれで終わりたいと思います。
  126. 津島文治

    委員長津島文治君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。  次回は明三十日午前十時三十分開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会      —————・—————