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1968-03-05 第58回国会 参議院 大蔵委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月五日(火曜日)    午前十時二十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         青柳 秀夫君     理 事                 植木 光教君                 小林  章君                 柴谷  要君                 中尾 辰義君     委 員                 青木 一男君                 伊藤 五郎君                 大竹平八郎君                 大谷 贇雄君                 西郷吉之助君                 木村禧八郎君                 田中寿美子君                 野上  元君                 野溝  勝君                 瓜生  清君                 須藤 五郎君    政府委員        大蔵政務次官   二木 謙吾君        大蔵省主計局次        長        相沢 英之君        大蔵省銀行局長  澄田  智君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君    説明員        大蔵大臣官房財        務調査官     田代 一正君        大蔵省国際金融        局次長      奥村 輝之君        国税庁次長    高柳 忠夫君     —————————————   本日の会議に付した案件経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融  通特別会計法を廃止する法律案内閣送付、予  備審査) ○日本開発銀行法の一部を改正する法律案内閣  送付予備審査) ○アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法  律の一部を改正する法律案内閣送付予備審  査) ○地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、税務署設置に関し承認を求めるの件(内  閣送付予備審査)     —————————————
  2. 青柳秀夫

    委員長青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案日本開発銀行法の一部を改正する法律案アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、税務署設置に関し承認を求めるの件を便宜一括して議題とし、提案理由説明を聴取いたします。二木政務次官
  3. 二木謙吾

    政府委員二木謙吾君) ただいま議題となりました経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案外三案につきまして、提案理由及び概要を御説明申し上げます。  最初に、経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案について申し上げます。  経済援助資金特別会計は、経済的措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定により、わが国工業助成その他本邦経済力増強に資するためにアメリカ合衆国から贈与を受けた資金約三十四億円につきまして、その運用に関する経理を明確にするため、昭和二十九年度に設けられたものであります。  また、余剰農産物資金融通特別会計は、農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定によりアメリカ合衆国から借り入れた約三百八十億円に相当する外貨借り入れ金財源として、電源開発農地開発等のために行なう資金貸し付けにつきまして、その経理を明確にするため、昭和三十年度に設けられたものであります。しかしながら、これらの協定成立後十年以上を経過した現在では、両会計は、いずれも当初の貸し付けを終了して回収金の再投資を行なっている段階であり、毎年度貸し付け原資も少なく、これらを独立会計として存続させる意義が失われていると考えられるのであります。  この法律案は、以上のような事情にかんがみ、両会計昭和四十二年度限り廃止してその権利義務産業投資特別会計に引き継ぐことにより、産業投資関係特別会計を整理統合して国の会計経理簡素化をはかろうとするものであります。  次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案による日本開発銀行法改正の内容は、日本開発銀行借り入れ及び債券発行限度自己資本の四倍から五倍に引き上げることであります。  日本開発銀行は、昭和二十六年四月に設立されて以来、長期資金融通により、わが国経済再建及び産業開発促進につとめてまいっているのでありますが、昭和四十三年度財政投融資計画においても、同行貸し出しは、二千五百十億円と予定されており、これに債務保証を加えますと、昭和四十三年度末の同行貸し付け等残高は、一兆六千五百九十一億円に達すると見込まれております。  このように、四十三年度においては、同行業務量の一そうの増加が見込まれているのでありますが、日本開発銀行貸し付け等残高につきましては、日本開発銀行法において、自己資本の額と借り入れ金等限度額との合計額をこえてはならないことと定められておりますので、現状のまま推移するとすれば、四十三年度中に、同行貸し付け等残高は、この限度額をこえることとなります。  したがいまして、この際、同行借り入れ金等限度額自己資本の四倍から五倍に引き上げ、これにより、貸し付け等業務量限度を拡大し、もって同行業務の円滑な運営をはかろうとするものであります。  次に、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  アジア開発銀行は、アジアにおける経済成長及び経済協力を助長し、この地域内の開発途上にある加盟国経済開発促進に寄与することを目的として、昭和四十一年末に発足したのであります。わが国は二億ドルの出資をもって同銀行加盟し、同銀行は、最近本格的業務を行なう体制を整えるに至っております。  またアジア開発銀行は、出資金財源として通常業務を行なうほか、各国拠出による特別基金によって特別業務を行なうことを予定しております。この特別基金の制度は、特別基金への拠出国の意向を反映した資金運用を可能ならしめることによって各国資金拠出を容易にしようという趣旨で設けられたものであります。  政府といたしましては、同特別基金への拠出を行なうため、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正することとし、その法律案成立をまって、アジア開発銀行との間で取りきめを結びたいと考えております。  次に、この法律案概要について申し上げます。  第一に、アジア開発銀行特別基金に充てるため、予算で定める金額範囲内において、政府は、同銀行に対し、本邦通貨により拠出することができることといたしておりす。  第二に、当該拠出については、本邦通貨にかえて、その全部または一部を国債で行なうことができることとし、この国債発行償還等に関する事項は、同銀行に対する通常出資に充てるため発行することができることとされている国債の場合と同様とするよう定めております。  また、昭和四十三年度における特別基金への拠出金額は、七十二億円と予定し、昭和四十三年度予算案予算総則拠出限度額を七十二億円と定め、別途御承認をお願いしている次第であります。  なお、昭和四十三年度拠出全額国債で行なうことを予定しております。  最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、税務署設置に関し承認を求めるの件について申し上げます。  最近における経済発展に伴い、都会地税務署では、管内納税者及び課税物件等が年々増加しておりますが、一部の税務署におきましては、事務量が過大となり、税務指導等納税者に対するサービス事務管理の面で支障が生じようとしております。  このような事情に対処いたしまして、札幌国税局において、札幌中税務署管轄区域を分割して、札幌市の西部地域を管轄する札幌西税務署を、また、名古屋国税局において名古屋東税務署管轄区域を分割して、千種区を管轄する千種税務署をそれぞれ設置し、納税者利便税務行政の円滑な運営をはかろうとするものであります。  以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定基づいて、国会の御承認を求める次第であります。  以上が、経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案外三案の提案理由及び概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  4. 青柳秀夫

