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説明員(
田代一正君) 四十年以降の
国債発行の姿につきましていかにあるべきかということにつきましては、
柴谷先生御案内かと思いますが、実は四十年の夏に
金融制度調査会を開きまして、そこで今後の
国債発行のあり方いかんということについて、約数カ月議論いたしました。そこで、その場合の中間
答申が出ておりますが、その中心的な考え方としまして、さっきおっしゃたように、
市中消化の原則、これは財政、最初から申しますと、別に
建設国債の法則というのが財政の上にございます。この二つの原則は堅持してやるべきだというたてまえになっております。で、そういうこともございまして、一部に、当時は、特に四十年の
国債発行に際しましては第四四半期にかかってくるということもございまして、とても
市中にこれだけの消化能力がないのじゃないかということもあって、ごく一部には、昔のように
日銀引き受けという形にしたほうがいいんじゃないかという考え方もあったわけでございます。しかし、そういう形にいたしますというと、かつて高橋財政のころにこういういろいろな弊害も出てくるということもあって、そういう意見が強く退けられて、
市中消化の原則というのがこういうふうにされたのでございます。そこで、いまおっしゃったように、
国債を
市中で一回消化したい、それが
オペレーションという形で
日本銀行に吸い上がってくるが、結果としては、非常に短い期間しか
市中消化せざるを得ないんじゃないかという御議論でございます。これにつきましては、一つは、それは結果でございまして、
日本銀行が
信用調節の手段を
オペレーションに求めているという形になりますというと、当然最も信頼性のある証券である
国債が
オペレーションの中心になるということは、洋の東西を問わず、真理でございます。したがいまして、そういうものが
対象になるということはやむを得ないかと思います。
それから、たった一年くらいじゃないかという御議論だと思いますが、それにいたしましても、これは一たん
市中で消化する、
市中で一回持つということになりますから、当然そこで条件の問題なり量の問題なりということは、
市中との関係において、あまりむちゃくちゃな条件、あまりむちゃくちゃな量の
国債の
発行ができないということで、そういった歯どめが客観的にできておると考えております。