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説明員(
細見卓君) 四十三年度予算で申し上げますと、
間接税は四〇・三の割合になっております。戦前は、御案内のように、むしろ
間接税が六五・二というふうに、
間接税のほうに重点のある
税制であったことは御案内のとおりでありますが、この
間接税と直接税との割合が幾らでなければならないということは、実はなかなかむずかしい議論でございまして、直接税について、あるいは
間接税につきましてそれぞれ個別にその
負担を
考えまして、それらの
負担が適正なものになるように
改正あるいは
改定をいたしまして、その結果が合わさったものが四〇%なり、あるいは四十数%になることがあろうと思いますが、いずれにいたしましても、まずそれを先見的と申しますか、理論的にこれだけのパーセントでなければならないというようなことは、私
どもといたしましては従来から
考えてまいっておりません。ただ、執行の難易とか、あるいは世界におきまする税
体系どれを見ましても、直接税、
間接税にほぼ三割から六割ぐらいの差はございますが、いずれの国も若干の
間接税と直接税とをまぜて
税制ができておりますのは、やはりこれは執行の問題とか、いろいろな点を
考えて、
税制としては、直接税だけでいく
税制というのも必ずしも適当でなく、また、
間接税だけでいく
税制も適当でない。その間に適当な比率をとりながら
税制というのができあがっておるものと
考えておりますが、幾らが望ましい姿だということは私
どもいま
考えたことはございません。なお、外国の制度で申し上げますと、
日本が
先ほど申し上げましたように四〇・三、したがいまして、直接税は五九・七になっておるわけでありますが、若干年度が古くなりますが、四十二年のところで比べてまいりますと、
日本は三九・九でございますが、
間接税のウエートは、それがアメリカになりますと、御案内のように、直接税
中心で、
間接税は一三・四%となっております。それから、イギリスにまいりますと四二・七と、ややわが国に近い直接税、
間接税の構成になっております。それから、西ドイツにまいりますと、この
間接税のウエートが五二・二と、
間接税のほうによりウエートがかかっております。さらにそれがフランスへまいりますと六三・五になり、イタリアにまいりますと七二・二と、どちらかといえばラテン諸国のほうが
間接税にウエートを置いた
税制になっており、アングロサクソンが直接税のウエートが多い
税制になっております。したがいまして、ガットにおきまして、
間接税は無条件に
輸出に際して還付できるということがあるわけで、そうしたものが、わが国、あるいはアメリカとかイギリスのように、直接税によりウエートを置いた
税制をとっておる国にとっては
輸出上不利ではないかというような点、これはなかなかむずかしい議論で、近くガットの場におきまして、
間接税を無条件に
輸出に際して
控除することがほんとうの
意味においてフェアな取りきめであるかどうかということについて基本的な
検討が始められることになっており、また、そういう
検討を始めることが望ましいということを
日本政府も
意見を表明しておる次第であります。