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須藤五郎君 しかし、
高崎の例をあげますと、そういう
状態でした。それで私が一人で
署長に会って
いろいろ話を聞いて、ぼくが立ち会う限りそういうことは絶対にないはずなんだから、代表十人を入れなさいと言ったら、
署長も了承して十人入れましたよ。それで十人に立ち会って十人に
いろいろ話をさした。そうすると、いろいろ問題が出てくるのですね。
一つの例をあげると、おっさんが
中風で、おばさんはずいぶん年とった七十過ぎで、
まんじゅう屋をやっているところへ非常にたくさんの
税金がきた。その
年寄り夫婦はこんな
税金は払えないのだ、実際私
たちこういう
中風や
年寄りが商売をしておってどんなことができますかということで、それで私は
本人を呼んできて会わしたのですよ。そしたら、その姿を見て
署長もこれはおかしいと思ったのでしょうね。それで再
調査をそれじゃいたしますということになって、それでその問題は解決した。
それからある人は、
民商を脱会したら便宜をはかるというようなことを
税務署の人が言ったというわけですね。そしたら言わぬと言うのですね、そういうことは。それじゃそういうことを言われた人、
本人を呼びましょうと言ってその人を呼び入れた。そしたらちょうどその席に、そこに言いにきた人がいたのですね。君はこの間おれに言ったじゃないかというふうになっちゃったのですよ。それでどうもかっこうがつかないようなことになったのですがね。そういうときは私が立ち会って、そういうふうにちゃんと
お互いに静粛に話し合って
一つの成果をあげているわけです。だから、ぼくは
民商の人があなたが言うように、過去にいろいろなことがあったとおっしゃいますけれ
ども、もう今日そういうことはないのですよ。実際ないし、私
たちが立ち会っておれば、そういうことは絶対にないということはわかっておってもなかなか会わさないのですね。やっぱし行って話し合うということは私は一番よいことだと思うんですよ。大体
納税は
申告制でしょう。
申告制という以上、
申告そのものをあなた
たちも頭から一から十まで疑ってかかるのじゃなしに、信用してかかるということが
サービス機関の心がまえだと思うんですよ。それを
申告制にせっかくしておきながら
申告を頭から疑ってかかるのは、これはやっぱし
権力機関の
においが私はふんぷんとすると思うんですね。
権力というものはそんなものですよね。だからもう少し
税務署の態度を改めてもらわないと、
納税も円滑にいかない。私
たちも
国会議員として、
脱税は
反対ですよ。
脱税は
反対です。ちゃんと
納税をしてもらわなければならぬ。それでなければ国の財政というものは動きがとれないですからね。それは必要ですが、やはり
税金はふんだくるということではなくて、
話し合いによって納得させて納めさせるという
サービス観念ですね、これがやはり
税務吏員にも、
税務署側にももっともっと必要なんじゃないかということを非常に私は感ずるわけです。
一つの例をあげますと、この間実は東京の商工団体連合会の幹部を三人連れて、私と松本善明という衆議院の代議士と行ったんです。東京
国税庁へ局長に会いに行ったんです。ところが、局長は私と松本君には会うのです。私
たちが立ち会って
話し合いをしに行ったのにかかわらず、東京の民主連合会の幹部三人にはどうしても会わないのです。私
たちが幾ら話しても、がんとして局長は会おうとしないのです。国税局長これはおかしいじゃないか、わずか三人ですよ。私らをまじえてわずか五人ですよ。秘書が一人ついておりましたけれ
ども、わずか五人です。ところが、私
たちはそんなことをすったもんだ言ってもしょうがないから、国税局長の部屋へ通りました。そうすると、この国税局長がまん中で、部下が五人ほどずっと左右に並んで、それで私
たちは会うわけですね。そういうあり方というのは、どうも
サービス機関の
感じが私はしないのです。
権力機関という
感じがふんぷんとするのです。泉さんは
税務署の総大将だけあって、非常に民主的な考え方を持っていらっしゃる人だと私は理解しているのですが、しかし
地方に行ったらそうではないのです。どこへ行っても。第一東京の国税局長自体がそういう態度です。一時間二時から三時までという約束で行ったら、一時間の間どうしても三人の代表に会おうとしませんでした。これははなはだ遺憾だと思うのですが、どういうふうに泉さんは指導していらっしゃるのか、どういうふうに今後指導していこうとしていらっしゃるのか、聞いておきたいと思います。