    委員長青柳秀夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。
  5. 相沢英之

    政府委員相沢英之君) 経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  昭和二十九年に結ばれた農産物の購入に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定により、日本アメリカ合衆国から約五千万ドル相当農産物を購入したのでありますが、この購入した農産物代金の二〇%は、同じく昭和二十九年に結ばれた経済的措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定により日本国に贈与され、工業助成、その他本邦経済力増強に資する目的に充てられることとなったのであります。経済援助資金特別会計は、この贈与された円資金約三十四億円について、その運用に関する経理を明確にするために同年度に設けられたものであります。  同資金は、その設立当初におきましては防衛産業設備資金等に充てるため、これを日本開発銀行貸し付けたのでありますが、昭和三十四年度よりは、回収金及び利殖金を逐次日本航空機製造株式会社出資に振りかえてまいりました結果、最近におきましては、会計運転資金が著しく減少し、独立会計として経理する意義が失われてきているのであります。  他方、余剰農産物資金融通特別会計昭和三十年及び昭和三十一年の二回にわたって結ばれた農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定により借り入れた約三百八十億円に相当する外貨借り入れ金をもって、電源開発農地開発、その他本邦経済発展促進するための貸し付けに充てることとし、その貸し付けに関する経理を明らかにするために昭和三十年度に設けられたものでありますが、本会計も当初の貸し付けを終わって、昭和三十五年度以降回収金の再貸し付けを行なっている段階にありまして、貸し付けに充てる資金量も最近においては約二十億円程度にすぎず、貸し付け対象も最近ではほとんど電源開発株式会社及び愛知用水公団に限られております。  両会計とも以上のような状況でありますので、この際、両会計を廃止して、その権利義務産業投資特別会計に引き継ぐことにより、産業投資関係特別会計を整理統合して国の会計経理簡素化をはかろうとするものであります。  以上、この法律案提案理由を補足して御説明申し上げた次第であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
  6. 田代一正

    説明員田代一正君) ただいま議題となりました日本開発銀行法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  今回の改正は、日本開発銀行借り入れ及び外貨債券発行限度自己資本の四倍から五倍に引き上げることであります。日本開発銀行は、昭和二十六年四月に設立されて以来、長期資金融通により、わが国経済再建及び産業開発促進につとめてまいっているのでありますが、昭和四十三年度財政投融資計画においても、同行貸し出しは二千五百十億円と予定されております。  このように、日本開発銀行につきましては、業務量の一そうの増加が見込まれているところでありますが、貸し出し等同行業務量は、自己資本の額と借り入れ金等限度額との合計額をこえてはならないことときめられておりますので、現行法のままで推移するとすれば、四十三年度中に同行貸し付け等残高はこの限度額をこえることとなります。したがいまして、この際、この限度改正することが必要となるのであります。  この点に関しまして具体的に御説明いたしますと、日本開発銀行昭和四十三年度における新規貸し付け予定額は、四十三年度計画額二千五百十億円に、四十二年度からの繰り延べ分百五十七億円を加えた二千六百六十七億円となるのに対しまして、回収額は千九十九億円、したがいまして、貸し付け純増額は千五百六十八億円と見込まれ、また、新規債務保証予定額は五百八十六億円に対しまして、保証関係消滅額は百七十億円、したがいまして、保証純増額は四百十六億円と予想されるのであります。すなわち、四十三年度における日本開発銀行業務量純増は、貸し付け及び債務保証合計で千九百八十三億円と相なります。これを四十二年度末における同行貸し付けにかかる貸し付け残高見込みは一兆二千八百七十五億円、債務保証残高見込みは千七百三十四億円、合計一兆四千六百八億円に加えました昭和四十三年度末における同行貸し付け及び債務保証残高は一兆六千五百九十一億円と見込まれるのであります。これから貸し付け等限度規制対象外とされております復興金融金庫及び米国対日援助見返資金特別会計からの承継債権残高を除きますと、その残高は一兆六千二百二十二億円と相なります。これに対しまして、現行法規定による日本開発銀行貸し付け等最高限度額は、自己資本金額三千百四十億円及び自己資本の四倍に相当する借り入れ限度額一兆二千五百五十八億円の合計額、つまり一兆五千六百九十八億円でありまして、昭和四十三年度におきましては五百二十五億円の業務量超過を来たすことに相なります。したがいまして、この際、同行借り入れ金等限度自己資本の四倍から五倍に引き上げ、これによりまして業務量限度の拡大を行ない、同行業務の円滑な運営をはかろうとするものであります。  以上をもちまして補足説明といたします。
  7. 奥村輝之

    説明員奥村輝之君) アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、さきに政務次官より提案理由の御説明を申し上げましたが、若干補足して御説明いたしたいと思います。  アジア開発銀行昭和四十一年の末に発足し、その後昨年十二月にスイスが加盟したことにより、現在エカフェ域内国十九カ国と域外先進国十三カ国が参加しており、授権資本十一億ドルのうち、九億七千万ドルの応募を得ておりますが、同銀行としては最近ようやく活動の基礎が固まり、本年一月タイに対し第一号融資を決定いたしました。アジア開発銀行業務は、このような出資等通常資本財源によってまかなわれる通常業務中心となるのでありますが、このほかに、同銀行各国拠出による特別基金でまかなわれる特別業務を行なうことを予定していることは政務次官から申し上げたとおりであります。  一方、一昨年十二月東京で開催されました東南アジア農業開発会議において、東南アジア地域農業開発事業に対し融資を行なうための基金設置することの必要性が認められ、このような基金アジア開発銀行特別基金として設置することが要請され、以来、アジア開発銀行としては、かかる構想の実現のため積極的に検討を進めてまいりました。政府といたしましては、そのような基金設置必要性、とりわけ、農業開発のための特別基金必要性を認めるとともに、わが国アジア開発銀行に対する基本的姿勢及び前記会議参加国中唯一の先進国であるという立場からも、このような要請にこたえるのが妥当であると考えまして、昨年九月、アジア開発銀行特別基金拠出する方針を固めた次第であります。したがいまして、この法律案成立を待って、昭和四十三年度において農業開発のための特別基金に七十二億円を拠出いたしたい考えであります。  この法律案概要につきましては政務次官から申し上げたとおりでありまして、特別基金への拠出は毎年予算で御承認をいただいた金額範囲内で本邦通貨または代用国債によって行なうことといたしております。昭和四十三年度全額代用国債拠出する予定でありますので、予算総則拠出限度を七十二億円と定め、別途御承認をお願いしている次第であります。  以上がこの法律案の背景及び概要説明であります。わが国としては、アジア、特に東南アジア経済開発促進に協力してきたところであり、その一環としてアジア開発銀行特別基金拠出することは有益であると思われ、また、そのことが、ひいては他の先進国の同基金への参加促進し、もってこの地域開発途上にある国々に対する援助量の増大を期待することができると考えられますので、このような事情を御高察の上、御賛成をくださいますようにお願いを申し上げます。
  8. 高柳忠夫

    説明員高柳忠夫君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、税務署設置に関し承認を求めるの件の提案理由説明について補足説明を申し上げます。  最初に、札幌国税局管内札幌西税務署について申し上げます。  現在札幌中税務署札幌市の中心部及び西部地域を管轄しております。札幌市は北海道の政治、経済、文化の中心地として、その発展はまことに目ざましいものがあります。それに伴いまして、札幌中税務署管内納税者数徴収決定税額等増加が著しく、税務署事務量の限界に達しようとしております。一方、職員数も二百七十二人となっており、また、管轄区域は市街地と住宅地という異なる性格の地域をかかえておりますので、事務処理上のロスや納税者に対するサービス面での不便も生じております。そこで、納税者に対する便宜をはかり、あわせて事務処理の適正を期するため、札幌中税務署を分割して、札幌市の西部地域を管轄する札幌西税務署設置しようとするものであります。  次に、名古屋国税局管内千種税務署設置について申し上げます。  現在、名古屋東税務署名古屋市の東区と千種区を管轄しております。管内のうち、東区は名古屋市の中心部に位し、古くから発展しております。一方、千種区は市の東辺にあるため、従来から開発がおくれておりましたが、近時地下鉄が延長されたこと及び名古屋市の都市計画による住宅学園等の移転が進められたこと等により急速に発展し、今後も相当発展が予想されております。これに伴いまして、名古屋東税務署管内納税者数徴収決定税額等増加も著しく、また、その職員数も二百十五人となっており、事務管理上少なからず支障を来たしております。そこで、納税者に対する便宜をはかり、あわせて事務処理の適正を期するため、名古屋東税務署を分割して、千種区を管轄する千種税務署設置しようとするものであります。  以上申し上げましたように、今回の税務署設置事務処理体制の確立をはかり、納税者利便税務行政の円滑な運営をはかろうとするものであります。  簡単でありますが、これをもちまして補足説明を終わります。
  9. 柴谷要

    柴谷要君 ちょっと資料の要求をお願いしたいと思います。経済援助資金特別会計法及び余剰農産物資金融通特別会計法を廃止する法律案が出されてきておりますが、この法律を廃止するにあたって、設立以来どのような収支出が行なわれておるか、これをひとつ資料として提出してもらいたいと思います。これはできるでしょうね。特別会計収支出ですね、これをきょうの段階まで克明にひとつ資料として出してもらいたい。委員長、これを要求いたしておきます。
  10. 二木謙吾

    政府委員二木謙吾君) 早急に調べまして提出いたします。
  11. 青柳秀夫

    委員長青柳秀夫君) ただいま提案理由説明を聴取いたしました四案件に対する質疑は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十分散会      ——————————